JPH026194Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 産業上の利用分野……本考案は、登山、海浜そ
の他野営の際に張設するテントの改良に関するも
のである。

従来の技術……撓曲した支柱にテントを固定す
る手段は種々存在するが、その１例として実用新
案出願公告昭57−31803号公報が存在する。上記
公報に表現されるテントは、テントシートの外面
頂部或はその附近からテントシートの外面周縁或
はその附近に至るテントポール挿入乳部を形成
し、このテントポール挿入部にスライドフアスナ
ー部を形成してなり、これをテントポールに取付
けるには、スライドフアスナー部を開いてテント
ポールをまたがせてスライドフアスナーを閉じる
ものである。上述の公知のテントにおいては、テ
ントのテントポールへの取付は簡単であるが、テ
ントポール挿通乳部は内部に挿通されるテントポ
ールにより外方に引つ張られて張設され、この引
つ張り力はスライドフアスナーの引つ張り力とな
り、スライドフアスナーの噛み合い力の限界を超
えて脱外させることになり、スライドフアスナー
を故障させる原因となり、テントポールに堅牢、
確実にテントシートを装着することはできなかつ
た。又寒冷地において防寒手袋を装着してスライ
ドフアスナーを開閉操作することは、スライドフ
アスナーを円弧状に操作しなければならいことゝ
相まつて手勝手が悪く、スライドフアスナーの開
閉作業は必ずしも円滑ではなかつた。

考案が解決しようとする問題点……本考案は寒
冷地において防寒手袋を装用した状態において
も、手勝手良く迅速にテントをテントポールに取
付けることができ而も取付けられたテントは堅牢
にテントポールに固定され、又テントをテントポ
ールから脱外する操作も簡単で故障もないテント
張設をおこなうことができるテントを提供するこ
とを目的とするものである。

〔考案の構成〕

問題点を解決するための手段……本考案は上述
の目的を達成するため、テントシートの、テント
ポールに支持せられる稜線上に沿つて帯状係止シ
ートの長方向の一縁を固定し、帯状係止シートの
開放他縁に緊締用紐状体を挿通するための挿通部
を形成し、上記挿通部に貫通した緊締用紐状体を
挿通部の両端開口部より突出させてなり、前記稜
線の下方に位置するテントシートに支柱下部を支
持するための支持部を設けると共に、緊締用紐状
体の固定装置を具えたことを特徴とするテントな
る構成を有するものである。

図面に示す実施例について、上記構成を説明す
れば次の通りである。

第１図、第２図に示すように、テントシート１
１のテントポール１２に支持せられる稜線１１ａ
上に沿つて帯状係止シート１３の長方向の一縁１
３ａを固定する。テントポール１２は可撓性のあ
るポール、可撓性のない撓曲又は屈曲した形状い
ずれのポールを用いることができる。又帯状係止
シート１３は合成樹脂メツシユ材その他の布、合
成樹脂シート等の強靭なシートを用い、その長方
向の一縁１３ａをテントシート１１の稜線に固定
するにあたつては縫着、糊着等の手段により堅牢
に取付ける。

帯状係止シート１３の他縁１３ｂを折り返し、
折り返し縁の先端を前記シートの他縁寄りに縫着
又は接着することにより、内部に緊締用紐状体１
４の挿通部１５を形成し、上記挿通部１５に緊締
用紐状体１４を挿通し、その両端は挿通部１５の
両端開口部から外方に突出させる。テントシート
１１の前記稜線１１ａの下方に緊締用紐状体１４
の固定装置を設ける。上記固定装置の１例として
は、テントシート１１の前記稜線１１ａの下方即
ち挿通部１５の両端開口部の下方に夫々乳部１
７，１７を設け、緊締用紐状体１４の挿通部１５
から外方に突出した部分に摺動可能に係止具１８
を取付け、上記係止具には緊締用紐状体１４の係
止固定用フツク部が設けられ、前記乳部１７と係
止具１８とにより固定装置が構成されている。
又、テントシート１１の前記稜線１１ａの下方に
は、テントポール１２の下部を支持するための手
段例えば上記ポールを挿通して支持されるハトメ
孔を設けた支持１９が突設されている。

尚緊締用紐状体１４はピアノ線のような金属
線、金属ロープ、合成樹脂又は綿のロープ、その
他の強靭な紐状体を用いる。

作用……本考案は可撓性テントポール１２を所
期形状に撓曲し、又は所期形状に撓曲、屈曲され
た非可撓性テントポール１２の両端を支持部１
９，１９の支持手段例えばハトメ孔２０に貫通
し、地面に挿通する。テントシート１１の帯状係
止シート１３をテントポール１２の一方に側から
その上方をまたいで折り返しておく。挿通部１５
の一方の開口部から突出する緊締用紐状体１４を
乳部１７を貫通して係止具１８の係止用フツク部
に係止しておく。上記の状態で挿通部１５の他方
の開口部から突出する緊締用紐状体１４を強く牽
引するときは、テントシート１１の前記稜線１１
ａ部はその半径が圧縮される方向に引つ張られ圧
縮された状態となり、テントポール１２の撓曲又
は屈曲径よりも、ポール内方の紐状体の撓曲径が
小となる。その状態で他方の開口部から突出する
緊締用紐状体１４を乳部１７を貫通して係止具１
８の係止用フツクに係止することによりテントシ
ート１１はテントポール１２にずれがなく堅牢に
取付けることができる。

〔効果〕

本考案は、テントシートをテントポールに取付
けるに際し、その乳部を形成してこれにテントポ
ールを挿通したり又テントシートに取付けたロー
プを、テントポールに捲付ける等の複雑な手段を
要することなく、テントシートに取付けた帯状係
止シートをテントポールの上方にまたいで折り返
せばよいのであるから可撓性テントポールのみな
らず、撓曲又は屈曲した非可撓性テントポールに
も極めて簡単に装着することができ、テントシー
トとテントポールの固定は緊締用紐状体１４を引
つ張り、その撓曲径をテントポール１２の撓曲
径、屈曲径よりもなるかに小となるように圧縮
し、その状態で緊締用紐状体１４の両端を固定装
置に固定することによりテントは緊張状態で張設
され、張接度を加減することができるものである
から寒冷地において防寒手袋を装用し、而も手が
こゞえた状態の作業においても又初心者でも迅速
にテントを張設することができ、張設されたテン
トシートはテントポールに堅牢に固定され、テン
ト部材を損傷することがない等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は本考案のテ
ントをポールに取付ける第１の段階を示すテント
の一部の側面図、第３図は同じく第２の段階を示
すテントの一部の側面図、第４図は同じく第３の
段階を示すテントの一部の側面図、第５図は同じ
く第４の段階を示すテントの一部の側面図であ
る。 １１……テントシート、１２……テントポー
ル、１１ａ……稜線、１３……帯状係止シート、
１３ａ……帯状係止シートの一縁、１３ｂ……帯
状係止シートの他縁、１４……緊締用紐状体、１
５……紐状体の挿通部、１７……乳部、１８……
係止具、１９……支持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テントシートの、テントポールに支持せられる
   稜線上に沿つて帯状係止シートの長方向の一縁を
   固定し、帯状係止シートの開放他縁に緊締用紐状
   体を挿通するための挿通部を形成し、上記挿通部
   に貫通した緊締用紐状体を挿通部の両端開口部よ
   り突出させてなり、前記稜線の下方に位置するテ
   ントシートに支柱下部を支持するための支持部を
   設けると共に、緊締用紐状体の固定装置を具えた
   ことを特徴とするテント。