JPH0244727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は血液等の体液中のガス、電解質濃度を
測定するための化学物質測定用セルに関するもの
である。

（従来の技術） 血液中の酸素、炭酸ガス等のガス分圧、水素、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩素等のイ
オン濃度は生体の呼吸及び代謝機能の尺度として
極めて重要である。従来これらの測定はもつぱら
採血後分析装置を用いて行なわれてきたが、採血
から測定完了までに時間がかかること、連続的測
定が不可能なこと、患者の血液が失われること等
の問題点があつた。

このような問題点を解消するものとして、本願
出願人は第３図に示すように血管１内に挿入され
るカテーテル４に筒状セル５を連結し、該セル内
にセンサ本体６を液密に収容して、セル５と輸液
バツグ２をチユーブ３で接続し、非測定時に輸液
をセルを経て患者に注入し、測定時に輸液の吸引
手段（ローラポンプ）７によりカテーテル４から
血液をセル内へ吸引して、センサと血液を接触さ
せて血液中の化学物質を測定する装置を提案した
（特開昭55−76639号など）。

このような測定に使用されるセルの条件として
は、測定時にセル内に吸引される血液量が少ない
こと、言い換えればセルの容積が小さいこと、及
びセル内で血液と輸液が滞留することなくスムー
スに流れることが絶対に必要である。セルの容積
を小さくするためセンサ感応部付近のセルの内径
を極端に小さくすると、セルとセンサ間の〓間が
なくなり、血液の流れが悪く、血栓を生じやすく
なる。一方血液と輸液をスムースに流すためにセ
ルの内径を大きくするとセルの内容積が大きくな
り、セル内に吸引される血液量を大きくしないと
安定した測定ができない。そのため従来のセル
は、第３図に示すように先端に設けられた感応部
８がセル５の先端から突出するようにセンサ本体
６をセル内に収容している。そして後端が拡径さ
れた留置カテーテル４をセルの先端に嵌合してい
る。９はコネクタである。

（考案が解決しようとする問題点） 従来のセルはその先端にカテーテルをつなぐと
きに、センサの感応部を破損するおそれがあるう
えに、特定の構造のカテーテルしか使用できない
という問題があつた。またセンサ感応部をセル内
にひつこめると、センサまわりの液体の流れが悪
くなり、センサの感度が低下する。したがつて本
考案の目的は従来のセルの上述の問題点を解消
し、センサの良好な感度を保つたまま、センサの
破損を防ぐことにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案者らは上記問題点を解消するため鋭意検
討した結果、本考案に到達したものである。すな
わち本考案は化学成分感応センサの感応部をチユ
ーブ先端から突出させてチユーブ内に収納し、該
センサの少くともリード線接続部とチユーブ内壁
間に樹脂を充填してチユーブ先端を閉塞したセン
サ部材を、輸液導入管が接続される分岐を有する
筒状のセル本体内に収容するとともに、該セル本
体の先端に、内径がセンサ部材のチユーブ外径よ
り小径のカテーテル装着部を一体に接続し、かつ
後端にリード線が接続されたコネクタ部材を液密
に螺嵌したことを特徴とする血液成分測定用セル
である。

（実施例） 次に本考案の血液成分測定用セルの一実施例を
図面にて説明する。

センサ部材Ａは第２図に示すように化学成分感
応センサ１０と該センサが収納されたチユーブ１
１で構成される。この化学成分感応センサ１０は
感応部１２をチユーブの先端に突出させてチユー
ブ内に収容されている。そしてセンサの電極部に
リード線１３が接続され、このリード線をチユー
ブ内に延在させてチユーブ他端に設けたコネクタ
（図示せず）に接続する。該センサのリード線接
続部とチユーブ内壁間には樹脂１４が充填されチ
ユーブ先端を閉塞している。該樹脂はチユーブ内
の全領域に充填してもよい。上記センサ部材Ａは
第１図に示すようにセルＢ内に収容される。該セ
ルは筒状セル本体１５と該セル本体の先端に一体
に設けられたカテーテル装着部１６で構成され
る。該筒状セル本体１５には分岐が設けられてお
り、該分岐に輸液導入管（図示せず）が接続され
る。センサ本体Ａは筒状セル本体１５の後端部開
口よりセル本体内に挿入され、その端部にコネク
タ１８が液密に螺嵌される。その場合筒状セル本
体の内径が小さすぎるとセンサ本体を構成するチ
ユーブがセル本体の内壁に接触して血流が乱され
正確な測定ができない。したがつてセル本体の内
径はセンサ本体の外径よりある程度大きくなけれ
ばならない。通常0.5mm以上の〓間があれば血流
が乱されることなく正確に血液成分が測定でき
る。

該セル本体１５の先端に設けられたカテーテル
装着部１６はカテーテル１９が接続される部分で
あり、外径はカテーテルの内径と一致させなけれ
ばならない。またカテーテル１９とカテーテル装
着部１６の連結を確実にするため回転ロツク２０
を設けることが好ましい。またカテーテル装着部
１６の内径はセンサ本体のチユーブ１１の外径よ
り小さくすることにより血液吸引量を減少させる
ことができる。

（作用） 本考案のセルは、センサ部材をセル本体内に収
納することにより、センサ部材の破損を防止でき
るとともに、カテーテルと結合する部分の空胴を
細くし、センサ感応部分のみに空〓をつくること
により、センサの応答性をよくし、しかも逆流す
る血液量を最小に抑えることができる。

（考案の効果） 以上のように本考案の血液成分測定用セルは、
センサ部材の破損がなく、かつ血液逆流量が小さ
いにもかかわらず精度よく血液中の化学物質量を
モニタリングすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の血液成分測定用セル断面図で
あり、第２図は本考案のセルに収納するセンサ部
材の断面図であり、第３図は従来のセルの断面図
である。 Ａ……センサ部材、Ｂ……セル、１０……化学
成分感応センサ、１１……チユーブ、１２……感
応部、１３……リード線、１４……樹脂、１５…
…セル本体、１６……カテーテル装着部、１７…
…分岐、１８……コネクタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化学成分感応センサの感応部をチユーブ先端か
   ら突出させてチユーブ内に収納し、該センサの少
   くともリード線接続部とチユーブ内壁間に樹脂を
   充填してチユーブ先端を閉塞したセンサ部材を、
   輸液導入管が接続される分岐を有する筒状のセル
   本体内に収容するとともに、該セル本体の先端
   に、内径がセンサ部材のチユーブ外径より小径の
   カテーテル装着部を一体に設け、かつ後端にリー
   ド線が接続されたコネクタ部材を液密に螺嵌した
   ことを特徴とする血液成分測定用セル。