JPH032551B2 - - Google Patents

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JPH032551B2
JPH032551B2 JP57206561A JP20656182A JPH032551B2 JP H032551 B2 JPH032551 B2 JP H032551B2 JP 57206561 A JP57206561 A JP 57206561A JP 20656182 A JP20656182 A JP 20656182A JP H032551 B2 JPH032551 B2 JP H032551B2
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JP
Japan
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liquid
dipping
immersion
urinary catheter
antibacterial
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JP57206561A
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Izumi Sakamoto
Yoshihiro Umemura
Tsukasa Uniki
Kunihiko Takagi
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、導尿カテーテルの製造方法に関する
ものであり、さらに詳しくは抗菌物質徐放性能を
有する導尿カテーテルを浸漬法により製造する方
法に関するものである。 脊髄損傷、脳出血、脳軟化症、手術後の患者に
おいては排尿困難、尿失禁などの症状を伴うこと
が多い。このような場合は、円滑な尿路を確保
し、その結果、腎機能の維持や改善を促すかある
いは尿の漏出を防止するといつた意味でカテーテ
ルを用いた導尿法が採用される。この際に用いら
れるカテーテルは特に導尿カテーテルと称され
る。 導尿法と排尿を速やかに行わせるといつた極め
て有用な治療手段であるため泌尿器科のみならず
外科、内科、産婦人科などの領域で日常的に繁用
されているが、一方では、いつたん導尿カテーテ
ルが尿路に留置されると感染の発生は避け難いと
いう問題がある。すなわち、導尿カテーテルは長
時間尿路に留置しておくものであるから、このカ
テーテルを通じて細菌が侵入し、尿道炎、膀胱
炎、腎う炎などの症状が頻発する。従来から多用
されている開放持続導尿法(硝子瓶など滅菌され
ていない容器に集尿する方法)を施行した場合に
は、3日以内に42〜80%の症例に感染が発生し、
7日目には全例に感染が成立したことが報告され
ている。 このため、尿路感染防止に関しては膀胱の洗浄
や殺菌剤の注入などの方法が行われているが、操
作が面倒であり、またこの操作を行うこと自体が
新たな感染源となるといつた不都合な面が多い。 また、抗菌物質の予防的投与などの化学療法も
行われているが、大量投与もしくは抗菌物質の種
類によつて少量にても頻発する副作用の問題及び
いつたん感染が生じると菌交代症が発現しやすい
ことなどの問題から無計画な化学療法はむしろ有
害であると言われる程に、抗菌物質に関しては局
所的利用が強く望まれている。 抗菌物質の局所的利用に関しては、例えば特公
昭54−27680号公報には導尿カテーテルの壁面に
ポリビニルアルコール系樹脂からなる被覆層を形
成させ、この層に抗菌物質を含ませて使用するか
あるいは被覆層を形成させる際にあらかじめポリ
ビニルアルコール系樹脂に抗菌物質を添加して抗
菌物質を徐放する導尿カテーテルを製造すること
が示されている。しかしながら、この方法によれ
ばいつたん所定の内径及び外径に仕上げられた導
尿カテーテルに後から被覆層を設けるものである
から、内径が細くなり、外径が太くなるという欠
点がある。このような欠点は長期にわたり抗菌物
質を徐放させる目的などのために、被覆層を厚く
したり、被覆層を多層に設けたりする場合は特に
顕著になる。また、この方法では、臨床効果とい
つた意味からしばしば求められる特性である導尿
カテーテルの内壁と外壁から異なつた抗菌物質が
徐放されるという特性を有する導尿カテーテルを
簡単に得ることは困難である。すなわち、そのよ
