JPH03275599A - 非線形光学結晶の製造方法 - Google Patents
非線形光学結晶の製造方法Info
- Publication number
- JPH03275599A JPH03275599A JP32088390A JP32088390A JPH03275599A JP H03275599 A JPH03275599 A JP H03275599A JP 32088390 A JP32088390 A JP 32088390A JP 32088390 A JP32088390 A JP 32088390A JP H03275599 A JPH03275599 A JP H03275599A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crystal
- single crystal
- oxygen
- heat treatment
- crucible
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000013078 crystal Substances 0.000 title claims abstract description 111
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 title claims description 22
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 8
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 35
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 claims description 35
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 claims description 35
- 239000012535 impurity Substances 0.000 abstract description 13
- 239000003779 heat-resistant material Substances 0.000 abstract description 2
- 238000001027 hydrothermal synthesis Methods 0.000 abstract 1
- 239000007858 starting material Substances 0.000 abstract 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 34
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 12
- 238000000034 method Methods 0.000 description 9
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 8
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 7
- 238000002834 transmittance Methods 0.000 description 7
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
- 239000000155 melt Substances 0.000 description 6
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 5
- GWEVSGVZZGPLCZ-UHFFFAOYSA-N Titan oxide Chemical compound O=[Ti]=O GWEVSGVZZGPLCZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 4
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 4
- 235000019796 monopotassium phosphate Nutrition 0.000 description 4
- BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N platinum Chemical compound [Pt] BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 3
- 230000008859 change Effects 0.000 description 3
- 230000006378 damage Effects 0.000 description 3
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000007836 KH2PO4 Substances 0.000 description 2
