JPH03243747A - 高強度・高破面靭性を有するマルテンサイト合金鋼 - Google Patents

高強度・高破面靭性を有するマルテンサイト合金鋼

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JPH03243747A
JPH03243747A JP2100777A JP10077790A JPH03243747A JP H03243747 A JPH03243747 A JP H03243747A JP 2100777 A JP2100777 A JP 2100777A JP 10077790 A JP10077790 A JP 10077790A JP H03243747 A JPH03243747 A JP H03243747A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は時効硬化し得るマルテンサイトスチールアロイ
に関し、特に引張り強さ及び破面靭性(fractur
e toughness)に優れ且つ海洋雰囲気におけ
る使用によっても応力腐食割れに対し良好なる抵抗性を
示すマルテンサイトスチールアロイ並びに該アロイから
作られる製品に関する。
〈従来技術〉 高強度と軽量性とが要求される構造用合金鋼として30
0Mなるアロイが従来より使用されている。この300
MアロイはFeを主体として更に重量%にして以下の成
分を有しており、1930〜2068MPaの範囲の引
張り強さを発揮する。
C:  0.40〜0.46wt% Mn :  0.65〜0.90wt%Si:  1.
45〜1.80wt% Cr :  0.70〜0.95+wt%N i : 
 1.65−2.00wt%Mo:  0.30〜0.
45wt% V  :  0.05wt%以上 〈発明が解決しようとする課題〉 300Mアロイは高強度を有するものの破面靭性の点で
劣るので、300Mアロイと同程度の強度を有すると共
に応力強度因子Kicによって表される破面靭性がll
OMPav’m以上であるようなアロイに対する要請が
生じている。300Mアロイによって発揮される破面靭
性はに1cによって表した場合に約60〜66 M P
 a v’ m程度であって、種々の要求を満足するに
は不十分であった。
構造部品における信頼性を向上させるために、また悲劇
的な失敗に直結し得る欠陥を発見するために構造部品に
対して非破壊検査を行うために、より高度の破面靭性を
持つことが望まれる。
AF1410として知られるアロイはKicで示される
破面靭性が110MPa、/′m以上である。
このAF1410アロイは1978年2月28日にリト
ルに対して発行された米国特許4076525に示され
、Feを主体として更に次の成分を有する。
C:    0.12− 0.17wt%Cr:   
1.8  − 3.2  wt%Ni:   9.5 
〜lO,5it%Mo:   0.9 −  1.35
wt%Co :11.5 −14.5  vt%しかし
ながらAF1410アロイは最終的な引張り強さとして
最大1862MPaを発揮するに過ぎず、300Mアロ
イによって発揮されるような高い強度対重量比が要求さ
れる構造部品として用いるには不適当な強度レベルに止
どまっている。
従って、300Mアロイの高い引張り強さを有すると共
に更にAF1410アロイの良好な破面靭性をも備える
新規なアロイの開発が望まれていた。
〈課題を解決するための手段〉 従って本発明は、高い引張り強さと高い破面靭性との特
異な組み合わせによって特徴付けられる時効硬化し得る
マルテンサイト合金鋼及び該合金鋼による製品を提供す
ることを主目的とする。
より詳しくは、本発明は、AF1410アロイの有する
優れた破面靭性を維持しながらその引張り強さが顕著に
向上せしめられたアロイを提供することを目的とする。
