JPH0333249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は気根植物の栽培装置、更に詳しくは気
根植物の性質を利用して経験の少ない者でも簡単
かつ正確に栽培する事が出来る様な栽培装置に関
するものである。

＜従来の技術＞ カトレア、胡蝶蘭及びデンフアレ等で代表され
る気根植物は、１度水を吸収すると一定時間は水
を必要とせず、又水に漬けたまゝの状態にして置
くと根が腐ることがあり、植木鉢等で栽培し通常
の植物と同様に水を与えると根が傷み易いことが
ある。又植木鉢等で栽培する場合には植木鉢に水
コケ等の植込み材料を入れて栽培しなければなら
ず、更に伸びた根が植木鉢の内面に付いた状態に
なると移植に際して根が傷み易いという問題があ
つた。又水コケ等の植込み材料は高価でもあり植
込む場合に非常に手間が掛かり、しかも植木鉢に
水を与える場合、花に水がかかると花持ちが悪く
なるという問題が起こり、更には植込み材料に雑
草が生え易くその為に栽培を良好に維持するのに
手間と時間が非常にかかつた。

＜本考案が解決しようとする問題点＞ 本考案では、上述の欠点である気根植物を常時
水に漬けた状態に出来無いという事を水コケ等の
植込み材料を使わずに簡単な手段により解決しよ
うとするものである。

＜問題点を解決する為の手段＞ 本考案の要旨は培養液あるいは水を収納する栽
培槽内を隔壁により複数個の小栽培槽に分画し、
一方上記栽培槽の上方部には気根植物を直接的に
保持する保持手段を有する枠体を架設し、該枠体
に対して上記栽培槽を所定手段によつて上下動自
在にならしめることを特徴とする気根植物の栽培
装置である。

なお、上記栽培槽内を隔壁により複数個の小栽
培槽に分画することにより、小栽培槽にそれぞれ
分けられた気根植物の１つが病原菌に感染されて
も、他の気根植物に感染することが無くその為に
被害を最小限に阻止できる他、それぞれの気根植
物の成長過程により各小栽培槽に収納する水、或
いは培養液の量を各小栽培槽毎に調節できるもの
である。

又上記枠体と栽培槽を上下動させる場合、枠体
を移動させる方が簡単ではあるが、その為に気根
植物を随時移動させる時に傷つけ易く栽培過程に
於いて悪影響を及ぼすことになるので上記栽培槽
の方を移動させるのが適するものである。

＜実施例及び作用＞ 以下本考案に係る気根植物の栽培装置を、その
実施例を示す図面を参酌し乍ら詳述する。

第１図に示すのは、本考案の使用状態を示す説
明図であり、気根植物１，１…の上、下部を植木
鉢を用いることなく紐等で直接保持する二段式の
枠体２を四角に立設された支持枠体３，３…の上
部に架設し、同枠体２の下方部に培養液あるいは
水４を収納する栽培槽５内を隔壁６，６…により
複数個の小栽培槽７，７…に分画し、更に上記栽
培槽５を上記四角に立設した支持枠体３，３…の
頂部に配設した滑車８，８…を支軸として上記栽
培槽５の四角をチエーン９等で吊り上げた状態で
保持するものであり、上記チエーン９等を上記支
持枠体３，３…下部に配設されたモーター１０で
巻き上げ、巻き戻しをすることにより、上記栽培
槽５を自在に上下動でき、上記枠体２に保持され
た気根植物１に随時上記培養液あるいは水４を必
要な時に供給することができるものである。

第２図及び第３図はそれぞれ栽培槽を上下動さ
せる他の手段を示した説明図であり、第２図の様
に架設した枠体２の下方部に表面が平歯状のレー
ル１１，１１を敷設し、上記枠体２と同レール１
１，１１との空間部に設けられた栽培槽５の底部
に一端が枢軸され他端には回転自在な歯車１２を
配設し、更に同歯車１２と上記レール１１上の歯
部とが互いに歯合した杆体１３，１３…を所要個
所に配設し、同杆体１３，１３…の他端に配設さ
れた歯車１２を所要個所に配設されたキヤードモ
ータ１４により上記レール１１，１１上を平行移
動させることにより上記栽培槽５を上下動させる
ことができるものである。

又、第３図に示す実施例は上記栽培槽５の下方
部に同栽培槽５を保持することができる空気を充
填したチユーブ１５を設け、同チユーブ１５内へ
の空気の量をエアーコンプレツサー等で調整する
ことにより上記栽培槽５を上下動するものであ
る。

更に上記気根植物１に対する栽培槽５の上部移
動は、約４〜７日間に１度の割合でよく、従つて
栽培槽５への水、或は培養液の補給は、気根植物
１への供給後、或は供給前に、各小栽培槽７，７
…毎に行うか、又は総入れ替えをするものであ
る。

なお、以上述べた様に栽培槽を上下動させる手
段としては種々考えられるが要は経済的でしかも
操作の簡単な手段が望ましい。

＜考案の効果＞ 本考案によれば、気根植物の栽培に必須な水コ
ケ等の植込み材料が不必要となり、その為に手間
が掛からず根等を傷めること無く栽培する事がで
きるものである。

又栽培槽に複数個の隔壁を設けることにより、
万一ある一個の植物に病源菌が宿つた場合でもそ
の病源菌が水や培養液を伝わつて他の気根植物に
伝染することがなくなり多くの気根植物の栽培に
於いて効率的に栽培する事ができ、多種多用の効
果を奏する事が出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の使用状態を示す説明図、第２
図及び第３図はそれぞれ栽培槽を上下動させる他
の手段を示した説明図である。 図中、１：気根植物、２：枠体、４：培養液或
いは水、５：栽培槽、６：隔壁、７：小栽培槽。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 培養液あるいは水を収納する栽培槽内を隔壁に
   より複数個の小栽培槽に分画し、一方上記栽培槽
   の上方部には気根植物を直接的に保持する保持手
   段を有する枠体を架設し、該枠体に対して上記栽
   培槽を所要手段によつて上下動自在にならしめこ
   とを特徴とする気根植物の栽培装置。