JPH0314012Y2

JPH0314012Y2 -

Info

Publication number: JPH0314012Y2
Application number: JP14797986U
Authority: JP
Priority date: 1986-09-27
Filing date: 1986-09-27
Publication date: 1991-03-28
Also published as: JPS6355406U

Description

【考案の詳細な説明】

利用産業分野この考案は、対象物の断面イメージを得て組織
の性質まで描き出すことのできる医療用核磁気共
鳴断層撮影装置（以下、NMR−CTという）に
用いられる永久磁石を使用した磁界発生装置に係
り、大きな空隙内に強力かつ高精度で均一な静磁
界を発生する磁界発生装置に関する。背景技術 NMR−CTは、人体の一部または全部を１〜
10kGの強力な磁界を形成する空隙内に挿入して
所要の断層イメージを得るため、この磁界が強力
かつ10^-4以下の精度で均一に安定していることが
要求され、NMR−CT用の磁界発生装置として
は、銅またはアルミニウムからなる導線を円筒状
に巻着した常伝導磁石あるいは、特殊な導線を用
い、絶対零度付近の温度に冷却して使用する超伝
導磁石が知られている。前者は構造上安価であるが十分な強力磁界を発
生させるためには、膨大な電力と冷却水が必要で
あり、ランニングコストが高い等の問題があり、
一方、後者の超伝導磁石は、電力の消費が少なく
小型で強力な磁界を発生し得る利点があるが、冷
媒として高価な液体ヘリウム等の使用が不可欠で
あり、いわゆるイニシヤルコストとともにランニ
ングコストも著しく高い問題がある。本出願人は、先に、磁界強度が上記の常伝導磁
石と同等以上で、ランニングコストが安く、超電
導磁石、常電導磁石に比べて、漏洩磁界の少ない
永久磁石を使用した磁界発生装置を提案（実願昭
59−53575号）した。上記磁界発生装置は、第２図に示す如く、一対
の永久磁石構成体１，１の各々の一方端に磁極片
２，２を固着して対向させ、他方端を継鉄３で結
合し、磁極片２，２間の空隙内４に、静磁界を発
生させる構成であり、一対の磁極片２，２には、
その対向面の周縁に、所定の内径、高さからなる
断面略台形の環状突起５を突設し、さらに、磁極
片２，２の中央部に、所定径、高さからなる断面
略台形の凸状突起６を設けた構成からなり、空隙
４内に、強力かつ均一精度の高い磁界を発生す
る。また、本出願人は上記磁界発生装置に用いる永
久磁石は、フエライト磁石、アルニコ系磁石、希
土類コバルト系磁石が使用できるが、先に出願人
が提案（特願昭57−145072号）した、Ｒとして
NdやPrを中心とする資源的に豊富な軽希土類を
用い、Ｂ，Feを主成分として25MGOe以上の極
めて高いエネルギー積を示す、Fe−Ｂ−Ｒ系永
久磁石を使用することにより、著しく小型化する
ことができることを提案した。上記磁界発生装置によれば空隙内に強力かつ均
一精度の高い磁界を形成することが可能になる
が、通常、一対の永久磁石構成体は、前記各種の
永久磁石のみにて構成するため、例えばフエライ
ト磁石のみにては安価にできるが、装置の小型化
及び磁界強度にも限度があり、一方希土類コバル
ト系磁石、Fe−Ｂ−Ｒ系永久磁石等の希土類磁
石のみでは装置の小型化及び磁界強度の向上には
有効であるが高価であり、しかも、磁力が非常に
強いため、組立時の作業性の点で問題があつた。
また、近年、磁界発生装置の改善のみならず周辺
機器の改善により、空隙内の磁界強度が１〜
1.5KG程度でも鮮明な画像を得ることが可能とな
り、これらの進歩に応じた実用性にすぐれ、かつ
経済的にも有利な磁界発生装置の提案が望まれ、
特に磁界発生源となる永久磁石の効率的な配置構
成が必要とされている。考案の目的この考案は、かかる現状に鑑み、所要空隙に高
精度で均一かつ安定な磁界を発生する磁界発生装
置において、小型でかつ経済的に有利な磁界発生
装置を目的とし、特に材質の異なる永久磁石を適
正配置した永久磁石構成体を用い、磁気的に効率
の良い構成からなる磁界発生装置を目的としてい
る。考案の構成と効果この考案は、高精度で均一かつ安定な磁界が得
られ、かつ小型で経済的に有利な磁界発生装置を
目的とし、種々検討した結果、一対の永久磁石構
成体を、希土類磁石とフエライト磁石にて構成す
ることにより、各々永久磁石の長所を有効に活用
できることを知見し、提案するものである。詳述すれば、磁界発生装置において、被診断対
象物の挿入される空隙の大きさ及び均一磁界空間
の大きさが決定されると、それに必要な磁極片の
大きさ（直径）も一義的に決定されるため、特に
空隙内の磁界強度が1kG程度となると、希土類永
久磁石のみの構成では磁気的に効率の良い、すな
わち最適動作点での使用は困難となるが、後述す
る如く、フエライト磁石を併用して適正配置する
ことにより、これら永久磁石の動作点の最適化が
可能となることを知見した。この考案は、空隙を形成して対向する一対の永久磁石構成体