本発明は更に、高強度と高破面靭性とに加えて、海洋環
境において応力腐食割れに対し高度な抵抗を示すアロイ
を提供することを目的とする。
本発明は更に、展延性−脆性遷移温度(ductile
−to−brittle transition te
mperature)の低い高強度アロイを提供するこ
とを目的とする。
上記した及びその他の付加的な本発明の目的は、時効硬
化し得るマルテンサイト合金鋼であって重量%にして次
の表1に示す組成を有するものによって達成される。
(本頁以下余白) 表1 広範な範囲    中間的な範囲 CO12〜0.33  0.20〜0.31Cr  2
〜4      2.25〜3.5Ni  10.5〜
15   10.75〜13.5Mo  0.75−1
.75 0.75〜1.5Co  8−17     
10−15Fe  残部       残部 好適な範囲 0.2’l−0,27 2,5〜3.3 11.0〜12.0 1.0〜1.3 1−14 残部 残部には、本発明のマルテンサイト合金鋼1おける所望
の特性の組み合わせを損なわなし\範囲内の量の他の成
分を含むことができる。好ましく14、例えば、マンガ
ン(M n )を約9.2wt%以下、/リコン(Si
)を約Q 、 l vt%以下、チタニウム(T1)及
びアルミニウム(AQ)の各々につし\て約o、otw
t%以下、及びセリウム(Ce)及びランタン(La)
等の希土類金属の各々Gこつし1て最大約0.001v
t%の微量が、このアロイ中番こ存在し得る。更に好ま
しくは、約0.008wt%を越えない量の燐(P)及
び約0.004wt%を越えなし)量の硫黄(S)がこ
のアロイ中に存在し得る。 上記表は本発明のアロイの
組成を要約して示すためのものであって、「広範な範囲
」、「中間的な範囲」及び「好適な範囲」の夫々の欄に
おいて示される個々の成分範囲の上限及び下限が夫々の
欄内においてのみ適用されるものと解してはならない。
即ち、ある種の元素についてはこれらの欄のうちの1又
は2を採用しながら、残りの元素については他の1又は
2の欄に示される範囲を採用することも可能である。更
には、ある元素についての上限又は下限をこれらの欄の
うちの1つに示されるものとし、該元素についての他方
の限界値(下限又は上限)は該欄以外の欄に示されるも
のを採用することかできる。この明細書中において単に
%で示す場合は全て重量%を意味するものとする。
本発明によるアロイは、高い引張り強さと高い破面靭性
とを示し且つ応力腐食割れ抵抗に優れ、これら特性の組
み合わせを備えるべく臨界的な平衡状態とされている。
例えばこのアロイ中に約1゜3%を越えるモリブデンが
存在する場合には、炭素及び/又はコバルトの量が相対
的に減少されるべく調整されて、これらについて規定さ
れる範囲の下半域内とされる。炭素とコバルトとは好ま
しくは次の関係式によってバランスづけられる。
a) %Co<35−81.8(%C)b) %Co>
25.5−70(%C)更に最良の結果を得るために上
記a)及びb)の関係式に加えて次のC)の関係式が与
えられる。
C) %Co>26−9−70(%C)しかしながら、
アロイ中のモリブデン量が約163%を越える場合には
、炭素及び/又はコバルトの量を相対的に減少させて、
これらについての規定範囲の下半域内に止どまるよう調
整することが好ましい。
本発明によるアロイについて以下更に詳述する。
炭素は、主として熱処理中に他の元素例えばクロムやモ
リブデンと結合してカーバイドを生皮することによって
、アロイにおける良好な硬さ特性と高引張り強さとに寄
与するため、少なくとも012%、好適には少なくとも
0.20%、より好適には少なくとも0.21%の炭素
が本発明のアロイに含まれる。一方において過度に多量
の炭素はこのアロイの破面靭性を損なうので、約0.3
3%、好ましくは約0.31%、より好ましくは約0.
