JPH0320695B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は一般的に液体分配装置に関する。

特に本発明は精密な試薬の計量送り出し装置に
関するものである。

〔先行技術について〕

先行技術に於いては試薬等の液体分配のための
色々な種類の容積測定装置がある。一連の品目の
一端にはピペツトの如き簡単な手動型のものがあ
り、この場合若干量の液が目盛つきの管内に吸収
され、次に測定した量として排出される。一連の
品目の他端には種々な非常に凝つた機械的及び電
気機械的装置があり、従来のまたは特別に設計さ
れた試薬容器から正確な量の液を再現可能に分配
するようになつている。手動型の装置はしばしば
必要とする正確さを欠き、一方機械装置はしばし
ば複雑になりすぎ、非常に高価となり、多くの場
合、連続使用すると故障する傾向がある。

ガレン及びその他に交付された米国特許証第
3834241号、及びボールトに交付された米国特許
証第4054061号に開示された装置は手動型ピペツ
ト装置の代表的なものである。

ダウニングスとその他に交付された米国特許証
第3931915号とサンドストロムに交付された米国
特許証第4101283号に開示された装置は機械的及
び電気機械的分配装置の代表的なものである。後
者のサンドストロム装置はデジタル式でプログラ
ムした基定量の試料を正確にピペツトにて採取す
ること、および同様にしてデジタル方式でプログ
ラムした規定量の試薬を送り出すのに用いるのに
特に適応するようにしてある。サンドストロムの
発明の目標は、ネジを切つてない試薬容器内で回
転される特別に構成されたプランジヤーを提供す
ることである。このプランジヤーの回転は、幾分
か複雑な計算回路及び接続回路を介してモータ手
段に作動可能に接続されている比較的精巧な光電
池システムによつて制御される。サンドストロム
のプランジヤーが特別の形状をしているために、
そのプランジヤーはそれが回転するときに試薬容
器の内壁に溝を切る。

〔本発明の概要〕

本発明の装置は試薬の正確な計量と送り出しの
ための安価で、確実作動でしかも非常に精密な装
置を提供することにより大量または少量の液体ア
リコート（aliquots）精密送り出しについての固
有の問題を解決するという点で先行技術から容易
に認別し得るものである。以下の説明からお分り
なるように、その簡単さの為、本発明の装置は維
持と掃除が容易で、作動に非常に信頼性があり、
未熟な素人でも容易に操作することができる。

本発明の第１の目的は簡単で信頼度が高く操作
が容易な装置、即ち試薬の計量及び送り出しに於
いて高度な精密さ及び正確さの問題を解決する装
置を提供するにある。

本発明の第２の目的は前記特性の装置でこの装
置を構成する構成部品が簡単な設計のもので安価
に製造でき、容易に加工でき、容易に入手できる
材料で製作できる装置を提供するにある。

本発明の第３の目的は前各項に記載の特性の装
置であつて、掃除と補修が簡単な装置を提供する
にある。

本発明の第４の目的は前記種類の装置であつ
て、装置の体上時間が最小で素人が容易に取付け
ることのできる使い捨ての試薬容器を使用する装
置を提供するにある。

〔本発明の技術的手段〕

このため、本発明では、内部に流体試薬を入れ
た試薬容器に、その円筒状内壁に対し密封摺動自
在なプランジヤーを往復動自在に嵌挿し、該プラ
ンジヤーには、前記容器内の試薬を外部に導くた
めの流体送り出し手段に通じる流体通路を設け、
底閉鎖壁を有する中空状基部とこれに嵌る試薬容
器とには互に螺合連結するねじ部を形成し、前記
基部に設けた固定子と前記容器のプランジヤーと
には、基部に対して容器が回転するに際してプラ
ンジヤーが回転不能に連結する連結手段を設け
た。

〔作用〕

要約すれば、本発明の装置は、内側にネジを切
つた基部内に、ネジ結合自在に受けられる外側に
ネジを切つた使い捨ての試薬容器から成るもので
ある。試薬容器には貫通した流体通路を有するプ
ランジヤーが密封式に取付けられており、この通
路は一端に於いて試薬容器の内側と通じ、他端に
於いて流体送り出し管と連通している。プランジ
ヤーは基部に配設した固定子と動作可能に連続さ
れているので基部に対する試薬容器の回転は試薬
容器内での正確に予定したプランジヤーの縦方向
の移動を生じさせる。これにより試薬は非常な精
密さをもつて送出管より制御されて強制排出され
る。

したがつて、本発明では、試薬の正確な計量
と、送り出しのための安価で、確実作動でしかも
非常に精密な装置を提供することにより大量また
は少量の液体アリコート（aliquots）の精密送り
出しに固有の問題を解決するという点で先行技術
から容易に認別し得るものである。装置の構造の
簡単さの為、本発明の装置は維持と掃除が容易
で、作動に非常に信頼性があり、未熟な素人でも
容易に操作することができる。

