JPH025240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ガス湯沸器等の各種ガス燃焼器具
に用いるプレート方式の能力切替弁に関する。

〔従来の技術〕

低カロリーガス種の6Bガス、6Cガス等から高
カロリーガス種のLPG、13Aガス等への転換に際
し、従来はガスノズル等の部品をそのガス種に適
合したものと交換しているためその転換作業に多
大の手間と費用を要する欠点があつた。

〔考案の目的〕 この考案は予め設定された能力大から能力小の
間における能力を無段階に制御できるプレート方
式の能力切替弁にガス種の転換機構を一体に組込
んで上記従来の欠点の解消を目的とした能力切替
弁を提供するものである。

〔考案の構成〕

その構成は、能力最大用通孔１と転換ガス種に
適合する能力最小用通孔２及び３を枢軸７を中心
として描かれる同一軌跡上に一定の間隔を存して
並穿した能力制御弁板４を弁筐Ａのガス通路５の
シート面６に圧接して弁筐Ａに軸設せる枢軸７に
その基端を固定して一定の角度だけ回動可能に枢
設し、かつ、該能力制御弁板４上にその能力最大
用通孔１をガス種に適合する能力最大の開口面積
に変換する能力最大用絞り孔８と上記能力最小用
通孔２及び３に重合連通する能力最小用連通孔９
を同一軌跡上に一定の間隔を存して並穿した切替
弁板１０を密接重合しその基端を枢軸７に遊嵌し
て能力制御弁板４に対し該切替弁板１０を一定の
角度だけ回動変位することでガス種の転換が行え
るよう設け、さらに、枢軸７には操作レバー１１
の基端を該操作レバーの位置関係を矯正する調節
板を介し、又は直接固定して該操作レバー１１と
上記能力制御弁板４及び切替弁板１０を共動せし
め転換ガス種の状態における能力の無段階調整を
も可能とした能力切替弁である。

〔実施例〕 以下この考案による能力切替弁の一実施例を図
面に基づいて具体的に説明する。

図面において、Ａはガス通路５と該ガス通路５
に連通する平面形状が扇形をした弁室１２を設け
た弁筐であつて、例えば、6Bガス用又は13Aガ
ス用の能力最大に変換される能力最大用通孔１と
6Bガス用の能力最小用通孔２及び13Aガス用の
能力最小用通孔３とを一定の間隔を存して枢軸７
を中心として描かれる同一軌跡上に並穿した能力
制御弁板４を上記弁筐Ａのガス通路５の上端開口
端縁に設けたシート面６に後述の皿ばね１３の弾
発力により気密を保つて圧接した状態のもとに弁
室１２内に装備し、かつ、弁室１２の「要」に相
当する部分に挿通して回転自由に軸設せる枢軸７
に該能力制御弁板４の基端を固定して枢軸７を支
点とした一定角度の回動が自由に行えるようにな
して6Bガス用又は13Aガス用の能力最大に変換
された能力最大用通孔１と6Bガス用の能力最小
用通孔２又は13Aガス用の能力最小用通孔３によ
る能力の最大と最小間における能力の無段階調整
ができる関係に設定している。また、上記能力制
御弁板４上にはその能力最大用通孔１を6Bガス
又は13Aガスの能力最大に適合する開口面積に変
換する能力最大用絞り孔８と6Bガス用の能力最
小用通孔２又は13Aガス用の能力最小用通孔３に
重合連通する前記能力制御弁板４の6Bガス用の
能力最小用通孔２と同径の能力最小用連通孔９を
一定の間隔を存して枢軸７を中心として描かれる
同一軌跡上に並穿した切替弁板１０を密接重合し
その基端を枢軸７に遊嵌して能力制御弁板４に対
し該切替弁板１０を一定の角度だけ回動変位する
ことで、切替弁板１０の能力最大用絞り孔８で能
力制御弁板４の能力最大用通孔１を6Bガス又は
13Aガスに適合した能力最大の開口面積に変換す
るとともに、切替弁板１０の能力最小用連通孔９
を能力制御弁板４の6Bガス用の能力最小用通孔
２又は13Aガス用の能力最小用通孔３に重合連通
させて6Bガス又は13Aガスに適合した能力最小
のガス通孔に変換し、ガス種の転換が自由に行い
うるようになしている。能力制御弁板４に対する
切替弁板１０の回動角度規制手段として実施例は
切替弁板１０の両端部に係止凸片１４，１５を下
向きに突設してこれらが能力制御弁板４の両端面
に係合されることにより切替弁板１０の回動範囲
が確実に規制されるようにしている。１６は切替
弁板１０に設けた操作つまみ片である。密接重合
された能力制御弁板４と切替弁板１０は枢軸７に
基端を固定した操作レバー１１と連動し、一定の
ガス種に転換された状態で共動し能力の最大と最
小及び能力の無段階調整ができるようになつてい
る。１３は枢軸７に挿設して弁筐Ａと操作レバー
１１との間に介在させた皿ばねで、この皿ばね１
３の弾発力でシート面６に対する能力制御弁板４
の圧接が行われるようになつている。１７は弁筐
Ａの一側凸部１８に固設したストツパー板で、そ
の規制窓孔１９に操作レバー１１を挿通して操作
レバー１１の回動角度αが決められるようになつ
ている。２０は操作レバー１１による能力制御弁
板４と切替弁板１０の回動角度を調節するための
長孔で、操作レバー１１に穿たれ、該操作レバー
１１は枢軸７に遊嵌され、枢軸７に一端を固定し
て操作レバー１１上に重合した指針を兼備した調
節板２１に該長孔２０を介して締付けボルト２２
を螺着することにより操作レバー１１を調節板２
１を介して枢軸７に固定している。上記締付けボ
ルト２２をゆるめて操作レバー１１と調節板２１
との関係を左右へ変動せしめることで能力制御弁
板４と切替弁板１０の回動角度に関係なく、操作
レバー１１の位置を微調整することができ、製作
誤差による操作レバー１１の位置関係を矯正する
ことができる。２３はガス導入接続管、２４はガ
ス導出接続管、２５はＥリング、２６はワツシヤ
ー、２７はシール材、２８はシール止め板、２９
は止めリングである。上記実施例のほか、操作レ
バー１１基端を調節板２１を介さず直接枢軸７に
固定してもよい。