27%を炭素量の上限とする。
コバルトはこのアロイの硬さと強さとに寄与し、降伏比
(降伏強さ/引張り強さ)を向上させる。
従って少なくとも約8%、好ましくは約10%以上、よ
り好ましくは約11%以上のコバルトがこのアロイ中に
存在する必要がある。最良の結果を得るためには少なく
とも約12%以上のコバルトが必要である。コバルト量
が約17%を越えるとこのアロイにおける破面靭性と展
延性−脆性遷移温度に悪影響を与える。好ましくは約1
5%以下、より好ましくは約14%以下のコバルトがこ
のアロイ中に存在する。
前述のように、本発明アロイの特徴であるところの高強
度と高破面靭性とを兼ね備えるために、コバルトと炭素
とは相互に関連を持って臨界的にバランスされる。即ち
、良好な破面靭性を確保するために、炭素とコバルトの
量は次の関係式を満たすことが好ましい。
a)%Co<35−81.8(%C) 更にアロイが所望の高強度と高硬度とを発揮するために
は、炭素量とコバルト量との間において次の関係式b)
を満たすことが好ましく、更に最良の結果を得るために
は関係式C)を満たすことか好ましい。
b) %Co≧25.5−70(%C)C) %Co>
26.9−70(%C)クロムはこのアロイの良好な硬
化特性及び硬さ特性に寄与し、アロイの展延性−脆性遷
移温度を所望の低い温度に保持するために有益である。
従って約2%以上、好適には約2.25%以上、更に好
適には約2.5%以上のクロムが含有される。
クロム量か約4%を越えるとアロイは急速は過時効の影
響を受けやすくなって、本発明の特徴である高引張り強
さと高破面靭性とを兼ね備えることができなくなる。好
ましくはクロム量の上限は約3.5%、より好ましくは
約3.3%である。アロイに約3%を越えてクロムが含
有される場合は、炭素量を増加して、所望の高引張り強
さを発揮せしめるよう調整する。
モリブデンはアロイの展延性−脆性遷移温度を所望の低
い温度に保つために有用であるので、このアロイには少
なくとも約0.75%、好ましくは約1.0%以上のモ
リブデンが存在する。モリブデン量が約1.75%を越
えるとアロイの破面靭性が損なわれる。好ましくはモリ
ブデンは約1゜5%を越えない範囲に限定され、更に好
ましくは約1,3%が上限とされる。約1.3%を越え
る量のモリブデンがアロイに存在する場合は、所望の高
破面靭性を確保するために、炭素量及び/又はコバルト
量を減少させて調節する必要がある。即ち、アロイが1
.3%を越える量のモリブデンを含む場合における炭素
量は、前記関係式a)及びb)又はa)及びC)によっ
て所定コバルト量に対して相対的に定められる炭素量の
中間値を越えてはならない。
ニッケルはこのアロイの硬化特性、即ち急速焼入技術に
よって或はよらずに硬化し得る特性に寄与する。ニッケ
ルは更にこのアロイによってもたらされる破面靭性と応
力腐食割れ抵抗とを向上させ、所望の低い展延性−脆性
遷移温度に寄与する。
これらの見地より少なくとも約1015%、好ましくは
約10.75%、より好ましくは約11.0%のニッケ
ルがアロイ中に含有される。ニッケル量が15%を越え
ると、アロイ中における炭素の溶解度が減少する結果、
アロイを鍛造後空気冷却等によって比較的緩慢に冷却す
る際にカーバイドが組織境界(grain bound
ary)中に沈降することとなって、アロイの破面靭性
と衝撃靭性(impacttoughness)とが阻
害される。ニッケル含量は好ましくは約13.5%、よ
り好ましくは12.0%を上限とする。
このアロイ中には所望の特性を損なわない限りにおいて
他の成分を含むことができる。例えば約0.2%以下、
好ましくは約0.10%以下、より好ましくは約0.0
5%以下のマンガンが含まれ得る。約0.1%以下のシ
リコン、約0.01%以下のアルミニウム、約0.01
%以下のチタンがアロイの還元のために含まれ得る。各
々約0.001%以下の微量のセリウムやランタンの如
き希土類金属が、硫化物及び酸化物の介在物の形態を制
御するために存在し得る。
