JPH0312665Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は積重ね可能な液体用容器に関する。

〔従来の技術〕

この様な容器としてたとえば米国特許明細書第
4308955号に記載の様に種々の実施形態が知られ
ている。しかしこれらの容器は、少量の液体を正
確にかつ即座に使用したい場合には、取扱いにく
いという欠点がある。

また、実公昭40−7995号公報においては、びん
の側面に設けた溝が他方びんの側面に設けた凸条
と取り外し可能に係合して組み着いた複数びんの
集合体と、この集合体の底部にこれと蓋とするよ
うに組み着いた容器とからなる組合せ容器が開示
されている。しかしながら、この組合せ容器は、
多数の容器を竪横に取り外し可能に連結して一ま
とめにしたことを特徴とするものであつて、連結
部分の取り外しを容易に行うことが困難であると
いう欠点がある。しかも、この容器は場所を取ら
ずに多数積重ねることができる構造を有するもの
ではなく、輸送器内に機械的に収容することが難
しく、また、輸送器内から取り出して配置させる
際、非常に手間がかかる。

それゆえ、今日では簡単に積重ねができ、濡れ
た手でも簡単に内容物を取り出して使用すること
ができる液体用容器が要望されている。

〔考案の目的〕

本考案は、場所をとらずに多数保管することが
でき、手間をかけて整頓しなくても簡単に積重ね
ることができ、しかもくずれることがなく、さら
に濡れた手でも簡単に内容物を取出して使用する
ことができる、新しい構造の液体用、特に理容分
野において使用する、積重ね可能な容器を提供す
ることを課題としている。

〔考案の構成〕

本考案では、冒頭に述べた容器本体とねじぶた
から成る垂直柱形状すなわち垂直な線を有する柱
（プリズム）状の容器Ａにおいて、容器本体に着
脱可能なねじぶたの外郭面が垂直柱の一部を形成
するものであり、かつ、容器Ａの一方の終端面
（第一終端面）には、その図心を中心として、そ
れに向かつて縮小しているくぼみが設けられ、他
方の終端面（第二終端面）には、くぼみに符合す
る隆起部が設けられていること、及びくぼみ及び
隆起部は共に容器本体に設けられていることによ
つて、解決される。

本考案の詳細な実施形態は従属の実用新案登録
請求の範囲に記載の通りであるが、次にこれらを
部分的に略式化して図面に示した実施例に基づい
て説明する。ここで、お互いに相応する部分は同
じ記号で示されており、又本考案を理解する上で
不必要な部分は全て省略されている。

第１図および第２図に示されている積重ね容器
は本質的に容器本体１とねじぶた２とから成つて
いる。そして、この容器は回転対称な球状のくぼ
み３に親指をあてがうことによつて回転すること
ができると同時に、良好に保持することができ
る。ねじぶた２は、大きな面を持つていて、良好
なてこ作用を示すので、濡れた手でも簡単に開け
ることができる。さらに容器のもう一方の面上に
は該くぼみ３に符号する隆起部４が設けられてお
り、これによつて積重ねた容器がくずれるのを阻
止することができる。

第３図は本考案による容器を平たい面上に積重
ねた場合の様子が示されている。この様に容器を
積重ねることができることから、幾列でも、輸送
器内に機械的に簡単に収容することができ、また
輸送器内から取出して所定の位置に配置する場合
も問題なく手で簡単に行ない得る。さらに、容器
全体の構造が回転対称であることによつて、積重
ねの際手間をかけなくても簡単に整理、配列する
ことができる。

第４図および第５図は容器の口７を閉鎖するた
めのねじぶた２を示しているが、このねじぶた２
は容器本体１の段差縁６（第６図、第７図、第８
図参照）と接合して、構造上一体となる。従つて
段差とねじぶた２の外郭の厚さは等しい。

第９図、第１０図および第１１図は本考案によ
る容器の別の実施形態を示している。この場合、
垂直柱形状の終端面の形状は正方形であり、くぼ
み３および隆起部４の形状はピラミツド形であ
る。このくぼみ３および隆起部４によつて、積重
ね容器の自重による自動整列が行なわれる結果、
積重ねた状態の容器（第１１図参照）がくずれた
り、ずり落たりすることがない。この場合のねじ
ぶたは角の一部を成しており、容器の口部分８
が、容器内の内容物の塗布に便利な様に、配置さ
れ得るという利点がある。第１図ないし第１１図
に示されている容器のその他の利点は空間を最良
に利用し得るという点である。