- ZLMJMSJWJFRBEC-UHFFFAOYSA-N Potassium Chemical compound [K] ZLMJMSJWJFRBEC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000009471 action Effects 0.000 description 2
- PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N aluminium oxide Inorganic materials [O-2].[O-2].[O-2].[Al+3].[Al+3] PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 2
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 2
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 2
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 2
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 2
- 238000007716 flux method Methods 0.000 description 2
- 239000001307 helium Substances 0.000 description 2
- 229910052734 helium Inorganic materials 0.000 description 2
- SWQJXJOGLNCZEY-UHFFFAOYSA-N helium atom Chemical compound [He] SWQJXJOGLNCZEY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000009413 insulation Methods 0.000 description 2
- 230000031700 light absorption Effects 0.000 description 2
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 2
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 2
- 229910000402 monopotassium phosphate Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910052697 platinum Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910052700 potassium Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000011591 potassium Substances 0.000 description 2
- GNSKLFRGEWLPPA-UHFFFAOYSA-M potassium dihydrogen phosphate Chemical compound [K+].OP(O)([O-])=O GNSKLFRGEWLPPA-UHFFFAOYSA-M 0.000 description 2
- 239000002689 soil Substances 0.000 description 2
- UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N Hydrogen Chemical compound [H][H] UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052573 porcelain Inorganic materials 0.000 description 1
- OQZCJRJRGMMSGK-UHFFFAOYSA-M potassium metaphosphate Chemical compound [K+].[O-]P(=O)=O OQZCJRJRGMMSGK-UHFFFAOYSA-M 0.000 description 1
- 229940099402 potassium metaphosphate Drugs 0.000 description 1
- 238000010583 slow cooling Methods 0.000 description 1
- 239000013589 supplement Substances 0.000 description 1
- 239000004408 titanium dioxide Substances 0.000 description 1
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
(産業上の利用分野)
