JPH02628B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属溶融炉、特に電気アーク炉の炉蓋
であつて、炉蓋フレームに接続されかつ面状に分
配されている冷却用蛇管を有し、少なくとも１つ
の冷却用蛇管が炉床に向かつて露出しており、こ
の冷却用蛇管の円弧状の管区分が互いに接触して
いる形式のものに関する。

西ドイツ国特許出願公開第2745622号明細書に
よれば、外側の保持リングと内側の保持リングと
を有し、外側の保持リングと内側の保持リングと
が保持体によつて互いに剛性的に結合されている
形式の炉蓋が公知である。両方の保持リングの間
には炉床に向いた側が露出しているセグメント状
の冷却用蛇管が設けられ、これらの冷却用蛇管が
懸吊部で前記保持リングに固定されている。冷却
用蛇管はＵ字形に曲げられかつ互いに密着しかつ
溶接により相互に結合された管から構成されてい
る。冷却用蛇管は供給管に接続され、この供給管
により冷却水が圧力下で冷却用蛇管の最初の管区
分に供給される。冷却用蛇管の内側の管区分には
冷却水流出部が設けられている。内側の保持リン
グと電極との間の空間は電極の周囲に配置された
耐火性のライニングで充たされている。

この炉蓋を使用した場合には、保守作業に際し
て炉蓋の取扱いがきわめて困難である。何故なら
ばこの場合には前もつて冷却水の接続を遮断した
あとで炉蓋全体を炉体から持上げなければならな
いからである。炉蓋中央部分又は個々の冷却部材
を修理する場合には蓋がコンパクトなユニツトと
して構成されているので大がかりな解体作業をし
なければならず、しかも完全な炉蓋を交換用に用
意しておかなければならなかつた。

したがつて本発明の課題は冒頭に述べた形式の
炉蓋改良し、前述の欠点を除き、ライニングを有
する炉蓋中央部分又は冷却部材が必要に応じて別
個に取出すことができるようにすることである。

この課題は本発明によれば特許請求の範囲第１
項に記載した構成の炉蓋によつて解決された。

特許請求の範囲第１項に記載した構成によつて
保守作業は著しく簡易化され、ひいては稼動費用
が低減させられる。重要であることは他の部材で
支持されなくても形状安定性を有する構造体とし
て構成された冷却用蛇管と、ライニングを有する
炉蓋中央部分とが互いに無関係に着脱可能に接続
されている中間フレームが配置されていることで
ある。

炉蓋中央部分の修理を行なうためには中間フレ
ームと炉蓋中央部分との間の結合が解かれ、ライ
ニングを有する炉蓋中央部分がクレーンのフツク
を炉蓋中央部分の曲げられた保持アームに接続す
ることによつて、中間フレームなしで、クレーン
によつて持上げられかつ修理スタンドに降され
る。

この場合には冷却回路に接続された冷却用蛇管
は炉体の上に留まる。修理の間は交換用の炉蓋中
心部分をクレーンで炉体の上にもたらし、炉体の
上に残された中間フレームと冷却された炉蓋部分
とに結合することができる。

さらに冷却部材を修理する必要がある場合に
は、ライニングを有する炉蓋中央部分がリング状
のフレームと一緒に旋回させられ、冷却用蛇管が
炉において又は修理スタンドにおいて修理され
る。

さらに必要である場合には炉蓋全体を中間フレ
ームと共に炉体から持上げることもできる。

本発明の有利な実施例は特許請求の範囲第２項
以下に記載されている。

次に図面について本発明を説明する。

第１図と第２図もしくは第３図に示された炉蓋
の第１実施例においては、炉蓋１の炉蓋フレーム
４は互いに接触しあう厚壁の管４ａと４ｂとから
構成されている。炉蓋フレーム４にはＵ字形に曲
げられかつ炉床に向かつて露出した冷却用蛇管５
が接続されている。冷却用蛇管５の最外位にある
管区分は円形の炉蓋フレーム４と例えば点溶接に
よつて結合されている。冷却用蛇管５の互いに接
触する管区分は炉蓋１の中心点を中心として互い
に同心的に延びている（第３図）。炉蓋中央には
空いた円形の面が設けられている。

炉蓋１は炉蓋フレーム４で炉床２の縁部に支え
られている。この縁部は上方部分に冷却された管
壁３を有している。

図示された実施例においては、冷却蛇管５は２
つのセグメント状の部分から成り、これらのセグ
メント状の部分の間には30mmの半径方向のすき間
が設けられている。このすき間は隣接した冷却蛇
管縁部に固定された保持体１６と銅板１７とを用
いて導電的に橋絡されている（第６図）。このよ
うに構成することで、冷却蛇管が稼働中にスパツ
タを帯びて２つの冷却蛇管の間にブリツジが形成
されて不都合なフラツシオーバーが発生すること
を回避することができる。このような形式で両方
のセグメント状の冷却用蛇管部分は互いに結合さ
れている。

