JPH0323053Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、雑草等を刈取るために使用される刈
払機に取付け、その作業に便ならしめる移動用車
輪装置に関する。

刈払作業には、第１図に示すごとく、先端に高
速回転する刈払刃１を取付けた杆状の刈払機本体
２の基端部を肩に掛け、両手でハンドル３を握つ
て操作するものが広く用いられている。

このようなものでは、例えば刈払刃を地面より
少し持ち上げた状態で長時間の作業を行なうた
め、非常に疲れる難点がある。特に土手や畦とい
つた斜面の刈払作業を行なう場合は機体を斜め方
向に支えて作業をしなければならず、大変な重労
働であつた。

上記の点に鑑み、本考案は刈払機本体を持ち上
げることなく手押車のように押して楽に作業がで
きるべく移動用車輪装置を工夫したものである。

即ち、本考案は先端部に車輪４を有する支持杆
５を杆状の刈払機本体２に装着できるようにし、
刈払刃１を地面から少し持ち上げた状態で手押車
のように転がして移動できるようにしたものであ
る。

刈払機は第８図に示すように刈払刃１を下方に
向けて平地で使用されるだけでなく、第９図に示
すように刈払刃１を横に向けて法面の刈払作業に
も多く使用される。そこで刈払刃を横に向けた状
態で車輪を垂直に接地させ得るように支持杆５は
刈払機本体２の軸線に対し回動し任意回動位置に
おいて固定し得るようにした。

ところが、この種刈払機は刈払刃の回動軸と刈
払機本体２とが直角以外の角度、通常は120゜〜
130゜程度に形成してあるため、刈払刃１を横に向
けた場合、第１０図に示すように刈払機本体２は
斜面から斜め外方に突出したような状態となり、
刈払機本体２に取付けた車輪の向きが刈払機の進
行方向と狂つてしまう。

そこで、本考案は車輪の支持杆５をその軸線に
対し回動可能とし刈払機の進行方向に車輪を向け
ることができるようにしたものである。

以下、本考案刈払機における移動用車輪装置の
実施例を添付の図面に基づいて説明する。

添付図面は移動用車輪装置を刈払機本体に取付
けた状態を示している。

移動用車輪装置は第７図に示す状態からわかる
ように、２つ割とし締付ボルト７によつて刈払機
本体２の任意位置に固定できるようにしたホルダ
ー６と、該ホルダー６に装着され下端に車輪４を
具えた支持杆５で構成されている。

そしてホルダー６には管状の取付杆８を設け該
取付杆８に車輪４の支持杆５を挿通し締付ボルト
９を締付けることによつて車輪４までの寸法を任
意に選定し固定する。図示例では、支持杆５の下
端に車軸１０を挿入しセツトボルト１１によつて
車輪の向きを変更できるようにしてある。

ホルダー６に管状の取付杆８を設けるには、２
つ割としたホルダー６の一方のホルダー片６ａの
外側面を第４図に示すように放射状の凹凸面１２
とし、該凹凸面１２に噛合するべき凹凸面１３を
刻設した噛合片１４を締付ボルト１５によつて定
着できるようにし、この噛合片１４に取付杆８を
一体的に溶着しておく。

従つて、締付ボルト１５を緩め任意回動位置で
締付けることによつて、取付杆８、ひいては車軸
４の支持杆５をその軸線と直交する軸線に対する
任意回動位置で固定されることになる。

第１図ないし第３図に示す実施例では、車輪４
の支持杆５の他に補助支持杆５ａを用い、補助支
持杆５ａを前記取付杆８に固定せしめ、連結具１
６によつて補助支持杆５ａと支持杆５とを連結す
るようにしてある。この連結具１６は２本の短管
１７，１８よりなり、それぞれの短管１７，１８
には前記取付杆８の場合と同じように片面を放射
状の凹凸面とした噛合片１９，２０を溶着し、両
者を噛合させた状態で締付ボルト２１を用い固定
できるようにしてある。そして一方の短管１７に
は補助支持杆５ａの下端部を挿入し、ボルト２２
止めするとともに他方の短管１８には支持杆５の
上端部を挿入しボルト２３止めすることによつて
一体的に連結する。

即ち、第７図に示す状態では、ホルダー６と噛
合片１４との噛合位置によつて車輪４の支持杆５
の接地角度を調節するとともに、取付杆８と支持
杆５とで二重管式とした両者の摺動固定位置によ
つてホルダー６と車輪４までの寸法、換言すれば
刈払刃１の浮き上がり寸法を調節する。

同じように、第２図ないし第３図に示す実施例
では、ホルダー６と噛合片１４および噛合片１９
と２０の２個所の噛合位置調節によつて支持杆５
の接地角度を調節するとともに、取付杆８と補助
支持杆５ａ，短管８と支持杆５の両者によつてホ
ルダーから車軸までの寸法を調節することがで
き、ホルダー６から直線的に車輪４を支持し接地
させるだけでなく変則的な姿勢を取ることができ
る。