本発明は、非線形光学結晶に係わり、特に光の高調波発
生に用いられる非線形光学結晶の製造方法に関する。
生に用いられる非線形光学結晶の製造方法に関する。
(従来の技術)
従来、ある種の結晶に光を照射すると、照射した光の高
調波が得られる現象は、所請5HG(Secaad H
srsoaic Geaett口on)として知られて
いる。この種の結晶は非線形光学結晶と呼ばれており、
例えばYAGレーザの1000μmの赤外光を非線形光
学結晶に照射すると、I/2の波長の緑色の光が得られ
る。このような非線形光学結晶を利用して、通常のレー
ザでは得られない光を発生する光波長変換技術が注目さ
れている。
調波が得られる現象は、所請5HG(Secaad H
srsoaic Geaett口on)として知られて
いる。この種の結晶は非線形光学結晶と呼ばれており、
例えばYAGレーザの1000μmの赤外光を非線形光
学結晶に照射すると、I/2の波長の緑色の光が得られ
る。このような非線形光学結晶を利用して、通常のレー
ザでは得られない光を発生する光波長変換技術が注目さ
れている。
SHGの性能を示す指標としては、■変換効率が高いこ
と、■位相整合角(基本波と高調波の位相速度が一致す
る角)が使い易い範囲にあり、しかもそれが広いこと、
■透明で安定であること、等がある。
と、■位相整合角(基本波と高調波の位相速度が一致す
る角)が使い易い範囲にあり、しかもそれが広いこと、
■透明で安定であること、等がある。
SHG結晶として従来知られているものに、KDP、L
1NbO,、β−BaB204等がある。しかし、こ
れらの結晶には一長一短がある。
1NbO,、β−BaB204等がある。しかし、こ
れらの結晶には一長一短がある。
例えば、KDPは水溶性があり不安定である。
L i N b Oxは良質の結晶が得られているが、
バルク結晶のままデバイスを作成する場合は変換効率が
低い。また、β−BaB204は吸湿性がなく破壊しき
い値が2GW/alと高く、しがも波長0.19〜2.
5μmまで透明で優れた変換効率を示す(例えばC,C
kea sl sl;Sci、5iiics 8211
(1985)235参照。)しかし、β−BaB、04
は融点近くに相転位温度があり、結晶が作り難いという
難点がある。
バルク結晶のままデバイスを作成する場合は変換効率が
低い。また、β−BaB204は吸湿性がなく破壊しき
い値が2GW/alと高く、しがも波長0.19〜2.
5μmまで透明で優れた変換効率を示す(例えばC,C
kea sl sl;Sci、5iiics 8211
(1985)235参照。)しかし、β−BaB、04
は融点近くに相転位温度があり、結晶が作り難いという
難点がある。
一方、これらの結晶に変わるものとして最近、安定で変
換効率が高く、且つ結晶成長が容易なKT P (KT
i OP Oa )単結晶が注目されている。しかし
、このKTP単結晶に関しても結晶成長中に酸素(02
)の欠陥を生じたり、結晶内に不純物の混入が生じ易い
等の問題があり、光学素子としての実用上の問題がある
。
換効率が高く、且つ結晶成長が容易なKT P (KT
i OP Oa )単結晶が注目されている。しかし
、このKTP単結晶に関しても結晶成長中に酸素(02
)の欠陥を生じたり、結晶内に不純物の混入が生じ易い
等の問題があり、光学素子としての実用上の問題がある
。
(発明が解決しようとする課題)
以上のように従来知られている非線形光学結晶は一長一
短があり、実用上問題である。
短があり、実用上問題である。
本発明は上記の点を鑑みなされたもので結晶成長後得ら
れたKTP単結晶に熱処理を施すことにより比較的容易
に結晶中に酸素を補うことが出来、しかも結晶内の不純
物を抽出することが出来、安定性に優れたKTP単結晶
の製造方法を提供することを目的とする。
れたKTP単結晶に熱処理を施すことにより比較的容易
に結晶中に酸素を補うことが出来、しかも結晶内の不純
物を抽出することが出来、安定性に優れたKTP単結晶
の製造方法を提供することを目的とする。
[発明の構成]
(課題を解決するための手段)
この発明はKTP非線形光学結晶の製造方法に係り、特
に結晶成長後その単結晶を200℃以上の常圧・酸素含
有雰囲気中で熱処理を施すことを特徴とするものである
。
に結晶成長後その単結晶を200℃以上の常圧・酸素含
有雰囲気中で熱処理を施すことを特徴とするものである
。
(作用)
この発明はフラックス法により製造されたKTP単結晶
に熱処理を施すことにり、雰囲気としての空気から結晶
中に酸素が導入されるとともに、処理温度が高温のため
結晶内に入った酸素が拡散することにより不純物が結晶
外へ押し出され、結晶内での不純物は減少し、光に伴う
結晶品質の劣化がなく高品質の結晶を得ることができる
。
に熱処理を施すことにり、雰囲気としての空気から結晶
中に酸素が導入されるとともに、処理温度が高温のため
結晶内に入った酸素が拡散することにより不純物が結晶
外へ押し出され、結晶内での不純物は減少し、光に伴う
結晶品質の劣化がなく高品質の結晶を得ることができる
。
特に、ここで行う熱処理は酸素含有量と熱処理温度の組
