JPH0246098B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ガソリンスタンドにおける油移送
管の油中の水検知装置に関し、更に詳細には、油
タンク等における吸引管の一部又は、計量ポンプ
内に設置して電気抵抗の変化によつて水の浸入を
検知し警報を発したり、給油所等においては地下
タンクからの自動給油に使用される計量ポンプの
緊急停止等を行う水検知装置に関するものであ
る。

従来、ガソリンスタンドの地下に埋設された地
下タンク中には、水が貯溜すると警報ブザーを発
する技術的手段が一般に公表されているが、地下
タンクの下層に貯つた水を計量ポンプで吸上げて
自動車内に油といつしよに注入してしまうため、
エンジンの運転を阻害したり、油送機器内に錆を
生起させたりして油漏を生起し、場合によつては
漏れた油に引火して爆発を生ずる事態にも発展す
るため、油タンクや油送管内に水が入ることを寸
刻の内に検知して水の混入を防止する必要があり
業界より実用に適する水検知装置の開発を要請さ
れていた。

この発明では、ガソリンスタンドの給油タンク
に連通した油移送管の内部に装着した絶縁部材の
間に、電気伝導度の高い金属網を挾持させ、同絶
縁部材に油溝を多数穿設すると共に、同絶縁部材
の上下端面に端子板を埋設し、金属網と端子板と
を増幅器に接続してなるガソリンスタンドにおけ
る油移送管の油中の水検知装置提供せんとするも
のである。

この発明の実施例を図面に基き詳説すれば、水
検知センサー１は、絶縁部材２，４の間に電気伝
導度の高い金属網３を挾持させてなる。

この絶縁部材２，４には油溝２ａ，４ａを多数
穿開し、上下端面部に導電性素材から成る端子板
５及び６を埋設し、この端子板５，６よりリード
線７及び８をそれぞれ取り出している。

金属網３の外周部には導電素材より形成された
被覆板９を設け、この被覆板９よりリード線１０
を取り出している。

このように形成した水検知センサー１を油の流
れる配管の途中に取り付けるために、油の流れる
配管と略同内径に開穿した開口部１１を形成した
フランジ１２，１３を筒状体１４の両端に固着
し、この筒状体１４の内部に上記した水検知セン
サー１を装着して水検知装置Ａを構成させ、この
水検知装置Ａの両端フランジ１２，１３を油の流
れる水平な油管や垂直な油管の途中にボルトとナ
ツトにて締め付け固定し、絶縁部材２又は４の端
子板５，６のリード線７又は８と、被覆板９に取
り付けられたリード線１０との間に所要電圧をか
けて電流を流すように構成している。

次に、この水検知装置Ａの電気回路の一実施例
をブロツク線図に基き説明する。

油は電気抵抗が非常に大きいため電流をほとん
ど通さないが、水は逆に電気の良導体であるため
電流をよく通す。従つて、油中に水や他の導電性
の良好な物体が混入すると、その物体の混合比に
応じて、油中の電気抵抗が変化する。

本実施例では、上記のように電気抵抗が変化し
ても油100％の時より電流が多くなれば、所要大
きさの出力を取り出すことができるように構成し
ている。

即ち、水検知センサー１のリード線７と１０又
は８と１０に生ずる負荷回路１５の電流を変流器
１６にて所要比の小電流値に変換させ整流器１７
を介して直流に替え、この直流電流を増巾器１８
の入力回路１８ｂに付加する。

この増巾器１８は、入力回路１８ｂに所要の入
力電流が付加された時にのみ２次側回路１８ａに
所要の出力を発生させるように構成しているもの
である。従つて、上記せる如く、負荷回路１５に
油100％の時に流れる電流を検出させて、変流器
１６、整流１７を通して増巾器１８の入力回路１
８ｂに付加しても増巾器１８の２次側回路１８ａ
には出力は発生しないようにしている。