〔実施例〕

図に関して第１図乃至第３図に関して、本発明
の試薬計量送り出し装置は全体として円筒形で、
内側にネジを切つた中空の基部１２と、一般に円
筒状で、外側にネジを切り基部１２に螺合支承さ
れるようにした試薬容器１４より成る。基部１２
は底閉鎖壁１６と固定子を含み、この固定子はこ
こでは中空で直立し、壁１６に装着したコラム１
８で基部１２内を軸方向に上方向に延び、上端部
２０にて終る形状のものを示している。

第２図に示す通り、試薬容器１４は基部に対し
て容器を回転することにより基部１２と螺着連結
されるようになつている。容器１４の回転は手動
で行うか或は以下に述べる方法、即ち基部に対し
て試薬円筒を制御回転させる機械的駆動手段によ
り行うことができる。試薬容器１４の頂部は頂部
閉鎖壁２２により閉鎖されており、容器の内壁２
４は全体として円筒形である。

試薬容器１４内に往復運動するように装着され
ているのは全体として円筒状のプランジヤー２６
で、各々上下壁２８及び３０を有する。プランジ
ヤーの下壁３０内に形成されているのはプランジ
ヤーと固定子または基部１２内に設けた直立のコ
ラム１８とを操作可能に連結する連結手段であ
る。図面に示す本発明の実施例では、この連結手
段は凹部３２の形状で設けられており、第３図に
示す如く、断面が全体として長方形で、直立のコ
ラム１８の上端部２０をぴつたりと子承するよう
になつている。

流体送出し手段は流体を試薬容器１４の内側よ
り装置の外に導くために設けられている。この流
体送り出し手段はここでは基部１２の底壁１６に
形成した開口３６を介して延びる管状の導管３４
の形状で設けられている。次に導管は中空のコラ
ム１８を通つて上方向に延び、そして直立コラム
１８の上部２０に形成した開口３８を介して外方
向に延び、最初の端部３９で終る。第１図でよく
分るように、プランジヤー２６には試薬容器１４
の内側に連通する一端と、導管３４に連通する他
端とを有する流体通路４０が設けられている。

プランジヤー２６と試薬容器１４の円筒内壁２
４との間の流体の漏れを防止するために、プラン
ジヤー２６にはプランジヤーが試薬容器内で往復
運動をするときに試薬容器の内壁２４と密封的に
掛合するようにした密封手段が設けられている。
本発明の現在の形状では、この密封手段は一対の
間隔をとつた円周方向に延びるスカート４２及び
４４から成り、この外縁が試薬容器の内壁２４に
対して弾力をもつて押圧する。図面では密封スカ
ートが示されているけれども、従来型のエラスト
ーマーのＯーリングが密封手段として使用できる
ことも御理解願いたい。

第４図に最もよく見られるように、本発明の現
在の形状の駆動手段は試薬容器１４の周面に設け
た多数のスプライン４６より成る。駆動ローラ４
８もその周面に設けられた多数のスプライン５０
を有し、試薬容器と適当に掛合し、制御駆動す
る。モーター手段Ｍは、図面では大ざつぱに示
し、符号５２で示す適当な駆動連結具により駆動
ローラ４８に作動可能に連結されている。本発明
の装置の使用に応じて、駆動手段はその分野に於
ける熟達した人に周知の如何なる形状のものにで
もすることができる。例えば、駆動ローラ４８を
回転可能に支持している収納函を含むポータブル
駆動機構にすることができる。この場合、駆動ロ
ーラーはもし希望される場合は柔軟なシヤフトに
よりモーターＭに連結することができる。それと
も駆動手段は固定にし、試薬容器１４に近接して
固定装着した収納函を含み、これに駆動ローラ４
８を内臓させ、モーターＭと連結した適当な駆動
列によつて駆動されるようにしてもよい。記載し
た特性の駆動手段設計はその分野の技術に十分に
入り、その正確な構造はここで説明する必要がな
い。

操作に於いて、第２図に示す方法で各部分が組
合せられると、基部１２に対する試薬容器１４の
回転により、試薬容器をプランジヤー２６に対し
て下方向に移動させる。プランジヤーは固定子に
より回転しないように固定されている。

プランジヤー２６に設けられた密封手段または
スカート４２及び４４は、容器１４内に有する流
体Ｆがプランジヤーと容器内壁２４との間を通過
するのを防止するので、流体は送出し管３４を通
つて装置の外方向に押しやられる。送り出し管を
通過する流体の量は容器１４が駆動手段により回
転された時に基部１２の内面ネジ山に沿う容器１
４の移動に比例する。従つて容器１４の回転を厳
密に制御することにより、装置からの流体の送り
出しが厳密に正確に制御することができる。更に
特定して云えば、組合せ部分に非常に細目のネジ
山を設け、駆動手段を厳密に制御することによ
り、少量または多量の液体アリコートの送り出し
の精密さ及び正確さが終始一貫して成し得るもの
である。

〔効果〕

このように本発明に従えば、基部と試薬容器と
は、ねじにより螺合連結されているので、基部に
対して試薬容器を適宜（１回転以内の微小角又は
１回転以上）の角度だけ回動すれば、前記ねじに
よる進み量に比例した寸法だけプランジヤーが回
転しないまま容器内に押し込まれ、これにより試
薬容器内の試薬は正確に計算されて、且つその分
量がそのまま外部に送り出される。

