JPH0297700A - アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法 - Google Patents
アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法Info
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Landscapes
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処
理方法に関するものである。
理方法に関するものである。
アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、単にアルミ
ニウム合金)は、不可避不純物として鉄等の元素を含む
他、表面に自然酸化皮膜や汚れ成分を有する為、表面処
理の際の前処理としてこれらの除去、均質化を目的とし
た苛性エツチングが施されている。 そして、この苛性エツチング処理の目的は、ごく−船釣
な用途のものにあってはある程度達成されているが、例
えば光沢、色調等のムラが問題となる建材、極めて均一
な仕上りの要求されるカメラや反射鏡等の精密部品、あ
るいは極めてミクロ的な欠陥が問題となる磁気ディスク
基板のような用途に対しては充分でない等の問題がある
と指摘されている。 すなわち、アルミニウム合金中に不可避的に混入してい
る例えば鉄等の元素はFe^1.系の金属間化合物の形
態をとって存在しており、アルミニウムに対して責な電
位を示す金属間化合物表面あるいはそれから溶解及び再
析出した鉄表面がカソード部として働いてアルミニウム
合金の腐食が起き、又、陽極酸化皮膜に関しては金属間
化合物が異物として作用し、健全な皮膜生成を妨害する
ことが判ってきたのである。 つまり、FeAl2系の金属間化合物は、アルミニウム
と鉄の化合物の電極である為一般に不安定であり、耐食
性や陽極酸化皮膜の観点からは不都合であることが判明
してきた。 このように、通常の苛性エツチング等の処理ではへ〇−
Fe系の金属間化合物が溶解除去されないので、表面処
理後の仕上りに悪影響を与え、仕上り色調が不均一(色
ムラ)となったり、又、皮膜中のミクロ欠陥が多く、磁
気ディスク下地アルマイトの分野ではこれが致命的な欠
陥となり、又、電解コンデンサーの処理においては腐食
開始点が不均質になって均一なエツチングビットパター
ンができにくい等の問題があり、そして、へ〇−Fe系
金属間化合物がアルマイト皮膜中にとりこまれると耐食
性を低下させる原因となることが判明してきた。
ニウム合金)は、不可避不純物として鉄等の元素を含む
他、表面に自然酸化皮膜や汚れ成分を有する為、表面処
理の際の前処理としてこれらの除去、均質化を目的とし
た苛性エツチングが施されている。 そして、この苛性エツチング処理の目的は、ごく−船釣
な用途のものにあってはある程度達成されているが、例
えば光沢、色調等のムラが問題となる建材、極めて均一
な仕上りの要求されるカメラや反射鏡等の精密部品、あ
るいは極めてミクロ的な欠陥が問題となる磁気ディスク
基板のような用途に対しては充分でない等の問題がある
と指摘されている。 すなわち、アルミニウム合金中に不可避的に混入してい
る例えば鉄等の元素はFe^1.系の金属間化合物の形
態をとって存在しており、アルミニウムに対して責な電
位を示す金属間化合物表面あるいはそれから溶解及び再
析出した鉄表面がカソード部として働いてアルミニウム
合金の腐食が起き、又、陽極酸化皮膜に関しては金属間
化合物が異物として作用し、健全な皮膜生成を妨害する
ことが判ってきたのである。 つまり、FeAl2系の金属間化合物は、アルミニウム
と鉄の化合物の電極である為一般に不安定であり、耐食
性や陽極酸化皮膜の観点からは不都合であることが判明
してきた。 このように、通常の苛性エツチング等の処理ではへ〇−
Fe系の金属間化合物が溶解除去されないので、表面処
理後の仕上りに悪影響を与え、仕上り色調が不均一(色
ムラ)となったり、又、皮膜中のミクロ欠陥が多く、磁
