JPH03216280A - 硝酸系溶液用容器等の製作方法 - Google Patents

硝酸系溶液用容器等の製作方法

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JPH03216280A
JPH03216280A JP1049290A JP1049290A JPH03216280A JP H03216280 A JPH03216280 A JP H03216280A JP 1049290 A JP1049290 A JP 1049290A JP 1049290 A JP1049290 A JP 1049290A JP H03216280 A JPH03216280 A JP H03216280A
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JP
Japan
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welding
nitric acid
materials
stainless steel
layer
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JP1049290A
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Tomohiko Yabu
薮 智彦
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、硝酸系溶液を貯溜または移送する容器等(
例えば貯槽または配管)を、複数のステンレス鋼を溶接
することによって製作する硝酸系溶液用容器等の製作方
法に関する。
(従来の技術) 化学プラント等では、しばしば硝酸系の溶液を取り扱う
場合がある。硝酸は、他の酸性試薬と異なり強い酸化性
を有する強酸であり、その強い酸化力を利用して種々の
反応を行わせることができるものの、例えば反応器を構
成する貯槽が強い腐食性環境に置かれてしまうという問
題点があった。そこで、従来は、硝酸系溶液を貯溜また
は移送する貯槽または配管の材料として、炭素(C)お
よびリン(P)の組成比を低くして耐硝酸性に優れたス
テンレス鋼(SUS304系.JIS規格)が使用され
ている。
一般に、ステンレス鋼を使用する場合、純粋な硝酸の場
合には、第5図の実線八で示すように、電位曲線が安定
な不動態化領域にあるため問題は少ない。しかし、硝酸
濃度が高い場合や、温度が高く硝酸系溶液の沸点近くで
ある場合、あるいは硝酸系溶液中にCr6+やCe’+
等の酸化還元電位の高い他の金属イオンが含まれている
場合等には、第5図の破線Bで示すように、電位曲線が
高酸化側へ移動していわゆる過不動態領域にくるため、
腐食が進行してしまう。この場合の腐食は、粒界腐食あ
るいは孔食のような形態を取るので、腐食が局部的に進
行して貯槽壁や管壁が腐食で貫通し、貯槽あるいは配管
内の溶液が漏洩したり流出してしまう恐れがある。この
ようなステンレス鋼(SUS304系)の硝酸溶液中で
の粒界腐食は、特に溶接部において著しい。
また、硝酸溶液中に不溶解性の固形分(スラッジ)を含
む場合には、さらにすきま腐食の問題が生ずる。そこで
、従来、耐すきま腐食性を高めるために、硝酸系溶液貯
槽あるいは配管の材料として、モリブデン(Mo)を含
有したSUS316系(JIS規格)のステンレス鋼を
使用している。
このSUS316系ステンレス鋼は耐すきま腐食性が良
好であるとともに、SUS304系より若干劣るが、炭
素およびリンの組成比が低いので耐硝酸性も良好である
第6図は、SUS316系ステンレス鋼を貯槽の材料と
したとき、これら材料の溶接部を示す断面図である。材
料1,2はSUS316系ステンレス鋼であり、これら
の材料1,2には突合せ溶接用の開先3.4が形成され
る。各開先3.4の開先角度αは、約60〜70° (
片側で約30〜35°)に設定される。そして、TIG
溶接機5を用いて溶接棒6を溶融し、両開先3および4
間に溶接層7を形成する。このように材料1,2,・・
・を順次溶接して貯槽を構成する。ここで、溶接棒6は
Y316系(JIS規格)であり、材料1および2のS
US316系と同材質である。
(発明が解決しようとする課題) ところが、第6図のように材料1および2をSUS31
6系とし、Y316系を溶接棒6とする溶接では、溶接
層7を含めた溶接部の耐硝酸性が低下してしまう。例え
ば、材料をSUS314系とし、溶接棒をY308系(
JIS規格)として溶接した第1テストピースと、材料
をSUS316系とし、溶接棒をY316系として溶接
した第2テストピースとを、沸騰硝酸溶液中に浸漬して
、硝酸による溶接部の腐食の程度を比較すると、第7図
に示す結果になる。つまり、第2テストビースの溶接部
の方が第1テストピースの溶接部より腐食の程度が著し
く、甚しい場合には組織に沿った脱落が生ずる恐れがあ
る。
このように、SUS316系を材料とし、Y316系を
溶接棒とする溶接では、溶接部の耐硝酸性が低下するの
で、材料の板厚を厚《して対処しているが、こうすると
重量およびコストが増大してしまう。
この発明は、上記事情を考慮して成されたものであり、
