JPH0328741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、主として茶樹畝の上面を所定の形状
に整形する茶樹剪枝機に関し、特に、刈取られた
茶葉を畝間に吹き落す際に所定方向に案内する刈
葉飛散防止具を具備した茶樹剪枝機に関するもの
である。

【従来の技術】

茶樹畝は、その幅方向に概ね円弧状に形成され
ており、毎年、３月から10月頃までの間に３〜４
回程度の剪枝（刈りならし）作業が行なわれてい
る。この作業を行う機械として、茶樹畝上面の円
弧に沿つて延びるフレームと、このフレームの前
縁側に設けられ、フレームの長さ方向に往復動す
るバリカン式の刈刃体と、フレームの一側部に設
けられ、刈刃体を駆動するための伝動機構（伝動
ケース）および原動機と、フレームの後縁側に設
けられた茶葉誘導板に圧力風を送出し、茶葉誘導
板上の刈葉を吹き落すための送風機と、上記フレ
ームを支持するフレーム支持杆の両側に、締付具
を介して設けられた左右の把手とを具備した二人
用の茶樹剪枝機が、例えば特開昭60−114121号公
報により知られている。

【考案が解決しようとする問題点】

上記茶樹剪枝機は、茶樹畝の上面の円弧に沿つ
て茶葉誘導板も円弧状に形成しており、この円弧
状の茶葉誘導板の一側端に送風機の送風口が開口
していて茶葉誘導板上に圧力風を送出して刈葉を
吹き落すのであるが、送風機から送出される圧力
風は上下に若干の広がりをみせるものの円弧状の
茶葉誘導板および刈刃体上を平均に通過させるこ
とは至難の業である。このため、刈葉のうちの質
量の小さい軽いものは圧力風によつて吹飛ばされ
てもすぐに失速状態となつて茶葉誘導板に沿つて
畝間に落下するが、質量がある程度以上大きな徒
長した刈葉は、一旦飛散速度がつくと遠距離まで
飛ばされることになり、隣りの茶樹畝上に落下す
ることになる。さらに、茶園が傾斜している場合
はこの傾向がより大きくなる。この飛散した茶葉
は、そのまま放置すれば、次の茶摘時に新芽中に
混入し易く、茶の品質に悪影響を及ぼすことにな
るので、これを除去しなければならず、多くの労
力を必要とする。また、刈葉が隣りの茶樹畝まで
吹飛ばない程度に送風機の風力を弱めると、今度
は刈葉を畝間に落下させるだけの能力がなくな
り、茶葉誘導板上に停滞することになるなどの問
題があつた。

【問題点を解決するための手段】

本考案は、上記の事情にかんがみ、上記送風機
と反対側の茶葉誘導板の端部上に、送風機からの
圧力風と対向して刈葉を所定方向に案内する飛散
防止案内板を設けたことを特徴とするするもので
ある。

【作用】

この構成により本考案の茶樹剪枝機は、徒長し
た大きな刈葉でも隣りの茶樹畝上まで吹飛ばすこ
とがなく、確実に畝間に落下させることができ、
能率的な剪枝作業が行なえるものである。

