JPH0335928B2 - - Google Patents

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JPH0335928B2
JPH0335928B2 JP62205870A JP20587087A JPH0335928B2 JP H0335928 B2 JPH0335928 B2 JP H0335928B2 JP 62205870 A JP62205870 A JP 62205870A JP 20587087 A JP20587087 A JP 20587087A JP H0335928 B2 JPH0335928 B2 JP H0335928B2
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heart
excitation
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myocardium
infarction
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Toshimitsu Musha
Kenichi Harumi
Yoshio Okamoto
Masanori Aoki
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Gakushu Kenkyusha KK
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Gakushu Kenkyusha KK
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Description

【発明の詳现な説明】 〔産業䞊の利甚分野〕 本発明は人䜓内の心臓の動電気珟象をシミナレ
ヌトする装眮であり、心臓の各郚の幟䜕孊的圢
状、電気的掻性、䞍掻性状態ず心電図、䜓衚面電
䜍分垃図等の関係をシミナレヌトしお心臓病の詳
现な蚺断および心電珟象孊習に甚いられる装眮に
関する。
〔埓来の技術〕
珟圚、ガン、心臓病、脳卒䞭は倧成人病ず呌
ばれ、老化による宿呜的な疟患である。これらの
疟患に察する様々な研究が行なわれおいるが、そ
の発生機構の解明ず早期発芋が重芁課題である。
心臓病ず脳疟患は生䜓の電気珟象ず密接に関係
しおいるので、これらの電気珟象を蚈枬し、埗ら
れた情報を凊理するためには生䜓医甚電子工孊の
技術が䞍可欠である。特に、心臓病はガンに次い
で死亡率の高い成人病ずなり、食生掻の欧米化ず
共に今埌たすたす増加するず考えられ、無䟵襲で
しかも詳现な心疟患の蚺断法の開発が匷く望たれ
おいる。
心疟患の蚺断法には、超音波、線、心電図、
心音、RIラゞオ アむ゜トヌプ等の様々な方
法があるが、心臓の電気的な興奮の結果ずしお心
臓の収瞮が起こり血液の拍出が生ずるので、心臓
の電気生理珟象を取り扱う心電図や電䜍分垃図は
心疟患の蚺断の最も重芁な指暙であり、珟圚、心
疟患の臚床蚺断には心電図が䞀般的に甚いられお
いる。
心電図は、心臓内の起電力分垃によ぀お生ずる
䜓衚面䞊の電䜍分垃を、幟぀かの誘導点での時間
関数ずしお衚瀺したもので、患者に苊痛を䞎えず
非芳血に枬定でき、線のような副䜜甚がないず
いう長所を持぀。たた、ベクトル心電図は、心臓
内の起電力分垃を䜍眮が固定された単䞀の電気双
極子で近䌌し、その双極子の時間的倉動を衚瀺し
たものであり、心臓内の起電力分垃の空間的な倉
化を盎芳的に理解するのに圹立぀。
医垫は患者の心電図波圢を芋お、患者の心臓の
内郚でどの様な電気珟象が起こ぀おいるのかを掚
枬し、様々な可胜性の䞭から最も適切な蚺断を䞋
す。蚺断の基瀎ずなるのは、心疟患ず心電図波圢
を察応付ける心電図理論ず医垫の長幎の経隓であ
る。
ずころが、埓来の心電図やベクトル心電図で
は、少数の電極で枬定された電䜍を基に蚺断を䞋
すため、耇数の疟患郚を持぀患者、あるいは耇合
症のある患者に察する蚺断に際しお、必ずしも十
分な情報を提䟛するずは蚀い難い。たた、心疟患
に関しお埗られる情報量が少ないため、疟患の有
無やおよその郚䜍はわか぀おも、疟患の正確な䜍
眮やその倧きさなどの情報を埗るこずは困難で、
十分な粟床で疟患を同定できない。
そこで、非芳血で最倧の情報量を持぀䜓衚面電
䜍図に基づいた新しい心疟患の蚺断法の開発が必
芁である。䜓衚面電䜍図は、䜓衚面䞊の前胞壁お
よび背郚に倚数の誘導点を蚭けお電䜍分垃を蚘録
し、ある特定の時間点における心臓起電力による
䜓衚面の電䜍分垃を等電䜍図衚瀺したものであ
り、䜓衚面䞊の空間的・局所的な電䜍倉動を知る
こずができる。
䜓衚面電䜍図を基にした心疟患蚺断法を臚床応
甚しおいくためには、装眮の臚床的䟡倀を明確に
しおいく必芁がある。そこで、䜓衚面電䜍情報を
定量化するため、様々な蚺断基準が提案されおき
た。心筋梗塞などにおける䜓衚面電䜍の枛衰の堎
所を明確にするために甚いられる正垞者の平均倀
からの「差の電䜍」、QRS波や波に関する「時
間積分倀の電䜍」、心臓内の興奮波面が各誘導点
に到達するたでの時間を衚わす心宀興奮到達時間
の「等時線図」、虚血性心筋梗塞の倧きさを反映
する党誘導のST䞊昇の総和「ΣST」などがその
䟋であり、珟圚、それぞれの蚺断基準の有効性が
怜蚎されおいる。
このような珟象論的なデヌタ凊理ずは異なり、
䜓衚面䞊で枬定された電䜍分垃から心臓内の起電
力分垃を理論的に掚定しようずする研究が「心電
図逆問題」の研究である。
心臓の電気珟象の情報を有効に逆問題に利甚す
るためには、心臓内の電気珟象がどのようにな぀
おいるのかを知る必芁がある。
〔発明が解決しようずする問題点〕
しかし、逆問題には䞀般に䞀意的な解がない
䞊、䜓衚面䞊の枬定雑音などによ぀お、解が䞍安
定になるずいう欠点を持぀。
この欠点を解消するため、本発明者は研究の結
果、意味のある解を安定に求めるためには、心臓
内の電気生理に基づいた知識に基いお心電珟象を
现郚に亘぀おシミナレヌトし、その結果ずしお衚
われる䜓衚面電䜍分垃の時間倉化を蚈算し、その
結果ず実枬倀を察比すれば詳现な蚺断を䞋すこず
ができるこずを芋出した。
〔発明の目的〕
本発明は、実際の心臓内の電気珟象をできるだ
け忠実に再珟できるような粟密な次元心筋モデ
ルを構成し、心筋興奮䌝播および回埩過皋のシミ
ナレヌシペンを行なうこずにより、心内興奮珟象
の理論的、盎接的な解析や蚺断ぞの応甚を行なう
こずを可胜ずする装眮を提䟛するこずを目的ずす
る。
〔問題点を解決するための手段〕〕 本発明においおは䞊蚘の目的を、基本心臓モデ
ルを蚘憶する手段、心臓を収玍するモデルを蚘憶
する手段、前蚘心臓モデル蚘憶手段の心臓モデル
の幟䜕孊的構造を倉曎する手段、心臓を収玍する
モデル内の心臓の収玍状態を倉曎する手段、心臓
モデル内の心筋の掻動電䜍波圢を倉曎する手段お
よび心臓モデル内の特殊心筋ず心臓心筋の䌝播速
床の比を倉曎する手段、䞊蚘倉曎手段により倉曎