み合わせの関係が重要であり、種々の実験を行った結果
、第4図に示した実線と破線で囲む斜線の領域が好まし
い事が判った。
み合わせの関係が重要であり、種々の実験を行った結果
、第4図に示した実線と破線で囲む斜線の領域が好まし
い事が判った。
(実施例)
以下、この発明の第1の実施例の非線形光学結晶のKT
P単結晶の製造°方法につき図面を参照して説明する。
P単結晶の製造°方法につき図面を参照して説明する。
第1図はこの発明の実施に用いられる熱処理装置を断面
図で示す。第1図に示すように、耐熱材の例えば磁製で
形成されたるつぼll内に精製される単結晶体例えばK
TP単結晶帯12を収納し、るつぼごと試料台13上に
載せる。この状態で例えば処理温度800℃、常圧、大
気雰囲気中で約50時間経過される熱処理を施す。
図で示す。第1図に示すように、耐熱材の例えば磁製で
形成されたるつぼll内に精製される単結晶体例えばK
TP単結晶帯12を収納し、るつぼごと試料台13上に
載せる。この状態で例えば処理温度800℃、常圧、大
気雰囲気中で約50時間経過される熱処理を施す。
軟土の如くすることにより、単結晶体であるKTP単結
晶体12中に酸素が拡散され、結晶成長時に欠損してい
たものを補う。同時に結晶中の不純物がこの作用により
押し出され抽出される。
晶体12中に酸素が拡散され、結晶成長時に欠損してい
たものを補う。同時に結晶中の不純物がこの作用により
押し出され抽出される。
第2図には単結晶体とこれに前記熱処理を施した後の単
結晶体の夫々の光吸収を用いた透過率を示す。実践Aは
上記実施例で得られた結晶を破線Bは熱処理を施さない
結晶を比較して示す。
結晶体の夫々の光吸収を用いた透過率を示す。実践Aは
上記実施例で得られた結晶を破線Bは熱処理を施さない
結晶を比較して示す。
図より、熱処理を施した結晶がより短波長まで透明であ
り、10m−程短波長側にシフトした。また、3SO+
+m〜41101m付近での肩も改善されていた。
り、10m−程短波長側にシフトした。また、3SO+
+m〜41101m付近での肩も改善されていた。
ここで、上記熱処理温度を種々変えて実験したところ、
熱処理温度が700℃及び900℃では一点鎖線Cのご
とく得られ、熱処理温度が700℃より低温では透過率
に変化は見られず未処理のものと同じで効果はなかった
。また熱処理温度が900℃より高温だと結晶表面に溶
融現象が生じ、透過率は二点鎖線りのごとく光の取出し
効率を著しく悪くしている。従って雰囲気を大気にした
場合には熱処理温度は100℃乃至900℃の範囲に設
定しなければならない。また、熱処理温度が800℃で
は青色域での吸収の低下が見られず、その結果光取出し
効率も向上した。
熱処理温度が700℃及び900℃では一点鎖線Cのご
とく得られ、熱処理温度が700℃より低温では透過率
に変化は見られず未処理のものと同じで効果はなかった
。また熱処理温度が900℃より高温だと結晶表面に溶
融現象が生じ、透過率は二点鎖線りのごとく光の取出し
効率を著しく悪くしている。従って雰囲気を大気にした
場合には熱処理温度は100℃乃至900℃の範囲に設
定しなければならない。また、熱処理温度が800℃で
は青色域での吸収の低下が見られず、その結果光取出し
効率も向上した。
このようにして得られた結晶の夫々に平均出力10Wの
QスイッチYAGレーザを照射したところ530++i
の緑の5)IG発光が認められ、夫々の熱処理温度に対
しての変換効率の関係を第3図に示した。第3rI!J
より、熱処理温度が700℃乃至900℃の範囲で変換
効率が最も大きく得られ、それよりも低温でも高温でも
効率は低下した。
QスイッチYAGレーザを照射したところ530++i
の緑の5)IG発光が認められ、夫々の熱処理温度に対
しての変換効率の関係を第3図に示した。第3rI!J
より、熱処理温度が700℃乃至900℃の範囲で変換
効率が最も大きく得られ、それよりも低温でも高温でも
効率は低下した。
これは熱処理による酸素欠損を防ぎ、不純物を抽出した
結果、結晶の光損傷の改善が計られ、それにより結晶に
光を照射してもこわれ難く、それだけ外部への先取出し
が良くなることに起因している。
結果、結晶の光損傷の改善が計られ、それにより結晶に
光を照射してもこわれ難く、それだけ外部への先取出し
が良くなることに起因している。
4鼻蕃鱗=
次に、本発明の第2の実施例の非線形光学結晶のKTP
単結晶の製造方法につき図面を参照して説明する。
単結晶の製造方法につき図面を参照して説明する。
第5図はこの発明の実施に用いられる熱処理装置の断面
図である。第1図と同一部分は同一番号を付した。第5
図に示すように耐熱材例えば磁製で形成されたるつぼi
l内に精製される単結晶体例えばKTP単結晶体12を
収納し、るつぼ11ごと試料台13上に載せる。16は
るつぼ11を収納する容器であり、!7、目はこの容器
16のふたである。この状態で例えば処理温度211(
1℃、常圧、酸素雰囲気中で約10時間経過される熱処
理を施す。この時、雰囲気ガス21は、導入管19より
入り、排ガス22は放出管20から外部に導き出される
。
図である。第1図と同一部分は同一番号を付した。第5
