JPH0338654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

産業上の利用分野 本案は特に上水道に於る流量の記録に使用する
に適した流量記録装置に関するものである。 従来の技術 液体の流量の測定には、回転子を使用するも
の、羽根車を使用するもの、ベンチユリ管を使用
するもの、オリフイスを使用するもの、等々が公
知であるが、上水道の流量測定には磁石を内蔵し
た羽根車により誘導電流を発生させ、それを数値
に置き換えて流速から流量を算出する形式のもの
が行なわれている。これらいずれの場合にも流量
測定は、そのため特別に用意された装置を使用
し、例えば水道管の中にそれら装置を内装して計
測を行なう必要があり、装置が高価であるととも
に、設置作業が煩わしいという欠点がある。 考案が解決しようとする問題点 従来の流量測定に於ては、常に流速を基礎とし
て流量を求める方式を採用していたので測定結果
にかなり大きな誤差が生じることは避けられない
条件となつていた。また、そのような前提により
測定を行なうためには、測定を行なうための水道
管の内径が問題となり、測定を行なう個所に使用
されている水道管の内径ごとに装置を変更した
り、装置のセツテイングを換えたりする必要があ
り、流量測定を行なうこと自体が極めて煩雑な作
業となつていた。 また、そのように手数をかけて測定した結果
は、アナログ又はデジタルの表示計に表示され、
あるいは帯状のシートにグラフ化されており、記
録された流量の測定結果を迅速に読み取りその後
の作業のためのデータとして利用することが困難
である場合が多かつた。 本案に於ては、従来から広い範囲で使用されて
いる減圧弁に簡単な構造を付加し、それに水圧測

【表】

【表】 （第４図グラフ参照）。 従つて、これらの数値を記録紙の上に明確に描
き出し得るように本案装置を作成し、それにあわ
せて記録紙に読み取り用の同心円を適宜印刷して
おけば、記録から直接流量を読み取ることが可能
となる。 作 用 本案により記録紙の上に記録した流量は、一般
的な自記録装置により可能なように、24時間、48
時間、72時間にわたる流量の変化を直接的に示す
ものであるので、漏水個所の検出、季節的な水道
使用量の変化の検出等々を極めて簡単に行なうこ
とができ、また本案装置にマイクロスイツチを付
加することにより、予定から大幅にかけ離れた流
量の増大に対して警報を出し得るようにすること
も可能である。 実施例 第１図乃至第３図に従つて、本案装置の基本的
実施例を説明すると、１は略Ｔ字状の回動片で、
その長脚１ａと短脚１ｂの交差位置を支持体２の
枢軸３により回動自在に軸支されている。短脚１
ｂの一端には自動圧力調整弁ＢのスピンドルＳに
当接する回転輪４が短脚１ｂに対して回動自在に
枢着されている。短脚１ｂの他端は適宜延長さ
れ、その先端が極度に下降した場合、基盤Ｐに固
定したマイクロスイツチＭを押圧するようにセツ
トされている。長脚１ａの先端には、自記録装置
Ｒにより一定速度で回転せしめられる円盤状の記
録紙Ｄに書き込みを行なうための記録ペン５が一
定範囲で突出後退できるように固定されている。
その固定の詳細は第２図第３図に示す通りで、長
脚１ａに固定された支持筒６に記録ペン５が挿入
されており、記録ペン５の先端のキヤツプ７と支
持筒６の間にスプリング８が張設されており、支
持筒６の反対側に於て記録ペン５に制止リング９
が固定されて、記録ペン５の脱出が阻止されてい
る。スプリング８により、記録ペン５は常に長脚
１ａから突出する傾向を与えられているととも
に、その突出量は制止リング９により制限され
る。１０は枢軸３を中心に支持体２と回動片１の
間に懸装されたバネで、回動片１に第１図に於て
反時計式方向への附勢が行なわれるように装置さ
れている。このバネ１０により、短脚１ｂの回転
輪４が常にスピンドルＳの上端に当接する状態が
維持される。 このように設置した本案装置によると、バネ１
０の作用下にスピンドルＳに当接している回転輪
４が、自動圧力調整弁Ｂの開放とともに上昇する
スピンドルＳに押し上げられて回動片１は枢軸３
を中心に第１図に於て時計式方向へ回動し、長脚
１ａに固定された記録ペン５が回転する記録紙Ｄ
にグラフｇを描くことになる。このように描かれ
たグラフｇは第５図に示す如きものとなる。 流量が減り自動圧力調整弁Ｂが閉じるとスピン
ドルＳが下降し、回動片１はバネ１０の作用によ
り回動し、その状態も記録紙Ｄの上に前述と同様
に記録される。 第５図の記録紙Ｄは24時間の記録を示すもので
あるが、ここに印刷された同心円ｃが前述した弁
の開放量と流量に対応して正しく印刷されていれ
ば、グラフｇから直接正確な各時間毎の流量を読
み取ることができる。 これまでの説明は、自動圧力調整弁Ｂの一次側
８Kg／cm²・二次側４Kg／cm²が平常の状態として行
なわれ、且つ最大流量毎分1800リツトルとされて
いるが、例えば一定の流量を超える場合に事故等
の発生の可能性があるとすると、その一定流量を
超えた所でマイクロスイツチＭが端脚１ｂの端部
で押圧されスイツチＭが「ON」となるように各
部品の配置を調整すれば、本案装置が設定されて
いる場所で異常な流量が現在流出していることを
遠隔の場所で確認することもできえる。 効 果 本案によると、描かれたグラフｇから直接に過
去一定時間の流量を読み取ることができるととも
に、定期的に記録紙Ｄを交換することによりかな
り長時間の連続流量計測記録が可能であり、上水
道の適切が水供給量の決定・漏水個所の発見等々
に利用でき、構造は簡単であるが作動は確実な効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の正面図、第２図は同側面
図、第３図は第２図の部分的断面図、第４図は弁
の開放度と流量の関係の一例を示すグラフ、第５
図は本案装置によつて描かれた記録紙の正面図で
ある。 １……回動片、１ａ……長脚、１ｂ……端脚、
２……支持体、３……枢軸、４……回転輪、５…
…記録ペン、６……支持筒、７……キヤツプ、８
……スプリング、９……制止リング、１０……バ
ネ、Ｒ……自記録水圧計、Ｄ……記録紙、Ｓ……
スピンドル、Ｂ……自動圧力調整弁、Ｐ……基
盤、Ｍ……マイクロスイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 流量の変化によつて昇降するスピンドルＳを有
   する自動圧力調整弁Ｂに固定された基盤Ｐと、 スピンドルＳの昇降方向に略直角な面に当接す
   る回転輪４が、短脚１ｂの一端に枢着された略Ｔ
   字状の回動片１と、 回動片１の長脚１ａに固定した支持筒６に挿入
   され、先端にキヤツプ７が嵌装されると共に、キ
   ヤツプ７と支持筒６の間にスプリング８が張設さ
   れ、支持筒６のキヤツプ７の反対側に制止リング
   ９が固定された記録ペン５と、 基盤Ｐに突設され、枢軸３により回動片１を枢
   支する支持体２と、 回転輪４が、常にスピンドルＳに当接するよう
   に、回動片１と支持体２の間に張設されたバネ１
   ０と、 からなる流量記録装置。