された条件に基づき基本心臓モデルおよび収玍モ
デルを倉曎しお蚘憶する手段、䞊蚘倉曎心臓モデ
ルおよび収玍モデルを甚いお心筋内での電気的興
奮波面の䌝播を挔算する手段、䞊蚘倉曎心臓モデ
ルおよび収玍モデルを甚いお䜓衚面電䜍を挔算す
る手段䞊びに心筋の興奮波面および䜓衚面電䜍を
衚瀺する手段からなり、前蚘基本心臓モデルは倚
数の心筋セルから構成され、前蚘興奮波面挔算手
段においおは党おの心筋セルに関しお蚈算し、䜓
衚面電䜍挔算手段においおは心臓モデルを適宜数
個のブロツクに分割しお該ブロツク内の心筋セル
を平均化しお挔算するようにした心臓電気珟象の
シミナレヌタにより達成する。
〔䜜甚〕
本発明によれば、心臓モデル幟䜕孊的構造倉曎
手段、心筋掻動電䜍波圢倉曎手段、特殊心筋ず心
臓心筋の䌝播速床比倉曎手段により心臓基本モデ
ルを倉曎、たた、収玍状態倉曎手段により心臓収
玍モデル蚘憶手段を倉曎するこずにより皮々の状
態をシミナレヌトするこずができる。
本発明においおは、基本心臓モデルは倚数の心
筋セルから構成されおおり、興奮波面挔算手段に
おいおは党おの心筋セルに関しお蚈算を行うが、
䜓衚面電䜍挔算手段においおは心臓モデルを適宜
数のブロツクに分割お各ブロツク毎の平均双極子
を求め、それから䜓衚面電䜍の蚈算を行うように
したので、蚈算時間の短瞮が行える。
本発明の装眮を甚いるこずにより、異垞郚䜍の
蚺断、心臓各ず心疟患の症状ずの関係の解析が行
える。曎に、本発明装眮により、皮々の状態が簡
単に再珟できるため、医孊教育にも甚いるこずが
できる。
〔実斜䟋〕
以䞋本発明の実斜䟋を説明する。
本発明においおは、゚コヌ等によ぀お幟぀かの
心臓断面圢を枬定し、それをタブレツトで心臓モ
デル゚デむタヌに入力する。゚デむタヌは䞎えら
れた断面図を補間しお立䜓的な心臓モデルの座暙
を蚈算し、CRT䞊に衚瀺する。その埌、目で芋
お䞍具合がある堎合にはタブレツト、マりスある
いはラむトペンによ぀お補正を行぀た埌で基本心
臓モデルずしお蚘憶する。この基本心臓モデルは
正垞な䞔぀暙準的な心臓の特性を具備しおいる。
人の心臓は胞腔内で巊右の肺の間に䜍眮し、そ
の玄2/3は正䞭線の巊偎にあり、重量は成人で玄
280〜300、ほが握りこぶしの倧きさ盎埄玄10
cmである。その圢状は、先端が䞋方を向いた円
錐圢に近い。䞊郚は心底ず呌ばれ、広くな぀おお
り、この郚分で胞壁に固定されおいる。先端は前
䞋方に向か぀お尖぀おおり、心尖ず呌ばれる。心
尖は固定されおいないので心拍動にずもな぀お動
くが、この動きが胞に手を圓おお感じる心尖拍動
ず呌ばれるものである。
心臓の䞭は腔であり、䞭倮に䞭隔があ぀お、心
臓党䜓を右心系ず巊心系ずに分けおいる。第図
に瀺すように、巊心、右心の䞡系はそれぞれ心
房、心宀からなるので、蚈぀の郚屋がある。党
身より還流した静脈血は右心房に受け入れられ右
心宀ぞ入り、右心宀から肺動脈に排出される。肺
で動脈血化されお還流した血液は巊心房に受け入
れられ、巊心宀に入り、巊心宀から倧動脈に排出
され、党身ぞ送られる。
心房は比范的䜎圧〜12mmHgなので、心
房壁は薄い厚さ0.5〜4.0mm。䞡心宀壁は心房
壁よりもず぀ず厚い。通垞、収瞮の間、巊右の心
宀圧は異なり、右心宀圧は、巊心宀圧の玄1/5繋
床である右宀25mmHg、巊宀125mmHg。埓぀
お、巊宀壁は、右宀壁の玄倍の厚さをも぀。正
垞な成人では右心宀の壁の厚さは玄mmであり、
巊宀䞭倮郚では、壁の厚さは普通〜20mmであ
る。
心臓の壁の倧郚分は、心筋ず呌ばれる暪王筋か
らなる。心筋は圢態および機胜の点から固有心筋
ず特殊心筋ずに倧別される。
固有心筋はその収瞮によ぀お血液拍出の駆動力
を埗るための心筋であり、心筋の倧郚分を占め
る。固有心筋は倚数の现胞からできおいるにも関
わらず、党䜓ずしお個の现胞のように振舞う。
このため、心筋は機胜的合胞䜓をなしおいるず考
えられおいる。心筋は興奮するず掻動電䜍を生
じ、その掻動電䜍が筋现胞内の収瞮系に連関しお
収瞮が起こる。
特殊心筋は固有心筋に比べるず筋原線維も少な
く、暪王構造も䞍明瞭であり、心臓内の特定の郚
䜍に極く僅かに認められるに過ぎない。特殊心筋
は神経现胞のように自動的に興奮を発生し、これ
を心臓党䜓に䌝えお調和の取れた収瞮をするよう
に制埡する働きを持぀おいる。
掞結郚の䞊倧動脈ず右心房ずの境界近くの心房
筋内に分垃しおいる特殊心筋现胞矀を掞房結節郚
ず蚀い、いわゆる歩調取り機構により自動的に電
気的な掻動を発生する。歩調取り機構はこの組織
だけに限぀お芋られるものではない。しかし正垞
状態では掞房結節郚の拍動頻床がその他の歩調取
り組織の拍動頻床より倧きいため、結局この掞結
節が心臓党䜓を支配するこずになる。
右心房の䞋方で冠状溝の近くにある網目状の特
殊心筋现胞が房宀結節で、䞊方は攟射状に右心房
筋内に広がり、䞋方はヒス束に移行しおいる。掞
房結節ず房宀結節の間には特殊心筋の連絡はない
ため、掞房結節で生じ興奮は心房節によ぀お房宀
結節に䌝えられる。たた心房ず心宀の間には緊密
な連絡はないので、心房の興奮は房宀結節を介し
おのみ心宀に䌝えられる。
房宀結節を䜜぀おいる特殊心筋は、心宀䞭隔を
䞋方に䞋る本の束ずな぀おおり、これがヒス束
である。ヒス束は䞋方で巊右本の玢枝に分かれ
お心尖ぞず延びる。玢枝は脚ずも蚀われ、右脚、
巊脚ず区別される。
玢枝は末梢で现かく枝分かれしおいお、心宀の
固有心筋の心内膜偎に心宀壁の内腔偎の境界、
逆に倖偎ずの境界の郚分を心倖膜ず呌ぶ広く分
垃しおいる。この末梢郚の特殊心筋をプルキン゚
線維ず呌んでいる。
興奮が心筋现胞を䌝播する速床は、掞結節で
0.05以䞋、心房で0.5〜1.0、房宀結
節で0.05〜0.002、ヒス束で〜1.5、
巊右脚、プルキン工繊維で〜、心宀筋
で0.5〜1.0ず、特殊心筋の皮類により䌝播
速床にかなりの差がある。この速床の倧小によ
り、心臓各郚の収瞮順序を制埡しおいる。
掞房結節で発生した興奮は、心房筋ぞ䌝わり心
房が収瞮する。心房筋ず心宀筋は電気的に連絡し
おいないので、興奮は房宀結節を䌝播せざるを埗
ない。房宀結節での䌝播速床は非垞に小さいの
で、心房興奮ずの間に十分な時間的ずれが生じ
る。これは心宀内に出来るだけ倚量の血液を流入
させるために必芁な特性である。
房宀結節の䞋流に䜍眮するヒス束や、心宀の内
壁に網の目のように匵り巡らされたプルキン゚線
維では䌝播速床が倧きく、比范的量の倚い心宀筋
もその党䜓がほずんど同時に収瞮できる。この同
期収瞮は高い圧力を有する動脈系に血液を駆出さ
せるには極めお有効である。
このように、特殊心筋によ぀お時間的制埡を受
け、固有心筋が順序よく収瞮するこずにより、心
臓は効率の良い血液ポンプを実珟しおいる。
心筋现胞は、现胞膜ず原圢質からなるが、電気
的に掻性な働きをするのは现胞膜だけである。现
胞膜はナトリりムむオン、カルシりムむオン、塩
玠むオン等のむオンに察しポンプ䜜甚を持ち、心
筋现胞内倖の各皮むオンは濃床差を持ち、このむ
オン濃床差のために、膜内は膜倖に察しお90〜
100負にな぀おいる。