うな特性を有するものを得るには、例えばいつた
ん導尿カテーテルをある種の抗菌物質含有ポリビ
ニルアルコール系樹脂に浸漬し、引きあげて内壁
及び外壁に同種の抗菌物質を含有した被覆層を設
けた後、先に用いたものとは異なつた種類の抗菌
物質を含有した樹脂液を外壁にスプレーするとい
つた方法のごとく複雑な製造工程が必要とされ
る。さらに、ポリビニルアルコール系樹脂に抗菌
物質を含有させた場合、抗菌物質が体内留置中に
尿中に徐放していく速度が早すぎるという問題点
もあり、これらの理由から満足に使用できるもの
ではない。 また、抗菌物質含有の軟こうを導尿カテーテル
に塗布する方法などにも実際に行われているが、
このような方法ではさらに短時間にて抗菌物質は
尿によつて洗い出され体外に放出され、抗菌能力
は認められなくなる。 本発明者らは、このような現況に鑑み、体内留
置期間中において感染防止のために適切な種類及
び量の抗菌物質を適切な速度で徐放しうる導尿カ
テーテルを簡便に製造する方法を確立することを
目的として鋭意研究を重ねた結果、浸漬法にて導
尿カテーテルを作成する際の少なくとも1回目の
浸漬及び最終回の浸漬には抗菌物質を含有しない
浸漬液を用い、他の回の浸漬には少なくとも1回
抗菌物質を含有する浸漬液を用いることにより、
尿路感染防止のために種々の好ましい特性を有す
る抗菌物質徐放性導尿カテーテルが得られること
を見出し、本発明に到達したものである。 すなわち、本発明は、浸漬型をカテーテル材料
となる浸漬液に浸漬後、乾燥硬化する工程を複数
回繰返して導尿カテーテルを製造するに際し、少
なくとも1回目の浸漬及び最終回の浸漬には抗菌
物質を含有しない浸漬液を用い、他の回の浸漬に
は少なくとも1回抗菌物質を含有する浸漬液を用
いることを特徴とする抗菌物質徐放性導尿カテー
テルの製造方法を要旨とするものである。 本発明にいう浸漬型とは、浸漬法により導尿カ
テーテルを製造する際に使用される型をいい、例
えば金属製、陶磁器製、ガラス製、セツコウ製の
ものが好ましく使用される。 本発明にいう浸漬液とは、浸漬法による導尿カ
テーテルを製造する際に、浸漬型を浸漬する液の
ことをいうが、導尿カテーテルはゴム状弾性を持
つことが必要であるため、本発明においては浸漬
液としては、例えば配合ラテツクス、シリコーン
コンパウンドあるいはポリウレタンエラストマ
ー、合成ジエンエラストマー及びポリエステルエ
ラストマーを構成するポリマー又はモノマーなど
の液状のもの又は溶液又は懸濁液が好ましく用い
られる。ここにいう浸漬法とは、浸漬液に浸漬型
を浸漬し、型の表面に浸漬液の成分を沈着させた
のち乾燥するか又は乾燥後硬化させ、ついで得ら
れた成形品を型からはずして導尿カテーテルを製
造する方法を意味する。また、エラストマーと
は、常温付近でゴム状弾性を有するものを意味す
る。 また、配合ラテツクスとは、ゴム植物の樹皮に
切付を行つた時に流れ出る、種々の有機物及び無
機物の水溶液を分散媒体とし、ゴム分を分散質と
した1種のコロイドである牛乳状のラテツクス
に、必要に応じて、例えばPH調整剤、加硫剤、加
硫促進剤、加硫遅延剤、加硫促進助剤、軟化剤、
充てん剤、老化防止剤、着色剤などを配合したも
のを意味する。 また、シリコーンコンパウンドとは、高重合度
のオルガノポリシロキサンに無機充てん剤、硬化
剤などを配合した溶液状あるいは懸濁液状のもの
を意味し、かかるシリコーンコンパウンドにはシ
リコーンエラストマーと呼ばれているエラストマ
ー原料も含まれる。オルガノポリシロキサンとし
ては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフ
エニルポリシロキサン、シアノアルキルメチルポ
リシロキサン、フロロアルキルメチルシロキサン
などがなげられるが、弾性、強度、人体無害性な
どの面からジメチルポリシロキサンが好ましく用
いられる。 また、ポリウレタンとは、主鎖の繰り返し単位
中にウレタン結合をもつ高分子化合物のことであ
り、工業的に主としてポリイソシアナートとポリ
オールとの重付加反応により製造されている。ポ
リイソシアナートとしては、例えばトルエンジイ
ソシアナート、キシレンジイソシアナート、ナフ
タレンジイソシアナート、ジフエニルメタンイソ
シアナート、フエニレンジイソシアナート、エチ
レンジイソシアナート、シクロヘキシレンジイソ
シアナート、トリフエニルメタントリイソシアナ
