JPH0266356A - オートテンショナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ベルトの張力を一定に維持するためのテンシ
ョナに関するものである。より詳細には、自動車用ＯＨ
Ｃ或いはＤＯＨＣエンジンのカムシャフト駆動用タイミ
ングベルト及び補機駆動用ヘルド等の張力を適切に維持
するためのオートテンショナに関するものである。

従来技術及びその課題 従来、前述のヘルドに張力を付与するためのテンショナ
には、固定式のテンショナ、ションクダンパ方式のオー
トテンショナ等がある。

固定式テンショナは、エンジンブロックに固定して取付
けられ、タイミングベルトに張力を付与する。この固定
式テンショナには次のような問題がある。

（１）取付時のベルト張力の初期設定が必要である。

エンジン組立時において、クランクシャフトとカムシャ
フトとのタイミングをとりながらベルト張りを行うため
、その張力を調整しながらテンショナの取付位置を決め
なければならず面倒である。

（２）エンジン駆動時におけるベルト張力変動への対応
ができない。

エンジン回転は、滑らかに行われなければならない。こ
のようなテンショナでは、ヘルドの張力の変動に伴い、
均一な張力を与えることができない。そのため、張力不
足による歯飛び、或いは過大張力によるベルトの摩耗、
騒音の原因ともなる。

（３）温度上昇による張力変化への対応ができない。

エンジンの温度上昇によるエンジンブロックの熱膨張が
タイミングベルトの伸びより大きいために、高温時には
ベルトの張力は始動時より大きくなり、張りすぎ傾向と
なってベルトの摩耗と騒音の原因になる。

最近では、固定式テンショナに替わって、ベルトの張力
変動に応答し、一方向には迅速、逆方向には緩徐に作動
するテンショナが提案されている。

その例として、ショックダンパ方式のオートテンショナ
がある。このテンショナは、エンジンブロックに軸支さ
れたアームに付勢力を与えることによりタイミングベル
トに張力を付与する。そして、チエツクボール機構を有
する油圧シリンダを設け、前記作動を実現している。

しかし、次のような問題を残している。

（１）レイアウト上、プーリ以外のスペースを要する。

各自動車メーカごとにエンジンまわりのレイアウトが異
なり、テンショナの配置位置が変わる。

したがって、油圧シリンダの取付方法も各社名様となり
、標準化が困難である。

（２）価格が高い。

プーリ及び油圧シリンダが、それぞれ独立しているので
、部品点数が多くなり、また上記のように標準化が困難
なことから、生産上多品種少量生産傾向となり、コスト
高となる。

本発明の目的は、所定の張力をベルトに付与しながら象
、激な張力増大を吸収して安定した張力の維持ができ、
かつ、ベルトの象、激な緩みに対して即応する機能を有
し、さらに比較的小型で安価なオートテンショナを提供
することにある。

課題を解決するための手段 本発明は、固定軸と、前記固定軸に対し揺動可能な偏心
体と、該偏心体に旋回力を（］与するばね手段と、前記
固定軸と前記偏心体との間に設けられ流体が封入された
前記固定軸と同心の環状密閉室と、該密閉室内に設けら
れた流量可変手段とを有し、前記流量可変手段は、前記
偏心体又は前記固定軸の一方に固定された固定端と他方
に弾性的に接する自由端と他方に対して同心の部分とを
有する弾性部材と、前記他方に固定され前記同心部分に
接して前記密閉室を分割する分割部材からなるオートテ
ンショナにより、前記課題を解決したものである。

作　　　　　　　　　用 ばね手段が偏心体に付与する旋回力によってベルトの張
力が調節される。ベルトに張力を付与する方向及びその
逆方向では、旋回動作が次のように異なる。

例えばベルトが緩み、ばね手段によって偏心体かヘルド
の張力を回復させる方向に揺動する場合、分割部材は弾
性部材の同心部分に沿って分割された自由端側の密閉室
の容積を縮小する方向へ摺動する。このとき、弾性部材
は、分割部材の移動によって発生する内圧により開いて
固定端側の密閉室への流体の移動を許す。その結果、テ
ンショナはベルトの張力を迅速に回復する。