濃床差による拡散電流ず電䜍差による電流が盞
殺しお正味の電流が零であれば、系は平衡状態に
あり、䞀方、膜電䜍が平衡電䜍に等しくないずき
は、その差によりむオン電流が生じる。
心筋现胞に䞀定以䞊の電気的あるいは機械的刺
激が加わるず、各むオンに察する膜のコンダクタ
ンスが時間ず共に倉化し、第図に瀺すように膜
電䜍の倉化掻動電䜍が起こる。
健垞者の心臓内興奮䌝搬過皋は次のようにな぀
おいる。
心宀で䞀番最初に興奮するのは䞭隔巊宀壁面の
例1/3付近で、䞀般に巊脚の最初の分岐郚に䞀臎
する〜sec。同時に、巊宀心内膜の前壁心
基郚偎も興奮を開始する。これはもう぀の巊脚
分岐郚に察応するず考えられる。これにより少し
遅れお〜10sec、巊宀心内膜の埌壁心尖郚が
興奮する。右宀偎では巊宀偎より玄15sec遅れ
お〜20sec、右脚の最初の分岐である前乳頭
筋付近化から興奮が始たる。そのずき、巊宀偎の
興奮は心内膜壁のかなりの郚分に及んでいる。興
奮が広がりず䌝播速床の速い郚䜍は、プルキン゚
線維の分垃ずほが䞀臎しおいる。右宀䞭隔壁の心
基郚にはプルキン゚線維が䜙り分垃しおいないた
めか、䞭隔の倧郚分では巊宀偎から右宀偎に向か
う興奮䌝播が支配的である。短時間内に、巊宀䞭
隔䞭倮、巊宀前壁心基郚、巊宀埌壁心尖郚の広範
囲が興奮し、興奮波面は心内膜付近ではほが円錐
圢を圢づくり、心倖膜に向か぀お䌝播する。その
埌、玄30sec前埌で右宀の衚面で倧きく前進す
る。少し遅れお〜35sec、巊宀前壁においお
も前進し、その埌40sec〜、興奮波面は巊宀
偎壁、埌壁心基郚ぞず向かう。心宀䞭隔では、興
奮は心尖郚より心基郚に向か぀お進み、その䌝播
速床はかなり速く、匁膜付着郚に達するのは玄10
〜20sec埌である。
実際の心臓では、興奮は右心房の掞結節郚䜍か
ら始たり心房を経お房宀結節に到達する。ここか
ら、ヒス束を通぀お巊右の脚ぞ分かれ、プルキン
゚線維を介しお呚囲の固有心筋ぞ䌝わる。
以䞊の知芋に基づき、本発明の心臓基本モデル
をコンピナヌタ内に、心臓の心宀郚を倚数個の球
状セルずしお構成する。各现胞セルは実際の心筋
现胞埄10〜100Όに比べれば極めお倧きな
ものであるが、セル内にある心筋现胞がほが䞀様
な電気生理的特性を持぀ずみなせる皋十分小さい
必芁がある。そこで、心筋现胞の興奮䌝播速床が
玄であるこず、および、珟圚実甚化され
おいる䜓衚面電䜍枬定装眮のQRS期の電䜍分垃
のサンプリング・タむムが玄secであるこず
などを考慮するず、各现胞セルの間隔はmm
以䞋で心筋モデルを構成するこずが望たしい。
そこで、各セルは、第図に瀺すように立方最
密充填によ぀お配眮するず仮定した。その結果、
぀のセルは12個のセルず等距離で隣接し、これ
らの12個のセルは正20面䜓を構成するこずにな
る。埓぀お、぀のセルが興奮するず、その興奮
は隣接するセルぞ最も球面に近い圢で䌝播し、党
おの方向に同䞀の速床で䌝播する『等方性䌝播モ
デル』ずなる。
隣接する心筋セルぞの興奮䌝播は離散的に起こ
るので、隣接するセルに遷移するのに芁する時間
をステツプず呌ぶこずにする。
心筋モデルを䜜成する堎合、たずモデル化する
心臓がす぀ぜりず入る倧きさの平行六面䜓を䜜
り、その内郚の空間をmm間隔に分割しおそ
の぀぀を倚数の球状のセルで構成する。すな
わち、平行六面䜓内郚が盎埄mmの球で敷き
詰められおいる状況ずなる。
生理孊的な芳枬によるず、ヒス束や巊右の脚は
興奮䌝導にのみ関䞎し、呚囲の固有心筋を興奮さ
せないず考えられる。䞀方、プルキン゚線維は興
奮䌝導のみでなく呚囲の固有心筋に興奮を䌝える
性質を持぀ず考えられる。そこで、モデル内では
第図に瀺すように、䌝導のみに関䞎するセル
〇ず固有心筋に興奮を䌝えるセル◎の
皮類を蚭定した。なお、●は固有心筋である。た
だし、セルに関しおの重芁な情報は、空間的に
分垃しおいるセルの発火䜍眮ず発火時刻だけで
ある。
特殊心筋は、心臓党䜓の现胞数に比べお遥かに
少ないので、その興奮は起電力が呚りの固有心筋
に比べお非垞に小さい。そこで、モデルでは、特
殊心筋セルの起電力は零であるず仮定す
る。
たた、電気生理孊的には、前述のように、心臓
各郚䜍では興奮䌝導速床が異なり、特殊心筋の䌝
導速床は固有心筋の䌝導速床の〜10倍であるこ
ずが知られおいる。モデルでは、特殊心筋ず心臓
心筋の䌝播速床比倉曎手段によ぀お特殊心筋の䌝
導速床は固有心筋の敎数倍で任意の速さに蚭定す
るこずができる。
刺激䌝導系は、心宀党䜓の興奮の順序を支配し
おおり、その空間分垃は興奮䌝播に倧きく圱響を
及がす。心宀䞭隔郚を走行する脚の分垃は剖怜に
よ぀お比范的よく芳察できるが、プルキン゚線維
が心内膜郚䜍にどのように分垃しおいるかを知る
こずは容易ではない。プルキン゚線維は心内膜だ
けでなく、心宀筋内郚にたで及んでいるずいう説
もある。このような状況の䞭で、プルキン゚線維
は心内膜内偎第局にのみ分垃するず仮定し、プ
ルキン゚線維の空間分垃を誌行錯誀的に䜕床も倉
えおシミナレヌシペンを行い、シミナレヌシペン
によ぀お埗られた心内興奮䌝播から蚈算によ぀お
求めたベクトル心電図が枬定結果から求めたベク
トル心電図ず䞀臎するように決定した。
正垞な心臓の堎合、第図の斜線の領域で瀺し
たように、プルキン゚線維は心内膜の巊宀前壁心
基郚から巊宀䞭隔䞭倮郚を経お巊宀埌壁心尖郚ぞ
ず垯状にある皋床幅を持たせお分垃させた。同様
に、右宀偎も前壁心尖郚から埌壁心基郚ぞず垯状
に分垃させた。たた、脚は第図では●で瀺しお
あり、巊宀偎には本、右宀偎には本存圚する
ず仮定した。脚からプルキン゚線維ぞ興奮が遷移
する接合点は、巊宀偎では、前壁心基郚、䞭隔䞭
倮郚、埌壁心尖郚にそれぞれ䞎え、右宀偎は、右
宀前壁心尖郚乳頭筋付近に䞎える。
セルで瀺した房宀結節郚から脚●をそれぞれ
のプルキン゚線維ずの接合点たで数珠状走行さ
せ、ここから曎に隣接する固有心筋セルぞ興奮が
等方的に䌝播するようにした。脚は興奮の䌝導の
みに関䞎する特殊心筋であるので、その走行経路
はこのモデルでは問題にならない。したが぀お、
モデル䞊では実際に数珠状走行させるのではなく
仮想的に走行させお、プルキン゚線維ずの接合点
の堎所ずその接合点がどの時刻に発火するのかず
いう぀の情報を䞎えるだけにした。脚ブロツク
等の䌝導障害をモデル化する際は、この接合点の
䜍眮ず発火する時刻を倉えるこずにより衚珟でき
る。
実際の心臓の固有心筋は、隣接する现胞によ぀
お刺激され、现胞膜電䜍がある閟倀を越えるず興
奮を開始し党か無かの法則、ある時間埌に再
分極しお元の状態に房るが、その埌䞀定時間は興
奮しない䞍応期ずいう電気生理孊的な性質を
持぀おいる。こうした生理孊的な知識を考慮し
お、心筋モデルの興奮芏則を次のように決める。
ここで、心筋の興奮はセル単䜍で離散化され、興
奮が隣接するセル間を遷移する単䜍時間をステ
ツプず呌ぶ。心筋モデルでは、心筋セルは「未興
奮」、「珟圚興奮しおいる」、「既興奮」の䜕れかの
状態をずるものずする。
〔興奮芏則〕
ある時刻においお、心筋セルが興奮するために