土手や畦といつた斜面の刈払作業を行なう場合
はホルダーの締付ボルト７を緩めてホルダー６に
対し刈払機本体２を摺回動させ先端部の刈払刃を
斜面の傾斜に合せた角度で締付ボルト７を螺入し
ホルダー６と刈払機本体２とを固定する。そして
前述した調節操作によつてホルダーから車輪まで
の寸法、および支持杆の接地角度を調節する。

ところで、刈払刃の回転軸と刈払機本体とは通
常直角以外の角度としてあるため、車輪４の向き
と刈払機の進行方向とが狂つてしまう。そこで、
セツトボルト１１を緩めて車輪４の転動方向を刈
払機の進行方向に一致させた状態に調節する。こ
の調節は斜面の角度、即ち刈払刃１の水平面との
なす角度によつてそれぞれの作業場によつて違つ
てくる。

なお、刈払刃の回転軸と刈払機本体とが直角以
外の角度であるということは、第１０図からもわ
かるように、杆状の刈払機本体が傾め外方に突出
した形となる。その場合、車輪は刈払機本体２の
前部に装着したホルダー６の直下に位置し、その
後方にハンドル３が位置することとなる。この為
に、例えば、細い畦道などでは、車輪を転がすこ
とができる道の範囲からはみ出してしまうことが
ある。また、車輪４はハンドル３を押す方向の延
長線上から外れた所に位置することとなるため、
バランスが悪くその取扱いが不便となる。

この点を解決するには、第６図に示すようなサ
イド杆２４を補助的に使用するとよい。サイド杆
２４を使用し、車輪の位置を偏位させることによ
つて、第１０図に示すようになるべくハンドル３
を押す方向の延長線上に車輪を位置させることが
でき、操作し易く、また細い道などでも、その通
路から車輪がはみ出さないものとすることができ
る。

サイド杆２４によつて車輪４を外側方に偏位さ
せるには、サイド杆２４の一端部に取付体２５を
定着し、この取付体２５に取付杆８の噛合片１４
と噛合する噛合片２６を形成し、取付体２５と取
付杆８とを締付ボルト２７によつて連結する一
方、サイド杆２４には、締付ボルト２８によつて
所望位置に固定できるようにした摺動杆２９を嵌
挿し、該摺動杆２９にホルダー６の一方のホルダ
ー片６ａに形成した凹凸面１２に噛合する噛合片
３０を設け締付ボルト３１によつて摺動杆２９を
ホルダー６に固定されるようにしておくとよい。

このようにしておけば、締付ボルト２８を緩め
ると、サイド杆２４と摺動杆２９を自由に摺動さ
せることができ、車輪４の側方への突出量を任意
に設定することができ、取付杆８を締め付けてい
る締め付けボルト９を緩めると、支持杆５の軸線
に対して、この移動用車輪装置を装着する刈払機
本体２を回動でき、ホルダー６とホルダー片６ａ
を締め付けている締付ボルト７を外して、ホルダ
ー６とホルダー片６ａとを分離して、刈払機本体
２を乗せ変えて、ホルダー６とホルダー片６ａを
締付ボルト７で締め付けて、任意回動位置で締付
ボルト９を締め付けて固定することもでき、ホル
ダー６とホルダー片６ａの締付ボルト７と取付杆
８の締付ボルト９を使用することによつて、斜面
の右側と左側とを刈り分ける。

また、第２図、第３図に示す実施例において
も、支持杆５の上端部を挿入して、ボルト止めを
している短管１８のボルト２３を緩め、短管１８
を支持杆５の軸線に対し回動さして、任意回動位
置でボルト２３を締め付けて固定できることによ
り、90゜回転さすことによつて横に向けることも
でき、角度を自由自在に調整でき、更に、補助支
持杆５ａを取付管８に挿入して、ボルト止めをし
ている取付管８のボルト９を緩め、取付管８を、
補助支持杆５ａの軸線に対して回動させて、任意
回動位置で固定できるので、刈払機本体２を上に
もつていくようにし、ボルト９を締め付けて固定
することにより、第６図に示すようなサイド杆２
４を補助的に使用したものと同じように、使用で
きるのみならず、第２図、第３図に示される状態
にもどすこともできる。

更に、応用としては、こうすることも可能であ
る。すなわち、第６図に示す実施例において、ホ
ルダー６の一方のホルダー片６ａに形成した凹凸
面１２に噛合する噛合片３０を締付けている締付
ボルト３１を取りはずし、凹凸面１２の噛合をは
ずし、ホルダー片６ａと噛合片３０を分離し、次
に取付体２５と取付杆８とを締め付けている締付
ボルト２７を取りはずし、噛合片２６と噛合片１
４の噛合を取り外し、取付体２５と取付杆８を分
離し、取付杆８側の噛合片１４に、ホルダー片６
ａ側の放射状の凹凸面１２を噛合せ、締付ボルト
１５で、ホルダー６と取付杆８を固定すると、第
７図の状態となり、元の第６図に示されている状
態にもどすこともできる。

