JPH0343785Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本願考案は配電線、通信線等の電柱における高
所作業において工具、器材などが落下した時にそ
れらを受け止める為に使用する安全ネツトに関す
るものである。

（従来の技術および問題点） 従来からこの種の装置は開発されていたが、電
柱への装着方法が複雑であるので、その取付けに
多くの時間を費していた。又ネツト支持棒の各先
端部をロープなどの吊り具で電柱上方より吊り下
げたものもあつた。しかしそれらは吊り具の電柱
取付部がネツト面より２ｍ程度上位置となり、作
業はその吊り具取付位置よりも上方で行われる
為、落下距離が長くなり、放物線を描いた落下物
がネツト外を通過して捕捉し得なかつたり、大型
の工具がネツトを突き破るようなことも見受けら
れた。

（問題点を解決するための手段） よつて本願考案では前記したような問題を解決
すべく、電柱への取付部とネツト支持部とを分離
し、先ず取付部のみを持つて昇柱し、ベルトによ
つて取付けた後、ネツト支持部を吊り上げ両者を
嵌合するものである。このベルトによる取付け
は、従来行われていたチエーンによる取付けに比
して軽量である為扱い易く、電柱への取付け、取
外しが行い易いものである。

又ネツト支持棒の吊り上げ保持は、電柱取付部
の下部位置に支持棒を所定角度上向きに支持し、
上部位置に吊り上げ用のロープを支持して、支持
棒所定部間をつなぐ為、支持棒の上方への開き角
度内で吊りロープの配置ができ、本願ネツトの即
上部での作業を可能とするものである。

（実施例） 本願考案の実施例を示すと、断面コ字形で、両
側辺にバンド取付部１を設け、中間辺には嵌着部
２を設けて電柱当接板３を形成する。嵌着部２は
中間辺上端を凹状に切欠したピン受部２１とナツ
ト固着によるボルト受部２２より成る。バンド取
付部１には細幅織のナイロンベルトよりなり、一
端に引通し式バツクルを有する取付用バンド４を
挿通し、電柱に巻回取付用とするものである。支
持棒取付台５は前記電柱当接板３と同様断面コ字
形であり、その中間辺コ字内側には嵌着部２に対
応すべく係止部６を有するものである。係止部６
はピン受部２１への対応として係止ピン６１と、
ボルト受部２２への対応としての係着ボルト６２
より成るものである。コ字内側に係止部６を有す
る支持棒取付台５外側には上下端部に支持台６３
を固着し、上部の支持台６３には支持ロープ支持
点６４を設け、下部の支持台６３には支持棒７を
水平方向回動自在に取付ける。支持棒７及び支持
ロープ８は本実施例においては各４本としたが、
これは運搬時又取付時の重量の考慮及びネツト面
積との兼ね合いからであり本数が多ければ多い程
その外縁線は円周に近くなり、その捕捉面積を広
くするものであるが、重量が増加し、取扱いに問
題が生じるものである。支持棒７の先端近辺には
支持ロープ係止環７１を設け、支持ロープ支持点
６４との間には支持ロープ８を張設する。支持ロ
ープ８は被覆したケブラー（登録商標）ロープを
用い、支持棒７にはFRP製丸棒を用いるもので
ある。４本の支持棒７によつて形成される３面の
扇状空間にはネツト９を展張するものであるが、
先ず扇形状両側の支持体７基部より、その先端の
環、中間２本の支持棒７先端の環に周囲ロープ９
１を巡らす。３面には各々三角状のネツト９を配
し、両側及び支持棒７先端間の縁は周囲ロープ９
１と所定各位置を接続し、中間２本の支持棒７部
は、三角状のネツト９どうしを適宜連結する。よ
つて周囲ロープ９１により支持された略扇状のネ
ツト９となるものである。

以上の構成のネツト支持体１０と電柱当接部１
１とで分離構成される本願考案であるが、その取
付けにあたつては先ず電柱当接板３の側部に設け
たバンド取付部１に取付用バンド４を挿通し、電
柱所定位置に縫着固定する。この作業の際、両側
のバンド取付部１近辺に設けた吊り環２３にゴム
状の吊り紐２４を接続しておき、該吊り紐２４を
電柱上部のステツプボルトにかけておけば、取付
用バンド４を電柱へ巻回する際の柱上作業が両手
を使つた安定した状態で行えるものである。電柱
当接板３を電柱へ取付けた後、ネツト支持体１０
部を吊り上げ、その係止部６を当接板３の嵌着部
２へ嵌着係止するものである。

ネツト支持体１０を吊り上げた状態で、係止部
６の係止ピン６１及び係着ボルト６２を嵌着部２
のピン受部２１及びボルト受部２２へ嵌め、係着
ボルト６２を螺着して両者の嵌合を行うものであ
る。支持棒７は扇状に両方向に開き両側支持棒７
間にゴム製の固定バンド１２を電柱の裏面側を通
して張り、扇状を保持するものである。以上で設
置のなつた本願考案ネツトは、その電柱上部での
作業中のボルト、ナツト、線材屑等はもちろん、
誤つて工具類等を落とした際にも完全に捕捉し、
地上を通行中の人、車等に危害を与えないもので
ある。

（考案の効果） 以上のように本願考案を用いることにより、電
柱への取付部とネツト部が分離されているので、
その取付時の作業が行い易い他、その取付時間も
短縮されるものであり、安全作業にもつながるも
のである。又支持棒にFRPを用い支持ロープに
ケブラー（登録商標）ロープを用いることにつて
軽量であり、しかも耐久性を増すものである。又
支持ロープはネットの電柱上方へ向けて拡開した
支持棒先端面内で支持する為、従来のように電柱
上部より吊り上げた吊りロープの取付位置とネツ
ト面とが距離を隔てることもなく、作業はネツト
取付位置上で可能である為、その落下距離も短く
なり、ネツト外へ落下すること、又ネツトを突き
破つて落下することも少くなるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の受止めネツトを電柱に取付けた
ところの平面図、第２図はその正面図、第３図は
電柱当接板と支持棒取付台とを嵌着したところの
正面図、第４図はその平面図、第５図は電柱当接
板と支持棒取付台の斜視図。 図中の符号、１……バンド取付部、２……嵌着
部、３……電柱当接板、４……取付用バンド、５
……支持棒取付台、６……係止部、７……支持
棒、８……支持ロープ、９……ネツト、１０……
ネツト支持体、１１……電柱当接部、１２……固
定バンド、２１……ピン受部、２２……ボルト受
部、２３……吊り環、２４……吊り紐、６１……
係止ピン、６２……ボルト、６３……支持台、６
４……支持ロープ支持点、７１……支持ロープ係
止環、９１……周囲ロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側に電柱取付用バンド４を支持し、支持棒取
   付台５との嵌着部２を正面に設けた電柱当接板３
   と、嵌着部２に対応する係止部６を裏面に有した
   支持棒取付台５の表面下位置には水平方向回動自
   在に４本の所定長の支持棒７を設け、上位置には
   ４個の支持ロープ支持点６４を設けて、支持棒７
   の所定位置間に支持ロープ８を配してネツト支持
   体１０を設け、４本の支持棒７間３個所に略扇状
   を形成する様に三角形状のネツト９を張設し、電
   柱当接板３と支持棒取付台５を結合分離自在に構
   成したことを特徴とする電柱用落下物受止めネツ
   ト。