JPH0333676Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は回転式充填装置に関し、より詳しくは
供給ポンプを用いて容器内に充填液を充填するよ
うにした回転式充填装置に関する。

「従来の技術」 従来、回転式充填装置として、鉛直方向の回転
軸を中心として回転する回転体と、この回転体の
外周部に設けられてそれぞれ容器内に充填液を充
填する複数の充填ノズルと、充填液タンク内の充
填液を各充填ノズルに圧送する供給ポンプと、こ
の供給ポンプを回転駆動する駆動モータとを備え
たものが知られている。

「考案が解決しようとする問題点」 従来、上記供給ポンプを用いた回転式充填装置
では、その供給ポンプおよびこれを駆動する駆動
モータは、それらを回転体内に組込むと外部から
回転体内の駆動モータに電力を供給するために電
気式ロータリージヨイントが必要となり、そのロ
ータリージヨイントは保守点検が必要で一般に高
価となることから、通常は上記供給ポンプおよび
駆動モータを回転体の外部に設置していた。

しかしながら、供給ポンプおよび駆動モータを
回転体の外部に設置すると、上記欠点は解決でき
るものの、充填ノズルと供給ポンプとを連通させ
る配管が長くなり、装置が複雑で大型化するとと
もに、運転終了時にその配管中に残溜する充填液
量が多くなつて不経済であつた。

「問題点を解決するための手段」 本考案はそのような事情に鑑み、上記供給ポン
プを回転体に設けるとともにその供給ポンプを駆
動する駆動軸を回転体の回転軸線上に配設し、か
つ上記駆動軸を回転体の外部に配設固定した上記
駆動モータに連動させるようにしたものである。

「作用」 そのような構成によれば、供給ポンプを回転体
内に、駆動モータを回転体外部にそれぞれ設ける
ことができるので、駆動モータに電力を供給する
ためのロータリージヨイントを必要とせず、しか
も充填ノズルと供給ポンプ間の配管を短くするこ
とができる。

「実施例」 以下図示実施例について本考案を説明すると、
第１図において、回転式充填装置１は鉛直方向に
配設した回転軸２を中心としてそれと一体に回転
する回転体３を備え、この回転体３は、下方の円
板状に形成した回転テーブル４と、上方の円板状
に形成した支持部材５とを備えている。そして上
記回転テーブル４の外周部には、その円周方向等
間隔位置に複数の昇降テーブル６を昇降自在に設
けてあり、また上記支持部材５の外周部には、各
昇降テーブル６の直上位置にそれぞれ充填ノズル
７を設けている。

上記支持部材５の上方には、複数の支持パイプ
１１により充填液タンク１２をその支持部材５に
一体に取付けてあり、この充填液タンク１２の上
面中央部にロータリジヨイント介して供給パイプ
１３を接続している。そして充填液タンク１２内
の液面はフロート１４を備えるセンサ１５により
常時監視しており、必要に応じて上記供給パイプ
１３から充填液を充填液タンク１２内に供給する
ことにより、常に充填液タンク１２内に所定量の
充填液を貯溜できるようにしている。

然して、上記充填液タンク１２と支持部材５と
の間には、回転体３の回転中心位置に例えばルー
ツ型の供給ポンプ１６を配設しており、この供給
ポンプ１６を回転駆動する駆動軸１７を、上記回
転体３の回転軸線上に配設するとともに、充填液
タンク１２の中心を液密を保つて上方に貫通さ
せ、さらにその駆動軸１７を回転体外部の支持フ
レーム１８に配設固定した駆動モータ１９に連動
させている。

上記供給ポンプ１６の吸入口はパイプ２０を介
して充填液タンク１２内の底部に連通しており、
また供給ポンプ１６の吐出口はパイプ２１を介し
てデイストリビユータ２２に連通し、さらにその
デイストリビユータ２２からそれぞれパイプ２３
を介して上記各充填ノズル７に連通している。ま
た各充填ノズル７に供給された余剰の充填液は回
収パイプ２４を介して充填液タンク１２内に還流
されるようになつている。

上記各充填ノズル７は従来既に公知のもので、
第２図に示すように、筒状のハウジング３１と、
このハウジング３１に昇降自在に嵌合した注液管
３２とを備えており、通常はばね３３の弾撥力に
より上記注液管３２に設けた弁部３２ａを上記ハ
ウジング３１に設けた弁座３１ａに着座させて液
バルブ３４を閉じさせている。この状態では、ハ
ウジング３１の上部に接続したパイプ２３を介し
て供給される供給ポンプ１６からの充填液は上記
液バルブ３４で遮断され、注液管３２内に形成し
た注液通路３２ｂに流入されることはない。

