JPH0317897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、繊維強化プラスチツクス（以下、
FRPと略記する）を外殻としたゴルフ用ウツド
クラブのクラブヘツドの取付構造の改良に関し、
ヘツド本体ネツク部の取付基部の保護構造に工夫
を施すことにより、ヘツド本体のクラブシヤフト
への取付時の作業性の向上を図り、かつヘツド取
付基部周囲の美感を高めるようにしたものであ
る。

従来、この種のウツドクラブにおいて、ヘツド
本体のネツク部、すなわちクラブシヤフトの先端
部が挿入され互いに接着固定される取付基部は、
先細のテーパ状に形成されているとともに、該ヘ
ツド本体をクラブシヤフトの先端部に固着した
後、ヘツド本体取付基部の外周側面及びクラブシ
ヤフトの一部に亘つて糸を巻回することにより、
ヘツド取付基部周囲を保護しかつ装飾性を高めて
なる構成を有するものがある。

しかしながら、このような従来構造のもので
は、ヘツド本体とクラブシヤフトとの固着後の糸
巻き工程が面倒で作業に時間を要するばかりでな
く、糸巻き不良による美感の低下を惹起し易いな
どの不具合があつた。

この考案は、上記した従来の欠点を解消するこ
とを目的としたもので、以下、図示の実施例に基
づいて説明する。

第１図に示すように、図中１はこの考案に係る
ウツドクラブで、クラブシヤフト２と、該クラブ
シヤフト２の先端部２ａに固着されにヘツド本体
３とから構成され、該ヘツド本体３は、芯部４を
中空または図示の実施例のように発泡合成樹脂で
形成しかつ該芯部４の周囲を炭素繊維で強化した
FRP５で形成してなる外殻構造を有していると
ともに、そのネツク部６、すなわち前記クラブシ
ヤフト２の先端部２ａが挿入され互いに接着剤に
より接着固定される取付穴７を有する取付基部
は、先細のテーパ形状に絞り込まれた形態からな
り、かつその先端面部６ａはクラブシヤフトの先
端部外径と略々等しくなつている。この際、使用
されるFRPとしては、マトリツクス用合成樹脂
としてエポキシ樹脂が好適に使用され、その他に
不飽和ポリエステル樹脂が使用され得るととも
に、外殻の内側部の層を構成する補強繊維の配設
構造は、主としてカーボン繊維（グラフアイト繊
維そ称するものを含んで指称する）、更に必要に
応じてガラス繊維あるいはケブラーなどを適宜組
合せた96束×6000繊維／束の繊維量の袋織りクロ
スを５〜12枚重ねでもつて厚さが３〜10mm、好ま
しくは４〜７mmになるように積層し、芯部構成材
の略々全周に亘つて被包されている。またこの
際、芯部構成材のネツク部相当部分には必要に応
じて別種の袋織りクロスを32束×3000繊維／束の
繊維量でもつて比較的厚肉に被包して両部分の袋
織りクロスの端縁部が一部互いに重なり合うよう
に密着させる構造が好適に使用される。さらに、
ヘツド表面部側を形成する外側部の層には、補強
繊維として２〜３枚重ねの朱子織りクロスを用い
て厚さが0.4〜1.0mmとなるように配設され、これ
によつて表面平滑性及び形状追従性を高め得るよ
うにし、さらにまたヘツド本体のフエース部に相
当する部分には、５〜15枚重ねの撚糸クロスまた
はロービングクロスからなる補強繊維を用いて厚
さが３〜８mmと比較的肉厚となるように添付され
ている。

そして、図中８は前記ヘツド本体３の取付基部
６の先端面部６ａ側近傍部分を被冠する補強リン
グで、この補強リング８は、前記ヘツド本体１の
ネツク部の取付基部６が互いに重なり合う部分を
除く基部８ａがクラブシヤフト２に直結され、例
えば、補強繊維を周方向に配向したFRPまたは
金属等により形成され、前記ヘツド本体３の取付
穴７が開口する取付基部６の外周形状と略々嵌合
する内部形状を有するとともに、該補強リング８
の内周面とクラブシヤフト２の外周面との間隔
は、シヤフト軸方向に対し、第１図に示すよう
に、少なくとも略シヤフト径の長さに相当する長
さに掛けてテーパ状に形成され、その間隔にヘツ
ド本体３のネツク部６の先端テーパ状基部部分が
嵌合されるようにすることが補強効果により好適
となる。さらに、図中９はABS樹脂等の熱可塑
性樹脂で別途成形された保護キヤツプで、前記補
強リング８の外周側面及びクラブシヤフト２の一
部を被いヘツド本体３の取付基部６の外周側面に
まで連続して被着されているとともに、その外周
側面には凹凸条１０が周方向にかつ糸巻き状の外
観に似せて形成されている。

以上説明したように、この考案は、クラブシヤ
フトの先端部に固着されたFRP外殻からなるヘ
ツド本体のネツク部を形成するテーパ状の取付基
部の端面側近傍部分に補強リングを被冠し、該補
強リング及び前記クラブシヤフトの一部を含む前
記ヘツド本体の取付基部外周側面に保護キヤツプ
を被着するとともに、該保護キヤツプの外周側面
に凹凸条を周方向に形成して糸巻き状の外観に似
せてなる構成を有することから、ヘツドとクラブ
シヤフトとの取付部分の被覆保護が簡便となり、
従来のような糸巻き工程を必要とすることなくあ
たかも糸巻きが施されているような外観に仕上げ
ることができ、美感の向上が期待できるなど、実
用性にすぐれた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るゴルフ用ウツドクラブ
の一実施例を示す要部切欠一部拡大説明図であ
る。 １…ウツドクラブ、２…クラブシヤフト、２ａ
…先端部、３…ヘツド本体、４…芯部、５…
FRP、６…ネツク部（取付基部）、６ａ…先端面
部、７…取付穴、８…補強リング、９…保護キヤ
ツプ、１０…凹凸条。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) クラブシヤフトの先端部に固着されたFRP
   外殻を有するヘツド本体のネツク部を形成する
   テーパ状の取付基部の端面側近傍部分に、前記
   クラブシヤフトに直結される補強リングを被冠
   し、この補強リングの前記取付基部とのシヤフ
   ト軸方向に対する互いの重なり部分を、少なく
   とも略シヤフト径の長さに相当する長さに掛け
   てテーパ状に形成し、かつ前記補強リングとク
   ラブシヤフトの一部を含む前記ヘツド本体の取
   付基部外周側面に保護キヤツプを被着したゴル
   フ用ウツドクラブ。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のゴル
   フ用ウツドクラブにおいて、 該保護キヤツプは熱可塑性樹脂からなり、か
   つその外周側面に凹凸条を周方向に形成したこ
   とを特徴とするウツドクラブ。