気ディスク下地アルマイトの分野ではこれが致命的な欠
陥となり、又、電解コンデンサーの処理においては腐食
開始点が不均質になって均一なエツチングビットパター
ンができにくい等の問題があり、そして、へ〇−Fe系
金属間化合物がアルマイト皮膜中にとりこまれると耐食
性を低下させる原因となることが判明してきた。
本発明者は、これらの問題点がアルミニウム合金中に不
可避不純物として存在するAl−Fe系の晶析出物であ
ることを見出し、鋭意研究の結果、電気化学的操作によ
り^1−Fe系の晶析出物を優先溶解することができ、
アルミニウム合金表面を高純度化し、均質にできること
を見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、アルミニウム合金を硝酸アルミニウム水溶液
中でアノード分極並びにカソード分極を交互に行なうこ
とにより、^l−Fe系晶析出物が優先溶解する現象に
気付き、そしてこの電気化学的操作を行なったアルミニ
ウム合金を陽極酸化すると、均質で美麗な仕上り表面が
得られたことより、この知見を基にして本発明が達成さ
れたのであり、本発明は、アルミニウム合金にアノード
分極処理とカソード分極処理とを交互に行なうアルミニ
ウム合金の表面処理方法を提案するものである。 尚、サイクリックな電気化学的操作を行なう理由は、ア
ノード領域で^1−Fe系晶析出物を優先溶解し、カソ
ード領域で界面のpHをアリカリとし、水素ガスを多量
発生させて表面のクリーニング効果を狙ったものであり
、これによって本発明の目的が達成される。 尚、上記のアルミニウム合金の表面処理方法において、
分極処理の電位幅は約−3,5〜+1.5vであり、電
流密度は約−0,3〜+〇、2^/dm”であることが
望ましく、又、アノード分極とカソード分極間の電位掃
引速度は約0.2〜1.5V/秒であり、かつアノード
分極域での保持時間は約2〜20秒、カソード分極域で
の保持時間は約2〜15分であることが望ましく、又、
アノード分極処理とカソード分極処理とを2〜6サイク
ル繰り返し、行なうことが望ましく、又、アノード分極
処理とカソード分極処理とは硝酸アルミニウム水溶液中
で行なわれることが望ましく、特に約10〜30℃で、
濃度が約0.01〜0.2モル/lの硝酸アルミニウム
水溶液中で行なわれることが望ましい。 この^l−Fe系晶析出物を優先溶解するための基本的
な考え方は、アルミニウム合金と鉄の電位−plf図を
重ねて存在する化学種が^1(OH)3とFe2+にな
る領域に電位とpHを保持すれば良く、この条件を検討
した結果、アノード分極処理及びカソード分極処理の処
理液として^I(NOi)s水溶液を用いることが最も
適当であることを見出した。 ここで^1は溶液中で^1コ”としてpH緩衝作用を狙
ったもの、NO,−イオンはアルミニウムマトリックス
表面の安定化を狙ったものである。そして、硝酸アルミ
ニウムの濃度は約0.01〜0.20モル/lであるこ
とが望ましく、より一層望ましくは約0.03〜0.1
モル/lであるが、これは0.01モルフ1未満あるい
は0.2モル/lを越える場合には、^1−Fe系晶析
出物を優先溶解する効果が乏しかったからである。 電位操作の幅としては約−3,5〜+1,5vであるこ
とが望ましく、より一層望ましくは約−3,0〜+1.
5Vが特に良好であるが、これは−3,5V未満の領域
までカソード分極した場合には、水素ガス発生が急激に
多くなり、電流も不安定で、一定電位の保持も困難であ
り、逆に、1.5vを越えるアノード分極では酸素ガス
発生があるほか、アノード電流が多量流れ、^1−Fe
系晶析物の溶解よりもアルミニウムマトリックスの溶解
が著しいからである。 又、電気化学的操作の電位掃引速度は約0.2〜1.5
V/秒が望ましく、より一層望ましくは約0.7〜1.
2V 7秒が特に良好であるが、これは0.2V 7秒
未満では反応が緩慢で効率的な優先溶解がなされにくい
ほか、処理時間が長くなるので生産性の面から、逆に、
1.5V/秒を越えると反応が急激で電流変化が大きい
ことから、上記の範囲が望ましいのである。 又、鉄の含有量によって異なるが例えば0.01〜1.