を継鉄で磁気的強合し、各永久磁石構成体の空隙
対向面に磁極片を固着し、該空隙に磁界を発生さ
せる磁界発生装置において、前記永久磁石構成体が、中央部に配設される希
土類磁石と、該希土類磁石の周囲に配設されるフエライト磁
石とからなり、かつフエライト磁石の継鉄への着設方向厚さ
が、希土類磁石の着設方向厚さより大であることを特徴とする磁界発生装置である。考案の好ましい実施態様この考案の磁界発生装置において、磁石構成体
を構成する希土類磁石は、希土類コバルト磁石、
Fe−Ｂ−Ｒ系磁石等の異方性希土類磁石が好ま
しく、また、フエライト磁石としては、ストロン
チウムフエライト磁石、バリウムフエライト磁石
等の異方性フエライト磁石が望ましい。。希土類磁石の周囲に配設するフエライト磁石
は、必ずしも希土類磁石の全周に周設する必要は
なく、要求される磁界強度等に応じて適宜所用箇
所に配置すれば良いが、このとき、フエライト磁
石の厚さが希土類磁石の厚さより薄くなると、希
土類磁石の反磁界によつて減磁され、所要の磁界
強度を得ることが困難となるため、フエライト磁
石の継鉄への着設方向厚さは希土類磁石の継鉄へ
の着設方向厚さより大とする必要がある。また、
各々永久磁石の外径も要求される磁界強度等に応
じて適宜選定することが望ましい。また、磁石構成体における希土類磁石とフエラ
イト磁石の厚みの比率は、小型化と両磁石の最適
動作点の観点より、希土類磁石の前記厚みはフエ
ライト磁石の前記厚みの1/2以下が好ましい。磁界発生装置を構成する継鉄には、種々の構
成、形状のものが利用でき、例えば、一対の板状
継鉄を対向配置し、複数の柱状継鉄にて連結した
構成、円板状継鉄を対向配置し、両者を円筒状継
鉄にて接続した構成、開口方向を水平にした四角
筒状継鉄等が用いられる。また、永久磁石構成体の空隙対向面に固着する
磁極片も、その対向面の周縁に、所定の内径、高
さからなる環状突起を突設させたり、さらに磁極
片中央部に所定の外径、高さからなる凸状突起を
設けた構成等、前記永久磁石や、継鉄と同様に要
求される磁界強度、磁界均一度等に応じて適宜選
定することが望ましい。図面に基づく考案の開示第１図Ａ，Ｂはこの考案による磁界発生装置に
用いる磁気回路のＡ−Ａ横断上面図と縦断面図で
ある。磁気回路は、その継鉄１０が、正方形からなる
一対の板状継鉄１１，１２を対向配置して４本の
円柱状継鉄１３にて連結した構成からなり、前記
板状継鉄１１，１２の対向する内面に、この考案
による永久磁石構成体２０，３０を着設して、所
要の空隙１６を形成してある。永久磁石構成体２０，３０は、中央部に外径
D₁、厚みT₁なる円板状の希土類磁石２１，３１
を配し、その外周部に、外径D₂、内径D₁、厚み
T₂なるリング状のフエライト磁石２２，３２が
嵌着されている。この希土類磁石２１，３１は、その厚みT₁が
前記フエライト磁石２２，３２より薄いものであ
る。また、希土類磁石２１，３１及びフエライト磁
石２２，３２の両磁石が、空隙１６側の磁極面に
て同一平面を形成するように、板状継鉄１１，１
２に着設した希土類磁石２１，３１の外周部に継
鉄の環状突起座１３，１４を設け、フエライト磁
石２２，３２をこの円状突起座１３，１４上に着
設する構成である。また、永久磁石構成体２０，３０を構成する希
土類磁石２１，３１及びフエライト磁石２２，３
２は、それぞれブロツク状の永久磁石を多数個用
いて、着磁組立にて前記形状に構成し、磁極面に
対して垂直方向に磁化方向を有している。永久磁石構成体２０，３０の空隙１６側磁極面
には、それぞれ磁極片１７，１８が着設され、磁
極片１７，１８には、外周縁部に断面台形の環状
突起１７ａ，１８ａが、中央部には断面扁平台形
状の凸状突起１７ｂ，１８ｂが設けられている。上記構成により、安価なフエライト磁石と磁気
特性のすぐれた希土類磁石との併用において、磁
気的に有効かつ安定利用でき、小型かつ安価な磁
界発生装置が得られる。実施例前述した第１図の構成からなる磁界発生装置
に、希土類磁石として（BH）max35MGOeを有
する異方性Fe−Ｂ−Ｒ系磁石を用い、フエライ
ト磁石として、（BH）max4MGOeを有する異方
性ストロンチウムフエライト磁石を用い、磁極片
直径を一定にかつ磁極片間距離を450mmに設定し、
同一磁界範囲（300mm、DSV）で同一の均一度
（60ppm以下）を得るに際し、空隙中央部の磁界
強度（Bg）を、800G，1000G，1200Gとしたと
きのフエライト磁石と希土類磁石の寸法比を検討
したところ、第１表の結果を得た。また、比較のため、永久磁石構成体に（BH）
max35MGOeを有する異方性Fe−Ｂ−Ｒ系磁石
（外径D₀、厚みT₀）のみを用いた第２図に示す構
成の磁界発生装置にて、磁極片直径を一定にかつ
磁極片間距離を450mmに設定し、同一磁界範囲（300mm、DSV）で、同一の均一
度（60ppm以下）を得るに際し、空隙中央部の磁
界強度（Bg）を、800G，1000G，1200Gとした
ときにおける本考案装置の永久磁石構成体との寸
法比を検討したところ、第１表の結果を得た。

