JPH026758Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンバインで脱穀して圃場へ放出し
た排藁を捨い集めロール状のベールに梱包する排
藁収集用ロールベーラーに関し、ピツクアツプ装
置で捨い上げた長藁や切藁をベール室へ確実に送
り込むようにしたものである。

（従来技術） 牧草や排藁を地上から捨い上げてロール状のベ
ールに梱包するロールベーラーは、例えば、特公
昭57−46806号公報に記載されているようなトラ
クターに牽引される大型の機械が知られている。
この公知のロールベーラーは、ピツクアツプ装置
で捨い上げた収集物を、ベール室からピツクアツ
プ装置へ向けて設けた略水平な搬送面を形成した
搬入装置上へ載せてベール室内へ送り込むように
構成されている。

（考案が解決しようとする課題） 前記の如き大型のロールベーラーでは、ピツク
アツプ装置で捨い上げた収集物が略水平な搬送面
を有する搬入装置上へ載せられてベール室内へ送
り込まれるので、搬入装置上から収集物が落下す
る恐れがない。

しかしながら、ピツクアツプ装置が小さくベー
ル室が高い位置に設けられる小型のロールベーラ
ーでは、ピツクアツプ装置とベール室の導入口と
の間に登り傾斜の搬送面を有する搬入装置が必要
となり、この搬入装置の搬送面上に載せた収集物
が落下しないようにするためには、収集物を搬入
装置の搬送面上へ押え込みながら案内作用をする
案内杆が必要となる。

そして、コンバインから放出される排藁は、長
藁のままであつたりカツターで短く切断された切
藁であつたりするので、このような排藁を収集す
る小型のロールベーラーにおいては、搬入装置と
案内杆との間隔を広くすれば、長藁は、嵩の高い
部分が搬入装置と案内杆との間に押え込まれて送
り作用を受け、全体的に搬入抵抗が少ない状態で
ベール室内へ送り込まれるが、短い切藁は、案内
杆の押さえ込み作用によつて分散され案内杆によ
る保持作用が悪くなつて搬入装置上から滑り落ち
る量が多くなり搬入が効果的に行われない。又、
逆に前記間隔を狭くすれば、切藁は効果的に搬入
されるが、長藁は押え込みによる抵抗によつて搬
入装置と案内杆との間に詰まり勝ちとなる。

このため、本考案では、搬入装置と複数の案内
杆との間隔を簡単な操作で変更できるようにする
ものである。

（課題を解決するための手段） そこで、本考案では、次の如く構成した。

すなわち、前方下方のピツクアツプ装置１１と
走行装置２上のベール室６との間に設けた登り傾
斜の搬入装置１５上方に枢支軸２２を横設し、こ
の枢支軸２２に複数個の押圧部材１９を下方付勢
状態で設けると共に、該枢支軸２２の位置を上下
に変更して前記搬入装置１５と複数の押圧部材１
９との間隔を一括して調整可能に構成した。

（考案の作用） 長藁を収集する場合には、枢支軸２２を搬入装
置１５から離して固定することによつて、複数の
押圧部材１９と搬入装置１５との間隔が広がつて
長藁が軽快に搬入され、切藁を収集する場合に
は、枢支軸２２を搬入装置１５に接近して固定す
ることによつて、複数の押圧部材１９と搬入装置
１５との間隔が狭くなつて、短い切藁が滑ること
なく確実に搬入される。

（考案の効果） 前記の如く、枢支軸２２の固定位置を上下に変
更する簡単な操作によつて、長藁あるいは切藁に
対応した押圧部材１９の位置とすることができ、
ピツクアツプ装置１１で捨い上げた排藁を良好な
状態でベール室６内へ搬入できることになる。こ
のように、長藁搬入と切藁搬入の切り換えが、複
数の押圧部材１９をそれぞれ位置変更するような
ことなく枢支軸２２だけの位置変更で行えるので
切り換え操作が迅速にできる。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面を参照しながら説
明する。

クローラー１からなる走行装置２を具備した車
台３の前部には、車台３上に固定した固定機枠４
と、この固定機枠４に対して上方へ跳ね上げて内
腔を開放可能にした可動機枠５とで、内腔をベー
ル室６に形成したベール室７を搭載し、車台３の
後部には、原動機を内装した原動部８を設けてい
る。