また、ベルト張力が急激に増大して偏心体を後退させよ
うとする場合、分割部材が固定端側の密閉室の内圧を上
昇させ、弾性部材はこの圧力を受けて膨らもうとする。

その結果、自由端は偏心体の内周面を、同心部分は分割
部材をそれぞれ強く押し付け、流体の移動が阻止され、
偏心体は後退できない。しかし、摺動部分にはわずかで
はあるが隙間が存在するので、この隙間を通じて流体が
緩徐に流れ、継続する力に対しては偏心体は徐々に後退
を許される。

このように、本発明のテンショナは、一方には迅速に作
動し、逆方向へは緩徐に作動して、ベルトの張力を一定
に維持する。

実　　　　施　　　　例 オートテンシ式す１０は、第１図乃至第３図に示される
ように、固定軸２０とこの固定軸２０に対し揺動可能に
取付けられた偏心体２２を有してなる。

固定軸２０は、フランジ付きボルト１５、スプリングワ
ッシャ１６及び平ワツシヤ１７によってエンジンブロッ
ク１４に押付けられ確実に固定されている。偏心体２２
は、下部ハウジング２４と上部ハウジング２６を有して
なり、固定軸２０との間で密閉室２８が形成される。

第３図に示されるように、固定軸２０は、エンジンブロ
ック１４側に第１の円筒表面２０ａを、フランジ付きボ
ルト１５のヘッド側に第２の円筒表面２０ｂを、これら
円筒表面２０ａ、２０ｂの間において両端で軸に対して
直角の面を形成して拡径した段部２０ｃを有している。

下部ハウジング２４は、段部２０ｃとエンジンブロック
１４の間において第１の円筒表面２０ａ上に位置し、エ
ンジンブロック１４との間に介装されるブシュ３０ａの
間で、固定軸２０に対して旋回自由である。２４ａは固
定軸２０と同心の環状凹所、２４ｂ、２４ｃは固定軸２
０と同心の外周面である。

一方、上部ハウジング２６は、段部２０ｃとフランジ付
きボルト１５のヘッドの間において、第２の円筒表面２
Ｏｂ上に位置し、ボルト１５のヘッドとの間に介装され
るブシュ３０ｂにより、固定軸２０に対して旋回自由で
ある。２６ａは固定軸２０と同心の環状凹所、２６ｂ、
２６ｃは、固定軸２０と寸法ｅだけ偏心した外周面であ
る。

偏心体２２は、固定軸２０の段部２０ｃの両側において
上部ハウジング２６の凹所２６ａに下部２４の外周面２
４ｃを圧入することにより組立てられる。前述のように
固定軸２０、下部ハウジング２４及び上部ハウジング２
６とで、固定軸２０と同心の円筒環状の密閉室２８が形
成される。３２ａ、３２ｂ、３２ｃは０リングであり、
密閉室２８に封入される流体の漏れを防止する。

上部ハウジング２６の偏心した外周面２６ｂには、ボー
ルベアリング３４を介して回転自由なプーリ３６が取付
けられている。タイミングベルト１３は、その背面部を
プーリ３６に当接し、偏心体２２が固定軸２０に対して
揺動することにより張力を調整される。偏心体２２の揺
動時の軸方向移動はブシュにより規制され、その摩耗が
防止される。

タイミングヘル）１３に張力を付与する手段はコイルば
ね３８である。上部ハウジング２６に設けられた案内ピ
ン４０とエンジンブロック１４に設けられたピン４２に
係止され、下部ハウジング２４の外周面２４ｂ上に巻装
されるコイルばね３８は、第２図に示されるように、タ
イミングベルト１３の張力を付与する方向Ｆに偏心体２
２を旋回付勢する。

