JPH0316909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は農作業装置における荷台傾転装置に関
するものである。

［従来の技術］ 従来この種の農作業装置としてトラクタに連結
掛機構によつて水平杆と縦杆とにより側面略Ｌ形
状に形成した取付枠を昇降自在に連結し、取付枠
に荷台を枢軸により枢着連結し、かつ取付枠に前
下り状にすき板を取付け、荷台に導入口をすき板
の後部に対向して設け、該取付枠と該荷台との間
に掛外機構を配設し、該掛外機構の解除により該
荷台を後方傾転自在にしたものが知られている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら上記従来構造の場合、掛外構造を
解除して荷台を後方傾転させたとき荷台が必要以
上に傾転し、荷台の後縁が勢いよくトラクタ側に
接近し、非常に危険な状態となることがあるとい
う不都合を有している。

［課題を解決するための手段］ 本考案はこれらの不都合を解決することを目的
をするもので、その要旨は、トラクタに連結機構
によつて水平杆と縦杆とにより側面略Ｌ形状に形
成した取付枠を昇降自在に連結し、該取付枠に荷
台を枢軸により枢着連結し、かつ該取付枠に前下
り状にすき板を取付け、荷台に導入口をすき板の
後部に対向して設け、該取付枠と該荷台との間に
掛外機構を配設し、該掛外機構の解除により該荷
台を後方傾転自在にした農作業装置において、上
記荷台の底部に上記取付枠の水平杆を挟む状態で
底杆を並列固定し、該底杆間に水平杆の底面に当
接して荷台の後方傾転限度を規制するストツパー
を設けて構成したことを特徴とする農作業装置に
おける荷台傾転装置にある。

［作用］ 取付枠の水平杆は荷台の底部に並列固定した底
杆により挟まれる状態となり、かつ荷台が過度に
後方傾転すると底杆間に設けたストツパーが水平
杆の底面に当接して荷台の後方傾転を規制する。

［実施例］ 第１図乃至第３図は本考案の実施例を示し、こ
の農作業装置は田んぼの畦際の高い土を削り取
り、削り取つた土を中央の低い所に運搬、排出し
て田んぼの高低差を修正する整地キヤリアであ
り、１はトラクタであつて、トラクタ１に連結機
構２によつて水平杆１２と縦杆１４とにより側面
略Ｌ形状に形成した取付枠３を昇降自在に連結
し、取付枠３に荷台４を枢軸５により枢着連結
し、かつ取付枠３に前下り状にすき板１９を取付
け、荷台４に導入口２０をすき板１９の後部に対
向して設け、取付枠３と荷台４との間に掛外機構
６を配設し、掛外機構６の解除により荷台４を後
方傾転自在にした農作業装置において、上記荷台
４の底部に上記取付枠３の水平杆１２を挟む状態
で底杆１３を並列固定し、底杆１３間に水平杆１
２の底面に当接して荷台４の後方傾転限度を規制
するストツパー７を設けて構成している。

この連結機構２は、トラクタ１の後部下部左右
両側の下部リンク８と、中程部の上部リンク９
と、トラクタ１の後部上部左右両側の油圧アーム
１０と、該油圧アーム１０と下部リンク８とを連
結する引上リンク１１とで成り、該下部リンク８
及び上部リンク９の先端部の三点で取付枠３を昇
降自在に連結している。

また取付枠３は、側面Ｌ形状部材を左右両側に
配して連結して形成され、該取付枠３上に荷台４
を載置し、該荷台４の底部に前記各々左右の取付
枠３の水平杆１２を挟むように底杆１３を並列固
定し、該底杆１３の適宜位置と水平杆１２の先端
部とを前記枢軸５で連結し、かつ取付枠３の縦杆
１４の上部間の上杆１５中程部と荷台４の上部と
の間に前記掛外機構６を介在し、すなわち、上杆
１５に鉤杆１６を取付け、荷台４前上部に掛杆１
７を取付け、鉤杆１６をバネ１８で弾引して掛杆
１７に掛止し、鉤杆１６を掛杆１７より外して荷
台４を枢軸５中心に傾転するように構成してい
る。

