JPH026294B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、固定子およびキヤンをモールドする
モールド材によつて成形された枠体を備えたキヤ
ンドモートルに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種のキヤンドモートルは第２図に示
すように構成されている。これを同図に基づいて
説明すると、同図において、符号１で示すものは
枠体２と、ブラケツト３と、栓体４とを有するモ
ータケーシングである。このモータケーシング１
の枠体２は、底部を貫通する通孔５と、負荷側開
口内周面に露呈する第１の嵌合部６と、負荷側開
口端面に突出する第２の嵌合部７とを有し、例え
ば樹脂等のモールド材からなる有底円筒体によつ
て形成されている。この枠体２の通孔５は、大径
孔５ａ、小径孔５ｂおよびねじ孔５ｃを有し、内
側開口部から外側開口部に向かつて拡がる段状孔
によつて形成されている。前記ブラケツト３は前
記枠体２の負荷側開口部を閉塞し、内端面にはボ
ス部８が突設されている。このボス部８の外周面
は第１の嵌合部８ａ、第２の嵌合部８ｂおよび第
３の嵌合部８ｃを有し、全体が段状に形成されて
いる。また、このブラケツト３の中央部には前記
ボス部８の軸線方向に開口する挿通孔９が、この
挿通孔１０の外側には同じく軸線方向に開口する
連通孔１０が、外周面には段状の嵌合部１１ａ
が、一側端面には前記枠体２の負荷側端面に当接
する当接部１１ｂが設けられている。前記栓体４
は、前記ねじ孔５ｃに螺合する雄ねじ部１２と、
前記通孔５の開口周縁に対接するフランジ１３と
を有し、前記枠体２に装着されている。１４は固
定鉄心１５と固定子巻線１６を有する固定子であ
る。この固定子１４の固定鉄心１５は、内周面が
露呈し、前記枠体２内に埋設されている。１６は
薄肉円筒体からなるキヤンである。このキヤン１
７は前記固定鉄心１５の露呈内周面に取り付けら
れている。１８は回転鉄心１９を有する回転子で
ある。この回転子１８は、前記回転鉄心１９の外
周面が前記キヤン１７の内周面に所定の間隙を介
して対向し、前記キヤン１７内に収納されてい
る。２０は前記キヤン１７の軸線方向に延在する
回転子軸である。この回転子軸２０は前記回転子
１８の回転鉄心１９に挿通固定されており、一端
部が前記ブラケツト３のボス部８に挿通支承さ
れ、かつ他端部が前記枠体２に支承されている。
２１は負荷側の軸受である。この軸受２１は、全
体が円筒状に形成されており、前記回転子軸２０
の外周面と前記挿通孔９の内周面との間に介装さ
れている。２２は反負荷側の軸受である。この軸
受２２は、全体が前記軸受２１と同一の形状であ
り、前記回転子軸２０の外周面と前記小径孔５ｂ
の内周面との間に介装されている。２３は一方に
開口する吸込口２４と、他方に開口する吐出口２
５と、この吐出口２５および前記吸込口２４に連
通する開口部２６とを有するポンプケーシングで
ある。このポンプケーシング２３には、前記嵌合
部１１ａに嵌合する第１の嵌合部２３ａと、前記
開口部２６に隣接する第２の嵌合部２３ｂとが設
けられている。また、このポンプケーシング２３
内には、前記吸込口２４に連通する吸込通路２７
と、前記吐出口２５に連通する吐出通路２８と、
この吐出通路２８および前記ブラケツト３によつ
て形成された羽根車室２９とが設けられている。
そして、このポンプケーシング２３は、前記枠体
２の負荷側端部に前記ブラケツト３を介して取り
付けられている。３０は吸込口３１と吐出口３２
を有する羽根車である。この羽根車３０は、樹脂
によつて形成されており、前記回転子軸２０の挿
通端部にインサート金具３３を介して接着されて
いる。また、この羽根車３０には、前記第２の嵌
合部２３ｂ上の口金３４に所定間隙を介して嵌合
する突部３０ａが設けられている。３５は間隙を
封止するＯリングからなる第１の水封部材で、前
記大径孔５ａ内に弾装されている。３６は負荷側
の間隙を封止するＯリングからなる第２の水封部
材で、前記第２の嵌合部８ｂと前記第３の嵌合部
８ｃ間の段部を押圧して、前記キヤン１７の内周
面と前記第３の嵌合部８ｃとの間に弾装されてい
る。３７は間隙を封止するＯリングからなる第３
の水封部材で、前記両嵌合部１１ａ，２３ａ間に
弾装されている。なお、前記羽根車３０の吸込口
３１および吐出口３２には、各々吸込管（図示せ
ず）と吐出管（図示せず）が装着されている。ま
た、これら両管は水槽（図示せず）に接続されて
いる。

