JPH032783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、フラツパ用スプリングのスプリング
受けを有する電磁弁に適用して有効な技術に関す
るものである。

〔従来の技術〕

この種の電磁弁のフラツパ用スプリングのスプ
リング受けは、通常、真鍮などの金属製であり、
底に孔を有する容器状に形成されている。他方、
弁本体には、放電加工などの削り加工により止め
溝が形成されている。そして、このスプリング受
けは、その開口端縁が弁本体の止め溝に嵌合され
た止め輪により弁本体に取着されている。

また、このようなスプリング受けが、かしめ加
工やねじ止めなどによつて弁本体に取着されてい
るものもある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、前記したスプリング受けは、その弁
本体の取着に際し、止め輪の嵌め込み、かしめ加
工、あるいはねじ止めなどの作業を要するため、
その組立が煩わしく、また、止め輪の嵌合やねじ
止めによるものは、その夫々の部品が必要で、部
品数が増加するという問題点がある。

このような問題点は、電磁弁の低コスト化の妨
げにもなる。

本考案は、前記問題点に着目してなされたもの
であり、その目的は、スプリング受けの弁本体へ
の取着が容易で組立および分解の容易化を図るこ
とができ、また、低コスト化を図ることができる
電磁弁を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、スプリング受け部から突出されてい
る複数の脚部と、この脚部の先端側に形成されて
いる係止部とからなる樹脂製のスプリング受けを
有し、このスプリング受けがその複数の脚部の弾
性力により弁本体に取着されている電磁弁であ
る。

〔作用〕

前記した手段によれば、スプリング受けをその
スプリング受け部から突出されている複数の脚部
の弾性力により容易に弁本体に取着することがで
きるので、組立および分解の容易化を図ることが
できる。

また、止め輪やねじなどの特別の部品を要する
ことなく、スプリング受けを弁本体に取着するこ
とができるので、部品数の減少を図ることができ
る。

そして、これらの組立の容易化と部品数の減少
とにより、電磁弁の低コスト化を図ることができ
る。

〔実施例 １〕 第１図は本考案の実施例１に係る電磁弁を示す
要部断面図、第２図は第１図に示す電磁弁の分解
斜視図である。

本実施例の電磁弁は、パイロツト形の電磁弁で
あつて、そのスプリング受け１は、樹脂製であ
る。

スプリング受け１は、底に孔２ａを有する容器
状のスプリング受け部２と、このスプリング受け
部２の周壁から一体的に突出されて対向している
複数の弾性の脚部３，３と、この複数の脚部３，
３の先端に夫々形成されている外向き突起状の係
止部３ａ，３ａとからなる。

他方、このスプリング受け１が取着されるパイ
ロツト第１弁本体４は、第１図の左方側にソレノ
イド部材２１が結合されて空間部４ａが形成さ
れ、第１図の右方側に第２弁本体２２が結合され
てシリンダ室４ｂが形成されている。また、これ
らの空間部４ａとシリンダ室４ｂとの間には、脚
部用貫通孔４ｃ，４ｃが形成されていて、空間部
４ａとシリンダ室４ｂとの間を貫通している。

また、この脚部用貫通孔４ｃ，４ｃは、空間部
４ａ側が大径で短めに、シリンダ室４ｂ側が小径
で長めに形成されていて、これらの大径部と、小
径部との境目がテーパ状の係止段部（係合部）
５，５となつている。

前記スプリング受け１は、その脚部３，３が脚
部用貫通孔４ｃ，４ｃにそのシリンダ室４ｂ側か
ら空間部４ａ側に向かつて挿入され、係止部３
ａ，３ａが脚部３，３の拡開方向への弾性付勢力
によつて付勢されて係止段部５，５に係止されて
いることにより、パイロツト第１弁本体４に取着
されている。

更に、パイロツト第１弁本体４の空間部４ａの
底面中央には、第１開閉孔４ｄが開設されてい
る。

この第１開閉孔４ｄは、第２弁本体２２内の図
示しない流体通路と連通されていると共に、第１
図においてプランジヤ６が横方向すなわち軸方向
に往復運動することにより開閉される。