本発明のアロイの残部は、同様の用途に供されることを
目的とした従来のアロイにおいても含有されている不純
物の他は、主として鉄である。これら不純物の混入量は
このアロイにおける所望の特性を損なうことのないよう
に制御されなければならない。例えば燐は約0.008
%、硫黄は約0.004%を上限とする。鉛、錫、砒素
、アンチモン等のトランプ元素(tramp elem
ents)は各々約0.003%以下、好ましくは約0
〜002%以下に制限される。酸素は約20ppm以下
、窒素は約40ppm以下に抑えられる。
本発明のアロイは従来公知の真空溶融技術を用いて直ち
に溶融される。更に精錬が望まれる場合には、複合溶融
手段を用いることが好ましい。好ましい実施態様として
は、真空誘導炉内(VIM)でヒート(heat)を溶
融し、核熱を電極の形に鋳造する。次いで電極を真空ア
ーク炉(VAR)内で再溶融してl又は2以上のインゴ
ットとする。
VARに投入する前に、電極インゴットを約677℃の
温度に4〜16時間保持した後に空気冷却することによ
って応力を解放することが好ましい。
VARから出たインゴットは好ましくは約1177°0
の温度に6〜10時間保持されることによって均質化さ
れる。
アロイは約1177°Cの温度から約816°Cの温度
まで熱間加工され得る。好ましい熱間加工としては、イ
ンゴットを約1177°Cの温度から鍛造して横断面積
を少なくとも30%減少させる。
次いでインゴットを約982°Cにまで再加熱し、再度
鍛造して更に横断面積を少なくとも30%減少させる。
本発明によるアロイのオーステナイト化及び時効硬化は
次のようにして行われる。アロイのオーステナイト化は
、アロイを約843〜899°Cにて約1時間プラス厚
さ1インチ(約2.54cm)当たり約5分間の時間だ
け加熱処理し、次いでオイルクエンチすることによって
行われる。このアロイの硬化特性は良好であるので、空
気冷却又は不活性ガスクエンチを伴う真空熱処理を採用
することもできる。これらはオイルクエンチによる場合
よりも緩慢な冷却速度を与える。このアロイを真空処理
或は空気硬化させる場合には好ましくは約857〜89
9°Cでオーステナイト化が行われ、一方オイルクエン
チの場合には好ましくは約843〜871’Oでオース
テナイト化が行われる。オーステナイト化の後、アロイ
を冷間加工することが好ましく、これは例えば約−73
℃の温度にて30分間−i時間深冷硬処理(deep 
chilling)した後空気中で暖めることによって
行う。
このアロイの時効硬化は、好ましくは、アロイを約45
4〜496°Cにて約5時間加熱した後空気中で冷却す
ることによって行われる。このようにしてオーステナイ
ト化され且つ時効硬化されることにより、本発明のアロ
イは、少なくとも約1930MPaの究極引張り強さと
少なくとも110MPa、4mの縦方向(longit
udinal)破面靭性とを発揮する。更には、防弾製
品への使用が求められる場合には、アロイは上述のプロ
セスパラメータ内にて時効処理されて、少なくとも54
HRCのロックウェル硬さを発揮することができる。
〈実施例〉 表2に示す組成のVIMヒート181721?を用意し
、これを15.6cm径の球形インゴットに鋳造した。
なお表2に示す鉄のチャージ物質は電解鉄の標準的なグ
レードのものである。
(本頁以下余白) 表2 炭素      0.22% マンガン    0.01%未満 シリコン    0.01%未満 燐       0.005%未満 硫黄      0.002% クロム     3.03% ニッケル   11.17% モリブデン   1.18% コバルト   13.89% セリウム    0.001%未満 ランタン    0.001%未満 チタン     0.01%未満 鉄       残部 このインゴットをバーミキュル石で冷却し、677°C
にて4時間応力除去処理し、後空気冷却した。次いでV
ARにて再溶融し、20.3cm径の球形インゴットに