図に示すように耐熱材例えば磁製で形成されたるつぼi
l内に精製される単結晶体例えばKTP単結晶体12を
収納し、るつぼ11ごと試料台13上に載せる。16は
るつぼ11を収納する容器であり、!7、目はこの容器
16のふたである。この状態で例えば処理温度211(
1℃、常圧、酸素雰囲気中で約10時間経過される熱処
理を施す。この時、雰囲気ガス21は、導入管19より
入り、排ガス22は放出管20から外部に導き出される
。
軟土の如くすることにより、単結晶体であるKTP単結
単結晶体中2中素が拡散され、結晶成長時に欠損してい
たものを補う。同時に結晶中の不純物がこの作用により
押し出され抽出される。
単結晶体中2中素が拡散され、結晶成長時に欠損してい
たものを補う。同時に結晶中の不純物がこの作用により
押し出され抽出される。
第6図には単結晶体とこれに前記熱処理を施した後の単
結晶体の夫々の光吸収を用いた透過率を示す。実線Eは
上記実施例で得られた結晶を、破線Bは熱処理を施さな
い結晶を比較例として示す。
結晶体の夫々の光吸収を用いた透過率を示す。実線Eは
上記実施例で得られた結晶を、破線Bは熱処理を施さな
い結晶を比較例として示す。
この図より、熱処理を施した結晶がより短波長まで透明
であり、leam程短波長短波長側トした。
であり、leam程短波長短波長側トした。
また、3501m〜40hm付近での肩も改善され、さ
らに長波長側にかけての透過率も向上することが明らか
となった。
らに長波長側にかけての透過率も向上することが明らか
となった。
この様にフラックス法により製造されたKTP単結晶に
熱処理を施すことにより、酸素含有雰囲気から結晶中に
酸素が導入されるとともに、処理温度が比較的低温にも
かかわらず、結晶内に入った酸素が拡散することにより
不純物が結晶外へ押し出され、結晶内での不純物は減少
し、光に伴う結晶品質の劣化がなく、高品質の結晶を得
ることができる。
熱処理を施すことにより、酸素含有雰囲気から結晶中に
酸素が導入されるとともに、処理温度が比較的低温にも
かかわらず、結晶内に入った酸素が拡散することにより
不純物が結晶外へ押し出され、結晶内での不純物は減少
し、光に伴う結晶品質の劣化がなく、高品質の結晶を得
ることができる。
ここで、再び第6図にもどり、上記酸素含有雰囲気の酸
素濃度を種々変えて実験したところ、酸素濃度が20%
含む雰囲気、所謂空気中では一点鎖線Fのごとく得られ
、酸素濃度が20%以上では先の酸素濃度1011%と
ほぼ同じ傾向を示した。
素濃度を種々変えて実験したところ、酸素濃度が20%
含む雰囲気、所謂空気中では一点鎖線Fのごとく得られ
、酸素濃度が20%以上では先の酸素濃度1011%と
ほぼ同じ傾向を示した。
しかし、酸素濃度が0%の例えば窒素のみの雰囲気では
、二点鎖線Gのごとく吸収端が短波長側に多少シフトす
るもそれより長波長側での透過率に変化は見られず、未
処理のものと同じで効果は少なかった。
、二点鎖線Gのごとく吸収端が短波長側に多少シフトす
るもそれより長波長側での透過率に変化は見られず、未
処理のものと同じで効果は少なかった。
以上のことから、熱処理雰囲気としての酸素が重要な役
割を果しており、従って酸素含有量は酸素濃度として2
0%以上であれば、青色域での吸収の低下が見られず、
その結果光取出し効率も向上した。
割を果しており、従って酸素含有量は酸素濃度として2
0%以上であれば、青色域での吸収の低下が見られず、
その結果光取出し効率も向上した。
このようにして得られた結晶の夫々に平均出力lOWの
QスイッチYAGレーザを照射したところ3530m−
の緑色のSHG発光が認められた。夫々の酸素濃度に対
しての変換効率の関係を第7図に示した。第7図より含
有酸素濃度が20%以上であれば変換効率は大きく得ら
れ、以後酸素濃度160%までその値は持続し、低下は
見られなかった。しかし、酸素濃度が20%より低い領
域では効率は低下した。
QスイッチYAGレーザを照射したところ3530m−
の緑色のSHG発光が認められた。夫々の酸素濃度に対
しての変換効率の関係を第7図に示した。第7図より含
有酸素濃度が20%以上であれば変換効率は大きく得ら
れ、以後酸素濃度160%までその値は持続し、低下は
見られなかった。しかし、酸素濃度が20%より低い領
域では効率は低下した。
これは、熱処理による酸素欠損を防ぎ、不純物を抽出し
た結果、結晶の光損傷の改善が計られ、それらにより結
晶に光を照射してもこわれ難く、それだけ外部への光取
出しが良くなることに起因している。
た結果、結晶の光損傷の改善が計られ、それらにより結
晶に光を照射してもこわれ難く、それだけ外部への光取
出しが良くなることに起因している。
上記では熱処理温度200℃を用いて行ったが、熱処理
温度が900℃までの範囲内ならば同様の効果が得られ
ることはいうまでもない。
温度が900℃までの範囲内ならば同様の効果が得られ
ることはいうまでもない。
以上述べたように本実施例によれば酸素含有雰囲気中で
熱処理を施すことにより結晶中に酸素が補われ、KTP
単結晶の持つ非線形光学定数を決定している特異な結合
(Ti−0)を増加させ、更に不純物の混入が皆無な、