第１図から判るように冷却用蛇管５は冷却用蛇
管５が低い円錐形を成すように配置されている。
冷却用蛇管もしくは互いに結合された冷却用蛇管
部分は他の部材で支えられなくとも形状安定性を
を有する構造体を成している。

図示の実施例が示すように冷却用蛇管５の円弧
状の各管区分は強度の関係から半径方向に配置さ
れた形鋼１８と点溶接により結合しておくことが
できる。

外側の炉蓋フレーム４を形成する管４ａと４ｂ
は冷却用蛇管よりも著しく大きい管直径を有して
いるので、図示されていない冷却媒体回路の導管
に接続されかつ炉蓋の冷却用蛇管に対する冷却媒
体分配器としても役立つ。冷却用蛇管の円弧状の
管区分の図示されていない冷却媒体接続部は、炉
蓋中心に向かつて次第に大きくなる間隔が接続個
所の間に存在し、供給された冷却媒体が冷却蛇管
全体に均一に分配されるかもしくは炉蓋の同じ大
きさの面積部分に、それぞれ各冷却媒体接続部を
介して冷却媒体が供給されるようになつている。

第３図には炉蓋１における図示されていない吸
い込みベンドのための開口６が示されている。

炉蓋フレーム４の上側には炉蓋の横軸線に対し
て対称的に配置された４つの保持体もしくはアイ
７が固定され、この保持体もしくはアイ７で冷却
用蛇管５が中間フレーム８に固定されているよう
になつている。この中間フレーム８はあとから述
べるように炉蓋１もしくは炉蓋部分を持上げるた
めに使用される。

中間フレーム８は電気的な導電ループが形成さ
れることを回避するために絶縁されてねじ結合さ
れた４つの箱形ビーム８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ
（図示せず）から構成されている。中間フレーム
８はコーナ範囲に懸吊部９を備え、この懸吊部９
を介して中間フレーム８は図示れていない昇降機
構の昇降アーム１０に連結できるようになつてい
る。この箱形ビーム８ａ〜８ｄは冷却媒体のため
の接続部を備えているので、中間フレーム８も炉
の稼働中に冷却回路に接続される。

内側の炉蓋リング１１は他の冷却系とは別の冷
却回路に接続されている。

冷却用蛇管５の内側部分においては該冷却用蛇
管５の上に、曲げられた保持アーム１５が溶接さ
れ、この保持アーム１５で中間フレーム８の上側
に係合させられるようになつている。曲げられた
保持アーム１５の下部分には同様に導電ループの
形成を回避するために絶縁体を介して中空な内側
の炉蓋リング１１が支えられている。この内側の
炉蓋リング１１は例えば台形横断面を有し、ライ
ニングを有する炉蓋中央部分１２と結合されてい
る。この炉蓋中央部分１２には電極のための開口
１３（第３図）が設けられている。

保持アーム１５を介して内側の炉蓋リング１１
はライニングを有する炉蓋中央部分１２と共に中
間フレーム８の結合部１４を介して結合される。

以上の如く構成することによつて、炉蓋及び中
間フレーム８及び内側の炉蓋リング１１への冷却
媒体の供給部を外した後で炉蓋１全体をクレーン
で持上げかつ場合によつては修理スタンドに運ぶ
ことができる。しかも懸吊部９（第３図）から内
側の炉蓋リング１１をライニングを有する炉蓋中
央部分１２と一緒に炉体もしくは中間フレーム８
から取外し、炉蓋中央部分を修理することもでき
る。この場合には冷却回路に接続された冷却用蛇
管５は炉体２に留められる。

さらに必要である場合には炉蓋中部分を外し、
中間フレーム８と炉蓋フレームとの間の結合（ア
イ７）を解き、冷却用蛇管だけを持上げ、修理ス
タンドで冷却用蛇管だけを修理することもでき
る。

第４図においては冷却用蛇管５の変化実施例が
示されており、この場合には管５′は交互に高さ
をずらして配置されている。

第５図には冷却用蛇管の別の変化実施例が示さ
れている。この場合には管は炉蓋１の、炉床２３
とは反対側の面に配置された冷却ボツクス２１に
固定されている。

第４図及び第５図に示された冷却用蛇管の個々
の管は炉床２３に面した側に節、ピン、フイン又
はそれに類似した突起を備えている。これらの突
起は管表面にスラグ層が形成されることを助長す
る。このスラグ層は炉の稼働中に飛散するスラグ
により自動的に形成される。このスラグ層は熱的
及び電気的な絶縁を行なう。さらにこのスラグ層
は炉の稼働中に例えば局部的な加熱によつて破裂
した部位で自動的に更新されるという利点を有し
ている。