鋳造し、バーミキュル石で冷却した。再溶融されたイン
ゴットを677℃にて4時間応力除去処理した後空気冷
却した。
鍛造に先立って、インゴットを1177°Cにて16時
間均質化処理した。このインゴットを1177°Cの温
度から鍛造して、高さ8−9 cm、幅12 、7 c
rtrの棒材を得た。この棒材を4分割した後、982
°Cに再加熱し、3.8cmX 8.5cmの棒材に鍛
造し、次いで空気中にて冷却した。
鍛造された棒材を677°Cにて16時時間数まし処理
した後空気冷却した。この焼なまされた棒材の一つから
径0.64cm、長さ5 、1 cmの抗折引張り試験
片(transverse tensile spec
imen)を加工した。この試験片を843℃にて1時
間塩に浸漬してオーステナイト化処理し、オイルクエン
チし、−73°Cにて1時間深冷硬処理し、次いで空気
中にて暖めた。次いでこの試験片を468°Cにて5時
間時効硬化せしめた後、空気冷却した。処理後の試験片
の室温引張り強度試験の結果は次の表3に示す通りであ
り、0.2%オフセット降伏強さ(0,2%Y、S、)
、究極引張り強さ(U、T。
S、)、伸び率(%E 1.)及び断面収縮率(%R1
A、)が示されている。更に該試験片の硬さも測定し、
その結果を表3においてロックウェルCスケール硬さ(
HRC)として示す。
表3 上記焼なまされた棒材の残りの一つから破面靭性試験片
を得た。この試験片を上記引張り強さ試験片の場合と同
様にしてオーステナイト化し、深冷硬処理し、時効硬化
処理した。この試験片についてASTM規格によるE3
99試験によって室温破面靭性(Klc)を測定した結
果を、硬さ(HRC)と共に表4に示す。
表4 IC HRC 15,5MPav’″m 53.0 これら表3及び表4に示されるデータから明らかなよう
に、本発明によるアロイはKIcで示される破面靭性が
llOMPaV’″mを越えると共に、1930MPa
を越える究極引張り強さを発揮する。
上記焼なまされた棒材の残りから多数のシャルピーVノ
ツチ衝撃試験片(Charpy V−notch im
pacttest specimens)を得た。これ
らの試験片を2組に分け、夫々の組について表5に示す
異なる条件にてオーステナイト化し、焼き入れした。な
お表中におけるro、Q、J及びrV、C,Jは夫々オ
イルクエンチング及びバーミキュル石によるクエンチン
グを意味する。次いで各組における試験片を夫々表5に
示す温度にて5時間時効処理した。各試験片について室
温及び低温(−53,5°C)におけるシャルピーVノ
ツチ衝撃試験(CVN)を行った結果を表5に示す。各
試験片の平均硬さについても測定し、その結果をロック
ウェルCスケール硬さ(HRC)として表5に示す。
表5 オーステナ焼き入れ時効処理試験 イト化温度      温度 温度 857℃ O,Q、  454°C室温468°C 482°C 496℃ 454°C低温 468°C 482℃ 496℃ 871’OV、C,454°C室温 468℃ 482℃ 496℃ 454°C低温 468°C 482℃ 496℃ CVN値 (ジュール) 27.1.27.1 35.3,33.9 33.9.42.0 54.2.47.5 25.8.25.8 32.5.31.2 28.5.31.2 40.7,36.6 32.5.32.5 35.3,33.9 40.7.39.3 55.6.50.2 35.3.32.5 38.0.31.2 36.6.32.5 40.7.33.9 HRC 54,0 53,5 52,0 49,0 54,5 53,5 52,0 49,5 54,5 54,0 52,5 50、O 55,0 54,5 53,0 50,5 表5のデータに示されるように、本発明のアロイは極低
温においてもかなりの靭性を保持しており、このアロイ
の展延性−脆性遷移温度が低いものであることを示して
いる。表5のデータは更に、バーミキュル石による緩慢
なりエンチングを行うと、このアロイが優れた強度と靭
性を発揮することを示している。このことは、このアロ