また取付枠３には前下り状にすき板１９を取付
け、かつ荷台４の前部に導入口２０を形成してい
る。

また本実施例のストツパー７は前記枢軸５の後
方位置にして前記底杆１３間に固定されている。

この実施例は上記構成であるから、前記連結機
構２によつて荷台４の高低を調整し、前記すき板
１９を地面に対して前下り位置に配し、トラクタ
１を前進走行して田んぼの高い土をすき板１９で
削り出しつつ導入口２０を介して荷台４内に導入
堆積し、トラクタ１を前進後退して低い位置に運
搬移動し、その位置で掛外機構６を解除し、荷台
４を傾転して積込泥土を排出し、これを繰返して
田んぼの高低差を修正できることになる。

このとき取付枠３の水平杆１２は荷台４の底部
に並列固定した底杆１３により挟まれる状態とな
つているため荷台４の後方傾転動作が底杆１３の
各内側面によつて水平杆１２に沿つて案内され、
それだけ荷台４の傾転が良好になされ、かつ荷台
４が過度に後方傾転すると底杆１３間に設けたス
トツパー７が水平杆１２の底面に当接して荷台４
の後方傾転を規制することになり、過度の傾転を
防止して安全性を高めることができるとともに荷
台４の地面への急激な衝突が防止できて衝撃を緩
和することができて耐久性を向上でき、また過度
の傾転を防止することによりトラクタ１を前進等
して荷台４を地面に引きずる反動で枢軸５中心に
荷台４を前方に容易に復帰傾転させることもでき
る。

尚、上記実施例では本考案を整地キヤリアに適
用したものであるがこれ限られず、たとえば肥料
撒布装置等の荷台が傾転する農作業装置にも適用
できる。

［考案の効果］ 本考案は上述の如く、荷台の底部に取付枠の水
平杆を挟む状態で底杆を並列固定し、底杆間に水
平杆の底面に当接して荷台の後方傾転限度を規制
するストツパーを設けたから、取付枠の水平杆は
荷台の底部に並列固定した底杆により挟まれる状
態となつているため荷台の後方傾転動作が底杆の
各内側面によつて水平杆に沿つて案内され、それ
だけ荷台の傾転が良好になされ、かつ荷台が過度
に後方傾転すると底杆間に設けたストツパーが水
平杆の底面に当接して荷台の後方傾転を規制する
ことになり、過度の傾転を防止して安全性を高め
ることができるとともに荷台の地面への急激な衝
突が防止できて衝激を緩和することができて耐久
性を向上でき、また過度の傾転を防止することに
よりトラクタを前進等して荷台を地面に引きずる
反動で枢軸中心に荷台を前方に容易に復帰傾転さ
せることもできる。

以上の如く、所期の目的を充分達成することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体側面図、第２図は斜視図、第３図は要部の
斜視図である。 １…トラクタ、２…連結機構、３…取付枠、４
…荷台、５…枢軸、６…掛外機構、７…ストツパ
ー、１２…水平杆、１３…底杆、１４…縦杆、１
９…すき板、２０…導入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタに連結機構によつて水平杆と縦杆とに
   より側面略Ｌ形状に形成した取付枠を昇降自在に
   連結し、該取付枠に荷台を枢軸により枢着連結
   し、かつ該取付枠に前下り状にすき板を取付け、
   荷台に導入口をすき板の後部に対向して設け、該
   取付枠と該荷台との間に掛外機構を配設し、該掛
   外機構の解除により該荷台を後方傾転自在にした
   農作業装置において、上記荷台の底部に上記取付
   枠の水平杆を挟む状態で底杆を並列固定し、該底
   杆間に水平杆の底面に当接して荷台の後方傾転限
   度を規制するストツパーを設けて構成したことを
   特徴とする農作業装置における荷台傾転装置。