【実施例】

以下、本考案の一実施例を、図面を参照して説
明する。 第１図において、符号１はエンジンで、このエ
ンジン１の出力軸は下方を向いており、その状態
で送風機２に固着されている。送風機２の下側に
は、後述する刈刃体を駆動する伝動ケース３が設
けられている。符号６は、図示しない茶樹畝の幅
方向の円弧に沿つて延び、所定幅を有するフレー
ムで、このフレーム６の前縁側には、上刃４、下
刃５からなるバリカン式の刈刃体が配設されてい
る。この上刃４および下刃５は、フレーム６の一
側に固着された伝動ケース３から動力を受け、フ
レーム６の長さ方向に往復動するもので、伝動ケ
ース３内には、図示しないが減速歯車、クラン
ク、ロツド等が内装され、刈刃体を往復駆動する
ようになつている。また、フレーム６の後縁側に
は茶葉誘導板７が設けられ、さらに、フレーム６
の左右両側に締結具１０を介して把手８と把手９
とが取付けられている。上記送風機２の送風口２
ａは茶葉誘導板７に臨んで開口しており、茶葉誘
導板７の長さ方向に沿つて送風するようになつて
いる。 上記茶葉誘導板７の送風機２と反対側の端部上
には、第２図に詳細に示すように、把手アーム９
ａに保持金具１１を介してコ字状の支持枠１２を
支持し、この支持枠１２の上部枠１２ａに上端を
回動可能に枢支された飛散防止案内板１３が設け
られている。保持金具１１は把手アーム９ａに対
し回動調節可能であり、また支持枠１２は、保持
金具１１の締付ねじ１１ａにより保持角度が調節
できるものであつて、この両調節によつて飛散防
止案内板１３は茶葉誘導板７の端部との間隔、角
度等が調節される。また、支持枠１２の下部枠１
２ｂには、飛散防止案内板１３の背面と当接する
緩衝体１４が設けられている。そして、飛散防止
板１３は、送風機２の送風口２ａからの圧力風に
よつて揺動し、茶葉誘導板７上を吹き飛ばされて
くる刈葉を茶葉誘導板７の端部から畝間に落下さ
せるものである。 このように構成された茶樹剪枝機においては、
エンジン１を起動して送風機２および上刃４、下
刃５（刈刃体）を駆動させ、２人の作業者が両側
から把手８，９を持つて、茶樹畝を間に向き合う
ようにして刈刃体を茶樹の上面円弧に沿わせて前
進すれば、刈刃体によつて茶樹畝の上面の枝葉が
円弧状に刈取られる。刈取られた枝葉は茶葉誘導
板７上に載るが、ここには送風機２で生起された
圧力風が送風口２ａから吹出しており、刈葉は茶
葉誘導板７の長さ方向に吹き飛ばされて飛散防止
案内板１３に案内されて畝間に落下する。このと
き、茶葉の質量の大、小によつて圧力風により吹
き飛ばされる距離が異ることになるが、これらは
飛散防止案内板１３によつて質量の大きな徒長し
た刈葉であつても飛散が阻止されて畝間に落下す
ることになり、隣りの茶樹畝上にかかるのが確実
に防止される。 なお、上記実施例においては、飛散防止案内板
１３を揺動するように構成したが、これを固定す
る構成にしてもよく、またフレーム６、刈刃体、
茶葉誘導板７等を、茶樹畝の幅方向に沿わせて円
弧状に形成したものに飛散防止案内板１３を設け
たものを示したが、これらを直線状に形成したも
のでも同様に装着できるものである。

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の茶樹剪枝機にお
ける刈葉飛散防止具によれば、送風機２と反対側
の茶葉誘導板７の端部上に、送風機２からの圧力
風と対向して飛散防止案内板１３を設けたので、
送風機２からの圧力風によつて吹き飛ばされる刈
葉は、刈葉の質量の大、小にかかわらず飛散防止
案内板１３によつて所定方向に案内されて、畝間
に確実に落下させることができ、特に徒長した刈
葉にあつてもその飛散を確実に防止し、従つて、
刈葉が隣りの茶樹畝上に落下して、これを除去す
る労力が不要となる。 また、飛散防止案内板１３により刈葉と共に塵
埃も一定方向に案内されて畝間に落下するから、
作業者に塵埃がかかるのが防止される。 さらに、飛散防止案内板１３は簡単な構成であ
り、把手アームに取付ければよいだけなので、従
来の剪枝機に容易に装着することができる。 また、飛散防止案内板１３を透明合成樹脂で形
成した場合には、作業中に刈葉の流れを外側から
観察できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す茶樹剪枝機全
体の斜視図、第２図は要部の一部分解斜視図であ
る。 １……エンジン、２……送風機、２ａ……送風
口、３……刈刃体の伝動ケース、４……上刃、５
……下刃、６……フレーム、７……茶葉誘導板、
８，９……把手、１０……締結具、１１……保持
金具、１２……支持枠、１３……飛散防止案内
板、１４……緩衝体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 茶樹畝の幅方向に沿つて延びるフレームと、こ
   のフレームの前縁側に設けられ、フレームの長さ
   方向に往復動するバリカン式の刈刃体と、フレー
   ムの一側部に設けられ、刈刃体を駆動するための
   伝動機構および原動機と、フレームの後縁側に設
   けられた茶葉誘導板に圧力風を送出し、茶葉誘導
   板上の刈葉を吹き落すための送風機とを備える茶
   樹剪枝機において、 上記送風機と反対側の茶葉誘導板の端部上に、
   送風機からの圧力風と対向して刈葉を所定方向に
   案内する飛散防止案内板を設けたことを特徴とす
   る茶樹剪枝機における刈葉飛散防止具。