イが、不活性ガスクエンチングを伴う真空熱処理に適し
ていることを示唆している。
本発明によるアロイは高強度と軽量性とが要求される様
々な用途に有益であり、例えば、飛行機の着陸ギア部品
、プレース、ビーム、ストラット等の飛行機の構造部材
、ヘリコプタのローターシャフト及びマスト、その他使
用に際して大きな応力を受ける飛行機構造部品として好
適である。本発明のアロイはまたジェットエンジンのシ
ャフトにおいて好適Iこ用いられ得る。このアロイは時
効によって非常に高い硬度を発揮するので、軽量装甲鋼
板として、或は防弾性能を要求される構造部品用に、好
適に用いられる。本発明のアロイが鋼片、棒状、管状、
板状、シート状等の様々な形状の製品として提供可能な
ことは勿論である。
〈発明の効果〉 本発明のアロイによれば、引張り強さと破面靭性とを共
に高次元で両立させることができ、このような特徴は従
来公知のアロイによっては全く達成され得なかったもの
である。このアロイは高強度と軽量性とが要求される用
途に特に適している。
このアロイは低い展延性−脆性遷移温度を有するので、
使用中の温度が−17.8°Cを大きく下回る場合であ
っても十分に使用が可能となる。このアロイは真空熱処
理が可能であるので、複雑で精密な部品の製造用として
特に好適である。従来公知のアロイから製造されるこの
種の製品においてはオイルクエンチの故に歪みが生じや
すいのに対し、真空熱処理される本発明のアロイから製
造される製品にはそのような歪みが全く存在しない。

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%にして炭素約0.2〜0.33%、クロム
    約2〜4%、ニッケル約10.5〜15%、モリブデン
    約0.75〜1.75%、コバルト約8〜17%を含有
    し、残部が主として鉄から成ることを特徴とする、時効
    硬化し得る、高強度・高破面靭性を有するマルテンサイ
    ト合金鋼。
  2. (2)炭素含量が少なくとも約0.20%である、請求
    項1記載のマルテンサイト合金鋼。
  3. (3)ニッケル含量が少なくとも約10.75%である
    、請求項1記載のマルテンサイト合金鋼。
  4. (4)炭素含量とコバルト含量との間に下記関係式a)
    が成り立つ、請求項1記載のマルテンサイト合金鋼。 a)%Co≦35−81.8(%C)
  5. (5)炭素含量とコバルト含量との間に更に下記関係式
    b)が成り立つ、請求項4記載のマルテンサイト合金鋼
    。 b)%Co≧25.5−70(%C)
  6. (6)モリブデン含量が1.3%を越える場合に、炭素
    含量が、特定のコバルト含量に対して上記関係式a)及
    びb)によって相対的に定められる範囲内の中間値を越
    えないものである、請求項5記載のマルテンサイト合金
    鋼。
  7. (7)炭素含量とコバルト含量との間に更に下記関係式
    c)が成り立つ、請求項4記載のマルテンサイト合金鋼
    。 c)%Co≧26.9−70(%C)
  8. (8)モリブデン含量が1.3%を越える場合に、炭素
    含量が、特定のコバルト含量に対して上記関係式a)及
    びc)によって定められる範囲内の中間値を越えないも
    のである、請求項7記載のマルテンサイト合金鋼。
  9. (9)更に最大約0.05%のマンガンを含む、請求項
    1記載のマルテンサイト合金鋼。
  10. (10)重量%にして炭素約0.20〜0.31%、ク
    ロム約2.25〜3.5%、ニッケル約10.75〜1
    3.5%、モリブデン約0.75〜1.5%、コバルト
    約10〜15%を含有し、残部が主として鉄から成るこ
    とを特徴とする、時効硬化し得る、高強度・高破面靭性
    を有するマルテンサイト合金鋼。
  11. (11)炭素含量が少なくとも約0.21%である、請
    求項10記載のマルテンサイト合金鋼。
