JPH033198Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、側方へ傾斜したフレーム上に、多数
の凸条を横方向に備えると共に表面を弾性材料で
形成した短冊状板を短手方向に且つ前後に傾斜さ
せて取り付けて受面体を構成し、受面体の下部上
方に弾性材料から成る複数枚の螺旋状の羽根を長
手方向に突設したロールをフレームと平行に軸支
せしめ、受面体を傾斜面に沿つて往復運動させる
と共に羽根が受面体の下から上に向かうようにロ
ールを自転させるようにした皮剥機に関するもの
で、筍の甘皮や小芋、じやがいも、ごぼう等の皮
を剥く場合に用いられる。

（従来技術とその問題点） 出願人は、この種の皮剥機を特許第1255942号
（特公昭59−30079号）及び実用新案登録第
1603360号（実公昭59−41987号）として、すでに
提案している。

これらの機械の基本的構成は、第５図及び第６
図に示すものであつて、側方へ傾斜させたフレー
ム１上に多数の凸状３を横方向に備えると共に表
面４を弾性材料で形成した短冊状板２を短手方向
に且つ前後に傾斜させて受面体５を構成し、これ
を図示しない駆動手段でフレーム１の傾斜面上で
矢印ａ方向で往復運動させる一方、受面体５の下
部上方に弾性材料から成る複数枚の螺旋羽根７を
ロール６の長手方向に沿わせ且つその自転方向と
は逆方向に突出させ、これをフレーム１と平行に
軸支させて受面体との間に間隙を形成し（第６図
参照）、ロール６を矢印ｂ方向に自転させる構成
のものである。

受面体５に往復運動をさせると、短冊板は斜め
向きに上下させらるために同時に幅方向で揺動
し、ロール６の自転によつて羽根がロールの先端
側を移行しながら連続して前送り状に現れてく
る。

受面体５とロール６とで形成される間隙は筍等
の加工物１０を導くと、加工物１０は、短冊板の
上下及び揺動運動並びに羽根７の回転運動とによ
つて上下させられると同時にこれらと摺接し、
徐々に回転前進させられながら皮が剥かれてゆく
のである。

この装置を用いて例えば筍の甘皮を剥こうとす
ると、筍は砲弾形をしているために、受面体とロ
ールとの間隙では先端が下方へ向いた状態となる
ため、甘皮が剥かれる際には先折れしないのが通
例である。

しかしながら、間隙に投入された筍は、その移
動が受面体の斜目方向における上下運動、受面体
を構成する短冊状板の幅方向における揺動及び螺
旋羽根の回転だけに委ねられているため、筍の上
下運動、回転運動及び前進運動と受面体及び羽根
の運動タイミングにずれが発生すると、筍は跳ね
上げられ、その進路にずれが生じて不用意に受面
体や羽根に当たつてしまい、傷が付いたり先折れ
を起こしたりする不都合があつた。

（技術的課題） 本考案は、側方へ傾斜したフレーム上に、多数
の凸条を横方向に備えると共に表面を弾性材料で
形成した短冊状板を短手方向に且つ前後に傾斜さ
せて取り付けて受面体を構成し、受面体の下部上
方に弾性材料から成る複数枚の螺旋状の羽根を長
手方向に突設したロールをフレームと平行に軸支
せしめ、受面体を傾斜面に沿つて往復運動させる
と共に羽根が受面体の下から上に向かうようにロ
ールを自転させるようにした皮剥機において、加
工物が間隙上においてその進路を大きく外さない
ようにするとを課題としたものである。

（技術的手段） この技術的課題を解決するための技術的手段
は、 受面体とロールとで形成される間隙の上方に加
工物の上昇制御手段を配置すること、 である。

（技術的手段の作用） 受面体とロールとの間に導かれた加工物は、受
面体の往復運動とロールの自転に伴う螺旋羽根の
作用によつて、その甘皮が剥かれながら前進させ
られるが、受面体とロールとで形成される間隙の
上方に位置させた上昇制御手段によつて、加工物
の跳ね上がりが抑制され、不用意に進路を外すこ
とはない。