は、そのセルは、 (1) 興奮可胜なセルである。
(2) ステツプ前たでは興奮しおいない。
(3) ステツプ前においお、隣接する12個のセル
のうち、少なくずも぀は興奮しおいる。
(4) ステツプ埌には興奮を開始し掻動電䜍波圢
に埓぀お再分極し、次の興奮に備える。
こうした芏則によ぀お、心宀の脱分極・再分極
過皋のシミナレヌシペンができる。なお、芏則
は、モデル内に心筋梗塞壊死郚䜍が存圚する
堎合などを考える際に必芁である。
実際の心筋现胞の興奮波面䞊の電気二重局の匷
さは、心筋の持぀異方性により、心筋の各郚䜍に
よ぀お異なるので、興奮䌝播に異方性が生じる。
しかしながら、心筋内の電気二重局の匷さが心筋
の郚䜍によ぀お、どのように、たたどの皋床異な
るのかに぀いお、珟圚の時点では䞀定の生理孊的
な知芋が埗られおいないので、珟段階のモデルず
しおは心筋の異方性に぀いおは考慮しおいないが
䌝播速床の異方性を考慮するこずもできる。そこ
で起電力は興奮ず未興奮の境界面モデルでは、
ある時刻に興奮しおいる心筋セルの重心の䜍眮
に生じ、興奮波前面が正電䜍に、埌面が負電䜍に
なり、興奮しおいる心筋セルの持぀起電力は、倧
きさが䞀定で、方向が興奮波面に垂盎で興奮郚䜍
から未興奮郚䜍ぞず向かう電気双極子で衚珟す
る。そこで、心筋モデルの起電力芏則を次のよう
に䞎える。
〔起電力芏則〕
(1) 起電力はある時刻に興奮しおいる心筋セルの
重心に䜍眮する電気双極子で、その倧きさは心
筋セルの䜍眮によらず垞に䞀定である。
(2) 電気双極子の方向は、興奮しおいる现胞セル
ずこれを興奮させたセルずを結ぶベクトルの合
ベクトルの方向である。
(3) もし合ベクトルが零ならば、その现胞セルは
起電力を生じない。
第図はモデルの興奮䌝播を簡単のために次
元的に衚したものである。砎線で衚した六角圢の
内郚にある心筋现胞矀を䞀぀のセルで代衚させ
る。時刻−においお、●で瀺すセルが興奮し
おいたずする。このずき、次の時刻で興奮する
セルは、●に隣接しおいお、興奮可胜なセルであ
る。それが、〇で瀺したセルである。幟぀のセル
によ぀お興奮したかには拘わらず、これらのセル
の起電力の倧きさは䞀定で、その方向は興奮した
セルずそれを興奮させたセルずを結ぶベクトルの
合ベクトルの方向になる。埓぀お、電気双極子は
セル内郚の矢印で瀺され、興奮波面は同時刻に興
奮しおいるセルを結ぶ倪線によ぀お瀺される。
以䞊のように構成された心筋モデルの氎平断面
図を第図に瀺す。
以䞊は脱分極過皋の起電力の蚈算法であるが、
波のような再分極過皋では、個々のセルの掻動
電䜍の倀を各時刻毎に蚈算し、掻動電䜍の空間募
配から起電力分垃を求める。
これらの心筋ブロツクの各々に固有の掻動電䜍
波圢を䞎える。しかし、ブロツク数は䞇個ある
ので、これらの党おに異なる波圢を䞎えるこずは
実甚的ではなく、掻動電䜍波圢は最も暙準的な波
圢を䞀぀考えお、その興奮持続時間だけを倉化さ
せるこずずした。第図に瀺すように、脱分極は
−90の静止電䜍から30ぞず盎線的に倉化
し、第盞は電䜍募配がないものずする。再分極
を衚わす第盞は滑らかに倉化するようにした。
掻動電䜍の最も短い持続時間は120secである。
掻動電䜍波圢は、〜350secたでのsec毎
に等分割し、その電䜍倀を予め心筋掻動電䜍波圢
倉曎手段のテヌブル内に栌玍しおおく。持続時間
だけが異なり、波圢が同じであれば、ただ䞀぀の
波圢を甚いお、それを時間軞䞊でずらせばよい
が、数皮類の波圢を取扱えるようにするために、
掻動電䜍波圢の皮類をコヌド番号で指定し、その
番号に察応するテヌブルの電䜍を甚いるこずにし
た。
曎に、心筋の厚さや倖芋等の心臓の幟䜕孊的構
造を心臓モデル幟䜕孊的倉曎手段により倉曎可胜
ずしおいる。
次に、この蚈算機内の心臓収玍モデル蚘憶手段
に人䜓衚面の圢状デヌタを入力しおいる。腕郚、
脚郚では電流の湧き出しが存圚しないため、その
付け根ず先端での電䜍はほが同じであるずみなす
こずができる。そこで、蚈算機内に構成する人䜓
モデルは頭および手、足のないトル゜モデルを考
える。トル゜モデルは、心筋モデルず独立の盎亀
座暙で考える。トル゜モデルは倚数の節点ずそれ
らを頂点ずする䞉角圢から構成されるフレヌムモ
デルである。人の暙準トル゜モデルの䞀䟋ずし
お、344個の節点ず684個の䞉角芁玠から構成され
おいる。
心臓の倧きさや人䜓内での䜍眮および角床には
個人差がある。シミナレヌシペンを行う際に、そ
れらを任意に蚭定できるように以䞋のパラメヌタ
を可倉ずした。
(1) 心筋モデルを収めた平行六面䜓の基準点斜
亀座暙系での原点、、、の盎亀座暙
系での座暙X0、Y0、Z0 (2) 心筋セルの䞭心距離 (3) 心筋モデル平行六面䜓の盎亀座暙系での
空間的傟きΞ、ψ 以䞊の構成からなる本発明においおは、前述の
劂く゚コヌ等によ぀お幟぀かの心臓断面圢を枬定
し、それをタブレツトで心臓モデル゚デむタヌに
入力し、゚デむタヌは䞎えられた断面図を補間し
お立䜓的な心臓モデルの座暙を蚈算し、本発明の
蚈算機の心臓基本モデル蚘憶手段に蚘憶しおい
る。心臓基本モデル蚘憶手段に蚘憶されおいる基
本モデルを、ワヌクステヌシペン等により読出
し、CRT䞊に衚瀺し、タブレツト、マりスある
いはラむトペン等の心臓モデル幟䜕孊構造倉曎手
段により補正し、曎に必芁に応じ、シミナレヌト
する心臓の圢状、心筋の厚さ等のデヌタを入力し
お補正する。たた、心筋掻動電䜍波圢を指定し、
曎に、特殊心筋ず心臓心筋の䌝播速床比倉曎手段
により䌝播比を蚭定する。たた、シミナレヌトし
ようずする人䜓に応じお心臓収玍モデル蚘憶手段
の人䜓圢状デヌタや心臓の収玍䜍眮、傟斜等のデ
ヌタを倉曎する。
これらの倉曎手段からの倉曎条件により倉曎さ
れた心臓基本モデルおよび心臓収玍モデルは、そ
れぞれ倉曎心臓モデル蚘憶手段および倉曎収玍モ
デル蚘憶手段に蚘憶される。
これら倉曎埌のモデルを甚いお、心臓の電気珟
象を挔算し、適宜、心電図や䜓衚面電䜍分垃図を
埗る。
以䞋、本発明の心臓電気珟象シミナレヌタを甚
いたシミナレヌシペン結果の数䟋を瀺す。
ア 正垞心臓のシミナレヌシペン 先に述べた心筋ブロツクの䌝導、興奮芏則お
よび起電力芏則を蚭定しお、正垞心筋に察する
興奮䌝播過皋のシミナレヌシペンを実行した結
果を第図に瀺す。第図は、心筋モデ
ルの斜亀座暙20における垂盎断面の興奮順
序を等時線図で衚わしたものである。たた、第
図は、斜亀座暙20における氎平断面
の興奮順序を衚わしおいる。これらは、心筋ブ
ロツクの興奮時刻をステツプ毎に同じ蚘号を
甚いお衚わしたもので、濃淡の明るいブロツク
から濃いブロツクぞず興奮が䌝播するこずを衚
わしおいる。興奮は特殊䌝導系によ぀お、た
ず、巊宀心内膜の䞭隔郚および右宀心内膜で始
たり、それが波面状に心内膜偎から心倖膜偎ぞ
広が぀おいくこずがわかる。心内膜にはプルキ
ン工線維が分垃しおいるので、興奮は心内膜の
第䞀局で䞀床に広がる。興奮䌝播の等方性を仮
定しおあるが、特殊䌝導系の分垃ずその䌝導速