ート、トルエントリイソシアナートなどがあげら
れる。ポリオールとしては、例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジ
オール、ペンタエリスリトール、グリセリン、
1,1,1−トリメチロールプロパンなどのポリ
オール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチルグリコール、ポ
リエチレン−ポリプロピレングリコールなどのポ
リエーテル−ポリオールなどがあげられる。 また、ポリオールにはコハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、フタル
酸、テレフタル酸などのジカルボン酸とエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコールなどのグリコールとの縮合によつて得ら
れる両末端に水酸基を有するポリエステルなども
含まれ、さらにこれらのポリオールの一部をポリ
アミン、ポリチオール、ポリカルボン酸などの他
の活性水素化合物に置きかえたものも含まれる。 また、合成ジエン重合体とは、ブタジエン、イ
ソプレン、1,3―ペンタジエン、クロロプレン
などのジエンの単一重合体、ランダム共重合体、
ブロツク共重合体、グラフト共重合体などであ
り、これらの重合体については、村橋らの編集に
よる「合成高分子」(朝倉書店)171〜307頁に
詳細に記載されている。合成ジエン重合体で特に
好ましいものは、ポリイソプレン、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブ
タジエン−スチレン共重合体、クロロプレン重合
体などである。 また、ポリエステルエラストマーとは、ポリエ
チレンテレフタレート形成性成分又はポリテトラ
メチレンジテレフタレート形成成分とポリ(アル
キレンオキシド)グリコールとを反応させて得ら
れる弾性のあるポリエステル−ポリアルキレンオ
キシド共重合体である。ポリエステル−ポリアル
キレンオキシド共重合体のポリエステル成分は、
ポリエチレンテレフタレート形成性成分とポリテ
トラメチレンテレフタレート形成性成分であり、
どちらか一方を単独で使用することもできるし、
また両者を混合して使用することもできる。ポリ
エチレンテレフタレート形成性成分としては例え
ばテレフタル酸とエチレングリコール、テレフタ
ル酸ジメチルとエチレングリコール、ビス(2−
ヒドロキシエチル)テレフタレートもしくはその
初期縮合物などがあげられ、ポリテトラメチレン
テレフタレート形成性成分としては、例えばテレ
フタル酸と1,4―ブタンジオール、テレフタル
酸ジメチルと1,4―ブタンジオール、ビス(4
−ヒドロキシブチル)テレフタレートもしくはそ
の初期縮合物などがあげられる。ポリエステル−
ポリアルキレンオキシド共重合体の製造に用いら
れるポリ(アルキレンオキシド)グリコールとし
ては、例えばポリ(エチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコ
ール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(1,2−ブチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(ペンタメチレンオキシド)グリコール
などがあげられるが、特に平均分子量が500−
4000のものが好適に用いられる。 上記のごとき浸漬液のうち、本発明においては
得られる導尿カテーテルがより優れた物理的特性
及びより適切な徐放速度を持つ点からみて配合ラ
テツクス及びシリコーンコンパウンドが好ましく
用いられるが、特に浸漬法に適し、また熱処理温
度も100℃以下程度でよいことなどの理由から配
合ラテツクスが好ましく用いられる。 本発明にいう抗菌物質を含有する浸漬液とは、
上述の浸漬液に抗菌物質が1種以上含有されてい
るものをいう。抗菌物質は溶解されていてもよい
し、懸濁されていてもよいし、また均一に分散さ
れていてもよい。浸漬液中に含有される抗菌物質
の量は任意であるが、通常、導尿カテーテルの体
内留置日数は長くても4〜5週程度であり、その
間において抗菌物質が徐放されればよいことを考
えると、必要以上の量を含有させることは経済的
に望ましくなく、また抗菌物質含有の浸漬液の安