このように、本発明のオートテンショナ１０は、プーリ
３６の内側に全ての部材が収納され、コンパクトである
。

本発明のオートテンショナＩＯにはさらに、第５ｂ、６
ｂ、７ｂ図に示されるように、偏心体２２を一方向へ迅
速に、逆方向には緩徐に揺動させるための流量可変手段
４３が設けられている。この流量可変手段４３は弾性部
材４４と分割部材４８を存してなる。

弾性部材４４は、略々−巻きの渦巻きばね形状をしてお
り、４４ａは固定軸２０の段部２０ｃに設けられた切欠
２０ｄに固定板４６により固定される固定端、４４ｂは
下部ハウジング２４すなわち偏心体２２の内周面と接線
方向に傾斜して弾性的に接する自由端である。弾性部材
４４の渦巻き方向は、コイルばね３８の付勢方向と逆方
向、すなわち偏心体２２が揺動してタイミングベルト１
３に張力を付与する方向である。その幅は密閉室２８に
密接するような幅であるが、その公差を極力詰めるか、
又は第４図に示すようなゴム系シール４４ｃを貼りつけ
て側面からの流体の洩れを少なくする。

分割部材４８は偏心体２２の内周面に設けられている。

その先端は弾性部材４４の背面に接して、密閉室２８を
２室に分割する。

偏心体２２の揺動時に分割部材４８が弾性部材４４上を
常に接して摺動できるように、弾性部材４４は偏心体２
２が揺動する範囲において、固定軸２０に対して同心の
部分を有する。

流量可変手段４３は次のように機能する。すなわち、タ
イミングベルト１３の張力が変化すると、コイルばね３
８は、ヘルド１３の張力を適性に維持しようとして偏心
体２２を揺動させる。これに伴い分割部材４日が移動し
て、自由端側密閉室と固定端側密閉室の間に圧力差を発
生させる。

分割部材４８が自由端側に移動する場合、自由端側密閉
室の流体は弾性部材４４の自由端背面を押圧し、両室が
連通して流体が固定端側密閉室へ迅速に流れる。

分割部材４８が固定端側に移動する場合、固定端側密閉
室の流体は圧力を受けて弾性部材４４を膨らませようと
するように内面を押圧する。画室の圧力の差により、自
由＄４４ｂは偏心体２２の内周面に、同心部分は分割部
材４日に強く押付けられ、画室の間の流体の流れが阻止
される。しかし、実際には、摺動部分にはわずかの隙間
が存在する。これは、完全な密封（シール）は事実上不
可能であることによる。したがって、流体はこの隙間を
通じて、固定端側密閉室へわずかずつ移動し、緩徐では
あるが継続する力に対しては偏心体２２の後退方向への
旋回を許す。

このようにして、一方の室から他方の室への流体の流れ
る速度と、他方の室から一方の室の流体の流れる速度を
異ならせ、ベルトの張力の調節が行われる。

４９は、流体封入口であり、高圧による流体の洩れを防
止するため、自由端側密閉室に設けられている。また、
密閉室２８内に混入した空気が固定端側密閉室へ侵入し
てテンショナが振動することを防止するため、自由端側
密閉室が上側となるようテンショナを取付ける。

このオートテンショナＩＯの基本的な作動は前述のとお
りである。以下、実際の自動車用エンジンに装着した場
合において、その作動を説明する。

オートテンショナ１０は、フランジ付きボルト１５によ
り固定軸２０がエンジンブロック１４に取付けられる。

コイルばね３８は、偏心体２２を第５ｂ図、第６ｂ図、
第７ｂ図において矢印Ｆで示される方向に付勢する。

例えば、エンジン低温時、両タイミングプーリ１１．１
２の距離が、タイミングベルト１３の収縮より小さくな
ってベルトが緩む場合には、第６ａ図、第６ｂ図のよう
に、偏心体２２はコイルばね３８からタイミングベルト
１３の張力を回復させる方向に付勢力を受ける。分割部
材４８は自由端側に移動するから、弾性部材４４は背面
から押されて画室が連通し流体は迅速に移動して偏心体
２２の旋回を許す。したがって、ダンパ効果（移動を吸
収する効果）は働かず、オートテンショナ１０はベルト
の張力を回復する方向へ速やかに応答することになる。