0!II量%の鉄を含む商用アルミニウム合金の場合、
アノード域での保持時間は約2〜20秒、カソード域で
の保持時間が約2〜15分の条件で効率的な^1−Fe
晶析出物の優先溶解が行なわれた。 以上に述べた処理によって最表面層近傍の^1−Fe系
晶析出物が優先溶解され、高純度の均質な表面に改質さ
れ、引き続き実施される化成処理によって得られる皮膜
の品質は著しく優れたものである。 尚、表面の汚れが強度の場合、従来の苛性エツチング処
理と本発明を併用して行なうのが望ましく、この場合苛
性エツチングを先に行ない、引続き本発明を実施するの
が良い。 そして、以上の電気化学的処理を行なったアルミニウム
合金表面は、引続き通常°の硫酸陽極酸化処理、クロム
酸陽極酸化処理、自然発色、電解着色等の陽極酸化処理
が行なわれると、以下に述べるような特長のものとなる
。 例えば建材の陽極酸化処理したものは、一般に硫酸水溶
液で行なわれ、シルバーアルマイトと称する皮膜が得ら
れるが、Al−Fe系晶析物等の影響で色むらを生じ易
く、歩留り低下の原因となっていたが、本発明を適用し
た場合、均一な表面に仕上り、歩留り・生産性が向上す
る。 又、有機酸等を使用した自然発色においても、アルミニ
ウム合金素材の組織の冶金的な影響が極めて軽減するの
で、美麗で均一な色調に仕上がる。 磁気ディスク基板の場合、皮膜の耐熱性からクロム酸を
使用した陽極酸化処理が一般に適用されるが、ヘッドク
ラッシュの原因となるミクロ欠陥のない表面が要求され
る為、母合金にアルミニウムが99.98%以上の高純
度材を使用する必要があったものの、本発明を適用した
場合、純度99.85%アルミニウムの母合金を使用し
ても同等以上の均一な欠陥のない陽極酸化皮膜が得られ
、基板のコスト低減効果が著しい。 又、電解コンデンサーへの適用にあっても、111面化
効率改善による静電容量アップが図られる。
可避不純物として存在するAl−Fe系の晶析出物であ
ることを見出し、鋭意研究の結果、電気化学的操作によ
り^1−Fe系の晶析出物を優先溶解することができ、
アルミニウム合金表面を高純度化し、均質にできること
を見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、アルミニウム合金を硝酸アルミニウム水溶液
中でアノード分極並びにカソード分極を交互に行なうこ
とにより、^l−Fe系晶析出物が優先溶解する現象に
気付き、そしてこの電気化学的操作を行なったアルミニ
ウム合金を陽極酸化すると、均質で美麗な仕上り表面が
得られたことより、この知見を基にして本発明が達成さ
れたのであり、本発明は、アルミニウム合金にアノード
分極処理とカソード分極処理とを交互に行なうアルミニ
ウム合金の表面処理方法を提案するものである。 尚、サイクリックな電気化学的操作を行なう理由は、ア
ノード領域で^1−Fe系晶析出物を優先溶解し、カソ
ード領域で界面のpHをアリカリとし、水素ガスを多量
発生させて表面のクリーニング効果を狙ったものであり
、これによって本発明の目的が達成される。 尚、上記のアルミニウム合金の表面処理方法において、
分極処理の電位幅は約−3,5〜+1.5vであり、電
流密度は約−0,3〜+〇、2^/dm”であることが
望ましく、又、アノード分極とカソード分極間の電位掃
引速度は約0.2〜1.5V/秒であり、かつアノード
分極域での保持時間は約2〜20秒、カソード分極域で
の保持時間は約2〜15分であることが望ましく、又、
アノード分極処理とカソード分極処理とを2〜6サイク
ル繰り返し、行なうことが望ましく、又、アノード分極
処理とカソード分極処理とは硝酸アルミニウム水溶液中
で行なわれることが望ましく、特に約10〜30℃で、
濃度が約0.01〜0.2モル/lの硝酸アルミニウム
水溶液中で行なわれることが望ましい。 この^l−Fe系晶析出物を優先溶解するための基本的
な考え方は、アルミニウム合金と鉄の電位−plf図を
重ねて存在する化学種が^1(OH)3とFe2+にな
る領域に電位とpHを保持すれば良く、この条件を検討
した結果、アノード分極処理及びカソード分極処理の処
理液として^I(NOi)s水溶液を用いることが最も
適当であることを見出した。 ここで^1は溶液中で^1コ”としてpH緩衝作用を狙
ったもの、NO,−イオンはアルミニウムマトリックス
表面の安定化を狙ったものである。そして、硝酸アルミ
ニウムの濃度は約0.01〜0.20モル/lであるこ
とが望ましく、より一層望ましくは約0.03〜0.1
モル/lであるが、これは0.01モルフ1未満あるい
は0.2モル/lを越える場合には、^1−Fe系晶析
出物を優先溶解する効果が乏しかったからである。 電位操作の幅としては約−3,5〜+1,5vであるこ
とが望ましく、より一層望ましくは約−3,0〜+1.