【表】第１表から明らかな如く、この考案の磁界発生
装置は、所望の空隙内磁界強度に応じて、フエラ
イト磁石と希土類磁石との最適寸法比を設定する
ことにより、空隙内での高い均一度が得られ、ま
た、同等磁界強度を有する従来装置と比較して、
永久磁石構成体の高さを実用上問題のない高さ
で、かつ高価な希土類磁石の使用量が1/2程度に
削減でき、小型でかつ経済的な磁界発生装置であ
ることが分る。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂはこの考案による磁界発生装置に
用いる磁気回路のＡ−Ａ横断上面図と縦断面図で
ある。第２図は従来の磁気回路を示す縦断説明図
である。１０……継鉄、１１，１２……板状継鉄、１３
……円柱状継鉄、１４，１５……円状突起座、１
６……空隙、１７，１８……磁極片、２０，３０
……永久磁石構成体、２１，３１……希土類磁
石、２２，３２……フエライト永久磁石。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

空隙を形成して対向する一対の永久磁石構成体
を継鉄で磁気的結合し、各永久磁石構成体の空隙
対向面に磁極片を固着し、該空隙に磁界を発生さ
せる磁界発生装置において、前記永久磁石構成体
が、中央部に配設される希土類磁石と、該希土類
磁石の周囲に配設されるフエライト磁石とからな
り、かつフエライト磁石の継鉄への着設方向厚さ
が、希土類磁石の着設方向厚さより大であること
を特徴とする磁界発生装置。