逆に、エンジン高温時は、第７ａ図、第７ｂ図に示すよ
うに、タイミングプーリ１１．１２間の伸びがタイミン
グベルト１３の伸びを上回ると、過大張力が発生し、タ
イミングベル）１３は偏心体２２を押圧する。このとき
、両室に圧力差が生じ、弾性部材４４の自由端が偏心体
２２の内周面と、同心部分が分割部材４８とそれぞれ密
接して流体の移動が阻止される。しかし、流体は隙間を
通じて画室間の移動を許されるから、偏心体２２は緩徐
に旋回し徐々に過大張力を解消する。

このように、テンショナ１０は、タイミングヘルド１３
が緩むとき、張力を付与する方向へ迅速に旋回し、急激
に張力が増大するとき、衝撃力を緩和する方向へ緩徐に
旋回する。

また、低温高温に拘わらず、エンジン始動直後等、タイ
ミングベルト１３が激しく振動する場合には、上記の作
動が顕著に行われ、タイミングベルト１３に生じる衝撃
力に対してダンパ効果を発揮するものである。

弾性部材４４は、ばね材のようなしなやかで弾性の高い
ものが望ましい。

なお、以上に説明した実施例とは逆に、弾性部材４４を
偏心体２２に固定し、自由端が固定軸２０に接触するよ
うに設けることもできる。

発明の効果 本発明によるオートテンショナは、従来技術で述べたシ
ョンクダンバ方式のように、一方向には迅速に、逆方向
には緩徐に作動する機能を具えているほか、プーリ内側
に全ての部品が収納され、コンパクトな構成となる。ま
た、部品点数が削減され、コストダウンも可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明のオートテンショナの実施例であり、第１
図はエンジンブロックへの取付時の断面図、第２図は第
１図の２−２線矢視図、第３図は分解斜視図、第４図は
シールを設けた弾性部材の断面図、第５ａ図は取付直後
のテンショナとタイミングヘルドの関係を示す正面図、
第５ｂ図は第５ａ図に対応する弾性部材と分割部材の関
係を示す断面図、第６ａ図はタイミングベルトへ張力を
付与する方向にテンショナが旋回したのときテンショナ
とタイミングベルトの関係を示す正面図、第６ｂ図は第
６ａ［ｉｌＵに対応する弾性部材と分割部材の関係を示
す断面図、第７ａ図はタイミングベルトの張力を吸収す
る方向にテンショナが旋回したときのテンショナとタイ
ミングヘルドの関係を示す正面図、第７ｂ図は第７ａ図
に対応する弾性部材と分割部材の関係を示す断面図であ
る。 ２０・・・固定軸 ２２・・・偏心体 ２日・・・環状密閉室 ３日・・・ばね手段 ４３・・・流量可変手段 ４４・・・弾性部材 ４４ａ・・・固定端 ４４ｂ・・・自由端 ４８・・・分割部材 １０・・・オートテンショナ 第４図 第５０図 第６ｏ図 第７０図 第５ｂ図 第６ｂ図 戸

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 固定軸と、前記固定軸に対し揺動可能な偏心体と、該偏
   心体に旋回力を付与するばね手段と、前記固定軸と前記
   偏心体との間に設けられ流体が封入された前記固定軸と
   同心の環状密閉室と、該密閉室内に設けられた流量可変
   手段とを有し、前記流量可変手段は、前記偏心体又は前
   記固定軸の一方に固定された固定端と他方に弾性的に接
   する自由端と他方に対して同心の部分とを有する弾性部
   材と、前記他方に固定され前記同心部分に接して前記密
   閉室を分割する分割部材からなることを特徴とする、 オートテンショナ。