JPH0314930Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の技術分野〉 本考案は外枠を有しない回転電機に係り、特に
固定子鉄心の放熱効果を向上させるためのフレー
ムレス回転電機の固定子鉄心に関するものであ
る。以下、従来のものを図面を参照しながら説明
する。

〈従来の技術〉 第２図は従来のフレームレス回転電機の固定子
鉄心の一例を示す要部断面側面図であり、１は固
定子鉄心、２は鉄心押工、３は回転子、４は固定
子コイル、１ａは風孔、Ｐは隙間、Ｑは通風方向
である。

従来、外枠のない回転電機は軽量化、小形化な
どの点では有効である。しかし、固定子鉄心の放
熱効果を考えた場合には余り好ましいものではな
く、固定子鉄心に径方向の貫通した孔を設けた場
合、ゴミ、水分などが浸入するためその代りに軸
方向に貫通した風孔を設けている。

第２図においてはその一例が示されており、回
転子３の外周に所定の隙間Ｐを有して固定子鉄心
１が備えられている。この固定子鉄心１には固定
子コイル４が備えられていると共に、積層された
薄鋼板を挟持せしめる鉄心押工２が備えられてい
る。更に、鉄心押工２、固定子鉄心１および鉄心
押工２を介して軸方向に適宜貫通した風孔１ａが
設けられている。そして、固定子鉄心１で発生し
た熱はこの風孔１ａから放熱される。ここで風孔
１ａは前もつて打抜かれている薄鋼板を積層する
ことによつて形成されている。

〈従来技術の問題点〉 ここに、風孔１ａが軸方向に長くなると、鉄損
や鉄心内にある固定子コイル４から発生する銅損
などによつて、風孔１ａや隙間Ｐを通過する冷却
風だけでは十分な放熱効果をあげることができな
い。そこで、温度が高くなることを防止するため
に固定子コイル４の電流密度を下げるなどの方法
がとられていた。

〈考案の目的および構成〉 本考案は軸方向に長い風孔１ａであつても、固
定子コイル４の電流密度を下げることなどせず、
十分放熱効果があがるフレームレス回転電機の固
定子鉄心を提供することにある。

その構成は、外枠を有せず、鉄心押工で固定子
鉄心の両端を挟持し圧接して支持するもので、固
定子鉄心に、軸方向に貫通した風孔から、固定子
鉄心と回転子との間に有する隙間まで適宜径方向
に貫通する連通孔を設けたものである。以下、本
考案を図面に基づいて説明する。

〈考案の実施例〉 第１図は本考案にかかるフレームレス回転電機
の固定子鉄心の一実施例を示す要部断面側面図で
あり、図中第２図と同符号のものは同じ機能を有
する。

第１図において、風孔１a′は第２図に示した方
向と同方向に穿設されている。そして、この風孔
１a′から適宜径方向に貫通せしめた連通孔１
b′は、固定子鉄心１′の組み立て前に一部の薄鋼
板が打抜かれ、この薄鋼板と打抜かれていない薄
鋼板の組み合わせによつて形成されている。更
に、風孔１a′に連通する孔を有する鉄心押工２は
固定子鉄心１′の両端を挟持せしめて圧接してい
る。

ここで、鉄心押工２に据付台が取着されている
場合もあるが、ここでは本考案と直接関係がない
ため、その説明を省略する。

かくして、固定子鉄心１′で発生した熱は連通
孔１b′、風孔１a′を通過する冷却風によつて外部
に放熱される。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、従来設け
られていた風孔１ａから隙間Ｐまで一箇所ないし
数箇所の連通孔１a′を径方向に設け、この風孔１
a′に冷却風を通過させれば、固定子鉄心１′で発
生する熱は放熱される。このことによつて、軸方
向に長い風孔１ａであつても、固定子コイル４の
電流密度を下げることなどせず十分放熱効果があ
がる。

よつて、本考案にかかるフレームレス回転電機
の固定子鉄心は、外枠を有しない回転電機に対し
て実用上、非常に有用性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるフレームレス回転電機
の固定子鉄心の一実施例を示す要部断面側面図、
第２図は従来のものの一例を示す要部断面側面図
である。 １，１′……固定子鉄心、１ａ，１a′……風孔、
１b′……連通孔、２……鉄心押工。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 積層する固定子鉄心と、該固定子鉄心の積層方
   向に適宜貫通せしめた鉄心積層方向の一方向のみ
   に通風するための風孔と、該風孔から適宜径中心
   方向に貫通せしめた連通孔と、前記風孔に連通す
   る孔を有し前記固定子鉄心の両端を狭持せしめて
   圧接し支持する鉄心押工とから構成されることを
   特徴とするフレームレス回転電機の固定子鉄心。