本考案刈払機における移動用車輪装置によれ
ば、刈払機をあたかも手押車のように押して刈払
刃を地面から一定の寸法だけ浮き上がらせた状態
で刈払作業を行なうことができ、しかも平担地ば
かりでなく土手や畦の斜面の場合にも刈払刃を横
に向けた状態で転がして楽に作業ができる特長が
ある。

また、支持杆を伸縮し得るようにした場合は刈
払刃と地面との寸法、即ち刈払の草丈を任意に設
定したり、刈払刃を横に向ける使用状態では、斜
面の刈払位置を変更する場合に便利である。そし
て、車輪の支持杆をその軸線と直交する軸線に対
し回動し得るようにすれば、支持杆の接地角度を
変えることができ、手押しの際に転がし易く、無
理な力が掛からないようにすることができる。

更に、車輪の支持杆を刈払機本体より側方に突
出させ、車輪を刈払機本体の直下より外側方に位
置させ得るようにしておくと、狭い畦道などで使
用する場合等に、車輪が道からはみ出してしまう
ようなことが無く、殊に、刈払刃を横に向けたと
きに車輪が斜面に接近し過ぎないようにすること
ができるとともに、ハンドルの手押しの方向に車
輪を位置させることができ、バランスよく運転す
ることができる効果がある。

その他、本考案によれば、支持杆は、車輪側の
支持杆と装着する刈払機本体側の支持杆その他の
連結からなり、それぞれの支持杆は、それぞれの
軸線と直交する軸線に対し回動し、角度調節で
き、車輪の側方への突出量を任意に設定でき、車
輪は、車輪側の支持杆の長さ方向に伸縮可能とし
たことにより、刈払機本体と車輪の相対関係を、
種々変更できるため例えば土手の上から刈払刃を
下方に向け、刈払刃を斜面に沿わせながら横方向
に刈払機を移動させることができ、平担地はもと
より、斜面も、右側の斜面も左側の斜面等あらゆ
る姿勢で容易に刈払機を移動させ、その作業を楽
に行なわしめることができる。

なお、本考案刈払機における移動用車輪装置
は、刈払刃の回転軸と刈払機本体との交差角度の
異なる各種の刈払機に取付けて使用することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案刈払機における移動用車輪装
置を刈払機に装着した使用状態を示すもので第１
図は全体の斜視図、第２図は移動用車輪装置部分
のみの正面図、第３図は第２図の側面図、第４図
はホルダーの凹凸面の一例を示す平面図、第５図
はホルダーの凹凸面に噛合する取付杆の噛合片を
示す平面図、第６図、第７図は別の実施例を示す
車輪装置部分のみの正面図であつて、第６図はサ
イド杆を装着した状態、第７図は第６図のサイド
杆を省略した状態を示す。第８図ないし第１０図
は、刈払作業の状態を示す略図であつて、第８図
は平面刈りの場合の側面図、第９図は斜面刈りの
場合の正面図、第１０図は斜面刈りの場合であつ
て、サイド杆を装着した状態を示す平面図、であ
る。 １……刈払刃、２……刈払機本体、３……ハン
ドル、４……車輪、５……支持杆、５ａ……補助
支持杆、６……ホルダー、７，９，１５，２１，
２７，２８，３１……締付ボルト、８……取付
杆、１０……車軸、１１……セツトボルト、１
２、１３……凹凸面、１４，１９，２０，２６，
３０……噛合片、１６……連結具、１７，１８…
…短管、２２，２３……ボルト、２４……サイド
杆、２５……取付片、２９……摺動杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈払機本体２に少なくとも刈払刃１と移動用車
   輪装置とハンドル３とを備えた刈払機において、
   移動用車輪装置を、刈払機本体２に対して摺動固
   定自在かつ回動固定自在なホルダー６と、ホルダ
   ー６に対して刈払機本体２と直交する軸で回動固
   定自在な摺動杆２９と、摺動杆２９に対して少な
   くとも摺動杆２９の回動軸と直交する方向に摺動
   固定自在なサイド杆２４と、サイド杆２４に定着
   した取付体２５に対してサイド杆２４と平行な軸
   で回動固定自在な取付杆８と、取付杆８に対して
   サイド杆２４と直交する軸で摺動固定自在かつ回
   動固定自在な車輪４を軸支した支持部材５，１０
   と、から構成したことを特徴とする刈払機におけ
   る移動用車輪装置。