容器等を溶接によって構成する材料間の溶接部の耐硝酸
性を向上できるとともに、上記材料の板厚の増大を回避
できる硝酸系溶液用容器等の製作方法を提供することを
目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明は、硝酸系溶液を貯溜等する容器等が、複数の
ステンレス鋼材料を溶接することによって構成され、こ
れらの材料がモリブデンを含有するステンレス鋼であり
、これらの材料の開先に、溶接後に耐硝酸性が良好とな
る保護層を溶接前に予め形成し、その後上記モリブデン
含有ステンレス鋼から成る溶接棒を用いて上記複数の材
料を溶接し、上記容器等を製作することを特徴とするも
のである。
(作用) したがって、この発明に係る硝酸系溶液用容器等の製作
方法によれば、容器等を構成する材料がモリブデン含有
のステンレス鋼から成り、この材料の溶接開先に、この
材料と同質のステンレス鋼から成る溶接棒を用いて溶接
を行う前に、溶接後に耐硝酸性が良好と成る保護層を設
けたことから、上記材料の溶接部における耐硝酸性を向
上させることができる。このため、材料の板厚を増大す
る必要がなく、容器等の重量およびコストも軽減できる
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面を用いて説明する。
硝酸系溶液を貯溜する貯槽は、第1図に示すように、複
数枚の材料10,11,・・・を突合せ溶接することに
よって構成される。これらの材料10,11,・・・は
モリブデン(MO)を含有するステンレス鋼であり、こ
の実施例ではSUS316系(JIS規格)が用いられ
る。このSUS316系は炭素(C)およびリン(P)
の組成比が低いので耐硝酸性が高いとともに、モリブデ
ンを含有するため不溶解性固形分(スラッジ)を含む硝
酸系溶液中での耐すきま腐食性が高い。
材料10.11,・・・の溶接に際し、まず材料10,
11に突合せ溶接用の開先].2.13をそれぞれ形成
する。
次に、これら開先12および13の表面に保護層として
の肉盛り層14を形成する。この肉盛り層14にはリッ
プ15が同時に一体成形される。
肉盛り層14およびリップ15は、モリブデン(Mo)
を含有しないY308L(JIS規格)を溶接棒として
溶着により形成される。この溶接棒としてはY308L
の他に、JIS規格でY308,Y309,Y309L
,Y301.Y30IS,Y312,Y321,Y34
7,Y347L等がある。
この肉盛り層14およびリップ15はモリブデンを含有
しないことから、後述のY316Lを溶接棒とした材料
10および11の溶接後に、耐硝酸性が良好と成る。こ
れは、前述の第1テストピースの溶接部が、第2テスト
ピースの溶接部よりも硝酸系溶液に対する腐食の程度が
低いからであり(第7図参照)、この理由は、両テスト
ピースの溶接部に生ずるδ−フエライトの腐食挙動に基
づくものである。つまり、モリブデン(Mo)を含有し
ないSUS304系材料に発生するδフエライトは耐硝
酸性が高く、モリブデンを含有するSUS316系材料
に発生するδフエライトは耐硝酸性が低いためである。
この理由から、開先12および13の表面に、SUS3
04系と同材質の例えばY308Lの溶接棒により肉盛
り層14およびリップ15を形成するのである。
上述の耐硝酸性の高低は材料10および11を溶接する
際の人熱量の変化によっても変動する。
すなわち、人熱量が少なければ、材料10および11 
(SUS316系)の溶接部に生ずるδフエライト量が
減少し、溶接部の耐硝酸性が高まる。
逆に、人熱量が多ければ溶接部に生ずるδフエライト量
が増加し、溶接部の耐硝酸性が低下する。
この観点から、前記開先12および13の開先角度βは
、人熱量を減少する目的で、約20〜40°(片側で約
10〜20°)に設定される。この実施例では、開先角
度βは片側で約15°に設定される。
最後に、材料10および11の母材と同質のY316L
を溶接棒16とし、TIG溶接機17を用い、開先12
および13間に溶接層18を形成して材料10および1
1を溶接し、貯槽を製作する。ここで溶接層18の記号
1a.2a,3a,4a,5a,6a,7aは溶接パス
番号を示す。
また、溶接棒16として、材料10および11と同材質
のY316Lを用いた理由は、溶接施工時の割れを防止
する観点から、ある程度のδフエライト量が必要だから
である。
さらに、上記TIG溶接機1−7によるTIG溶接は、
通常のTIG溶接でも良いが、前述の如く、材料10お
よび11の母材への溶接時の人熱量を減少してδフエラ
イト量を低減するために、パルスTIG法が好適である
。このパルスTIG法は、TIG溶接機17の電流をパ
ルス状に変化させて溶接するものであり、このパルス周
波数として約1〜5Hzが望ましい。この実施例では、
約3Hzのパルス電流を用いる。
上記第1実施例によれば、材料10および11の開先1
2および13に肉盛り層14およびリップ15を形成し
、この肉盛り層14およびリップ15が材料10および
11の溶接時に耐硝酸性の高いδフエライトを生成する
することから、溶接部の耐硝酸性を材料10および11
の母材と同程度まで高めることができる。
また、材料10および11の開先12および13の開先