定性及び成形後の導尿カテーテルの物性に悪影響
を及ぼす場合がある。一方、抗菌物質量が少なす
ぎる場合には、感染防止が望めない。したがつ
て、本発明において抗菌物質は、抗菌物質含有浸
漬液全重量に対して、0.1%ないし40%未満含有
するものを用いるのが好ましい。また、浸漬液と
抗菌物質の組合せによつては、凝集などの現象が
起こることもあるので、適宜PHなどを調整する必
要がある。 本発明にいう抗菌物質とは、抗生物質及び殺菌
剤のことをいう。抗生物質としては、例えばクロ
キサシリン、シクロキサシリン、フルクロキサシ
リン、アンピシリン、ヘタシリン、タランピシリ
ン、シクラシリン、アモキシシリン、ピブメシリ
ナム、ピペラシリンなどのペニシリン類、セフア
ロリジン、セフアログリジン、セフアレキシン、
セフアゾリン、セフアピリン、セフラジン、セフ
テゾール、セフオキシチン、セフアトリジンなど
のセフアロスポリン類、ストレプトマイシン、カ
ナマイシン、フラジオマイシン、パロモマイシ
ン、ゲンタマイシン、ベカナマイシン、リボスタ
マイシン、ジベカシン、アミカシン、トブラマイ
シン、スペクチノマイシンなどのアミノグリコシ
ド類、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリ
ン、ヂメチルクロルテトラサイクリン、メタサイ
クリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンなど
のテトラサイクリン類、エリスロマイシン、キタ
サマイシン、オレアンドマイシン、スピラマイシ
ン、ジヨサマイシン、ミデカマイシンなどのマク
ロライド類、リンコマイシン、クリンダマイシン
などのリンコマイシン類、ミカマイシン、グラミ
シジンS、グラミシジンなどのアンチグラム陽性
パクテリア類、コリスチン、ポリミキシンBなど
のポリミキシン類、バイオマイシン、カプレオマ
イシン、エンビオマイシン、サイクロセリンなど
のアンチミコバクテリウム類、アムホテリシン
B、ピマリシンなどのポリエンマクロライド類、
リフアンピシン、ピロールニトリン、マイトマイ
シンC、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダ
ウノルビシン、ドキソルビシン、ネオカルチノス
タチンなどがあげられるが、尿路感染症原因菌に
対する効菌力が大きい点からアミノグリコシド類
又はポリミキシン類が好ましく用いられる。殺菌
剤としてはアクリノール、アクリルフラビンなど
の色素製剤、ニトロフラゾンなどのフラン製剤、
塩化ベンザルコニウム、塩化ベンザトニウムなど
の陽性石けん製剤、クロルヘキシジン、ポピドン
ヨードなどが好ましく用いられる。 本発明の方法により、浸漬法にて導尿カテーテ
ルを製造するには、基本的には通常の浸漬法の操
作に従い、浸漬型に浸漬したのち引き上げて乾燥
し、ついで再び浸漬液に浸漬するといつた操作を
繰り返し行つて所定の肉厚を得てから最終乾燥
(熱処理)を行うものであるが、少なくとも1回
目の浸漬及び最終回の浸漬には抗菌物質を含有し
ない浸漬液(以降B液と略記する。)を用い、他
の回の浸漬には少なくとも1回菌物質を含有する
浸漬液(以降A液と略記する。)を用いる必要が
ある。 本発明の方法によれば、成形された導尿カテー
テルの表面層は抗菌物質を含まない層となるが、
この層はあたかも、この層より内部の層から徐放
されてくる抗菌物質に対する防波堤のごとくに働
き、徐放速度を押さえる役目を果たす。したがつ
て、本発明の方法によつて製造された導尿カテー
テルは体内留置時、特に留置直後での抗菌物質の
過濃度が押さえられ、より長期にわたるゆるやか
な徐放性が確保される。また、本発明の方法は粘
膜刺激性やアナフイラキシーシヨツクを誘発する
可能性が大きく、直接高濃度で人体にふれること
が特に案じられるような抗菌物質を使用する場合
などには特に有効である。さらに、本発明の方法
は一連の浸漬法工程の中で製造を行うものである
から、いつたん成形された製品に後処理を施す場
合に起こるような内径が細くなりすぎたり、外径
が太くなりすぎたりするといつた問題もないとい
う特長を有する。 1回目及び最終回以外の回の浸漬に関しては、
少なくとも1回はA液による浸漬を行うこと以外
には特に制約はないが、A液への浸漬とB液への
浸漬との順序及び回数を適宜選択することのみに
よつて通常の浸漬法における一連の操作の中でい