他方、シリンダ室４ｂの底面中央には、第２開
閉孔４ｅが開設されている。この第２開閉孔４ｅ
は、電磁弁外部の大気中に通じているとともに、
スプリング受け部２内のフラツパ７が第１図にお
いて横方向に往復運動することにより開閉され
る。

また、空間部４ａとシリンダ室４ｂとの間に
は、前記脚部用挿入孔４ｃ，４ｃと位置をずらし
てプランジヤピン用遊貫孔４ｆ，４ｆ（一方のプ
ランジヤピン用遊貫孔は、図示せず）が形成さ
れ、空間部４ａとシリンダ室４ｂとの間を貫通し
ている。

そして、これらのプランジヤ用遊貫孔４ｆ，４
ｆには、プランジヤピン９，９が夫々遊貫されて
いて、プランジヤピン９，９の夫々の両端がプラ
ンジヤ６とフラツパ７との端面に当接されてい
る。

前記フラツパ７は、プランジヤ６が第１図の状
態から第１開閉孔４ｅ側に移動した際に、その移
動がプランジヤピン９，９を介して伝達されるこ
とにより、フラツパ用のスプリング８の付勢力に
抗してプランジヤ６に同伴して移動して、第２開
閉孔４ｅを開く構造とされている。

また、シリンダ室４ｂ内には、第１ピストン１
０が第１図において横方向に摺動自在に設けられ
ている。

この第１ピストン１０は、第１開閉孔４ｄが開
くと共に第２開閉孔４ｅが閉じた際に第１図の右
方側に移動され、逆に第１開閉孔４ｄが閉じる共
に第２開閉孔４ｅが開いた際に第１図の左方側に
移動される構造とされている。そして、この第１
ピストン１０に当接されている可動軸１１が第１
ピストン１０の移動に同伴して移動されることに
より、第２弁本体２２内の流体流路（図示せず）
が切り換えられる。

すなわち、第１開閉孔４ｄが開くと、前記流体
圧回路内の圧縮空気などの流体が第１開閉孔４ｄ
から空間部４ａ内に至つた後、脚部用挿入孔３，
３とプランジヤピン用遊貫孔４ｆ，４ｆとを通じ
て、シリンダ室４ｂの第１ピストン１０の背面側
（第１図の左方側）に流入して第１ピストン１０
に作用し、他方、その流入した流体の大気中への
流出が第２開閉孔４ｅの閉止によつて阻止される
ことにより、第１ピストン１０と可動軸１１とが
第１図の右方側に移動する。

これとは逆に、第１開閉孔４ｄが閉じると、前
記シリンダ室４ｂの第１ピストン１０の背面側
（第１図の左方側）への流体の流入が阻止され、
そして、前記流体圧回路内の流体が第２弁本体２
２内の第２ピストン（図示せず）に作用すること
により、第１ピストン１０と可動軸１１とが第１
図の左方側に移動する。他方、この第１ピストン
１０の移動時には、第２開閉孔４ｅが開かれてい
るので、シリンダ室４ｂの第１ピストン１０の背
面側に流入していた流体は、該第２開閉孔４ｅを
経て大気中に排出される。

なお、前記プランジヤ６は、第２図に示すよう
にソレノイド部材２１内に収容され、そのソレノ
イド部材２１のソレノイド部の電磁力と、プラン
ジヤ用スプリング２１ａとによつて作動される。

次に、本実施例の作用について説明する。

スプリング受け１のパイロツト第１弁本体４へ
の取着に際しては、先ず、スプリング受け１のス
プリング受け部２内にフラツパ７とスプリング８
とを収容する。そして、第１図において破線で示
すようにスプリング受け１の脚部３，３の先端間
をその付勢力に抗して狭小させるようにして係止
部３ａ，３ａが係止段部５，５に至るまで脚部
３，３を脚部用貫通孔４ｃ，４ｃに夫々挿入す
る。この挿入により脚部３，３の係止部３ａ，３
ａが係止段部５，５に至ると、脚部３，３がその
付勢力によつて弾性的に拡開し係止部３ａ，３ａ
が係止段部５，５に係止されて、スプリング受け
１がパイロツト第１弁本体４に取着される。