5Vが特に良好であるが、これは−3,5V未満の領域
までカソード分極した場合には、水素ガス発生が急激に
多くなり、電流も不安定で、一定電位の保持も困難であ
り、逆に、1.5vを越えるアノード分極では酸素ガス
発生があるほか、アノード電流が多量流れ、^1−Fe
系晶析物の溶解よりもアルミニウムマトリックスの溶解
が著しいからである。 又、電気化学的操作の電位掃引速度は約0.2〜1.5
V/秒が望ましく、より一層望ましくは約0.7〜1.
2V 7秒が特に良好であるが、これは0.2V 7秒
未満では反応が緩慢で効率的な優先溶解がなされにくい
ほか、処理時間が長くなるので生産性の面から、逆に、
1.5V/秒を越えると反応が急激で電流変化が大きい
ことから、上記の範囲が望ましいのである。 又、鉄の含有量によって異なるが例えば0.01〜1.
0!II量%の鉄を含む商用アルミニウム合金の場合、
アノード域での保持時間は約2〜20秒、カソード域で
の保持時間が約2〜15分の条件で効率的な^1−Fe
晶析出物の優先溶解が行なわれた。 以上に述べた処理によって最表面層近傍の^1−Fe系
晶析出物が優先溶解され、高純度の均質な表面に改質さ
れ、引き続き実施される化成処理によって得られる皮膜
の品質は著しく優れたものである。 尚、表面の汚れが強度の場合、従来の苛性エツチング処
理と本発明を併用して行なうのが望ましく、この場合苛
性エツチングを先に行ない、引続き本発明を実施するの
が良い。 そして、以上の電気化学的処理を行なったアルミニウム
合金表面は、引続き通常°の硫酸陽極酸化処理、クロム
酸陽極酸化処理、自然発色、電解着色等の陽極酸化処理
が行なわれると、以下に述べるような特長のものとなる
。 例えば建材の陽極酸化処理したものは、一般に硫酸水溶
液で行なわれ、シルバーアルマイトと称する皮膜が得ら
れるが、Al−Fe系晶析物等の影響で色むらを生じ易
く、歩留り低下の原因となっていたが、本発明を適用し
た場合、均一な表面に仕上り、歩留り・生産性が向上す
る。 又、有機酸等を使用した自然発色においても、アルミニ
ウム合金素材の組織の冶金的な影響が極めて軽減するの
で、美麗で均一な色調に仕上がる。 磁気ディスク基板の場合、皮膜の耐熱性からクロム酸を
使用した陽極酸化処理が一般に適用されるが、ヘッドク
ラッシュの原因となるミクロ欠陥のない表面が要求され
る為、母合金にアルミニウムが99.98%以上の高純
度材を使用する必要があったものの、本発明を適用した
場合、純度99.85%アルミニウムの母合金を使用し
ても同等以上の均一な欠陥のない陽極酸化皮膜が得られ
、基板のコスト低減効果が著しい。 又、電解コンデンサーへの適用にあっても、111面化
効率改善による静電容量アップが図られる。
鉄を0.45重量%含有する建材用A1100F’−1
114を界面活性剤により脱脂した後、処理温度が25
°Cで0.2モル/lの^1(NO2)、水溶液を用い
て、電位中が−2,5V 〜+ 0.8V テ、電流密
度が−0,18A/dT@” 〜+ 0.10^/dv
s”で、電位掃引速度が800mV/secで、保持時
間はカソード域が7分、アノード域が4秒の電気化学操
作を4サイクル実施した。 以上の処理で得られたアルミニウム合金表面は、AlF
e系晶析出物が溶解している。 この電気化学的処理に引続き、20℃で150g/i’
の硫酸水溶液を用いて1.5^/dm”の条件で30分
陽極酸化処理した結果、この板は均質で、美麗な表面の
仕上がりであった。
114を界面活性剤により脱脂した後、処理温度が25
°Cで0.2モル/lの^1(NO2)、水溶液を用い
て、電位中が−2,5V 〜+ 0.8V テ、電流密
度が−0,18A/dT@” 〜+ 0.10^/dv
s”で、電位掃引速度が800mV/secで、保持時
間はカソード域が7分、アノード域が4秒の電気化学操
作を4サイクル実施した。 以上の処理で得られたアルミニウム合金表面は、AlF
e系晶析出物が溶解している。 この電気化学的処理に引続き、20℃で150g/i’
の硫酸水溶液を用いて1.5^/dm”の条件で30分
陽極酸化処理した結果、この板は均質で、美麗な表面の
仕上がりであった。
実施例1で使用した材料を界面活性剤で脱脂した後、5
0℃で50g/lのN a OIIを用いて3分間のエ
ツチングを行なった後、25℃で20%HNO3を用い
て2分間の中和処理を行なった。 以上の処理で得られたアルミニウム合金表面は、^1−
Fe系晶析出物が多量残存し、かつ、周囲のアルミニウ
ムが著しく溶解している。 そして、引続き実施例に記載した条件で陽極酸化して得
られた板の表面は、光沢・色調の不揃いな仕上がりであ
った。
0℃で50g/lのN a OIIを用いて3分間のエ
ツチングを行なった後、25℃で20%HNO3を用い
て2分間の中和処理を行なった。 以上の処理で得られたアルミニウム合金表面は、^1−
Fe系晶析出物が多量残存し、かつ、周囲のアルミニウ