従つて、加工物は、元の姿勢のまま回転前進
し、常に受面体とロールとで形成される間隙上に
位置させることができる訳である。

（本考案の効果） 加工物が間隙上での進路を保持できる結果、加
工物に傷がついたり、折れたりすることがなく、
加工物の品質がランク落ちしない効果がある。

また、加工物の跳ね上がり時間が少なくなるた
め、皮剥の能率が良くなる利点がある。

（実施態様） 上昇制御手段としては、ゴム状弾性体から成る
多数のシート体や紐状体を受面体とロールとで形
成される間隙に対して吊下せしめ、その下端部分
が上昇する加工物と当接してその跳ね上がりを抑
制するようにすることができる。また、加工物の
進行と同方向に無端走行体を循環させ、この走行
体にゴム状弾性体からなるシートの基端部を進行
方向とは直角に固定乃至枢着し、他端部で加工物
の跳ね上がりを抑制するようにしても良い。

いずれも弾性体で加工物の上昇を抑制するた
め、それ自身が加工物を傷める心配はない。

また、間隙上方に送風機を配置して空気で加工
物を谷部へ押しつけその跳ね上がりを防止するこ
ともできる。空気による上昇制御は、加工物に全
く接触しないために好都合であり、大小に影響さ
れずに加工物を受面体と効率良く接触させられる
利点がある。

（実施例） 次に、上記技術的手段の具体例を図面を参酌し
て説明する。

第１図は、皮剥機の正面図を示したもので、受
面体５とロール６とで形成される谷部の上方に全
長にわたつて吹き出し口１４を設けた送風機１３
を配置したものである。

風は、吹き出し口１４からカーテン状に谷部に
向かつて吹き出され谷部で回転前進させられる筍
を常時空気で押さえることになる。

この吹き出し口１４は、第２図で示したよう
に、その内側に多数のガイド板１６が並列させて
あり、各ガイド板１６の上端部を固定した横杆１
７は吹き出し口１４の側壁１５に軸支させると共
に一端が外方に突出させてある。

突出した横杆１７は、吹き出し口の側壁１５に
沿つて進退する操作杆１８とリンク１９させてあ
り、操作杆１８を進退させることによつてガイド
板１６が揺動する。従つて、風の吹き出し方向
は、操作杆１８を操作することによつて自在に変
化させることができる。

風向きを筍の前進方向にむけると、筍を押さえ
ながらその前進を促進させることができ、また、
垂直方向にむけると、跳ね上げられ易い小さい筍
を十分おさえることができるようになる。

第３図は他の実施例を示したもので、受面体５
とロール６の間隙上方に、軟質ゴムからなる紐２
２を多数吊設させた面板２１を全長にわたつて配
置し、紐２２の下端が図示しない加工物と接触す
るように構成したものである。

また、第４図は、受面体５とロール６とで形成
される谷部の上方に二条の無端チエーン２３をロ
ール軸と平行に走行させ、チエーン端部を軸支さ
せたシヤフト２４にゴムシート２５の上部を固定
させた上昇制御装置を示したものである。

このゴムシート２５は、上段の走行部では横向
きとなるが、下段の走行部では谷部に向かつて直
立し、ゴムシートの下端部分が跳ね上がろうとす
る筍を押さえることになる。

【図面の簡単な説明】

図面は、技術的手段の具体例を説明するための
もので、第１図は送風機を備えた皮剥機の正面概
略図、第２図はその一部を切り欠いた右側面図、
第３図はゴムシートを用いた上昇制御装置の正面
図、第４図は循環するゴムシートを用いた上昇制
御装置の右側面図、第５図は先に提案した皮剥機
の正面図、第６図はその縦断面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側方へ傾斜したフレーム上に、多数の凸条を横
   方向に備えると共に表面を弾性材料で形成した短
   冊状板を短手方向に且つ前後に傾斜させて取り付
   けて受面体を構成し、受面体の下部上方に弾性材
   料から成る複数枚の螺旋状の羽根を長手方向に突
   設したロールをフレームと平行に軸支せしめ、受
   面体を傾斜面に沿つて往復運動させると共に羽根
   が受面体の下から上に向かうようにロールを自転
   させるようにした皮剥機において、受面体とロー
   ルとで形成される間隙上方に加工物の上昇制御手
   段を配置した皮剥機。