たつて簡便に種々の臨床目的に合致した特性を持
つ導尿カテーテルを製造することができ、このこ
とは本発明の製造法の持つ大きな利点である。例
えばより長時間にわたつて徐放が必要とされる場
合には、A液への浸漬回数を増せばよく、極端に
いえば1回目と最終回以外の浸漬にすべてA液を
用いてもよい。この方法のように、A液への浸漬
とB液への浸漬を適宜選んで工夫することによつ
て、感染防止に好ましい種々の特性を付与する方
法は他にも数多考えられる。 本発明の方法により導尿カテーテルを製造する
には、通常は1種のA液及び1種のB液を用い、
A液から抗菌物質を除いたものがB液と同成分、
同組成となるごとくにA液及びB液が選ばれる。
しかしながら、A液として複数種のものを使用す
ることもできる。例えば、2回目の浸漬に用いる
A液にはクロルヘキシジンを含有したものを用い
最終回の1回前の浸漬には硫酸フラジオマイシン
を含有したものを用いるといつたように異なつた
種類の抗菌物質を含有した2種以上のA液を用い
ることができる。このような方法は、例えば粘膜
刺激性の高い抗菌物質は尿と接触する面に近い
層、すなわちカテーテル内壁に近い層に含有さ
せ、人体と接触する面に近い層、すなわちカテー
テル外壁に近い層には他の抗菌物質を含有させる
ことができるといつた臨床的意義をもち、このよ
うな特性をもつ導尿カテーテルを簡単に得ること
ができるものも本発明の特長である。また、B液
についても複数種のものを用いることは可能であ
り、例えばB液として配合ラテツクス、シリコー
ンコンパウンド及びウレタンコンパウンドの3種
類の浸漬液を用いることもできる。また、A液と
B液に全く違つたものを用いる事も可能であり、
例えば抗菌物質の含有されたシリコーンコンパウ
ンドを用い、B液として配合ラテツクスを用いる
方法などがあげられる。さらには、A液又はB液
の濃度を変化させて各回の浸漬にて得られる多層
の厚みを調節することもできる。 本発明の製造方法においては、通常の浸漬法と
同様、各回の浸漬の間及び最終回の浸漬の後に乾
燥又は熱処理の工程を行うが、乾燥又は熱処理の
条件については特に制約はなく、通常は200℃以
下にて1分〜24時間行えばよいが、熱のために薬
理活性が減少しやすい抗菌物質も多く存在するの
で、好ましくは40〜100℃の温度にて1分〜8時
間行う。浸漬を乾燥又は熱処理の繰り返し回数に
ついては、所望されるカテーテルの肉厚にもよる
が、通常1回〜30回、好ましくは3回〜20回程度
で所定の肉厚となるごとくに浸漬液濃度を調節す
る。したがつて、浸漬液のエラストマー成分重量
は全浸漬液重量の2〜80%となるように調節する
のが好ましい。また、前述のごとくに、徐放速度
をゆるやかにさせるために1回目と最終回の浸漬
にて設ける層については、あまりに厚い層を設け
るとその層を通して外部に抗菌物質が放出される
速度が遅くなりすぎ、また層が薄すぎても速度を
押さえる効果が乏しくなるので、1〜70ミクロン
の厚さに設けることが好ましい。 以上のように、本発明の製造方法によれば、従
来の方法に比べて簡便に一連の浸漬と乾燥の繰り
返しという操作の中で、必要に応じた徐放量、徐
放速度、徐放期間を持つ抗菌物質徐放性の導尿カ
テーテルを得ることができ、また導尿カテーテル
を所定の規格どうりの内径及び外径に仕上げるこ
とも容易である。 以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中の「部」は「重量部」
を意味する。 実施例 1〜5 シリコーン製メデイカルグレードエラストマー
のベースマテリアル15部及びカタリスト1.5部
(いずれもダウコーニング社製MDX4−4210)
を、100部のトリクロルエタンに溶解して浸漬液
(以降b液と略記する。)を得た。ついで、このb
液を100部ずつ5個用意し、これにそれぞれ5部
の硫酸ジベカシン、硫酸ポリミキシンB、硫酸フ
ラジオマイシン、クロルヘキシジンあるいはシク
ラシリンを加えて均一に混合し、抗菌物質を含有
した5種類の浸漬液(以下a液と略記する)を得
た。導尿カテーテル用浸漬型を、まずb液に浸漬
したのち引き上げて80℃にて5分間乾燥した後、
a液に浸漬し、引き上げて80℃にて5分間乾燥し
た後、再びb液への浸漬、乾燥を行うという操作
を6回繰り返した後、さらにa液に浸漬し、引き
上げ、さらにb液に浸漬し、引き上げて最終的に