ムが著しく溶解している。 そして、引続き実施例に記載した条件で陽極酸化して得
られた板の表面は、光沢・色調の不揃いな仕上がりであ
った。
Claims (7)
- (1) アルミニウム又はアルミニウム合金にアノード
分極処理とカソード分極処理とを交互に行なうことを特
徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理
方法。 - (2) 特許請求の範囲第1項記載のアルミニウム又は
アルミニウム合金の表面処理方法において、分極処理の
電位幅が約−3.5〜+1.5Vであり、電流密度が約
−0.3〜+0.2A/dm^2であるもの。 - (3) 特許請求の範囲第1項記載のアルミニウム又は
アルミニウム合金の表面処理方法において、アノード分
極とカソード分極間の電位掃引速度は約0.2〜1.5
V/秒であり、かつアノード分極域での保持時間が約2
〜20秒、カソード分極域での保持時間が約2〜15分
であるもの。 - (4) 特許請求の範囲第1項記載のアルミニウム又は
アルミニウム合金の表面処理方法において、アノード分
極処理とカソード分極処理とを2〜6サイクル繰り返し
行なうもの。 - (5) 特許請求の範囲第1項記載のアルミニウム又は
アルミニウム合金の表面処理方法において、アノード分
極とカソード分極とを行なった後、陽極酸化処理するも
の。 - (6) 特許請求の範囲第1〜5項記載のアルミニウム
又はアルミニウム合金の表面処理方法において、アノー
ド分極処理とカソード分極処理とが硝酸アルミニウム水
溶液中で行なわれるもの。 - (7) 特許請求の範囲第6項記載のアルミニウム又は
アルミニウム合金の表面処理方法において、硝酸アルミ
ニウム水溶液はその濃度が約0.01〜0.2モル/l
で、処理温度が約10〜30℃であるもの。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24977988A JPH0297700A (ja) | 1988-10-05 | 1988-10-05 | アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24977988A JPH0297700A (ja) | 1988-10-05 | 1988-10-05 | アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0297700A true JPH0297700A (ja) | 1990-04-10 |
Family
ID=17198102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24977988A Pending JPH0297700A (ja) | 1988-10-05 | 1988-10-05 | アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0297700A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5462634A (en) * | 1991-08-23 | 1995-10-31 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Surface-treated aluminum material and method for its surface treatment |
US6849138B1 (en) | 1991-09-02 | 2005-02-01 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Method for surface treatment of aluminum alloy high-temperature processed articles |
JP2007019182A (ja) * | 2005-07-06 | 2007-01-25 | Sanyo Electric Co Ltd | 金属表面処理方法 |
JP2008280553A (ja) * | 2007-05-08 | 2008-11-20 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 表面処理アルミニウムの製造方法 |
JP2012089481A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-05-10 | Fujifilm Corp | 異方導電性部材 |
-
1988
- 1988-10-05 JP JP24977988A patent/JPH0297700A/ja active Pending
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