ところが、油中に水が浸入すると、電気抵抗値
が小さくなり負荷回路１５に大電流が流れる。こ
の電流を変流器１６でもつて所要の小電流に変化
させ、整流器１７にて直流に替えて、増巾器１８
の入力回路１８ｂに付加すると、油100％の時以
上の入力電流が付加されるため増巾器１８の２次
側回路１８ａに出力電流を発生する。

即ち、油100％時の入力伝流では増巾器１８を
動作させないように構成しているものであり、油
中に水が微小でも浸入すれば、この水に電流が流
れるため水検知装置Ａが動作するものである。
尚、配管は常にアースを設けておく必要がある。

そして、増巾器１８の２次側回路１８ａから警
報回路１９や継電器のコイル部２０に電流を流し
て警報を発生させたり、継電器のコイル２０を動
作させて、油を送るポンプの制御を行うこともで
きるし、又、警報ランプ２４を点燈させたりする
こともできるものである。

この発明の実施例は、上記のように構成されて
おり、油中に水が浸入すれば、電気抵抗値が小さ
くなつて電流を大きくさせるものであり、この発
明の水検知装置Ａを自動車の給油所の床面下に埋
設した給油タンク２１の油移送管２２の途中に装
着した実施の態様について説明すると、給油タン
ク２１に油移送管２２の一端を挿入し他端を地上
に立設させ途中に水検知装置Ａを取り付け、この
水検知装置Ａの上部に計量ポンプを内蔵させた給
油装置２３を装着させている。

ガソリンスタンドの給油タンク２１の内側に水
が浸入すると油と水が計量ポンプによつて油移送
管２２中を上方に流動し水検知装置Ａ内の検知セ
ンサー１内を通る。すると第１図及び第２図に示
した如く、センサー１の絶縁部材２に埋設せる端
子板５のリード線７と、被覆板９のリード線１０
との間に電流が流れる。すると第２図に示したよ
うにこの電流が変流器１６及び整流器１７を経て
増巾器１８の入力回路１８ｂに付加され、増巾器
１８の２次側回路１８ａに所要の直流出力を発生
させるようになる。

この出力電流によつて継電器のコイル２０を動
作させ、計量ポンプの制御回路に積み込まれてい
る継電器の接点をNO若しくはOFFさせることに
よつて計量ポンプを寸刻の内に停止させるもので
ある。

この発明によれば、上記のように油100％場合
の電気抵抗と、微小の水が混入した時の電気抵抗
との差を利用して、給油所の計量ポンプを停止さ
せたり、警報ランプ２４を点燈させたりして油中
に水が浸入したことを知らせることができるもの
であり、特に、流体との接触面積が大きい金属網
３と、端子板５，６とを水検知センサー１の電極
としたことで、油中に混入した水を確実に検知す
ることができ、また、金属網３は油中に混入した
水と接触する確率が高いので、配管中を流動する
油中に混入した水でも検出することができ、更
に、水検知センサー１の出力を増幅器１８で増幅
することで、油中に混入した水を敏感に検知する
ことができ、簡単な構造で、確実な動作を行うよ
うにしているため、給油所以外の工場、給油タン
ク、その他いろんな油を取り扱う箇所に取り付け
れば、油と水とを混合させて使用することが完全
に防止でき、各種の油動作機器や配管に錆や腐触
を生起させることも未然に防止できるものであ
り、省エネルギー省資源に貢献できるものであつ
て産業上の利用価値が極めて大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す水検知センサ
ーの断面図、第２図は本発明の水検知装置の電気
回路図、第３図は本発明の要部を示す断面図、第
４図は本発明装置を使用した使用態様の一例を示
す説明図である。 １：水検知センサー、２：絶縁部材、３：導電
金属網、４：絶縁部材、Ａ：水検知装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガソリンスタンドの給油タンクに連通した油
   移送管の内部に装着した絶縁部材２，４の間に、
   電気伝導度の高い金属網３を挾持させ、同絶縁部
   材２，４に油溝２ａ，４ａを多数穿設すると共
   に、同絶縁部材２，４の上下端面に端子板５，６
   を埋設し、金属網３と端子板５，６とを増幅器１
   ８に接続してなるガソリンスタンドにおける油移
   送管の油中の水検知装置。