60℃にて6時間の熱処理を施すという方法で5種
類のa液について各1本ずつ計5本の導尿カテー
テルを得た。このものをおのおの37℃の試験尿中
に浸漬し、1日経過後、各抗菌物質に対応する検
定菌を用いて円筒平板法(デイスク法)にてこの
尿の抗菌活性テストを行つたところ阻止円を生
じ、試験尿中に活性な抗菌物質が存在することが
確認された。さらに、試験尿を1日ごとに新しい
試験尿に取り代えて同様の活性テストを繰り返し
て行つた。その結果を表1に示す。
【表】 実施例 6 パートA、パートB、パートCの3成分よりな
るシリコーン製メデイカルグレードエラストマー
(ダウコーニング社製、Q7−2245)のパートA15
部をトリクロルエタン100部に均一に分散した後、
0.05部のパートCを添加して十分に混合した。し
かるのち、この混合物に0.1部のパートBを添加
し、十分に混合して浸漬液(以降b液という。)
を得た。このb液100部にポピドンヨード0.2部を
添加し、均一に分散させて浸漬液(以降a液とい
う。)を得た。上記a,b液を用いて実施例1と
同様にして浸漬、乾燥う繰り返した後、160℃に
て30分間処理を行つて導尿カテーテルを得た。こ
のものをStaphylococcus aureus ATCC6538−Pを検定菌として実施例1と同様の
活性テストを行つたところ、32日目の試験尿にお
いしも阻止円が認められた。 実施例 7 ノーマルテツクス(全固形分37.5〜41.0wt%、
乾燥ゴム34.6〜37.5wt%、NH30.8〜1.0wt%)を
濃縮し、ゴム分を約60wt%にしたもの100部に硫
化亜鉛3.6部、硫黄1.8部、ステアリン酸0.3部及び
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスル
フエンアミド0.3部を均一に分散させて配合ラテ
ツクス(以降b液という。)を得た。b液100部に
対し硫酸フラジオマイシン35部を溶解して浸漬液
(以降a液という。)を得た。 導尿カテーテルの浸漬型を、まずb液に浸漬後
引き上げて60℃にて10分間乾燥した後、a液に浸
漬し、引き上げて60℃にて10分間乾燥し、ついで
b液への浸漬、乾燥を行うという操作を4回繰り
返した後、さらにa液に浸漬して引き上げ、60℃
にて10分間乾燥し、最後にb液に浸漬して引き上
げたのち60℃にて8時間の熱処理を施し、導尿カ
テーテルを得た。このものをもちいて実施例3と
同様の活性テストを行つたところ、32日目の試験
尿についても阻止円が認められた。 実施例 8 1回目及び2回目の浸漬にはb液を用い、3回
目の浸漬にはa液を用い、4回目と5回目の浸漬
にはb液を用い、6回目の浸漬にはa液を用い、
7回目と8回目の浸漬にはb液を用いた以外は実
施例7に示した方法と同様にして導尿カテーテル
を得た。このものを用いて実施例3と同様の活性
テストを行つたところ、39日目の試験尿において
も阻止円が認められた。また、阻止円の大きさは
実施例7で得られたものと比較して1日目〜26日
目の試験尿に関しては小さく、27日目〜32日目の
試験尿に関しては大きいものであつた。このこと
は、浸漬方法をかえることにより抗菌物質の徐放
速度を制御できることを示す。 実施例 9 b液の代わりに、b液100部に50部の水を加え
たものを用いた他は実施例7と全く同様にして導
尿カテーテルを得た。このものを用いて実施例3
と同様の活性テストを行つたところ、23日目まで
阻止円が認められた。また、阻止円の大きさは、
実施例7で得られたものと比較して1日目〜14日
目までは本実施例のものの方が大きかつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 浸漬型をカテーテル材料となる浸漬液に浸漬
    後、乾燥硬化する工程を複数回繰返して導尿カテ
    ーテルを製造するに際し、少なくとも1回目の浸
    漬及び最終回の浸漬には抗菌物質を含有しない浸
    漬液を用い、他の回の浸漬には少なくとも1回抗
    菌物質を含有する浸漬液を用いることを特徴とす
    る抗菌物質徐放性導尿カテーテルの製造方法。
JP57206561A 1982-11-24 1982-11-24 導尿カテ−テルの製造方法 Granted JPS5995057A (ja)

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