JPH0247999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はフライホイールを用いた動力ユニツ
ト、詳しくは一体的に構成した収納ケースの内部
にフライホイールとこれを駆動するための駆動輪
を収め、かつフライホイールの中心軸を上記の収
納ケースの外部へ突出させて成るフライホイール
を用いた動力ユニツトに関する。

従来、この種の動力源としてはフライホイール
と該フライホイールと一体的に構成したピニオン
とを玩具本体内に収納し、フライホイールの中心
軸を外部に突出させたものがあつた。上記動力源
を駆動させるためには、ラツクを形成したベルト
状の部材を外部からピニオンに噛み合せ、ラツク
ベルト部材を強く引くことによつてフライホイー
ルを回転させていた。しかしながら、このような
ものは、動力源を回すためにラツクベルト部材の
携行を要するものであり、このラツクベルト部材
は紛失しやすいので子供の玩具に適用させるには
不便な面があつた。

この考案は上記事情に鑑みて成立したものであ
つて、別々に分離した道具を要しないばかりでな
く、ユニツト化することによつて取扱いが簡便な
フライホイールを用いた動力ユニツトを提案する
ことを目的とする。

以下、図面によつてこの考案の実施態様につい
て説明する。

符号１はフライホイールを用いた動力ユニツト
で、玩具に収納することにより、該玩具の動力源
となるもので、フライホイール２と駆動輪３とこ
れを収めてユニツト化するための収納ケース４と
を備えている。

フライホイール２はその中心軸５に固定され、
中心軸５の上端は歯車６を固着し、下端は収納ケ
ース４の底部から下へ垂直に延長させ、任意の長
さに突出させてある。

駆動輪３は歯車７と連動するようにこれと一体
的に並設され、外周面には摩擦係数を上げるため
のゴム部材が添着されて摩擦面が形成されてお
り、また、上記並設した歯車７とともに、収納ケ
ース４内に軸支されて、その外周面の一部は収納
ケース４の外部へ僅かに突出している。

収納ケース４は上記フライホイール２、駆動輪
３を内部に収め、かつこれを支承するもので、円
筒形に形成してあつて、内部は駆動輪３や歯車
６，７等からなる駆動系とフライホイール２とを
隔てるための仕切り板８によつて二分された二重
構造になつている。駆動系はフライホイール２の
歯車６と駆動輪３の歯車７とを連動させるための
中継歯車９，９ａを備えており、中継歯車９と中
継歯車９ａとは一つの軸の上下に一体的に固定さ
れて収納ケース４の内部に収められている。

歯車６の径より歯車９の径の方が大きく、歯車
９ａは歯車９、歯車７と略同じ程度の径でよい
が、歯車７の径よりも小さい方がフライホイール
２の付勢に有利である。

以上に述べた構成により、駆動輪３の外部へ突
出した部分が下向きになるようにして収納ケース
４を手に持ち、床面や机上に上記駆動輪３の摩擦
面を押し当てて、押し出し回転させると駆動輪３
の回転に伴なつて中継歯車９，９ａを介し、フラ
イホイール２の歯車６と一緒に中心軸５も回転す
るからフライホイール２は回転し、その運動を持
続してそのまま回り続ける。次に中心軸５が垂直
になるように駆動ユニツト１を立てて上記軸５の
先端を床等の平面上に接触させて手を離すと、動
力ユニツト１はコマのように立ち上り状態に保持
される。その際、収納ケース４も回転するのはフ
ライホイール２の中心軸５と収納ケース４との接
触点にある摩擦が原因であり、この摩擦が軽減さ
れるに従つてフライホイール２のみが回転し、収
納ケース４は静止して佇立状態を維持する。

次に上記構成のフライホイールを用いた動力ユ
ニツト１の使用に際しては、ロボツトや小動物な
どの玩具に予めユニツト１を収納するための空間
を設ければよい。これを第４図に基づいて詳述す
ると、１０はロボツト玩具であり、その胴体部分
にユニツト１の収納空間を形成し、ここに動力ユ
ニツト１は中心軸５が垂直になるように収納さ
れ、ユニツト１から外部へ突出した中心軸５の先
端がロボツト１０を立てて置いたときには少なく
とも床上などへ接触する程度にその両脚部材１１
などの長さを調整する。

前述のようにして駆動輪３を用いてフライホイ
ール２が回転すれば中心軸５の先端と床面などと
の摩擦によつてロボツト１０は不確定な方向へ移
動運動するし、脚１１が短くてもフライホイール
２の回転によつて倒れることがない。

以上詳しく説明したように、この考案に係るフ
ライホイールを用いた動力ユニツトは、これを装
着する玩具本体と別個に製作される単体なので、
種々の玩具に適用することができるほか、互換性
もあるから動力ユニツトの破損や故障に際しても
簡単に交換修理できるので、経済的に有利であ
る。また、フライホイールを駆動させるための道
具を必要としないから、当該道具の紛失のおそれ
がない。さらに、動力ユニツト単体として玩具を
構成する単一のブロツクとして扱うことができる
から、玩具の形状と動力ユニツトを駆動するため
の道具との関係に拘束されない。

【図面の簡単な説明】

図面は何れもこの考案に係るフライホイールを
用いた動力ユニツトの実施態様の一例を示すもの
で、第１図はその外形を示す斜視図、第２図はそ
の中央部分を縦断して示す縦断面図、第３図はユ
ニツトの収納ケース内部を上から見た平面図、第
４図はユニツトを用いた玩具を示す斜視図であ
る。 符号１……フライホイールを用いた動力ユニツ
ト、２……フライホイール、３……駆動輪、４…
…収納ケース、５……軸、９，９ａ……中継歯
車。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下記要件からなることを特徴とするフライホイ
   ールを用いた動力ユニツト。 (イ) フライホイールと駆動輪とが歯車を介して連
   係していること。 (ロ) 上記フライホイールと上記駆動輪と連係歯車
   とは、収納ケース内に収納されていること。 (ハ) 上記フライホイールの軸の一端は収納ケース
   から外部に突出していること。 (ニ) 上記駆動輪の外周には摩擦面が形成され、該
   摩擦面の一部は収納ケースから突出しているこ
   と。