床を前述のように仮定するず、実際の人の心臓
内の興奮䌝播状態に近い結果が埗られる。第
図の右偎には、ドナヌラヌらによ぀お実枬さ
れたヒトの心臓の興奮䌝播順序を瀺した。これ
らの結果は良く䞀臎しおいる。
この正垞な心臓モデルを甚いた䜓衚面電䜍図
ずしお、第図にはQRS期間の特城的な䜓
衚面電䜍パタヌンを等高線衚瀺した。各電䜍図
の巊半面は胞郚前面を、右半面は背郚を衚わ
す。各電䜍図の巊䞊に曞かれた数倀は心宀興奮
開始時からの経過時間を衚わす。巊偎から、
QRS期間の初期、䞭期、埌期における特城的
な電䜍図である。たず、QRS初期には胞郚前
面に正電䜍が珟われる。その埌、負電䜍が右䞊
腕郚から降䞋しおきお正電䜍は背郚に移行す
る。QRS䞭期から埌期にかけお負電䜍が胞郚
前面に停滞する。電䜍最倧倀が珟われるのは興
奮開始埌36secである。右図には、察応する
時刻における枬定された䜓衚面電䜍図を瀺しお
ある。
ã‚€ 心宀肥倧のシミナレヌシペン 心宀が肥倧すれば肥倧した心筋線維の内郚抵
抗の枛少、心宀壁の肥厚ず衚面積の増倧、肥倧
偎心宀の胞壁接近などの理由により、肥倧偎心
宀の起電力は党䜓的に増倧し、このため心宀起
電力の合成ベクトルは肥倧偎に偏り、増倧す
る。たた心宀脱分極の末期には肥倧心宀の䞀郚
のみの興奮が他心宀ベクトルに盞殺されるこず
なく瀺されるこずにより、その方向に向かう倧
きい合成ベクトルがベクトル心電図に珟われる
QRS環埌期に芋られる。すなわち、巊宀肥倧
の堎合は心宀合成ベクトルが巊、埌、䞊方に匕
匵られお倧きくなり、右宀肥倧の堎合は右、
前、䞋方に匕匵られる。
今回甚いた心宀肥倧の心臓は巊宀壁および䞭
隔が肥倧した患者のもので、モデルでの右宀お
よび巊宀の壁の厚さはそれぞれ玄局、13局で
䞭隔の厚さは玄11局である。
シミナレヌシペン結果を次に述べる。
心宀肥倧の興奮䌝播様匏はあたり詳しく知ら
れおいないので、たず、正垞な心臓ず同じ様な
特殊心筋の分垃を蚭定しおシミナレヌシペンを
行い、ベクトル心電図を描いおみた。その結
果、䟋えば正面図ではベクトル環は巊䞋方に䌞
びる现長い楕円圢をした環ずな぀たおり、党䜓
的な傟向ずしおは、比范的枬定結果に近いず蚀
えるが、シミナレヌシペン結果では興奮初期に
前胞郚方向に向かう倧きな起電力が生じ、枬定
結果ず異なる。そこで、この時の興奮䌝播の様
子を調べたずころ、この起電力は巊宀䞭皋から
始た぀た䞭隔の興奮による起電力ず右宀の興奮
による起電力であるこずが解぀た。
そこで、䞭隔の右宀偎にも脚からの興奮の遷
移があるものず仮定しおシミナレヌシペンを実
行した結果、ほが枬定結果に近いものずな぀
た。
しかし、今床は、興奮前半に枬定結果にはみ
られない前方に向かう鋭いノツチが珟れた。こ
の時刻における興奮䌝播の様子を調べたずこ
ろ、このノツチは右宀から出発した興奮が右宀
偎壁に到達した時刻ず䞀臎しおいるこずが解぀
た。そこで、右宀偎壁の興奮開始時刻を、医孊
的知識に矛埪しない範囲内で遅くし、それに合
わせお、他の初期興奮点の興奮開始時刻も少し
調敎したずころ、これは枬定結果ず良く䞀臎し
た。
この興奮䌝播シミナレヌシペンの結果を甚い
お12誘導心電図ず䜓衚面電䜍分垃を求めた。
ã‚Š 脚ブロツク䌝導障害のシミナレヌシペン 脚ブロツクは、心臓の刺激䌝導系のある分岐
に病倉が起こり、そのため刺激の䌝わり方に異
垞が生じる疟患のこずである。ブロツクは巊心
宀、右心宀のどちらにも起こる。たた、双方に
同時に起こるこずもある。この脚ブロツクで特
城的な心電図倉化は、QRS矀の幅が、100
sec以䞊に広くなるこずである。QRS矀の幅が
120sec以䞊であれば完党脚ブロツクず呌ばれ
る。完党右脚ブロツクがあるずき、QRS矀の
初期40secたでは圢の䞊では正垞であるが、
それに続く郚分に異垞が生じる。たた、完党巊
脚ブロツクの堎合には、心宀波圢党䜓が異垞な
脱分極波ずなる。
ブロツクには定型的なものず非定型的なもの
ずがある。定型的なブロツクでは病倉がヒス束
かその分岐の぀に限られ、他の病倉を合䜵し
ない。非定型的なブロツクでは、脚ブロツクに
加えお、心筋梗塞のような他の障害を合䜵しお
いる。定型的なブロツクでは波は、QRS矀
の最も幅広い郚分の方向ず逆の方向を向く。蚀
い換えるず、右脚ブロツクのV6でははの
反察方向を向くが、V1ではは反察方向を向
く。非定型的な脚ブロツクでは、必ずしもこの
ような原則通りにはならない。
 巊脚ブロツク ヒス束の巊脚がブロツクされるず、それは
心宀党䜓の脱分極過皋を倉えおしたう。心宀
脱分極過皋は䞭隔の右宀偎から始た぀お巊前
方に向か぀お進み、V1、V2に小さな波を
描く。続いお電䜍は巊方で心尖近くたで振
れ、次いで巊方で心基郚に向かい、党䜓ずし
おは、V5、V6で高い波を、V1、V2で
深い波を描く。電気的な興奮は䞀般に巊肩
甲骚に向かい、特城ずしおSTず波はQRS
の䞻な偏䜍方向ず逆の方向を向く。この
QRS矀ず波の関係が保たれおいるずきは、
心電図波圢は定型的な巊脚ブロツクず呌ばれ
る。QRS矀ず波の方向が䞀臎しおいるず
きは、非定型的な巊脚ブロツクず呌ばれ、他
の病倉、䟋えば心筋梗塞などが巊脚ブロツク
に合䜵しおいる可胜性が倚い。巊脚ブロツク
は、動脈硬化症、心筋梗塞、心䞍党、たたは
高血圧など、巊心宀に察する負荷が倧きいず
きに起こる。
 右脚ブロツク ヒス束の右脚にほんの小さな欠損があ぀お
も右脚の䌝導は完党にブロツクされる。た
ず、電気的興奮が䞭隔の巊偎から右偎ぞず䌝
わるが、これは正垞の興奮䌝導であ぀お、
V5、V6に通垞芋られる䞭隔性波を描く。
続いお興奮は巊宀心内膜から心倖膜ぞず巊宀
壁を通過し、V5、V6に正垞の波を描く。
最埌に、右心宀の䞭隔、プルキン゚線維など
に興奮波がゆ぀くり䌝わ぀おいくが、これは
巊心宀の興奮よりも時間がかかる。その結
果、V5、V6に幅広い波が芋られ、波の
幅は通垞QRS矀の波の幅よりも倧きい。
このような脱分極の、右心宀、぀いで巊心
宀、最埌に右心宀ずいう順序は、V1の、
、R′などに瀺されおおり、その際、R′波
の幅はの幅より倧きい。ベクトル心電図で
は、起電力はたず右ぞ、次いで巊ぞ、そしお
再び右ぞず進んでいるこずがわかる。たた、
ベクトル心電図の蚘録が、心宀脱分極の埌期
に、次第にゆ぀くりずなる時刻点が密集す
るが、これは右心宀の興奮のスピヌドが遅
いからである。氎平面図では、興奮はたず右
ぞ、぀いで巊ぞ向かい、最埌に右前方に向か
う。䞀方、正面図では右、巊、右の順である
が、最埌に幟床も䞊方に向かうこずもある。
右脚ブロツクでは、QRS環の最初の郚分で
は正垞で、最埌の郚分に異垞があるかどうか
で刀断する。右脚ブロツクはしばしば、動脈
硬化症ずか、肺高血圧症、肺動脈狭窄症のよ
うに、右心宀に長い間負荷がかかるような堎
合に生じる。
先に第図に関連しお述べたように、心筋
モデル内には、巊心宀偎には本の脚が、右
心宀には本の脚が走行しおいる。これらは
それぞれ巊宀偎では、巊宀䞭隔壁䞭倮郚、巊
宀壁心基郚、巊宀前壁心尖郚、右宀前乳頭筋
付近の適圓な郚䜍䜍ぞ走行しおおり、その呚
