JPH0322145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主としてダンボールケース束、出版物
等の結束用に使用されるものであつて、自動梱包
機に適用される合成樹脂製結束用バンドに関する
ものである。

（従来の技術） 従来、ダンボールケース束、出版物等の結束
は、合成樹脂、繊維、紙等からなる丸紐、撚紐等
の結束用紐が結着されたり、ポリプロピレン等の
合成樹脂からなる延伸された扁平帯状バンドが融
着されて結束されていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、前者の結束用紐の場合は紐を結
んで結束することから結び目がほどけて開梱しや
すく、結び目が突出して梱包物をいためる問題点
があつた。しかも、結束が弱く、一束当りの梱包
数が少なく荷技けが生じやすい問題点があつた。
さらに、紐が梱包物のコーナー部に食い込み梱包
物をいためる問題点があつた。又、後者の扁平帯
状バンドの場合は結束力が強い反面、バンドの両
側端部が梱包物のコーナー部に食い込み梱包物を
いためると共に、荷扱い時にバンドの両側端部に
より手を傷つけたり、手が痛くなるという問題点
があつた。

本考案はかかる従来の問題点を解決した合成樹
脂製結束用バンドを提供することを目的としてい
る。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、本考案合成樹脂製
結束用バンドは、長さ方向に延伸され、表裏両面
にシボ処理が施された合成樹脂製バンドであつ
て、バンドの横断面形状が両側端部を除く適宜１
又は複数箇所に所定幅の薄肉部が設けられた扁平
状となされ、バンド幅方向に薄肉部の占める割合
がバンド幅の20〜50％となされたものである。

（実施例） 以下、図面を参照しながら本考案について説明
する。

図面において、１は本考案バンドであつて、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフイン
系樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体等の合成
樹脂から作製されている。バンド１に柔軟性を付
与するために、上記樹脂に例えば炭酸カルシウム
等の無機物が５〜15％程度配合されていると手ざ
わりが良く扱いやすい。又、バンド１は長さ方向
に延伸されて強度が付与されると共に、表裏両面
にシボ処理が施されて縦割れが防止された扁平帯
状体となされている。

上記バンド１の横断面形状は、両側端部を除く
適宜１又は複数箇所に所定幅の薄肉部２が設けら
れている。薄肉部２は一般に第１図の如くバンド
１の表裏両面が凹まされて設けられ、バンド１の
幅方向の中央部に１箇所設けられる。又、第２図
の如く薄肉部２はバンド１の幅を３等分する位置
に２箇所設けられてもよいし、あるいは２箇所以
上設けられてもよいが、薄肉部２のバンド幅方向
に占める割合はバンド幅の20〜50％程度となされ
ている。すなわち、薄肉部２のバンド幅方向に占
める割合がバンド幅の20％以下の場合は、梱包結
束時にバンド１が薄肉部２に沿つて曲折せず、バ
ンド１の両側端部が梱包物のコーナー部に食い込
んだり、バンド１の両側端部で手を傷つけやす
い。逆に上記割合が50％以上の場合は、バンド１
の溶着強度が低下し強固な結束ができないことか
ら上記20〜50％程度が好ましい。一般にバンド１
は幅が８〜15mm程度のものが使用され、例えばバ
ンド幅１０mmとすれば、第１図の如く薄肉部２が
１箇所の場合、薄肉部２の幅は２〜５mmとなさ
れ、第２図の如く薄肉部２が２箇所の場合、各薄
肉部２の幅は１〜2.5mmとなされる。

又、一般にバンド１は厚み0.2〜1.0mm程度のも
のが使用され、上記厚みは薄肉部２以外の部分、
すなわち厚肉部３の厚みを示し、薄肉部２の厚み
は上記0.2〜1.0mmより小さくなされておればよ
い。薄肉部２の厚みは一般に厚肉部３の厚みの30
〜70％となされているのが強度面及び薄肉部２の
折れ曲り効果の面で好ましい。

バンド１のシボ処理に関して、薄肉部２には細
かいシボ４が施され、厚肉部３には粗いシボ５が
施されている。上記細かいシボ４は一般に0.5mm
程度のピツチで施され、粗いシボ５は3.0mm程度
のピツチで施されているのが好ましい。

しかして、本考案バンド１は梱包結束に際し
て、自動梱包機を介して第３図の如く梱包物６に
掛回されて熱融着されるものであつて、梱包物６
のコーナー部においてバンド１に張力がかかる
と、バンド１が薄肉部２に沿つて第４図の如く折
れ曲がり、バンド１の全面に応力がかかるように
なされている。

（考案の効果） 以上詳述した如く、本考案合成樹脂製結束用バ
ンドは、バンドの横断面形状が両側端部を除く適
宜１又は複数箇所に所定幅の薄肉部が設けられた
扁平状となされ、バンド幅方向に薄肉部の占める
割合がバンド幅の20〜50％となされているので、
梱包結束時に梱包物のコーナー部においてバンド
が薄肉部に沿つて折れ曲がり、バンドのコーナー
部への食い込みに対してバンド全面で応力を受
け、従来の如く梱包物をいためるようなことがな
い。しかも、引締力を強くして一束当りの梱包数
を多くすることができると共に、運搬中の荷くず
れ、荷抜けを防止することができる。

又、荷扱い時において、バンドを持つてもバン
ドが薄肉部に沿つて折れ曲がることから、従来の
如くバンド両側端部により手を傷つけたり、手が
痛くなるといつたことがなく、扱いやすい。

さらに本考案合成樹脂製結束用バンドは薄肉部
には細かいシボが施されているので該薄肉部にお
いても縦割れ防止効果が発揮でき、バンドの強度
が低下しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案バンドの一実施例を示す一部切
欠斜視図、第２図は本考案バンドの他の実施例を
示す一部切欠斜視図、第３図は本考案バンドの使
用例を示す斜視図、第４図は第３図Ａ部における
梱包物のコーナー部のバンド断面図である。 １……バンド、２……薄肉部、３……厚肉部、
４……細かいシボ、５……粗いシボ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長さ方向に延伸され、表裏両面にシボ処理が施
   された合成樹脂製バンド１であつて、バンドの横
   断面形状が両側端部を除く適宜１〜数箇所に所定
   幅の薄肉部２が設けられ、他は厚肉部３となされ
   た扁平状となされ、バンド幅方向に薄肉部２の占
   める割合がバンド１幅の20〜50％となされ、薄肉
   部２には細かいシボ４が施され、厚肉部３には粗
   いシボ５が施された合成樹脂製結束用バンド。