上記構成において、低カロリーのガス種、例え
ば、6Bガス、6Cガス等に適合させる場合は、切
替弁板１０をその操作つまみ片１６を指先で持つ
か、指先を引掛けて図示反時計方向へ枢軸７を支
点として回動せしめると、能力制御弁板４に対し
切替弁板１０は一方の係止凸片１４が能力制御弁
板４における能力最大用通孔１の内端面に係合さ
れるまで回動変位する。したがつて、能力制御弁
板４の能力最大用通孔１の開口面積は切替弁板１
０の能力最大用絞り孔８で該ガス種に適合する能
力最大の開口面積に変換され、また、能力制御弁
板４の6Bガス用の能力最小用通孔２に切替弁板
１０の能力最小用連通孔９が重合連通して該ガス
種に適合する能力最小のガス通孔を形成するので
ある。このとき、能力制御弁板４の13Aガス用の
能力最小用通孔３は切替弁板１０で閉塞されてい
る（第３図の状態から第２図の状態参照）。しか
る後、上記ガス種用に転換セツトされた能力制御
弁板４と切替弁板１０は操作レバー１１によりそ
の位置関係を保つたまま一定の角度だけ回動され
ることでガス通路５に対する能力最大用通孔１と
能力最小用通孔２の重合関係がその最大能力と最
小能力及びその間における無段階調整できる関係
となり、操作レバー１１の左右の回動端ではガス
通路５に能力最大用通孔１と能力最小用通孔２が
完全に重合合致してガス供給量を能力最大と能力
最小に調整するとともに、回動端より離間するに
ともなつて各々の通孔１，２とガス通孔５の開口
の重合度は一方の通孔は漸次減少し、他方の通孔
は漸次増加する組合わせとなつているので大、小
通孔１，２の中間部分ではその開口度を無段階に
調整できるものである。

次に、高カロリーのガス種、例えば、LPG、
13Aガス等に適合させる場合は切替弁板１０の操
作つまみ片１６を指先で持つか、指先を引掛けて
図示時計方向へ枢軸７を支点として回動せしめる
と、能力制御弁板４に対し切替弁板１０は他方の
係止凸片１５が能力制御弁板４の一側外端面に係
合されるまで回動変位して能力制御弁板４の能力
最大用通孔１の開口面積は切替弁板１０の能力最
大用絞り孔８により欠円形に絞られてその開口面
積は該ガス種に適合する能力最大の開口面積に変
換され、また、能力制御弁板４の13Aガス用の能
力最小用通孔３に切替弁板１０の能力最小用連通
孔９が重合連通して該ガス種に適合する能力最小
のガス通孔を形成するのである。このとき、能力
制御弁板４の6Bガス用の能力最小用通孔２は切
替弁板１０で閉塞されている（第２図の状態から
第３図の状態参照）。しかる後、操作レバー１１
で先の低カロリーのガス種の場合と同様に能力調
整を行うものである。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したように、ガス種に適合
した最大能力と最小能力に変換する切替弁板を能
力制御弁板と重合させ、該切替弁板の回動操作で
ガス種に適合する開口面積に変換可能としたか
ら、低カロリーガス種の6Cガス等から高カロリ
ーガス種の13Aガス等への転換作業が簡易、確実
に行え、また、構造的にも能力制御弁板上に切替
弁板を回動自由に重合したという簡単なものであ
るからコスト的にも問題はなく、実際の使用にあ
たり実用価値の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による能力切替弁の一実施例
を示した断面図、第２図は平面図、第３図はガス
種転換時の平面図、第４図イ，ロは能力制御弁板
と切替弁板の平面図である。 Ａ……弁筐、１……能力最大用通孔、２，３…
…能力最小用通孔、４……能力制御弁板、５……
ガス通路、６……シート面、７……枢軸、８……
能力最大用絞り孔、９……能力最小用連通孔、１
０……切替弁板、１１……操作レバー、２１……
調節板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 能力最大用通孔１と転換するガス種に適合する
   能力最小用通孔２及び３を枢軸７を中心として描
   かれる同一軌跡上に一定の間隔を存して並穿した
   能力制御弁板４を弁筐Ａのガス通路５のシート面
   ６に圧接し基端を枢軸７に固定して一定角度の回
   動が自由に行えるよう枢設し、かつ、該能力制御
   弁板４上にその能力最大用通孔１をガス種に適合
   する能力最大の開口面積に変換する能力最大用絞
   り孔８と上記能力最小用通孔２及び３に重合連通
   する能力最小用連通孔９を同一軌跡上に一定の間
   隔を存して並穿した切替弁板１０を枢軸７に基端
   を遊嵌して一定の角度だけ回動変位可能に密接重
   合せしめ、さらに、枢軸７には操作レバー１１の
   基端を調節板２１を介し、又は直接固定したこと
   を特徴とする能力切替弁。