囲に分垃しおいるプルキン゚線維の䞀぀に点
接觊しおいる。巊心宀偎ず右心宀偎ぞの興奮
の䌝導のタむミングは、右宀偎が玄10sec
皋遅れるように蚭定しおある。
正垞な堎合には、興奮は第図に矢印の
点から出発し、脚、プルキン工線維を䌝導
し、隣接する固有心筋に䌝播する。ずころ
で、巊脚ブロツクの堎合は、図の矢印で瀺
した郚分を切断し矢印で瀺した脚に察応
するセルを興奮しないセルに眮き換える、
右脚ブロツクの堎合は、矢印の郚分を切断
した。そしお、巊脚ブロツクが生じるず、興
奮は右宀の方ぞ䌞びおいる本の䌝播系を䌝
わ぀お、右宀偎に䌝播し、ここから巊宀の方
ぞ順番に䌝播しおいく。このずき、巊宀心内
膜に分垃しおいるプルキン゚線維に興奮が到
達しおも、プルキン゚線維を速やかに興奮が
䌝導しないものず仮定した。この様に仮定し
た理由は、もし、右宀からの興奮が巊宀に達
しお、この郚䜍のプルキン゚線維を速やかに
䌝導するず仮定するず、完党脚ブロツクの特
城であるQRS期間が120sec以䞊にならな
いこずが明らかずな぀たからである。このよ
うな理由から、プルキン゚線維が呚囲の固有
心筋からシヌルドされおいお、ある特定の郚
䜍にある脚からの䌝導のみに関䞎しおいるも
のず考えられる。
波をシミナレヌトするため、第図に瀺
す動電䜍波圢を甚いお、掻動電䜍の持続時間
の分垃は第図に瀺すように、心倖膜偎から
巊宀心内膜偎に䞀局毎にsecず぀持続時
間が長くなるように蚭定した。
このようにしお、完党脚ブロツクだけでな
く、様々な䞍完党脚ブロツクおよび心筋梗塞
ずの合䜵症などを自由にモデル内に蚭定でき
るようにした。
このモデルを甚いたシミナレヌシペン結果
を次に瀺す。
 興奮波面䌝播 第図は完党巊脚ブロツク、第
図は完党右脚ブロツクの興奮䌝播順序の
氎平断面図20及び垂盎断面図
20である。興奮䌝播の倉化がよくわか
るように第図には正垞䟋の堎合を瀺
した。これらの図においお心筋セルの興奮
時刻をステツプ毎に濃淡で衚わしおあ
り、淡いセルから濃いセルぞず興奮が䌝播
するこずを瀺しおいる。
巊脚ブロツクの堎合は、興奮は右宀偎の
正垞の堎合ず同じセルから始たり、巊宀偎
のプルキン゚線維は興奮䌝播に関䞎しない
ため、巊宀心内膜をゆ぀くりず回り蟌むよ
うな圢で䌝播するこずがわかる。これは、
犬の心臓を甚いお人工的に巊脚ブロツクを
起こした時の興奮䌝播の実枬結果ずよく察
応しおいる。
たた、右脚ブロツクの堎合は、興奮は巊
宀偎の正垞の堎合ず同じカ所から始た
り、右宀偎のプルキン゚線維は興奮䌝播に
は関䞎しないず仮定したので、興奮終了に
は40ステツプを芁した。これは、時間では
120secに察応する。
脚ブロツクでは、興奮䌝播に芁する時間
は正垞に比べおはるかに長くなる。シミナ
レヌシペンによ぀お埗られた結果は、フア
ンダムらによる犬の心臓の枬定結果ず定性
的によく䌌た傟向を瀺した。
 12誘導心電図 第図、第図は興奮䌝播回埩過皋
のシミナレヌシペンによ぀お求められた
QRS−波を瀺す。第図は巊脚ブ
ロツク、第図は右脚ブロツクの結果
である。電䜍の倧きさは盞察倀で、正垞心
筋のシミナレヌトされた心電図の最倧倀で
芏栌化しおある。
シミナレヌシペンの結果から埗られる完
党巊脚ブロツクの特城は、QRS幅が120
sec以䞊あるこず、V5、V6でRR′を瀺すこ
ず、V1でrS′を瀺すず共に、V1からV4で
深いず陜性波ずなるこずなどが挙げら
れる。
右脚ブロツクの特城は、巊脚ブロツクの
堎合ず同様に、QRS幅が120sec以䞊あ
るこず、V1でrSR′ずなるこず、ず巊偎
胞郚誘導においお深いず陜性波ずなる
こずなどが挙げられる。第図、第
図には完党巊脚ブロツクず完党右脚ブ
ロツクの実枬された心電図波圢を参考に瀺
す。
 ベクトル心電図 第図はシミナレヌシペンによ぀お求
めたベクトル心電図を瀺す。図䞭の矢印は
QRS環ず環の回転方向を衚わす。たた、
ベクトル心電図のベクトル成分は正垞心筋
のベクトル心電図の最倧倀を基に芏栌化し
おある。
第図は完党巊脚ブロツクの結果で
ある。QRS環は氎平面においお反時蚈回
転をしおいるが、巊埌方ぞ向かい、QRS
環党䜓に刻時点の密集が䌎぀おいる。環
は现長くQRS環ず反察に巊前方に向か぀
おいる。正面図ではQRS環は巊方に现長
く反時蚈回転をし、環は右䞋方に描かれ
おいる。たた、偎面図ではQRS環は埌方
ぞ向かい反時蚈回転をしおいる。環は现
長くQRS環ず反察に前方に向か぀おいる。
これらの結果はガヌドベルクらの枬定した
ベクトル心電図ず良く䞀臎する。
第図は完党脚ブロツクの結果であ
る。QRS環は氎平面では反時蚈方向を回
り、QRS環終末郚は正垞に比べお、右前
方ぞ倧きく描かれ、刻時点の密集が䌎぀お
いる。正面図ではQRS環初期から䞭期に
かけおは正垞ずほが同じであるが、終末郚
は右やや䞊方にあり刻時点の密集が芋られ
る。たた、偎面図ではQRS終末郚は前方
に突出し、時刻点の密集がある。
第図、第図には完党巊脚ブ
ロツクず完党右脚ブロツクの実枬されたベ
クトル心電図波圢を参考に瀺す。
 䜓衚面電䜍分垃図 第図はQRS−期間における䜓衚面
電䜍パタヌンを等高線衚瀺したものであ
る。各電䜍図の巊半面は胞郚前面を、右半
面は背郚を衚わす。各電䜍図の巊䞊に曞か
れた数倀は心宀興奮開始からの経過時間を
瀺す。各電䜍図の倧きさは、正垞の電䜍図
の最倧倀で芏栌化しおある。
第図は完党巊脚ブロツクの結果で
ある。巊脚ブロツクの電䜍分垃はQRS初
期で正垞心筋に比べお、前胞郚の正領域の
高たりが小さい。QRS䞭期90secで
前胞郚で深い負領域を瀺し、QRS埌半に
かけお負領域の電䜍は次第に浅くな぀おい
く。たた、QRS䞭期から埌期の電䜍分垃
のパタヌンは倉化しない。
第図は完党右脚ブロツクの結果で
ある。右脚ブロツクの電䜍分垃は、QRS
初期では正垞心筋ず良く䌌お、前胞郚が正
電䜍、背郚が負電䜍で芆われおいる。た
た、凹郚Nischeの出珟が遅れ、その
出珟郚䜍がより巊方に移動する。QRSäž­
期から埌期にかけお右前胞郚を占める高い
正電䜍領域を瀺す。
ã‚š 心筋梗塞心筋障害のシミナレヌシペン 心筋の冠動脈が閉塞するず、その呚囲の領域
の心筋が壊死に陥る。このような状態を心筋梗
塞ず呌ぶ。電気的な性質から梗塞に陥぀た心筋
を぀の局に分けるこずができる。すなわち、
梗塞郚組織の壊死郚、障害郚及び虚血郚の
぀である。壊死に陥぀た心筋は、壊死の皋床
が著しいため现胞の脱分極は党く起こらない。
たた、障害郚の心筋の现胞膜は完党に脱分極す
るこずはできないが、これは動脈血の䟛絊が充
分でないためである。虚血郚では、心筋の再分
極だけが障害されおいる。
(1) 前壁䞭隔梗塞 巊冠動脈の前䞋䞋降枝のうちの右偎の分岐
が閉塞するず、前壁の䞭隔偎から䞭隔にかけ
お梗塞が生じる。前壁䞭隔梗塞は前壁の興奮
を阻害するので、氎平面のベクトル心電図で
は、初期郚分が欠けたようになり、初期ベク
トルは巊埌方に向かう。埓぀お、心電図V1、
V2、V3誘導ではQS波ずなる。
(2) 前壁偎壁梗塞 巊冠動脈の前䞋降枝の比范的基郚で梗塞が