このように構成されたキヤンドモートルにおい
ては、モートル操作用のスイツチ（図示せず）を
ON状態とすると、回転子軸２０の回転によつて
羽根車３０が回転する。このとき、水槽（図示せ
ず）内の水は、吸込管（図示せず）→吸込口２４
→吸込通路２７→開口部２６→吸込口３１→吐出
口３２→吐出通路２８→吐出口２５→吐出管（図
示せず）の順序で循環する。また、この循環水
は、連通孔１０からキヤン１７内に流入して軸受
２１，２２を潤滑する。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、この種のキヤンドルモートルにおい
ては、キヤン１７の内周面とボス部８の外周面と
の間であつて水封部材３５の負荷側に間隙が形成
されているため、この間隙にキヤン１７内の循環
水が何らかの原因で漏出して循環水が枠体２とキ
ヤン１７間に流入することがあつた。この結果、
固定子１４の固定子巻線１６が絶縁劣化してモー
トルの寿命が大幅に低下するという問題があつ
た。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、固定子巻線の絶縁劣化を防止することがで
き、もつて長寿命化を図ることができるキヤンド
モートルを提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明に係るキヤンドモートルは、枠体に液排
出用の通路を設け、この通路をキヤンの内周面と
ボス部の外周面との間に開口させると共に、枠体
の外部に開口させ、これら両開口部のうち内側の
開口部を水封部材より負荷側に位置付けたもので
ある。

〔作用〕

本発明においては、キヤンの内周面とボス部の
外周面との間であつて水封部材より負荷側の間隙
に循環水が漏出しても、通路を経て枠体の外部に
排出する。

〔実施例〕

以下、本発明の構成等を図に示す実施例によつ
て詳細に説明する。

第１図は本発明に係るキヤンドモートルを示す
断面図で、同図において第２図と同一の部材につ
いては同一の符号を付し、詳細な説明は省略す
る。同図において、符号５１で示すものは液排出
用の複数の通路である。この通路５１は、前記前
記キヤン１７の径方向に延在し、前記枠体２に設
けられている。そして、この通路５１は、前記キ
ヤン１７の内周面と前記ボス８の外周面との間に
開口されると共に、前記枠体２の外部に開口され
ている。これら内外両開口部のうち内側の開口部
は、前記水封部材３６の負荷側に位置付けられい
てる。

このように構成されたキヤンドモートルにおい
ては、キヤン１７の内周面とボス部８の外周面と
の間であつて水封部材３６より負荷側の間隙Ａに
循環水が漏出しても、通路５１を経て枠体２の外
部に排出する。

したがつて、本実施例においては、キヤン１７
内の循環水が何らかの原因で間隙Ａに漏出して
も、循環水の枠体２とキヤン１７間への流入を阻
止することができるから、固定子巻線１６の絶縁
劣化を防止することができる。

また、本実施例においては、通路５１を枠体２
の外径方向に延在させ、かつ開口させたから、ブ
ラケツト３を枠体２から取り外す場合の作業を簡
単に行うことができる。

なお、本実施例においては循環ポンプの駆動装
置として使用する例を示したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、他の駆動装置として使
用してもよいことは勿論である。

また、本実施例においては、循環水がキヤン１
７内外に流入、流出する場合を示したが、本発明
はキヤン１７に封入液を内封する場合であつても
何等差し支えない。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、枠体に液
排出用の通路を設け、この通路をキヤンの内周面
とボス部の外周面との間に開口させると共に、枠
体の外部に開口させ、これら両開口部のうち内側
の開口部を水封部材より負荷側に位置付けたの
で、キヤンの内周面とボス部の外周面との間であ
つて水封部材より負荷側の間隙に循環水等が漏出
しても、通路を経て枠体の外部に排出することに
なる。したがつて、循環水等の枠体とキヤン間へ
の流入を阻止することができるから、固定子巻線
の絶縁劣化を防止することができ、モートルの長
寿命化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るキヤンドモートルを示す
断面図、第２図は従来のキヤンドモートルを示す
断面図である。 ２……枠体、３……ブラケツト、８……ボス
部、１４……固定子、１５……固定鉄心、１６…
…固定子巻線、１７……キヤン、１８……回転
子、１９……回転鉄心、２０……回転子軸、３６
……水封部材、５１……通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 枠体２と、キヤン１７と、ブラケツト３と、
   固定子１４と、回転子１８と、回転子軸２０と、
   水封部材３６とを有するキヤンドモートルであつ
   て、前記枠体２はモールド材によつて形成された
   円筒体からなるものであり、前記キヤン１７は薄
   肉の円筒体からなるものであり、前記ブラケツト
   ３は前記枠体２の負荷側開口部を閉塞し、かつ内
   端面にボス部８を有するものであり、前記固定子
   １４は固定鉄心１５と固定子巻線１６を有し、か
   つ固定鉄心１５の内周面が露呈するものであり、
   前記回転子１８は回転鉄心１９を有し、かつ回転
   鉄心１９の外周面が前記キヤン１７の内周面に所
   定の間隙を介して対向するものであり、前記回転
   子軸２０は前記キヤン１７の軸線方向に延在する
   ものであり、前記水封部材３６は負荷側の間隙を
   封止するものであり、前記キヤン１７は前記固定
   鉄心１５の露呈面に装着されており、前記ブラケ
   ツト３は前記枠体２の負荷側開口部端面に装着さ
   れており、前記固定子１４は前記枠体２内に埋設
   されており、前記回転子１８は前記キヤン１７内
   に収納されており、前記回転子軸２０は前記回転
   鉄心１９に挿通固定され、かつ一端部が前記ブラ
   ケツト３のボス部８に挿通支承されており、前記
   水封部材３６は前記キヤン１７の内周面と前記ボ
   ス部８の外周面との間に介装されており、前記枠
   体２に液排出用の通路５１を設け、この通路５１
   を前記キヤン１７の内周面と前記ボス部８の外周
   面との間に開口させると共に、前記枠体２の外部
   に開口させ、これら両開口部のうち内側の開口部
   を前記水封部材３６より負荷側に位置付けたこと
   を特徴とするキヤンドモートル。