光学的劣化のない完全に透明なKTP単結晶が得られ、
変換効率の高い非線形光学結晶を提供することができる
。
熱処理を施すことにより結晶中に酸素が補われ、KTP
単結晶の持つ非線形光学定数を決定している特異な結合
(Ti−0)を増加させ、更に不純物の混入が皆無な、
光学的劣化のない完全に透明なKTP単結晶が得られ、
変換効率の高い非線形光学結晶を提供することができる
。
さらに、本発明の第3の実施例の非線形光学結晶のKT
P単結晶の製造方法につき図面を参照して説明する。
P単結晶の製造方法につき図面を参照して説明する。
第8図はこの発明の実施に用いられる結晶成長装置の概
略構成を示す断面図であり、第9図は上記装置を熱処理
装置として用いたものの断面図を示す。図中40は容器
であり、この容器40内には原料融液30を充填した白
金製ルツボ31が収容されている。ルツボ31は支持台
32上に設置されており、支持台32には下面にこれと
垂直な支持軸33が取着されている。支持軸33は容器
40の底部を貫通して設けられ、さらに外部からの駆動
により回転と昇降が自在となっている。また、この支持
軸33には、原料等の融液の温度を測定するための熱電
対34が付設されている。
略構成を示す断面図であり、第9図は上記装置を熱処理
装置として用いたものの断面図を示す。図中40は容器
であり、この容器40内には原料融液30を充填した白
金製ルツボ31が収容されている。ルツボ31は支持台
32上に設置されており、支持台32には下面にこれと
垂直な支持軸33が取着されている。支持軸33は容器
40の底部を貫通して設けられ、さらに外部からの駆動
により回転と昇降が自在となっている。また、この支持
軸33には、原料等の融液の温度を測定するための熱電
対34が付設されている。
ルツボ31の上部には断熱用のアルミナシールド部材3
Sが配置され、さらにルツボ31の底部及び側部にも断
熱用のアルミナシールド部材36が配置されている。そ
して、これらのシールド部材35.36によりルツボ3
1は囲まれている。シールド部材36の内側には、ヒー
タ37が内挿され、このヒータ37によりルツボ31が
加熱されるものとなっている。
Sが配置され、さらにルツボ31の底部及び側部にも断
熱用のアルミナシールド部材36が配置されている。そ
して、これらのシールド部材35.36によりルツボ3
1は囲まれている。シールド部材36の内側には、ヒー
タ37が内挿され、このヒータ37によりルツボ31が
加熱されるものとなっている。
また、ルツボ31の上方には、回転と昇降が可能な支持
棒(結晶引上げ棒)24が設置され、この支持棒24の
下端に種結晶22が取着されている。そして、この種結
晶22を原料融液30に接触させたのち、引上げること
により、結晶が引上げ成長されるものとなっている。な
お、図中25は観測窓、26は雰囲気調整口を、更に図
中底部27は真空排気口、28は雰囲ガス排気口を示し
ている。
棒(結晶引上げ棒)24が設置され、この支持棒24の
下端に種結晶22が取着されている。そして、この種結
晶22を原料融液30に接触させたのち、引上げること
により、結晶が引上げ成長されるものとなっている。な
お、図中25は観測窓、26は雰囲気調整口を、更に図
中底部27は真空排気口、28は雰囲ガス排気口を示し
ている。
第9図は第8図と同じ装置であり、第8図と同一部分に
は同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
は同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
次に、上記構成された装置を用いたKTP単結晶の成長
及び熱処理方法について第8図及び第9図に沿って説明
する。
及び熱処理方法について第8図及び第9図に沿って説明
する。
この実施例では、原料はKTiOPO4に対してに過剰
側(KH2PO4/T i Oxのモル比が2)に設定
し、KH2PO4(リム酸二水素カリウム)とTiO2
(二酸化チタン)を混合して用いる。更にフラックスと
してKa P 207 (ピロリム酸カリウム)とK
PO,(メタリン酸カリウム)を混合して用い、KTP
とフラックスとの比率(K T P / 11ux)は
重さ比で0.75とした。それぞれの原料30を第8図
に示す引上げ装置の白金製ルツボ31内に収容する。
側(KH2PO4/T i Oxのモル比が2)に設定
し、KH2PO4(リム酸二水素カリウム)とTiO2
(二酸化チタン)を混合して用いる。更にフラックスと
してKa P 207 (ピロリム酸カリウム)とK
PO,(メタリン酸カリウム)を混合して用い、KTP
とフラックスとの比率(K T P / 11ux)は
重さ比で0.75とした。それぞれの原料30を第8図
に示す引上げ装置の白金製ルツボ31内に収容する。
まず、三方コック29を操作し真空排気口27を開いて
系全体を10−’Tour台に排気置換する。次いで三
方コック29を操作し真空排気口27を閉じて、上部雰
囲気調整口26から高純度ヘリウムガス(水分露点<−
70℃〉を導入する。次に底部三方コック29を操作し
ガス排気口28を開いてヘリウムガスを流し、数時間経
