JPH0340800Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は少なくとも自動車のエンジンオイルあ
るいはトルクコンバータオイルの抜き取りを行な
うオイル交換装置に関する。

〔従来技術〕

従来のオイル交換装置の一例を第１図に示し、
１はエンジンやトルクコンバータのオイルゲージ
穴に挿入するノズル、２は電動機３により駆動さ
れるポンプ、４はノズル１より吸い込んだ流体が
オイルかあるいは空気かを検出するオイル検出手
段、１０はノズル１より吸い込んだオイルの流量
を計測する流量計、１１はノズル１より吸い込ん
だオイルを溜める廃油タンク、１２は電磁弁であ
る。

前記オイル検出手段４はチヤンバー５の上面に
フロートスイツチ６を吊り下げ支持すると共に、
チヤンバー５の底面に管路を介してポンプ２の吐
出側を、側面に管路を介して流量計１０をそれぞ
れ連通している。また、フロートスイツチ６はチ
ヤンバー５の上面より吊り下げたステム７と、そ
のステム７に沿つて上下動するフロート８と、そ
のフロート８内に埋め込まれたマグネツトと、そ
のマグネツトに応動するリードスイツチ９から成
り、チヤンバー５にオイルが流入して液面が上昇
するとフロート８の上昇によりリードスイツチ９
が応動してオイルの流入を検出し、オイルの抜き
取りが終了して液面が下降するとフロート８の下
降によりリードスイツチ９の応動状態が解けて空
気の流入を検出している。

続いて、従来のオイル交換装置の動作を説明す
る。

オイルを抜き取る動作は電磁弁１２を開弁して
ポンプ２を駆動することによりノズル１よりオイ
ルを吸い込み、チヤンバー５及び流量計１０を介
して廃油タンク１１に導かれる。ここで、チヤン
バー５にオイルが流入して液面の上昇によりフロ
ートスイツチ６がオイルの流入を検出すると、流
量計１０は単位流量通過毎にパルス信号を出力
し、オイルの抜き取り流量を計数している。一
方、オイルの抜き取りが終了し、チヤンバー５に
流入するオイルの液面の低下により空気の流入を
検出すると、流量計１０からのパルス信号の出力
を停止してポンプ２の運転を停止していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、抜き取り対象となるオイルタンクの
残量が減少するとノズル１より多量の空気を吸い
込む為、空気を混入したオイルがチヤンバー５に
流入するとチヤンバー５の上方に気泡が徐々に溜
まり、その気泡によつてオイルの液面を低下させ
てオイル検出手段４が空気の流入を検出し、オイ
ル抜き取り中にもかかわらずポンプ２を停止して
完全にオイルタンクの廃油を抜き取ることができ
なかつた。

本考案はこのような問題点に対処して成され、
チヤンバーへ流入するオイルに空気が混入して発
生するフロートスイツチの誤作動を防止し、オイ
ルの抜き取り動作を確実なものとする。

〔問題点を解決する為の手段〕

このような問題点を解決する為に本考案は、車
両のエンジンもしくはトルクコンバータのオイル
ゲージ穴に挿入するノズルと、該ノズルよりオイ
ルを吸い込むポンプと、該ポンプにより抜き取つ
たオイルを溜める廃油タンクとを備えたオイル交
換装置において、前記ポンプと廃油タンクを連通
する管路にポンプより吸い込んだ流体がオイルで
あるかあるいは空気であるかを検出するオイル検
出手段を介在し、該オイル検出手段はチヤンバー
の側面に穿設したタンク連通口に前記管路を、前
記連通口より下方のチヤンバー側面あるいは底面
に穿設したポンプ連通口に前記ポンプの吐出側を
それぞれ接続すると共に、前記チヤンバーの上面
にチヤンバーに流入したオイルの液面の上昇によ
り応動するフロートスイツチを吊り下げ支持し、
更に、前記タンク連通口より上方のチヤンバー側
面あるいは上面に穿設した空気抜き口と前記管路
の途中の間に空気抜き管を接続しているものであ
る。