  12. (12)ニッケル含量が少なくとも約11.0%である
    、請求項10記載のマルテンサイト合金鋼。
  13. (13)炭素含量とコバルト含量との間に下記関係式a
    )が成り立つ、請求項10記載のマルテンサイト合金鋼
    。 a)%Co<35−81.8(%C)
  14. (14)炭素含量とコバルト含量との間に更に下記関係
    式b)が成り立つ、請求項13記載のマルテンサイト合
    金鋼。 b)%Co>25.5−70(%C)
  15. (15)モリブデン含量が1.3%を越える場合に、炭
    素含量が、特定のコバルト含量に対して上記関係式a)
    及びb)によって相対的に定められる範囲内の中間値を
    越えないものである、請求項14記載のマルテンサイト
    合金鋼。
  16. (16)更に最大約0.05%のマンガンを含む、請求
    項10記載のマルテンサイト合金鋼。
  17. (17)重量%にして炭素約0.21〜0.27%、ク
    ロム約2.5〜3.3%、ニッケル約11.0〜12.
    0%、モリブデン約1.0〜1.3%、コバルト約11
    〜14%を含有し、残部が主として鉄から成ることを特
    徴とする、時効硬化し得る、高強度・高破面靭性を有す
    るマルテンサイト合金鋼。
  18. (18)炭素含量とコバルト含量との間に下記関係式a
    )が成り立つ、請求項17記載のマルテンサイト合金鋼
    。 a)%Co<35−81.8(%C)
  19. (19)炭素含量とコバルト含量との間に更に下記関係
    式b)が成り立つ、請求項18記載のマルテンサイト合
    金鋼。 b)%Co≧25.5−70(%C)
  20. (20)更に最大約0.05%のマンガンを含む、請求
    項17記載のマルテンサイト合金鋼。
  21. (21)重量%にして炭素約0.21〜0.27%、マ
    ンガン約0.1%以下、シリコン約0.1%以下、燐約
    0.008%以下、硫黄約0.004%以下、クロム約
    3%、ニッケル約11%、モリブデン約1.2%、コバ
    ルト約13.5%を含有し、残部が主として鉄から成り
    、時効された状態において少なくとも1930MPaの
    引張り強さと少なくとも110MPa√mのK_i_c
    破面靭性とを発揮することを特徴とする、時効硬化し得
    る、高強度・高破面靭性を有するマルテンサイト合金鋼
  22. (22)炭素含量が少なくとも0.24%である、請求
    項21記載のマルテンサイト合金鋼。
  23. (23)重量%にして炭素約0.2〜0.33%、クロ
    ム約2〜4%、ニッケル約10.5〜15%、モリブデ
    ン約0.75〜1.75%、コバルト約8〜17%を含
    有し、残部が主として鉄から成る、時効硬化し得るマル
    テンサイト合金鋼から作られた、高強度・高破面靭性を
    有する製品。
  24. (24)炭素含量が少なくとも約0.20%である、請
    求項23記載の製品。
  25. (25)ニッケル含量が少なくとも約10.75%であ
    る、請求項23記載の製品。
  26. (26)炭素含量とコバルト含量との間に下記関係式a
    )が成り立つ、請求項23記載の製品。 a)%Co≦35−81.8(%C)
  27. (27)炭素含量とコバルト含量との間に更に下記関係
    式b)が成り立つ、請求項26記載の製品。 b)%Co>25.5−70(%C)
  28. (28)モリブデン含量が1.3%を越える場合に、炭
    素含量が、特定のコバルト含量に対して上記関係式a)
    及びb)によって相対的に定められる範囲内の中間値を
    越えないものである、請求項27記載の製品。
  29. (29)更に最大約0.05%のマンガンを含む、請求
    項23記載の製品。
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