過させる。
系全体を10−’Tour台に排気置換する。次いで三
方コック29を操作し真空排気口27を閉じて、上部雰
囲気調整口26から高純度ヘリウムガス(水分露点<−
70℃〉を導入する。次に底部三方コック29を操作し
ガス排気口28を開いてヘリウムガスを流し、数時間経
過させる。
その後、ヒータ37を加熱し、1000℃にて10時間
保持し、ルツボ3!内の原料30を完全に溶解、反応さ
せると共に脱泡を施す。次いで、種結晶22を原料融液
30に接触させて、種結晶22が原料融液30と馴染む
ようにする。その後、1時間に1℃の割合で徐冷を施し
、結晶成長を行う。この時、ルツボ31及び種結晶22
はそれぞれ5.1Qjpsの回転を施す。
保持し、ルツボ3!内の原料30を完全に溶解、反応さ
せると共に脱泡を施す。次いで、種結晶22を原料融液
30に接触させて、種結晶22が原料融液30と馴染む
ようにする。その後、1時間に1℃の割合で徐冷を施し
、結晶成長を行う。この時、ルツボ31及び種結晶22
はそれぞれ5.1Qjpsの回転を施す。
引上げは1m/時の割合で種結晶22を引上げて行う。
そして、温度が800℃に至ったとき成長を止めて、成
長した結晶を融液から引き抜く。
長した結晶を融液から引き抜く。
次に、第9図に示すごとく構成された装置を用いてKT
P単結の熱処理方法にて説明する。上記実施例の成長方
法を駆使して成長した結晶を温度が800℃に至ったと
き成長を止めて、成長した結晶を融液から引き抜き、第
9図に示したような位置に結晶を置く。この状態で、雰
囲気ガスを酸素含有雰囲気ガス例えば酸素濃度100%
に換え、常圧中で10時間経過させる熱処理を施した。
P単結の熱処理方法にて説明する。上記実施例の成長方
法を駆使して成長した結晶を温度が800℃に至ったと
き成長を止めて、成長した結晶を融液から引き抜き、第
9図に示したような位置に結晶を置く。この状態で、雰
囲気ガスを酸素含有雰囲気ガス例えば酸素濃度100%
に換え、常圧中で10時間経過させる熱処理を施した。
このようにして得られた結晶の夫々に平均出力10Wの
QスイッチYAGレーザを照射したところ530+mの
緑色のSHG発光が認められ波長と透過率との関係につ
いては第6図と同様の結果が得られ、また、夫々の酸素
濃度に対しての変換効率は7rIIJと同様の結果を得
た。
QスイッチYAGレーザを照射したところ530+mの
緑色のSHG発光が認められ波長と透過率との関係につ
いては第6図と同様の結果が得られ、また、夫々の酸素
濃度に対しての変換効率は7rIIJと同様の結果を得
た。
なお、上記実施例では、成長した結晶を800℃で融液
より切り離し、即く同温度で酸素含有雰囲気中で熱処理
を施しているが、結晶成長を900℃で止め、融液より
切り離して、同温度で、上記雰囲気中での熱処理でも効
果が見られた。さらに、温度800℃で融液より切り離
した結晶への熱処理温度は200℃までその効果は変ら
ず、良好な結果が得られた。それらを第10図に示した
。
より切り離し、即く同温度で酸素含有雰囲気中で熱処理
を施しているが、結晶成長を900℃で止め、融液より
切り離して、同温度で、上記雰囲気中での熱処理でも効
果が見られた。さらに、温度800℃で融液より切り離
した結晶への熱処理温度は200℃までその効果は変ら
ず、良好な結果が得られた。それらを第10図に示した
。
なお、本発明は上述した各実施例に限定されることはな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実
施することができる。
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実
施することができる。
[発明の効果]
以上述べたように本発明によれば熱処理を施すことによ
り結晶中に酸素が補われ、KTP単結晶の持つ非線形光
学定数を決定している特異な結合(T 1−0)を増加
させ、更に不純物の混入が皆無な、光学的劣化のない完
全に透明なKTP単結晶が得られ、変換効率の高い非線
形光学結晶を提供することができる。
り結晶中に酸素が補われ、KTP単結晶の持つ非線形光
学定数を決定している特異な結合(T 1−0)を増加
させ、更に不純物の混入が皆無な、光学的劣化のない完
全に透明なKTP単結晶が得られ、変換効率の高い非線
形光学結晶を提供することができる。
第1図は本発明の第1の実施例の方法に使用した熱処理
装置の概略構成を示す断面図、第2図は本発明に係わる
熱処理法で温度を変えて熱処理を施したそれぞれの単結
晶の光吸収を比較した特性図、第3図は熱処理温度と変
換効率との関係を表わした図、第4図は本発明を説明す
る図、第5図は本発明の第2の実施例を示す図、第6図
及び第7図は本発明の第2の実施例を説明する図、第8
図及び第9図は本発明の第3の実施例を示す図、第10
図は本発明の第3の実施例を説明する図である。
装置の概略構成を示す断面図、第2図は本発明に係わる
熱処理法で温度を変えて熱処理を施したそれぞれの単結
晶の光吸収を比較した特性図、第3図は熱処理温度と変
換効率との関係を表わした図、第4図は本発明を説明す