また、上記ハウジング３１の下部にはスリーブ
３５をを摺動自在に嵌合してあり、このスリーブ
３５の軸部に上記注液管３２を摺動自在に貫通さ
せている。そしてこのスリーブ３５をばね３６に
より下方に付勢して、通常はスリーブ３５に一体
に設けたパイプ３７の下端を上記注液管３２の下
端部に設けた弁座３８に着座させ、それによつて
注液通路３２ｂの下端開口と、この注液通路３２
ｂに並設した排出通路３１ｂの下端開口を閉鎖す
るようにしている。

上記排出通路３１ｂは、これに連通させた回収
パイプ２４を介して充填液タンク１２に接続して
あり、容器３９内の空気および容器３９内に充填
された余剰の充填液を充填液タンク１２内に排出
することができるようになつている。

さらに、上記スリーブ３５に一体に設けたパイ
プ３７の外周には、容器３９の口部に密着してそ
の内部を密封するパツキン４０を設けてあり、ま
た充填ノズル７を支持する支持部材５には、容器
３９の口部をセンタリングするガイドコーン４１
を昇降自在に設けている。

以上の構成において、回転体３を回転させると
ともに駆動モータ１９を起動し、駆動軸１７を介
して供給ポンプ１６を回転駆動すると、充填液タ
ンク１２内の充填液は、供給ポンプ１６からデイ
ストリビユータ２２およびパイプ２３を経て充填
ノズル７内に圧送される。

この状態において、図示しないスターホイール
を介して容器３９が昇降テーブル６上に供給され
ると、その昇降テーブル６の上昇により容器３９
が上昇され、その容器３９の口部は、ガイドコー
ン４１によつてセンタリングされつつ壜口パツキ
ン４０の下面に圧接され、それにより容器３９内
が密封されるとともに充填ノズル７の下端が容器
３９内に挿入される。

さらに昇降テーブル６が上昇されると、容器３
９の口部によつてスリーブ３５およびこれと一体
のパイプ３７がばね３６の弾撥力に抗して押し上
げられ、上記パイプ３７が弁座３８から離座して
注液通路３２ｂの下端開口と排出通路３１ｂの下
端開口とを開放する。そして上記スリーブ３５が
注液管３２に当接すると、この注液管３２がばね
３３の弾撥力に抗して押し上げられるので、それ
によつて液バルブ３４が開放される。

この状態となると、上記供給ポンプ１６からパ
イプ２３を介して供給される充填液は注液通路３
２ｂを介して容器３９内に充填され、これと同時
に容器３９内の空気は排出通路３１ｂおよびこれ
に接続した回収パイプ２４を介して充填液タンク
１２内に排出される。そしてさらに充填液の充填
が進み、容器３９内に充填液が充満されるとその
余剰の充填液は容器３９内から上記排出通路３１
ｂと回収パイプ２４とを介して充填液タンク１２
内に環流されるようになる。

次に、この状態から昇降テーブル６の降下に伴
なつて容器３９が降下されると、その容器３９の
降下により、充填ノズル７の液バルブ３４、注液
通路３２ｂおよび排出通路３１ｂの下端開口がそ
れぞれ閉鎖され、また元の高さ位置まで降下され
た容器３９は図示しないスターホイールを介して
昇降テーブル６上から外部に排出される。

「考案の効果」 以上のように、本考案は、供給ポンプを回転体
内に、駆動モータを回転体外部にそれぞれ設けて
いるので、駆動モータに電力を供給するためのロ
ータリージヨイントを必要とせず、しかも充填ノ
ズルと供給ポンプ間の配管を短くすることができ
るので、回転式充填装置の小型化と保守点検の簡
素化を図ることができるとともに、充填作業終了
後に配管中に残溜する充填液量を少なくすること
ができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は充填ノズルを示す第１図の要部の断面図であ
る。 １……回転式充填装置、２……回転軸、３……
回転体、６……昇降テーブル、７……充填ノズ
ル、１１……支持パイプ、１２……充填液タン
ク、１６……供給ポンプ、１９………駆動モー
タ、２０，２１，２３……パイプ、２４……回収
パイプ、３９……容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉛直方向の回転軸を中心として回転する回転体
   と、この回転体の外周部に設けられてそれぞれ容
   器内に充填液を充填する複数の充填ノズルと、充
   填液タンク内の充填液を各充填ノズルに圧送する
   供給ポンプと、この供給ポンプを回転駆動する駆
   動モータとを備える回転式充填装置において、上
   記供給ポンプを回転体に設けるとともにその供給
   ポンプを駆動する駆動軸を回転体の回転軸線上に
   配設し、かつ上記駆動軸を回転体の外部に配設固
   定した上記駆動モータに連動させたことを特徴と
   する回転式充填装置。