固定機枠４の前方下方には、円筒体９にこの円
筒体９の回転に伴つて出没回転する掻き上げ爪１
０を長手方向適宜間隔で設けたピツクアツプ装置
１１を設けている。

１２は、掻き上げ爪１０による収集物の跳ね飛
ばしを阻止する弾性ガイド板である。

ピツクアツプ装置１１の後部からベール室６の
後部にかけて、固定機枠４の左右側壁に主エンド
レスチエン１３，１３′を張架し、この主エンド
レスチエン１３，１３′に多数の搬送棒１４を一
定間隔で横架して搬入装置１５を構成する。ま
た、この搬入装置１５の前端からベール室６の導
入口１６の下方にかけて、該主エンドレスチエン
１３，１３′に並べて副エンドレスチエン１７，
１７′を固定機枠４の側部に張架する。この左右
副エンドレスチエン１７，１７′には、前記搬送
棒１４よりも先端が外方へ突出する掻き上げ体１
８を各搬送棒１４の間隔内に横架している。

主エンドレスチエン１３，１３′は、ベール室
６内部では、下部側壁３４，３４′に設けた湾曲
チエンレール（図示省略）に案内されて円弧状に
移動するようにしている。

この搬入装置１３の前端からベール室６の導入
口１６に至る部分の上部には、複数の押圧部材１
９を横に並べて設ける。押圧部材１９は、左右一
対の筒体２０，２１に固着し、この筒体２０，２
１を機枠に横架した枢支軸２２に外嵌して、左右
中央部に固定したトーシヨンスプリング２３で押
圧部材１９を下方へ向けて弾発している。

また、この押圧部材１９は、一定以下に下がら
ないようにしているが、枢支軸２２を取り付けた
アーム２４，２４′を側枠２５，２５′にボルト２
６，２６′で固定し、該ボルト２６，２６′を緩め
て長穴２７の範囲で上下に移動することによつ
て、押圧部材１９と搬入装置１５との間隔を変更
可能にしている。

ベール室６の上部を構成する可動機枠５の内腔
には、束ね用搬送装置２８を設けている。この束
ね用搬送装置２８は、ベール室６の前後にわたつ
て左右に張架したエンドレスチエン２９，２９′
に、前記搬入装置１５の搬送棒１４と同様の搬送
棒３０を一定間隔で多数横架して構成する。

このエンドレスチエン２９，２９′の円弧状に
湾曲した部分は、上部側壁３１，３１′に設けた
湾曲チエンレール（図示省略）に案内されるよう
にしている。

束ね用搬送装置２８の前端側に設けた駆動スプ
ロケツト３２，３２′の回転軸３３は、固定機枠
４と可動機枠５とを連結する枢支軸を兼ね、可動
機枠５を上方へ跳ね上げられるようにしている。

ベール室６の束ね用搬送装置２８の後端と搬入
装置１５の後端との間に形成された間隔Ｓの後方
外側には、トワイン供給装置（図示省略）を設
け、該間隔Ｓからトワインを供給するようにして
いる。

次に、前記実施例の作動状態を説明する。

ピツクアツプ装置１１の掻き上げ爪１０で搬入
装置１５上へ捨い上げられた収集物は、掻き上げ
体１８と押圧部材１９とで滑り落ちを阻止されて
ベール室６内へ送り込まれ、搬入装置１５の円弧
部分と束ね用搬送装置２８の円弧部分とで収集物
が回転させられながら順次径が増大して一定径の
ベールに圧縮成形される。

なお、収集物が短く切断された切藁である場合
は、搬入装置１５と押圧部材１９との間隔を狭く
し、長藁のままの場合は、該間隔を広くすること
によつて、収集物の搬入状態が良好となる。

そして、ベール成形が完了すれば、車台３の走
行を停止して、間隔部Ｓからトワインをベール室
６内へ供給してベールの外周に巻き付け、その
後、搬入装置１５と束ね用搬送装置２８の駆動を
停止し、可動機枠５を上方へ跳ね上げて、ベール
を機外へ取り出す。

【図面の簡単な説明】

図は、本考案の一実施例を示すもので、第１図
は一部の拡大正面図、第２図は一部を破断した正
面図、第３図は一部を破断した平面図である。 ２……走行装置、６……ベール室、１１……ピ
ツクアツプ装置、１５……搬入装置、１９……押
圧部材、２２……枢支軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前方下方のピツクアツプ装置１１と走行装置２
   上のベール室６との間に設けた登り傾斜の搬入装
   置１５上方に枢支軸２２を横設し、この枢支軸２
   ２に複数個の押圧部材１９を下方付勢状態で設け
   ると共に、該枢支軸２２の位置を上下に変更して
   前記搬入装置１５と複数個の押圧部材１９との間
   隔を一括して調整可能にしてなる排藁収集用ロー
   ルベーラー。