JPH0312221Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、鉛蓄電池極板用格子体の製造装置に
関し、殊に、鋳造後シエアカツタに供給され不要
部分を切断除去された格子体が斜面を滑り落ち、
これを受ける受取板の改良に関するものである。

従来の技術 鉛蓄電池極板用格子体の製造装置は、第２図に
示すような構造を有している。自動開閉する鋳型
１が閉じたとき、杓２が傾いて鋳型１内に溶融鉛
が注ぎ込まれる。鋳造された格子体９は、次に鋳
型１が開いたとき、シユート３を滑り落ちてこの
とき冷却される。そして、格子体９は、シユート
３と同一面にあるはね上げ板４に乗り、はね上げ
板４が回動してかみ込みロール５を経てシエアカ
ツタ６に投入される。このシエアカツタ６は傾斜
面に配置されており、シエアカツタ６で不要部分
を切断除去された格子体９は、同じく傾斜面に配
置された受取板７に滑り落ち、その底面Ｘに当た
つて止まる。格子体９を保持した受取板７は回動
して、格子体９をストツク部８まで搬送し、格子
体９はその耳部をストツク部８に懸架される。

考案が解決しようとする課題 ところで、鉛蓄電池は、その性能向上の面から
格子体９に含有されるアンチモンの量が低下の一
途をたどつている。アンチモンの含有率が低い
か、或は０に等しい格子体は、非常に軟らかく、
機械的、物理的負荷に対して弱く、非常に変形し
やすくなつている。

このような変形しやすい格子体９を第２図に示
す装置で製造する場合、シエアカツタ６で不要部
分を切断除去された格子体９が受取板７に滑り落
ち、その底面Ｘに当つて止まるとき、衝撃によつ
て変形を起こす。本考案は、この点に鑑み、格子
体９が受取板７の底面Ｘに当つて止まるときの衝
撃を小さくし、格子体９の変形を防止することを
目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案は、受取板
７の格子体９が滑り落ちる面の摩擦を大きくした
ものである。第１図は、第２図のＡ部拡大図であ
り、受取板７の格子体９が滑り落ちる面に、例え
ばサンドペーパーを貼り付けて、この面の摩擦を
大きくし、摩擦増大面１０としている。

作 用 上記構成により本考案は、格子体９が受取板７
の傾斜面を滑り落ちるとき、摩擦増大面１０に接
触して摩擦抵抗が大きくなり、滑り落ちる速度が
小さくなる。従つて、格子体９が受取板７の底面
Ｘに当つて止まるときの衝撃も小さく、変形を防
止できるわけである。

考案の効果 上述のように本考案は、受取板の傾斜面の摩擦
を大きくして、この面を滑り落ちる格子体の落下
速度を小さくしたので、格子体が受取板の底面に
当つて止まるときの衝撃を小さく、簡単な構造で
格子体の変形を防止できる点、その実用的価値は
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部斜視図、
第２図は鉛蓄電池極板用格子体の製造装置の概略
図である。 １は鋳型、３はシユート、６はシエアカツタ、
７は受取板、Ｘは受取板の底面、８はストツク
部、９は格子体、１０は受取板の摩擦増大面（サ
ンドペーパー）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 鋳型１とシユート３と、シエアカツタ６と、受
   取板７と、ストツク部８とを有する鉛蓄電池極板
   用格子体の製造装置であつて、 鋳型１は、アンチモンの含有率が低いか、０で
   ある鉛合金からなる格子体９を鋳造するものであ
   り、 シエアカツタ６は、傾斜状に配置され、鋳型１
   で鋳造され、シユート３を介して供給される格子
   体９をその不要部分を切断除去するものであり、 受取板７は、シエアカツタ６の排出部下方に傾
   斜状に配置され、摩擦増大面１０と、その下方に
   底面Ｘとを有するものであつて、シエアカツタ６
   から排出された格子体９を摩擦増大面１０で落下
   速度を低下せしめて小さい衝撃で底面Ｘ上で受け
   取り、ストツク部８へ移送させるものである、 鉛蓄電池極板用格子体の製造装置。