第６図には２つの隣接する冷却用蛇管の結合部
が示されている。冷却用蛇管５の間には狭まい半
径方向のすき間がもうけられている。このすき間
は隣接する冷却用蛇管の縁に固定された保持体１
６と、この保持体１６に固定的に結合された銅板
１７とによつて導電的に橋絡されている。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の複数の実施例を示すものであつ
て、第１図は本発明による炉蓋を備えてアーク炉
の１部を示した図、第２図は第１図の炉蓋の平面
図、第３図は第１図のアーク炉の側面図、第４図
は本発明の炉蓋の変化実施例の詳細図、第５図は
本発明の炉蓋の別の変化実施例の詳細図、第６図
は２つの冷却用蛇管の結合部の詳細図である。 １…炉蓋、２…炉体、３…管壁、４…炉蓋フレ
ーム、４ａ，４ｂ…管、５，５′…冷却用蛇管、
６…開口、７…保持体、８…中間フレーム、８
ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ…箱形ビーム、９…懸吊
部、１０…昇降アーム、１１…炉蓋リング、１２
…炉蓋中央部分、１３…開口、１４…結合部、１
５…保持アーム、１６…保持体、１７…銅板、１
８…形鋼、２１…冷却ボツクス、２３…炉床。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属溶融炉の炉蓋であつて、炉蓋フレームに
   接続されかつ面状に分配されている冷却用蛇管を
   有し、少なくとも１つの冷却用蛇管が炉床に向か
   つて露出しており、この冷却用蛇管の円弧状の管
   区分が互いに接触している形式のものにおいて、
   炉床に向かつて露出しかつ炉蓋フレーム４に接続
   された冷却用蛇管５が平面図で炉蓋中央に空間を
   形成しており、他の部材で支持されなくても形状
   安定性を有する構造体として構成されており、外
   側の炉蓋フレーム４が冷却用蛇管５の上側にかつ
   炉蓋フレーム４に対して平行に延びる平面内に配
   置された中間フレーム８と着脱可能に結合されて
   おり、この中間フレーム８に炉蓋１を持上げる巻
   上げ機が接続可能であり、この中間フレーム８に
   ライニングを有する炉蓋中央部分１２が着脱可能
   に、炉蓋中央部分１２の外周が冷却用蛇管５の内
   周に接するように懸設されていることを特徴とす
   る、金属溶融炉の炉蓋。 ２ 複数の冷却用蛇管が使用され、これらの冷却
   用蛇管が結合され、他の部材で支持されなくても
   形状安定性を有する構造体を成している、特許請
   求の範囲第１項記載の金属溶融炉の炉蓋。 ３ 電極のための開口１３が設けられている円形
   の炉蓋中央部分１２の耐火性のライニングが外リ
   ング１１で取囲まれている、特許請求の範囲第１
   項又は第２項記載の金属溶融炉の炉蓋。 ４ ライニングを有する炉蓋中央部分１２の外リ
   ング１１と冷却用蛇管５の内周面との間に電気的
   な絶縁作用と断熱作用を有する層が設けられてい
   る、特許請求の範囲第３項記載の金属溶融炉の炉
   蓋。 ５ 外リング１１が中空に構成されかつ離れた冷
   却回路に接続されている、特許請求の範囲第４項
   記載の金属溶融炉の炉蓋。 ６ それぞれ隣接した冷却用蛇管５の間に半径方
   向に延びる狭まいすき間が設けられており、この
   すき間が隣合う冷却用蛇管の縁に固定された保持
   体１６を用いて導電的に橋絡されている、特許請
   求の範囲第２項から第５項までのいずれか１つの
   項に記載の金属溶融炉の炉蓋。 ７ ライニングを有する炉蓋中央部分１２が他の
   炉蓋部分とは無関係に持上げ可能である、特許請
   求の範囲第１項から第６項までのいずれか１つの
   項に記載の金属溶融炉の炉蓋。 ８ 炉蓋フレーム４が冷却用蛇管５と共に、ライ
   ニングを有する炉蓋中央部分１２とは無関係に持
   上げ可能である、特許請求の範囲第１項から第６
   項までのいずれか１つの項に記載の金属溶融炉用
   の炉蓋。 ９ 炉蓋１２全体が炉体２から持上げ可能であ
   る、特許請求の範囲第１項から第６項までのいず
   れか１つの項に記載の金属溶融炉の炉蓋。