る図、第5図は本発明の第2の実施例を示す図、第6図
及び第7図は本発明の第2の実施例を説明する図、第8
図及び第9図は本発明の第3の実施例を示す図、第10
図は本発明の第3の実施例を説明する図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 原料融液から引上げ法あるいは自然核発生 法、熱水合成法のいずれかによりKTiOPO_4(K
TP)単結晶を成長させた後、前記単結晶を200℃以
上の酸素含有雰囲気中で熱処理することを特徴とする非
線形光学結晶の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-22125 | 1990-02-02 | ||
JP2212590 | 1990-02-02 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03275599A true JPH03275599A (ja) | 1991-12-06 |
Family
ID=12074163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32088390A Pending JPH03275599A (ja) | 1990-02-02 | 1990-11-27 | 非線形光学結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03275599A (ja) |
-
1990
- 1990-11-27 JP JP32088390A patent/JPH03275599A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Shimamura et al. | Growth of Ce-doped LiCaAlF6 and LiSrAlF6 single crystals by the Czochralski technique under CF4 atmosphere | |
US10626519B2 (en) | Lead oxychloride, infrared nonlinear optical crystal, and preparation method thereof | |
CN111334858B (zh) | 化合物氟硼酸钡和氟硼酸钡非线性光学晶体及制备方法和用途 | |
WO2017005081A1 (zh) | BaHgSe2非线性光学晶体及制法和用途 | |
US10564514B1 (en) | Nonlinear optical crystal of cesium fluorooxoborate, and method of preparation and use thereof | |
JPH0419200B2 (ja) | ||
CN110921676A (zh) | 化合物氟硼酸铅和氟硼酸铅非线性光学晶体及制备方法和用途 | |
JPH03275599A (ja) | 非線形光学結晶の製造方法 | |
JPS61178495A (ja) | 単結晶の成長方法 | |
CN114672880A (zh) | 化合物氟硼磷酸铷和氟硼磷酸铷非线性光学晶体及制备方法和用途 | |
JPH01242495A (ja) | β−BaB↓2O↓4単結晶の育成方法 | |
CN111621848A (zh) | 化合物锡硼氧溴和锡硼氧溴非线性光学晶体及制备方法和用途 | |
JPH042558B2 (ja) | ||
JPH09258283A (ja) | 光波長変換方法および光波長変換装置 | |
CN113913936B (zh) | 一种化合物镧硼氧氟及镧硼氧氟非线性光学晶体及制备方法和用途 | |
JP3317338B2 (ja) | 波長変換結晶及びその製造方法並びにこれを用いたレーザ装置 | |
JPWO2004083497A1 (ja) | フッ化物単結晶の製造方法および波長変換素子 | |
JPH0597599A (ja) | 非線形光学結晶の製造方法 | |
Petit et al. | Progress in ZnGeP2 and AgGaS2 crystal growth: first results on difference-frequency generation and optical parametric oscillation | |
JPH02196082A (ja) | シリコン単結晶の製造方法 | |
JP3261649B2 (ja) | 光学用四ほう酸リチウム単結晶の育成方法 | |
Pan et al. | Crack-free K3Li2− xNb5+ 2xO15+ 2x crystals grown by the resistance-heated Czochralski technique | |
JPH0826892A (ja) | 雰囲気制御育成によるktp結晶の製造方法 | |
JPH0812499A (ja) | 単結晶の製造方法 | |
JPH0524998A (ja) | MTiOXO 4 属単結晶およびKTiOPO 4 単結晶の製造方法 |