〔実施例〕

以下、図面を基に本考案の実施例を説明する。

第２図に実施例の外観図を示し、１３はオイル
交換装置本体で、本体１３より延出した管路１４
の先端に細長いノズル１５を備え、そのノズル１
５は本体１の側部に取り付けたノズルホルダー１
６に収納できるようにしている。１７は廃油タン
ク、１８は新油タンクで、いずれも本体１３より
取り出し自在に形成している。

第３図に実施例の配管系統図を示し、１９は電
動機２０によつて駆動されるポンプで、吸入側は
管路１４を介してノズル１５と連通すると共に、
吐出側はオイル検出手段２１及び流量計２３を介
して廃油タンク１７及び新油タンク１８と連通し
ている。２２はノズル１５より抜き取られたオイ
ルを一旦溜める貯油タンク、２３はポンプ１９よ
り吸排されるオイルの流量を計測する流量計、２
４，２５，２６，２７，２８はそれぞれ電磁弁、
２９，３０，３１は貯油タンク２２、廃油タンク
１７及び新油タンク１８にそれぞれ設けたフロー
トスイツチである。

続いて、第４図及び第５図にオイル検出手段２
１の平面図及び断面図を示し、オイル検出手段２
１は六角筒状のチヤンバー３２の上面にフロート
スイツチ３３を吊り下げ支持し、フロートスイツ
チ３３はチヤンバー３２の上面より吊り下げたス
テム３４と、そのステム３４に沿つて上下動する
フロート３５と、そのフロート３５内に埋め込ま
れたマグネツトと、前記ステム３４に内蔵され前
記マグネツトに応動するリードスイツチ３６から
成り、チヤンバー３２にオイルが流入して液面が
上昇するとフロート３５の上昇によりリードスイ
ツチ３６が応動してオイルの流入を検出し、オイ
ルの流入が終了して液面が下降するとフロート３
５の下降によりリードスイツチ３６の応動状態が
解けて空気の流入を検出している。前記チヤンバ
ー３２は底面にポンプ連通口３７を、側面上部に
空気抜き口３９を、その空気抜き口３９より下方
の側面に貯油タンク連通口４０を、その貯油タン
ク連通口４０より更に下方の側面に新廃油タンク
連通口４１をそれぞれ穿設し、前記ポンプ連通口
３７は連結体３８を介してポンプ１９に、空気抜
き口３９は空気抜き管４２を介して新廃油タンク
連通口４１と流量計２３を結ぶ管路４３に、貯油
タンク連通口４０は管路４４及び電磁弁２５を介
して貯油タンク２２にそれぞれ連通している。特
に、新廃油タンク連通口４１はチヤンバー３２に
流入したオイルがフロート３５を上昇してリード
スイツチ３６の応動状態を維持する位置に穿設し
ている。

次に、本考案の動作について説明する。

オイルの抜き取り動作は電磁弁２４及び２５を
開弁、電磁弁２６を閉弁してポンプ１９を駆動す
ることにより、オイルはノズル１５、電磁弁２
４、ポンプ１９、オイル検出手段２１、管路４４
及び電磁弁２５を介して一旦貯油槽２２へ導かれ
る。

オイルタンクのオイル残量が減少して空気を混
入したオイルがチヤンバー３２に流入すると、チ
ヤンバー３２の上部に溜つた気泡はチヤンバー３
２と管路４３の圧力差により空気抜き管路３９を
介して管路４３に排出され、チヤンバー３２に流
入したオイルの液面を気泡により低下させてフロ
ートスイツチ３３を誤動作させることがない。

オイルの抜き取りが終了してチヤンバー３２に
流入する流体がオイルから空気に変わり液面の低
下によりフロートスイツチ３３のオイル検出状態
が空気検出状態に転じると、ポンプの駆動を停止
してオイルの抜き取り動作を終了している。

次に、オイルの転送及び計量動作は電磁弁２
６，２７を開弁、電磁弁２４，２５を閉弁してポ
ンプ１９を駆動することにより、貯油タンク２２
に溜つたオイルは電磁弁２６、ポンプ１９、オイ
ル検出手段２１、管路４３、流量計２３及び電磁
弁２７を介して廃油タンク１７へ導かれる。この
際、オイル検出手段２１でオイルの流入を検出す
ると、流量計２３から出力するパルス信号をカウ
ントしている。