このように本実施例によれば、スプリング受け
１は、簡単な作業によりパイロツト第１弁本体４
に容易に取着することができ、また、スプリング
受け１をその脚部３，３の弾性的付勢力により堅
固にパイロツト第１弁本体４に取着することがで
きる。

〔実施例 ２〕 第３図は本考案の実施例２に係る電磁弁に使用
されるスプリング受けを示す側面図である。

スプリング受け１は、実施例１のものと異な
り、その複数の脚部３，３が夫々二股状に形成さ
れていてこの脚部３，３の二股間も拡開方向に弾
性的に付勢されているものである。

その他の点については、実施例１のスプリング
受け１と略同じである。

以上、本考案を実施例に基づき具体的に説明し
たが、本考案は前記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能
である。

たとえば、前記実施例のスプリング受け１の脚
部３，３は、２つ形成されているが、この数に限
るものではなく、しかも脚部３，３がその閉鎖方
向への弾性付勢力で弁本体の係合部に係止される
ようにしてもよい。

また、スプリング受け１のスプリング受け部
２、脚部３、係止部３ａの夫々の形状は、前記実
施例に示すものに限定されるものではない。

更に、前記実施例の電磁弁は、パイロツト形の
ものを示したが、これに限定されるものではな
く、直動形のものでもよい。

また、主弁構造はポペツト形、スプール形など
でもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、スプリング受け部から突出さ
れている複数の脚部と、この脚部の先端側に形成
されている係止部とからなる樹脂製のスプリング
受けを有し、このスプリング受けの係止部がその
複数の脚部の拡開方向への付勢力により、弁本体
の係合部に係止されていることによりスプリング
受けが弁本体に取着され、この弁本体に取着され
たスプリング受けによりフラツパ用のスプリング
が受け止められている構造とされていることによ
り、スプリング受けをそのスプリング受け部から
突出されている複数の脚部の付勢力により容易に
弁本体に取着することができるので、組立の容易
化を図ることができる。

また、止め輪やねじなどの特別の部品を要する
ことなく、スプリング受けを弁本体に取着するこ
とができるので、部品数の減少を図ることができ
る。

そして、これらの組立の容易化と部品数の減少
とにより、電磁弁の低コスト化を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例１に係る電磁弁を示す
要部断面図、第２図は第１図に示す電磁弁の分解
斜視図、第３図は本考案の実施例２に係る電磁弁
に使用されるスプリング受けを示す側面図であ
る。 １……スプリング受け、２……スプリング受け
部、２ａ……孔、３……脚部、３ａ……係止部、
４……パイロツト第１弁本体、４ａ……空間部、
４ｂ……シリンダ室、４ｃ……脚部用貫通孔、４
ｄ……第１開閉孔、４ｅ……第２開閉孔、４ｆ…
…プランジヤピン用遊貫孔、５……係止段部（係
合部）、６……プランジヤ、７……フラツパ、８
……スプリング、９……プランジヤピン、１０…
…第１ピストン、１１……可動軸、２１……ソレ
ノイド部材、２１ａ……プランジヤ用スプリン
グ、２２……第２弁本体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) スプリング受け部から突出されている複数の
   脚部と、この脚部の先端側に形成されている係
   止部とからなる樹脂製のスプリング受けを有
   し、このスプリング受けの係止部がその複数の
   脚部の弾性力により弁本体の係合部に係止され
   ていることによりスプリング受けが弁本体に取
   着され、この弁本体に取着されたスプリング受
   けによりフラツパ用のスプリングが受け止めら
   れている電磁弁。 (2) 弁本体に形成された脚部用貫通孔に脚部が挿
   入されていることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の電磁弁。