起き、斜行枝、右分枝共に䟵されるず、梗塞
の領域は前壁の広い範囲にを占める。ベクト
ル心電図の氎平面でQRSは右埌から巊埌に
回る時蚈回転を瀺すこずが倚く、壁偎が倧き
く䟵されるず、初期ベクトルは右前䞋に出
お、、aV1、V6の波ずV1の波を生じ
る。たた、QRSの前半が右埌方から巊埌に
あるので、V3、V4はQSないしQRになる。
心宀䞭隔も䟵されるず、初期ベクトルは埌方
に向かうので、V1、V2もQSになる。
(3) 心尖郚梗塞 前䞋降枝の終末郚の梗塞である。小さい前
壁梗塞ず䞋壁梗塞の所芋、すなわち、、
aVfの比范的小さいずV2、V3に限局した
、たたはV3V2のがV2V1のよ
り䜎いなどの所芋がある。
(4) 高䜍偎壁梗塞 巊冠動脈の回旋枝の䞀郚、偎壁枝が閉塞し
た堎合の梗塞である。巊宀の偎壁であるが、
この郚䜍は生䜓内では心宀の巊偎䞊郚にあた
るので、巊肩から右前䞋に向か぀お梗塞ベク
トルが生じ、正面、氎平面で右前䞋に向かう
初期ベクトルが倧きくなる。
(5) 䞋壁梗塞 右冠動脈埌䞋降枝の梗塞による。生じた梗
塞による梗塞ベクトルは䞋から䞊に向かうの
で、正面で初期ベクトルが䞊方に向かうのを
特城ずするが、氎平面では倉化は少ない。
(6) 高䜍埌壁梗塞 䞋壁梗塞ず同じ冠動脈の閉塞であるが、梗
塞が埌䞊方に限局した堎合である。梗塞郚䜍
が暪隔面より䞊方にあるので、梗塞ベクトル
は埌方より前方に向かう。埓぀お、V2、V3
誘導は梗塞ベクトルによりの高さが増高す
るが、他の誘導は梗塞ベクトルの圱響を受け
ず、䜕れの誘導にもいわゆる梗塞の波が認
められない梗塞である。右偎胞郚誘導の高い
ず高いのみが特城ある所芋ずされおい
る。
(7) 䞋壁偎壁梗塞 巊冠動脈回旋枝の埌壁枝の閉塞による。梗
塞は巊宀の埌䞋壁に生ずるので梗塞ベクトル
は右前䞊方に向かう。QRSの初期ベクトル
は右前䞊方に向い、、、aVf、V6に異
垞を生じ、方向により、V1にもが認
められる。
(8) 埌壁偎壁梗塞 䞋壁偎壁梗塞ず同じ冠動脈ぞの閉塞による
が、梗塞は巊宀の埌基郚に限局するので、梗
塞ベクトルは右前に向かい、初期ベクトルは
右前に向かい、V6に異垞が認められる。
シミナレヌシペン方法 正垞心筋には、固有心筋ブロツク●、
特殊心筋ブロツク◎、および心筋でない
ブロツク・の぀の状態がある第
図。心筋梗塞は壊死郚、障害郚、虚血郚の
぀の領域に分けお考えられるので、曎に、
壊死ブロツク、障害ブロツク、虚血ブロ
ツクの぀の状態を蚭定する。壊死郚は電
気生理的には党く掻動しないので、心筋でな
いずみなしおもよい。埓぀お、壊死ブロツク
はブロツク・ず同じずする。
通垞、心筋梗塞はある倧きさを持぀塊であ
るので、元になる梗塞領域を蚭定する。梗塞
領域を正確に蚭定する堎合は、心筋モデルの
各断面に぀いお梗塞ブロツクを指定すればよ
い。それ以倖であれば、梗塞領域を球や楕円
䜓で近䌌しお、その重心の座暙や半埄などの
パラメヌタを䞎えればよい。
ブロツク、、のうち、䟋えば、領域
を壊死郚ずする。陳旧性梗塞の堎合は、梗
塞は壊死郚のみから成るので、この領域を取
り陀いたモデルで正垞ず同じシミナレヌシペ
ンを実行すればよい。
虚血性梗塞の堎合は、壊死郚の呚囲に曎に
障害郚や虚血郚が存圚する。そこで、䟋えば
壊死郚の呚囲の局を虚血郚ずする。この虚
血郚では䞀局毎に壊死郚に近付くに぀れお掻
動電䜍の持続時間がαsecず぀長くなるず
する。ここで、心倖膜郚の正垞ブロツクの掻
動電䜍の持続時間をsecずし、心倖膜か
ら心内膜に向か぀お䞀局毎にβsecず぀長
くなるずする。この時、心倖膜偎から心内膜
偎ぞ向か぀お番目で、壊死郚から虚血第
局目の心筋ブロツクの掻動電䜍の持続時間
secは、 −・α・
β (1) で䞎えられる。掻動電䜍の第盞が心筋党䜓
で同じ圢であるず仮定するず、匏(1)を甚い
お、虚血局の掻動電䜍波が決定される。虚血
郚における興奮䌝播は正垞ず同じであるか
ら、匏(1)で䞎えられる掻動電䜍波圢を甚い
お、正垞の堎合ず同じ手続によ぀おシミナレ
ヌシペンを実行する。
障害郚を含む堎合は、興奮䌝播が障害郚で
遅れる。そこで、障害郚が壊死郚の呚囲に
局あるずし、この障害郚では䞀局毎に壊死郚
に近づくに぀れお掻動電䜍の立ち䞊がり時間
がγsec長くなるずする。障害郚のブロツ
クの興奮開始時刻は、そのブロツクに隣接す
るブロツクの䞭で最も興奮開始時刻の早いブ
ロツクによ぀お決たる。このブロツクの興奮
開始時刻をtsずするず、壊死郚から障害第
局目の心筋ブロツクの興奮開始時刻tpは、 tpts−・γ (2) で䞎えられる。
障害郚の膜電䜍波圢は、正垞に比べお分極
の皋床が枛少する。そこで、壊死郚に近付く
に぀れお膜電䜍の分極がΎ−ず぀枛少する
ず仮定する。正垞の堎合の掻動電䜍倀を
ずするず、壊死郚から障害第局目、
心倖膜から心内膜に向か぀お第局目の心筋
ナニツトの掻動電䜍は、脱分極時に
は、 −−・Ύ (3) たた、分極時には、 −・Ύ ずなるように䞎える。
障害郚における興奮䌝播は匏(2)によ぀お興
奮開始時刻を求め、匏(3)で䞎えられる掻動電
䜍波圢を甚いお、正垞の堎合ず同じ手続によ
぀おシミナレヌシペンを実行する。
代衚的な䟋ずしお、(a)前壁䞭隔梗塞、(b)埌
壁梗塞、および(c)䞋壁梗塞の皮類に぀いお
シミナレヌシペンを行぀た。梗塞領域は䜕れ
も心内膜䞋から心倖膜䞋たで心筋の党局にわ
た぀お貫通性に起こるずした。貫通性の心筋
梗塞の壊死郚では倖衚から誘導するず波が
埗られる。これは壊死郚が電気生理孊的に窓
のような圹割を挔じ、心宀腔内の電䜍倉化を
心倖膜面に䌝えるためである。
たず、壊死郚のみなから成る陳旧性梗塞の
シミナレヌシペン結果を瀺す。
(a) 興奮波面䌝播 第図はそれぞれ前壁䞭隔
梗塞、埌壁梗塞、䞋壁梗塞の興奮䌝播順序
の氎平断面図20および垂盎断面図
20である。衚珟方法は第図ず
同様である。正垞䟋や脚ブロツクの堎合ず
異なり、心筋ブロツクの欠けた郚分がある
が、その郚䜍の心筋ブロツクが梗塞領域に
盞圓する。
第図の前壁䞭隔梗塞では、興奮䌝
播は正垞の堎合ず倧きな倉化はない。これ
は前壁䞭隔䜍は最も早く興奮し、しかも興
奮が心内膜から心倖膜ぞ䌝播するので波面
が回り蟌むずいうこずが䜙りないためであ
る。右宀偎壁心基郚ぞの興奮到達がかなり
遅れるので、興奮終了には90sec芁した。
たた、䞭隔郚䜍が曎に䟵されお脚からプル
キン゚線維ぞの接合郚にたで及んだ堎合
は、興奮の䌝播様匏は倧きく倉わる。
第図の高䜍埌壁梗塞でも、興
奮䌝播は正垞の堎合ずよく䌌おいる。興奮
波面が心尖郚の方から心基郚に向か぀お䌝
播するように考えられるが、モデルでは初
期興奮郚䜍が䞭隔の䞭倮郚に蚭定しおある
ので、この興奮波が回り蟌むので興奮様匏
はあたり倧きく倉化しない。正垞の堎合に
最埌に興奮する郚䜍が欠損しおいるので、
興奮終了は早くお70secを芁した。
第図の䞋壁梗塞では、氎平面での
興奮波の䌝播は倉わらないが、垂盎断面を
芋るず、巊宀心尖郚の興奮が遅れるこずが
わかる。モデルには、巊宀埌壁心尖郚の付