貯油タンク２２のオイル残量が減少して空気を
混入したオイルがチヤンバー３２に流入すると、
チヤンバー３２の上部に溜つた気泡はチヤンバー
３２と管路４３の圧力差により空気抜き管路３９
を介して管路４３に排出され、チヤンバー３２に
流入したオイルの液面を気泡により低下させてフ
ロートスイツチ３３を誤動作させることがない。

オイルの転送が終了してチヤンバー３２に流入
する流体がオイルから空気に変わり波面の低下に
よりフロートスイツチ３３のオイル検出状態が空
気検出状態に転じると、ポンプ１９の駆動を停止
すると共に流量計２３から出力するパルス信号の
カウントを停止してオイル抜き取り量の計量を終
了している。

〔考案の効果〕

以上のように本考案は構成され、車両のエンジ
ンもしくはトルクコンバータのオイルゲージ穴に
挿入するノズルと、該ノズルよりオイルを吸い込
むポンプと、該ポンプにより抜き取つたオイルを
溜める廃油タンクとを備えたオイル交換装置にお
いて、前記ポンプと廃油タンクを連通する管路に
ポンプより吸い込んだ流体がオイルであるかある
いは空気であるかを検出するオイル検出手段を介
在し、該オイル検出手段はチヤンバーの側面に穿
設したタンク連通口に前記管路を、前記連通口よ
り下方のチヤンバー側面あるいは底面に穿設した
ポンプ連通口に前記ポンプの吐出側をそれぞれ接
続すると共に、前記チヤンバーの上面にチヤンバ
ーに流入したオイルの液面の上昇により応動する
フロートスイツチを吊り下げ支持し、更に前記タ
ンク連通口より上方のチヤンバー側面あるいは上
面に穿設した空気抜き口と前記管路の途中の間に
空気抜き管を接続していることにより、オイルの
抜き取り中に空気を混入したオイルがチヤンバー
に流入してもチヤンバーの上方に溜つた気泡は空
気抜き管を介してチヤンバーより排出することが
できるので、フロートスイツチはオイル流入ある
いは空気流入を的確に判断し、誤作動を招くこと
はない。また、オイル検出手段がオイル流入ある
いは空気流入を正確に検出することにより、ポン
プの停止タイミング及びオイルの計量開始及び終
了を正確に与えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のオイル交換装置の配管系統図、
第２図は本考案実施例のオイル交換装置の外観
図、第３図は同装置の配管系統図、第４図は同装
置におけるオイル検出手段２１の周辺の平面図、
第５図は第４図におけるＡ−Ｏ−Ｂ切断断面図。 １５はノズル、１７は廃油タンク、１９はポン
プ、２１はオイル検出手段、３２はチヤンバー、
３３はフロートスイツチ、３７はポンプ連通口、
３９は空気抜き口、４１はタンク連通口、４２は
空気抜き管、４３は管路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両のエンジンもしくはトルクコンバータのオ
   イルゲージ穴に挿入するノズルと、該ノズルより
   オイルを吸い込むポンプと、該ポンプにより抜き
   取つたオイルを溜める廃油タンクとを備えたオイ
   ル交換装置において、前記ポンプと廃油タンクを
   連通する管路にポンプより吸い込んだ流体がオイ
   ルであるかあるいは空気であるかを検出するオイ
   ル検出手段を介在し、該オイル検出手段はチヤン
   バーの側面に穿設したタンク連通口に前記管路
   を、前記連通口より下方のチヤンバー側面あるい
   は底面に穿設したポンプ連通口に前記ポンプの吐
   出側をそれぞれ接続すると共に、前記チヤンバー
   の上面にチヤンバーに流入したオイルの液面の上
   昇により応動するフロートスイツチを吊り下げ支
   持し、更に、前記タンク連通口より上方のチヤン
   バー側面あるいは上面に穿設した空気抜き口と前
   記管路の途中の間に空気抜き管を接続しているこ
   とを特徴とするオイル交換装置。