JPH0333267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は魚収納容器に関し、さらに詳しくは
例えば鮎の友釣りに用いられるオトリ鮎を収納す
るオトリ缶と称される魚収納容器に関する。

（従来の技術） 例えば、鮎の友釣りに用いられるオトリ鮎を収
納して釣り場へ携行したり、釣り場において水中
に浸漬しておく場合に活用されるオトリ缶と称さ
れる魚収納容器は、携行移動中におけるオトリ鮎
の衰弱を防止して、収納時の元気な状態を確保す
るため、エアーポンプの吐出口に接続されたエア
ー吐出チユーブ先端に取付けられている多孔性の
エアー吐出具（エアーストン）から容器内の水中
に常時エアー（酸素）を吐き出すように構成され
ている。

また、実公昭48−24640号広報及び特公昭48−
6275号広報では、魚収納容器内の水中にエアーを
吐き出すためのエアー吐出チユーブが、単に該容
器内に挿入されているものが記載されている。

（考案が解決しようとする問題点） このように構成されている従来の魚収納容器で
は、エアーストン及びエアー吐出チユーブのエア
ー吐出具から容器内の水中へのエアーの吐き出し
が局部的に偏つた吐出状態になり、広領域にわた
つて均等にエアーを吐き出させることができず、
特にエアーストンから吐き出される気泡は、その
粒径が比較的大きいために、酸素の取り入れ効率
が悪いという問題点を有する。

この考案はこのような従来技術の背景に鑑みて
なされたもので、容器の広領域にわたつてエアー
を吐き出させるとともに、微細な気泡を吐き出さ
せて酸素の取入効率を向上させ、かつ、かかる吐
出チユーブをエアーの吐き出しが邪魔されず、容
器底板に確実に固定することができる魚収納容器
を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この考案に係る魚収納容器は、容器本体の底板
上に容器本体の内周面に従つて形成された環状の
溝が上向きに設けられ、この溝の一部に三方に開
口した略Ｔ字型の接続管を設け、この接続管の一
つの開口部にエアーポンプの吐出口に接続される
エアー供給チユーブを、他の開口部には容器本体
内にエアーを吐き出すエアー吐出チユーブの両端
をそれぞれ接続させ、かつ、このエアー吐出チユ
ーブを上記溝に嵌合させて設け、上記環状の溝に
囲まれる上記底板上に、周縁部を前記溝内へ少し
突出させ、その下側エツジ部を上記エアー吐出チ
ユーブに干渉させるように平板状の押え板を止め
具を介して固定させて形成したものである。

（作用） この考案においては、底板に形成されている環
状の溝に嵌合したエアー吐出チユーブの周壁か
ら、容器本体の広領域にわたつてエアーを吐き出
される。

また、本考案においては、環状の溝に囲まれる
上記底板上に、周縁部を前記溝内へ少し突出さ
せ、その下側エツジ部を上記エアー吐出チユーブ
に干渉させるように平板状の押え板を止め具を介
して固定させて形成していることから、エアー吐
出チユーブの容器本体へのエアーの吐き出しが邪
魔されずに容器本体の底板上に環状のエアー吐出
チユーブを設けることができる。

（実施例） 第１図は、この考案に係る魚収納容器の一実施
例を一部破断して示す斜視図、第２図は底板の平
面図を示し、これらの図において魚収納容器１は
容器本体２とこの容器本体２の上部開口を着脱自
在に閉成する蓋体３とからなり、容器本体２は合
成樹脂によつて有底箱形に形成され、蓋体３は魚
収納容器１を水中に浸漬した場合、容器本体２内
に水を導入しまた容器本体２内の水を導出させて
積極的に水を還流させる簀子状の還流口３Ａと、
オトリ鮎又は掛り鮎を出し入れする開閉蓋３Ｂが
設けられ、この開閉蓋３Ｂは常時出入口３Ｃを弾
性的に閉成している。

容器本体２には、その底板２Ａ上に上向き環状
の溝４が形成されている。この溝４は第３図に示
すように底板２Ａにリブ状の突起４ａ，４ｂを所
定の幅間隔Ｗを有して対向させることによつて方
形環状に形成され、１つの角部から容器本体２の
側壁２Ｂに向けてのびる分岐溝４Ａを形成し、さ
らに分岐溝４Ａに連通する立上がり溝４Ｂを前記
側壁２Ｂの内面に形成している。

７はエアー吐出チユーブを示し、ゴムもしくは
合成樹脂によつてなり、その周壁に多数のエアー
吐出小孔７ａを貫通形成してなり、前記溝４に嵌
合されている。即ちエアー吐出チユーブ７は溝４
に嵌合可能な外径を有し、かつ溝４の環状形態に
嵌合し得る長さ寸法を備えている。

そして、方形環状に形成されている溝４の１つ
の角部に三方に開口した略Ｔ形の接続管７Ｂが設
けられ、この接続管７Ｂが一つの開口部にエアー
ポンプ（図示せず）の吐出口に接続されるエアー
供給チユーブ８を、他の開口部には容器本体内に
エアーを吐き出すエアー吐出チユーブ７の両端を
それぞれ接続させて、エアー吐出チユーブ７を接
続管７Ｂが介してエアー供給チユーブ８（第１図
参照）に接続させている。