本発明装置の構造は極めて簡単であり、安価に
提供できる。可動部分も容器の基部に対する回動
だけであり、制御操作を極めて精密に行える。

本装置は最低数の可動部分を組込んでおり、駆
動手段が装置の外部にあり、容易に手が届くよう
になつているので、本装置は非常に信頼性があ
り、容易に修理が行えまた操作も簡単である。

特許法の諸要件に基づき本発明を詳細に説明した
ので、この分野に於ける技術を有する人にとつて
特定の要件及び条件を満すための各部分またはそ
の関連組件に変更を加えることは困難でない。こ
の様な変更は以下の特許請求の範囲に述べる本発
明の範囲及び精神を逸脱することなく行い得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の試薬計量及び送出し装置の分
解した側面の横断面図である。第２図は第１図と
同様の図であるが、装置の構成部分を螺合状態で
示してある。第３図は第２図の３−３線に沿う横
断面図である。第４図は駆動機構の１種類を図解
的に示す本発明装置の図解的平面図である。 １２……基部、１４……試薬容器、１６……底
閉鎖壁、１８……コラム、２０……上端部、２６
……プランジヤー、３２……凹部、３４……導
管、３６，３８……開口、４０……流体通路、４
２，４４……スカート、４６，５０……スプライ
ン、４８……駆動ローラー、Ｍ……モーター。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部に流体試薬を入れた試薬容器に、その円
   筒状内壁に対し密封摺動自在なプランジヤーを往
   復動自在に嵌挿し、該プランジヤーには、前記容
   器内の試薬を外部に導くための流体送出し手段に
   通じる流体通路を設け、底閉鎖壁を有する中空状
   基部とこれに嵌る試薬容器とには互に螺合連結す
   るねじ部を形成し、前記基部に設けた固定子と前
   記容器のプランジヤーとには、基部に対して容器
   が回転するに際してプランジヤーが回転不能に連
   結する連結手段を設けたことを特徴とする試薬の
   計量送り出し装置。 ２ 前記固定子は中空の基部の中央に配設した中
   空の直立コラムより成り、連結手段はプランジヤ
   ーに形成され、コラムの上端をぴつたりと支承す
   るようにした凹部より成る特許請求の範囲第１項
   記載の試薬の計量送り出し装置。 ３ 前記流体送出し手段はプランジヤーの流体通
   路と通じ、中空の固定子を貫通して基部の外に延
   びる管状の導管より成る特許請求の範囲第１項又
   は第２項記載の試薬の計量送り出し装置。 ４ 前記プランジヤーの凹部と、前記直立コラム
   とをその横断面が非円形状になるように形成した
   特許請求の範囲第２項記載の試薬の計量送り出し
   装置。 ５ 前記試薬容器内壁に対する密封手段はプラン
   ジヤーピストンの円周面に形成した少くとも１個
   の弾性の環状スカートより成り、この外縁は試薬
   容器の内壁に対して弾力をもつて押圧することを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の試薬の
   計量送り出し装置。 ６ａ 中央に開口を配設した底閉鎖壁を有する全
   体として円筒状で、内側にネジ山のついた中空
   基部と； ｂ 前記底閉鎖壁に装備され、中空基部内を軸方
   向に上方向に延び、上端部で終る中空の直立コ
   ラムと； ｃ 底閉鎖壁の開口を通り、中空の直立コラムを
   通つて上方向に延び、最初の端部で終る管状の
   導管と； ｄ 中空基部内に螺合して支承されるようにした
   全体として円筒状で、頂部閉鎖壁と円筒状内壁
   とを有する試薬容器と； ｅ 前記基部に対して試薬容器を回転するための
   駆動手段と； ｆ 上下壁を有する円筒状であつて、前記試薬容
   器内で上下往復運動可能なプランジヤーとから
   なり； (i) 該プランジヤーには、そのピストンの周面に
   形成した少くとも１個の弾性で円周方向に延び
   るスカートより成り、この外縁が該試薬容器の
   該内壁に対して弾力をもつて押圧する密封手段
   と、(ii)試薬容器が基部に対して回転する際に、
   基部の内壁に対してプランジヤーの回転を防止
   するための直立コラムとプランジヤーとを操作
   可能に連結するための連結手段とを備え、該連
   結手段はプランジヤーの下壁に形成され、コラ
   ムの上端部をぴつたりと支承するようにした凹
   部に形成したことを特徴とする試薬の計量送り
   出し装置。 ７ プランジヤーに形成される凹部と、コラム上
   端部とを、その両横断面が長方形になるよう形成
   して成る特許請求の範囲第６項記載の試薬の計量
   送り出し装置。 ８ 試薬容器の駆動手段を、該試薬容器に形成し
   た複数のスプラインと、該スプラインと駆動可能
   に掛合するようにした駆動部材と、該駆動部材を
   駆動するためのモーター手段とより成るように構
   成したことを特徴とする特許請求の範囲第６項記
   載の試料の計量送り出し装置。