〔考案の効果〕

本考案の液体用容器は、従来の液体用容器が持
つ欠点が解消され、場所を取ることなく多数保管
することができ、積重ねの際、容器がくずれるこ
となく、手間をかけなくても簡単に整理、配列す
ることができる。さらに濡れた手でも簡単に内容
物を取り出して使用することができるため、特に
理容分野においては非常に使用し易いものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による積重ね可能な容器の一つ
の実施形態であり、その側面図をあらわしてい
る。第２図は第１図に示した容器を底面から見た
場合の図面である。第３図は複数の容器を積重ね
た場合の図面であるが、上記とは別の側面から見
た図面である。第４図はねじぶたの側面図であ
る。第５図はねじぶたの底面図である。第６図は
ねじぶたをはずした容器の側面図である。第７図
は第６図の容器を別の側面から見た図面である。
第８図は第６図の容器の平面図である。第９図は
本考案による積重ね可能な容器の上記とは別の実
施形態であり、その側面図を示している。第10図
は第９図に示した容器を別の側面から見た図面で
ある。第１１図は上記の容器を積重ねた場合の側
面図である。 Ａ……容器、１……容器本体、２……ねじぶ
た、３……くぼみ、４……隆起部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 容器本体１とねじぶた２から成る垂直柱形状
   の容器Ａであつて、 上記ねじぶた２の外郭面が上記垂直柱の一部
   を形成するものであり、かつ、容器Ａの一方の
   終端面（第一終端面）には、その図心を中心と
   して、それに向かつて縮小しているくぼみ３が
   設けられ、他方の終端面（第二終端面）には、
   上記くぼみ３に符合する隆起部４が設けられて
   いること、及び上記くぼみ３及び隆起部４は共
   に容器本体１に設けられていることを特徴とす
   る積重ね可能な液体用容器。 (2) 容器Ａを積み重ねた時に、上記第一終端面と
   第二終端面が相互に密着するように形成されて
   いることを特徴とする、実用新案登録請求の範
   囲の第(1)項に記載の積重ね可能な液体用容器。 (3) 上記容器Ａが円形の終端面を備えていてその
   中央に回転対称な球状のくぼみ３および隆起部
   ４が設けられていることを特徴とする、実用新
   案登録請求の範囲の第(1)項または第(2)項に記載
   の積重ね可能な液体用容器。 (4) 上記容器Ａが正方形の終端面を備えていて、
   その中央にピラミツド形のくぼみ３および隆起
   部４が設けられていることを特徴とする、実用
   新案登録請求の範囲の第(1)項または第(2)項に記
   載の積重ね可能な液体用容器。 (5) 上記くぼみ３および隆起部４の基準面の直径
   ないしは辺の長さが20mm以上であることを特徴
   とする、実用新案登録請求の範囲の第(1)項〜第
   (4)項いずれか１項に記載の積重ね可能な液体用
   容器。 (6) 上記ねじぶた２のふたの深さが15mm以上であ
   ることを特徴とする、実用新案登録請求の範囲
   の第(1)項〜第(5)項いずれか１項に記載の積重ね
   可能な液体用容器。 (7) 上記ねじぶた２の終端面部分が部分円形であ
   ることを特徴とする、実用新案登録請求の範囲
   の第(1)項〜第(6)項いずれか１項に記載の積重ね
   可能な液体用容器。 (8) 上記ねじぶた２の終端面部分がリング状終端
   面部分の一部を形成していることを特徴とす
   る、実用新案登録請求の範囲の第(7)項に記載の
   積重ね可能な液体用容器。 (9) 上記ねじぶた２の終端面部分が三角形である
   ことを特徴とする、実用新案登録請求の範囲の
   第(1)項、第(2)項、第(4)項、第(5)項または第(6)項
   いずれか１項に記載の積重ね可能な液体用容
   器。