このエアー供給チユーブ８は立上がり溝４Ｂに
嵌合して容器本体２の側壁２Ｂに沿つて立ち上が
り、側壁２Ｂの上部を貫通して外部に導出される
とともに、容器本体２の外面に着脱可能に装着さ
れているエアーポンプの吐出口に接続される。

９は固定機構を示す。この固定機構９はエアー
吐出チユーブ７の環状の溝４からの離脱を阻止す
るためのものであり、本実施例では、第２図およ
び第３図で明らかなように、合成樹脂製の平板状
の押え板９Ａと、この押え板９Ａを底板２Ａに固
着するビス等の止め具９Ｂ，９Ｂによつて構成さ
れている。この押え板９Ａは前記方形環状の溝４
における内周突起４ａで囲まれる凹所６を遮蔽
し、その周縁部を前記溝４内へ少し突出させて、
内周突起４ａ上に載置して設けられている。した
がつて、エアー吐出チユーブ７は押え板９Ａの周
縁部下角部、つまり下側エツジ部９ａに干渉され
て、溝４からの離脱を阻止される。

前記構成において、容器本体２内の水中には、
エアー吐出チユーブ７の多数のエアー吐出小孔７
ａから空気が吐き出される。即ち、エアー吐出チ
ユーブ７は方形環状を呈する溝４に嵌合されてい
るから、エアーが容器本体２の広い領域にわたつ
て吐き出され、しかも、微細な気泡として吐き出
されるので酸素の取入効率が著しく向上し、魚収
納容器１の携行移動中における例えばオトリ鮎の
衰弱を有効に防止して、収納時の元気な状態を確
保できる。

尚、前記実施例では溝４を、底板２Ａに対向し
て突出させたリブ状の突起４ａ，４ｂで形成して
説明しているが、例えば第４図に示すように、底
板２Ａに上向きに凹設して溝４を形成してもよ
い。

そして、溝４の形成パターンを方形環状として
説明しているが、この形成パターンも前記実施例
にのみ限定されるものではなく、容器本体２の内
周面の形状に従つて任意のパターンを選択して採
用できる。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案によれば容器本
体の底板上に容器本体の内周面に従つて形成され
た環状の溝にエアー吐出チユーブを嵌合し、この
エアー吐出チユーブから水中にエアーを吐き出さ
せるように構成しているから、粒径が微細な酸素
取入効率の高い気泡を容器本体内の広い領域にわ
たつて吐き出させることができ、魚収納容器携行
移動中における例えばオトリ鮎の衰弱を有効に防
止して、収納時の元気な状態を確保できる。

また、本考案は環状の溝の一部に三方に開口し
た略Ｔ型の接続管を設け、この接続管の一つの開
口部にエアーポンプの吐出口に接続されるエアー
供給チユーブを、他の開口部には容器本体内にエ
アーを吐き出すエアー吐出チユーブの両端をそれ
ぞれ接続させ、かかるエアー吐出チユーブを上記
溝に嵌合させて設けていることから、エアー吐出
チユーブの両端からエアー吐出チユーブ内にエア
ー供給チユーブよりのエアーを送り込むことがで
き、従つて、本考案の如くエアー吐出チユーブを
環状に、かつ、長く広い範囲にわたつて底板上に
設定される場合でも、エアー吐出チユーブの全長
にわたつてエアー吐出チユーブより微細な酸素取
入効率の高い気泡を容器本体内の広い領域にわた
つて勢いよく、かつ、効率よく吐き出させること
ができる。

さらに、本考案は、環状の溝に囲まれる上記底
板上に、周縁部を前記溝内へ少し突出させ、その
下側エツジ部を上記エアー吐出チユーブに干渉さ
せるように押え板を止め具を介して固定させて形
成していることから、エアー吐出チユーブの容器
本体へのエアーの吐き出しが邪魔されずに容器本
体の底板上に環状のエアー吐出チユーブを設ける
ことができると共に、経時的にエアー吐出チユー
ブが溝から離脱することによりエアー吐出パター
ンが損なわれ、その結果エアーの吐出状態が偏在
する不都合を回避できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る魚収納容器の一実施例
を一部破断して示す斜視図、第２図は底板を示す
平面図、第３図は第２図における−線に沿う
縦断面図、第４図は溝の変形例を示す縦断面図で
ある。 １……魚収納容器、２……容器本体、２Ａ……
底板、４……溝、７……エアー吐出チユーブ、７
Ｂ……接続管、８……エアー供給チユーブ、９Ａ
……押え板、９ａ……下側エツジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体の底板上に容器本体の内周面に従つて
   形成された環状の溝が上向きに設けられ、この溝
   の一部に三方に開口した略Ｔ型の接続管を設け、
   この接続管の一つの開口部にエアーポンプの吐出
   口に接続されるエアー供給チユーブを、他の開口
   部には容器本体内にエアーを吐き出すエアー吐出
   チユーブの両端をそれぞれ接続させ、かつ、この
   エアー吐出チユーブを上記溝に嵌合させて設け、
   上記環状の溝に囲まれる上記底板上に、周縁部を
   前記溝内へ少し突出させ、その下側エツジ部を上
   記エアー吐出チユーブに干渉させるように平板状
   の押え板を止め具を介して固定させて形成したこ
   とを特徴とする魚収納容器。