JPH0321441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は測定物の長さを精密に測定するための
マイクロメーターに関する。

マイクロメーターは副尺を用いて通常0.01mmま
で精密に測定出来るので、工場等で多用されてお
り、その一例として第２図に外側マイクロメータ
ーを示す。図面において、フレーム３にアンビル
５とスリーブ１が固着されており、スリーブ１と
精密にネジ係合するスピンドル４とシンブル２と
が一体的に設けられている。シンブル２を回転さ
せるとネジのリードに応じてスピンドル４が進退
し、これに伴つてシンブル２がスリーブ１上を移
動する。そして、主尺がスリーブ１上に軸方向に
設けられ、又シンブル２の端部に円周方向に副尺
が設けられている。測定値の読み取りは主尺の目
盛と副尺の目盛とを加えて読み取る。ところで一
般にシンブル２は、その２回転で主尺の単位目盛
分を移動するようにされており、このようなもの
にあつては、第３図に示す如く測定物の寸法を読
み取る場合に、たとえば主尺単位目盛が１mmの
時、主尺の目盛からシンブル２が１回転目までは
副尺はそのままの値を読み、２回転目では副尺の
値に対して0.5mm足した値を読み取る必要がある。
前述の如くシンブル２の回転位置により、副尺を
そのまま読むか、あるいは0.5mm足して副尺を読
むために時として、測定物の寸法を0.5mm増減し
て読んでしまうことがある。これは、主尺の下部
の主尺目盛の中央にシンブル２が１回転目から２
回転目に移る位置に線が引いてあり目印となつて
いるが、この線を見落としてしまうことがあるか
らである。このため、一般的にノギスを併用して
0.1mm台の寸法を予め測定してからマイクロメー
ターで測定するか、又はマイクロメーターで２度
３度と測り直すという煩雑な作業を行つていた。

本考案は測定物を測定する際に、寸法値を読み
違えることなく、しかも極めて容易に測定するこ
との出来るマイクロメーターを提供することを目
的とするもので、以下添付図面に示す実施例に基
づいて本考案を説明する。

第１図は本考案実施例を示すもので、第２図に
示すマイクロメーターに適用したものである。図
面において、スリーブ１に設けた主尺の目盛の下
部に、シンブル２が主尺の単位目盛数値の増大側
に１回転してスリーブ１上を移動する幅、すなわ
ち主尺単位目盛の半分の幅を有する標示帯６を、
シンブル２が次の２回転目に移動する範囲に設け
てあり、即ち主尺の0.5mm〜1.0mm、1.5mm〜2.0mm、
…の位置に対して標示帯６を設けてある。その他
の構造は従来と同様である。上記の如く主尺の０
目盛及び単位目盛からシンブル２の２回転目で移
動する範囲に相当する幅を有する標示帯６を設け
たものであるから、測定物を測定する際にはシン
ブル２端面が標示帯６に位置しているか否かを見
ることで、位置していれば副尺の値に0.5mm足し
た値が測定物の寸法となり、シンブル２端面が標
示帯６に位置していなければ、そのままの値が測
定物の寸法となる。このことにより、シンブル２
端面が標示帯６に対してどこに位置しているかを
見れば、誤読することなく極めて容易に寸法を測
定することが出来る。このため、標示帯６は着色
して目立つようにすることが好ましい。

尚、本考案は外側マイクロメーターに限定され
るべきものでないことは言うまでもなく、内側マ
イクロメーター、デイプスマイクロメーター等に
も適用することが可能である。

本考案は前述の如くであるから、マイクロメー
ターを用いて測定物を測定する際に、シンブル端
部を直視するだけで主尺目盛の区分が明確に読み
取れるので、寸法を読み違えることがなく、しか
も極めて容易に寸法を測定することが出来る等の
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す要部拡大図、第２
図は従来のマイクロメーターを示す正面図、第３
図は第２図の要部拡大図である。 符号の説明、１…スリーブ、２…シンブル、６
…標示帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スリーブ１上に設けた主尺と、該スリーブ１上
   を回転移動するシンブル２端部に設けた副尺とか
   ら目盛部が成り、前記主尺の１目盛がシンブル２
   の２回転の移動量となる関係にあるマイクロメー
   ターにおいて、前記主尺の０目盛及び単位目盛か
   ら、副尺を設けたシンブル２端部が前記主尺の単
   位目盛数値の増大側に、２回転目に移動する範囲
   に相当する幅を有する標示帯６をスリーブ１上に
   設けたことを特徴とするマイクロメーター。