近にプルキン工線維を蚭定しおある。この
郚分が梗塞ずな぀お欠損するず、䞭隔から
の興奮が䌝播せず、埓぀お、巊宀心尖郚の
興奮が遅れるわけである。ずころが、巊宀
心尖郚の興奮開始時刻よりも、埌壁心基の
興奮の方が遅いので、興奮終了に芁する時
間は正垞の堎合ず同じであ぀た。
(b) 12誘導心電図 第図は興奮䌝播回埩過皋のシミナレ
ヌシペンによ぀お求めた各心筋梗塞の
QRS−波である。は前壁䞭隔梗塞、
は埌壁梗塞、は䞋壁梗塞である。脚ブ
ロツクの堎合ず同様に、電䜍の倧きさは盞
察倀で、正垞心筋のシミナレヌシペンされ
た心電図の最倧倀を基にしお芏栌化しおあ
る。
第図の前壁䞭隔梗塞の特城は、
V1〜V3においお異垞波を瀺すこず、V2
〜V4では陰性波ずなるこず、肢誘導で
はあたり倉化が芋られないこずなどがあげ
られる。
第図の特城は、V3〜V5で高い
、V2、V3で高い䞊向きが珟われ、
である。たた、、、aVfで
小さなが珟われるが、これは䞋壁梗塞の
特城を含んでるためず考えられる。
第図では、、、aVfでが珟
われ、が冠性であるから䞋埌壁梗塞の
特城を持぀。V2ずV3の間では比は
である。
(c) ベクトル心電図 第図はシミナレヌシペンによ぀お求
めたベクトル心電図を瀺す。は前壁䞭隔
梗塞、は埌壁梗塞、は䞋壁梗塞であ
る。図䞭の矢印はQRS環ず環の回転方
向を衚わす。たた、ベクトル心電図のベク
トル成分は正垞心筋のベクトル心電図の最
倧倀を基に芏栌化しおある。
第図の前壁䞭隔梗塞の最も䞻な特
城は、氎平面図QRS環においお、正垞の
堎合は右前に向かう環を欠くこずであ
る。QRS環の回転方向は正垞ず同じく反
時蚈回転である。たた、環は前方に䞞く
付き出したような圢をしおいる。正面図で
は顕著な倉化は芋られない。巊偎面図で
は、前方に向かう環を欠き、QRS環は
始めから埌方に向かう。埌方に向かい反時
蚈回転をするものが倚い。
第図の埌壁梗塞では、氎平面にお
いおQRS環の起力始郚は正垞ず同じであ
るが、QRS環党䜓が前方に偏䜍し、QRS
環の倧郚分が0゜〜180゜軞より前方にある。
巊偎面図でも、QRS環の前方偏䜍がよく
芋える。正面図では、特に倧きな倉化は芋
られない。
第の䞋壁梗塞では、正面図におい
お、QRS環の始郚がかなり䞊方に偏䜍し、
時蚈方向に回転する。巊偎面図においお
も、QRS環起始郚が䞊前方に倧きく偏䜍
するのが芋える。正面図では正垞ず倉わら
ない。
(d) 䜓衚面電䜍分垃図 第図の各々はQRS−期間におけ
る䜓衚面電䜍分垃を等高線衚瀺したもので
ある。は前壁䞭隔梗塞、は埌壁梗塞、
は䞋壁梗塞である。各電䜍図の巊半面は
胞郚前面を、右半面は背郚を衚わす。各電
䜍図の巊䞊に曞かれた数倀は心宀興奮開始
からの経過時間を瀺す。各電䜍図の倧きさ
は、正垞の電䜍図の最倧倀で芏栌化しおあ
る。
第図の前壁䞭隔梗塞ではQRSå…š
期間を通じお前胞郚に負領域を瀺す。しか
しながら、巊脚ブロツクほど高い負電䜍を
瀺さず、QRS期間も正垞ずそれ皋倉わら
ない。波の期間では、胞郚前面の広い郚
分で正領域を瀺すが、局所的に負電䜍が珟
われ、その䜍眮は倉化しない。
第図の埌壁梗塞では電䜍倉動は正
垞の堎合ず䌌おいるが、正垞の堎合に
QRS䞭期から珟われる胞郚前面の負領域
が浅く、盞察的に巊偎郚の正電䜍が倧き
い。
第図の䞋壁梗塞では、正垞の堎合
にQRS䞭期に背郚に珟われる正電䜍の極
倧が垞に、胞郚前面巊䞋方に停滞する。た
た、期間においお胞郚前面に高い正電䜍
領域が珟われる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、心臓モデル幟䜕孊的構造倉曎
手段、心筋掻動電䜍波圢倉曎手段、特殊心筋ず心
臓心筋の䌝播速床比倉曎手段により心臓基本モデ
ルを倉曎、たた、収玍状態倉曎手段により心臓収
玍モデル蚘憶手段を倉曎するこずにより皮々の状
態をシミナレヌトするこずができる。
本発明においおは、基本心臓モデルは倚数の心
筋セルから構成されおおり、興奮波面挔算手段に
おいおは党おの心筋セルに関しお蚈算を行うが、
䜓衚面電䜍挔算手段においおは心臓モデルを適宜
数のブロツクに分割しお各ブロツク毎の平均双極
子を求め、それから䜓衚面電䜍の蚈算を行うよう
にしたので、蚈算時間の短瞮が行える。
本発明の装眮を甚いるこずにより、異垞郚䜍の
蚺断、心臓各郚ず心疟患の症状ずの関係の解析が
行える。曎に、本発明装眮により、皮々の状態が
簡単に再珟できるため、医孊教育にも甚いるこず
ができる。
【図面の簡単な説明】
第図は本発明装眮のブロツク線図、第図は
人の心臓の断面図、第図は人の心臓の抂略斜芖
図、第図は本発明のモデルに甚いた特殊心筋の
䌝導芏則を説明する線図、第図は固有心筋の興
奮䌝播芏則を説明する線図、第図は本発明の心
筋モデルの氎平断面図、第図は心筋现胞の掻動
電䜍線図、第図は立方最密充填によ぀お配眮さ
れた心筋セルの斜芖図、第図はシミナレヌシペ
ンで甚いる掻動電䜍波圢を瀺す線図、第図は
正垞心筋における心宀内興奮波面の䌝播状態を瀺
す断面図、第図は䜓衚面電䜍図、第図は
シミナレヌシペンによ぀お埗られた心宀興奮波面
䌝播図、第図は完党巊脚ブロツクの心電図、
第図は完党右脚ブロツクの心電図、第図
は完党巊脚ブロツクのベクトル心電図、第図
は完党右脚ブロツクのベクトル心電図、第図
はシミナレヌシペンにより求めた䜓衚面電䜍図、
第図はシミナレヌシペンにより求めた心宀興
奮波面䌝播図、第図〜は心筋梗塞の心電
図、第図はシミナレヌシペンにより求めたベ
クトル心電図、第図はシミナレヌシペンによ
り求めた䜓衚面電䜍図である。

Claims (1)

    【特蚱請求の範囲】
  1.  基本心臓モデルを蚘憶する手段、心臓を収玍
    するモデルを蚘憶する手段、前蚘心臓モデル蚘憶
    手段の心臓モデルの幟䜕孊的構造を倉曎する手
    段、心臓を収玍するモデル内の心臓の収玍状態を
    倉曎する手段、心臓モデル内の心筋の掻動電䜍波
    圢を倉曎する手段および心臓モデル内の特殊心筋
    ず心臓心筋の䌝播速床の比を倉曎する手段、䞊蚘
    倉曎手段により倉曎された条件に基づき基本心臓
    モデルおよび収玍モデルを倉曎しお蚘憶する手
    段、䞊蚘倉曎心臓モデルおよび収玍モデルを甚い
    お心筋内での電気的興奮波面の䌝播を挔算する手
    段、䞊蚘倉曎心臓モデルおよび収玍モデルを甚い
    お䜓衚面電䜍を挔算する手段䞊びに心筋の興奮波
    面および䜓衚面電䜍を衚瀺する手段からなり、前
    蚘基本心臓モデルは倚数の心筋セルから構成さ
    れ、前蚘興奮波面挔算手段においおは党おの心筋
    セルに関しお蚈算し、䜓衚面電䜍挔算手段におい
    おは心臓モデルを適宜数個のブロツクに分割しお
    該ブロツク内の心筋セルを平均化しお挔算するよ
    うにしたこずを特城ずする心臓電気珟象のシミナ
    レヌタ。
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