角度βが約20〜40°と狭く、しかもパルスTIG溶
接法を用いているため、材料10および11への人熱量
が少ない。この結果、材料10および11に生ずるδフ
エライト量(耐硝酸性が低い)を低減でき、材料10お
よび11の溶接部における耐硝酸性を向上させることが
できる。
これらの結果、材料10および11の板厚を厚くして貯
槽の重量やコストの増大を招くこともない。
第2図および第3図は、第2および第3実施例をそれぞ
れ示す貯槽の溶接部を示す断面図である。
これらの第2および第3実施例においては溶接棒16お
よびTIG溶接機17を省略するとともに、前記第1実
施例と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明
を省略する。
第2図に示す第2実施例では、肉盛り層14のリップ1
5間に、肉盛り層14の形成とほぼ同時期にインサート
19を設置する。このインサート19は、肉盛り層14
およびリップ15と同質材料であり、モリブデン( M
 o )を含有しないY308Lである。このインサー
ト19により、硝酸系溶液に接する側の溶接部は、より
高い耐硝酸性を呈する。
また、第3図に示す第3実施例では、肉盛り層14の形
成時に、この肉盛り層14と同時にかつ一体にガード層
20を形成する。このガード層20は、材料10および
11の硝酸系溶液に接する側で、溶接層18に対応して
幅bに形成される。
この幅bは、溶接層18の幅をaとすると、b≧aに設
定される。このガード層20も、肉盛り層14と同材質
であり、モリブデン(Mo)を含有しないY308Lで
ある。このガード層20は、材料10および11の溶接
層18の近傍を硝酸系溶液から隔てることができるので
、溶接時の入熱により耐硝酸性が若干低下した溶着層1
8近傍部分の浸食を防止できる。
第4図は、第4実施例における貯槽の溶接部を示す断面
図である。この第4実施例においても、溶接棒16およ
びTIG溶接機17を省略するとともに、前記第1実施
例と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を
省略する。
この第4実施例では、材料10および11に開先12お
よび13をそれぞれ形成したのち、これらの開先12お
よび13にTIG溶接機17を用いてパルスTIG法に
より溶接層21を形成するが、この第1溶接パスIAは
Y308Lの溶接棒によって行い、他の第2溶接パス以
降2a〜7aをY316Lの溶接棒によって実施する。
この実施例によれば、開先12および13の形成後肉盛
り層14を形成する必要がないので、貯槽の製作を容易
かつ迅速に実行できる。
なお、上記実施例では、硝酸系溶液用容器として貯槽を
製作する場合につき述べたが、硝酸性溶液を移送する配
管を製作する場合についても同様に適用できる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明に係る硝酸系溶液用容器等の製
作方法によれば、硝酸系溶液を貯溜等する容器等の材料
がモリブデンを含有するステンレス鋼であり、これらの
材料の開先に、溶接後に耐硝酸性が良好となる保護層を
溶接前に予め形成し、その後上記モリブデン含有ステン
レス鋼から成る溶接棒を用いて上記複数の材料を溶接し
、上記容器等を製作するので、上記保護層により材料の
溶接部における耐硝酸性を向上させることができるとと
もに、上記材料の板厚の増大を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る硝酸系溶液用容器等の製作方法
により製作される貯槽の溶接部を示す断面図、第2図,
第3図および第4図はこの発明に係る第2,第3および
第4実施例における貯槽の溶接部を示す断面図、第5図
はアノード電流密度と電位との関係を示すグラフ、第6
図は従来の貯槽の溶接部を示す断面図、第7図はテスト
ビースの硝酸系溶液における腐食程度を示すグラフであ
る。 10.11・・・材料、12.13・・・開先、14・
・・肉盛り層、16・・・溶接棒、17・・・TIG溶
接機、18・・・溶接層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 硝酸系溶液を貯溜等する容器等が、複数のステンレス鋼
    材料を溶接することによって構成され、これらの材料が
    モリブデンを含有するステンレス鋼であり、これらの材
    料の開先に、溶接後に耐硝酸性が良好となる保護層を溶
    接前に予め形成し、その後モリブデン含有ステンレス鋼
    から成る溶接棒を用いて上記複数の材料を溶接し、上記
    容器等を製作することを特徴とする硝酸系溶液用容器等
    の製作方法。
JP1049290A 1990-01-22 1990-01-22 硝酸系溶液用容器等の製作方法 Pending JPH03216280A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103447668A (zh) * 2013-08-27 2013-12-18 中国船舶重工集团公司第七二五研究所 一种弥散铜的焊接方法

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