JPH0243751Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は筆記兼用線引具における抜け防止装置
に関するものである。

従来の比種線引具は第１図に示すように構成し
ていた。即ち、外筒Ａを３段階の径の異なる円筒
状に形成し、最上段を最大径のインク溜部１、中
段を中間径の作動部２、下段を小径の筆記部３と
する。インク溜部１は上方を開放し作動部２と接
続する内面にはテーパー部４を設けてインクを円
滑に流下させるようになつており、外側には接続
部に段部５を設けて、図示を省略したコンパス或
いはペン軸に設けたアタツチメントで作動部２を
掴持した際に落下しないようになつている。又、
作動部２の内面と筆記部３の内面である流下孔６
との接続部もテーパー状に形成してインク停止部
７を構成する。そして、筆記部３の外径は所定の
太さを画くに必要な外径に形成する。 一方、イ
ンク停止具Ｂは、外筒Ａ内に挿入されるようにな
つている。即ち、下端に流下孔６内に位置して端
部を筆記部３から突出させるようになつている針
部８を設け、針部の上面に、前記インク停止部７
に当接してインクの流下を阻止するテーパー状の
流下阻止面９を設けた流下阻止部１０を作動部２
の内部に間隙を有するように位置させ、流下阻止
部１０の上面に連結棒１１を介して重り１２を接
続している。

前記従来の線引具はインク溜部１内にインクを
充填すると、表面張力によりインクは外部に漏れ
ないようになつている。そして、重り１２と流下
阻止部１０の重量で流下阻止面９がインク停止部
７に当接してインクの流下を阻止している。

この状態で筆記或いは線引きを行う際には、針
部８を紙面に当接すると、インク停止具Ｂが上昇
し、インク停止部７から流下阻止面９が離れ、イ
ンクが流下できるようになり、インクは流下孔６
内を流下して筆記部３の外径に応じた太さの文字
或いは線を画く。

前記線引具において、細い線を画くものについ
ては針部８が非常に細いものになるため、インク
停止具Ｂが外筒Ａから抜けると、針部８を曲げた
りして再び挿入できなくなる事故が発生したた
め、Ｕ字形をしたクリツプＣをインク溜部１の外
壁に嵌合して、逆にした際にインク停止具Ｂが抜
け落ちないようにしていた。

ところが、クリツプＣはインク内に位置するこ
とになり、毛細管現象によりインクが外部に漏れ
る欠点がある。

又、太い線を画くものにおいては針部８が太く
なるため、インク停止具Ｂの全重量が大となり、
前記のクリツプＣではインク停止具Ｂの抜け出し
を阻止することができない。それ故、逆にした際
インク停止具Ｂが抜け出し、インクは表面張力を
なくしてインク溜１から外部に流出し、紙面を汚
す事故が発生する。

そこで、本考案においては毛細管現象によりイ
ンクが漏れるようなことかなく、逆にしてもイン
クが流出することがない筆記兼用線引具を提供す
るのが目的である。

本考案の構成を第２図以下に示す実施例に基き
詳細に説明すると、第３図に示すように、インク
溜部１の内径よりもやゝ大きい径を有する落下阻
止盤１３にＵ字形をした挿入孔１４を設けて連結
棒１１を挿入できるように形成し、挿入孔１４の
両側周面に直線部１５，１５′を設けて弾性板で
形成した矩形状の脚部１６，１６′をやゝ外側を
向くように上方に突出させた落下阻止部材Ｄを設
ける。

前記の落下阻止部材Ｄを第２図に示すように、
挿入孔１４にインク停止具Ｂの連結棒１１を挿入
してインク溜部１内に挿入すると、テーパー部４
にて停止し、落下阻止盤１３が内径よりやや大き
いので、摩擦により強固に固定され、更に両脚部
１６，１６′の弾力により強固に取付けられる。

他は全て従来と同一なので同一符号を付し説明
を省略する。

本実施例は前記のように構成したもので、第２
図で示す状態において、インク溜部１内にインク
を充填すると、インクは落下阻止部材Ｄの挿入孔
１４を通つて流下阻止部１０と作動部２間に流入
し、流下阻止面９のインク停止部７への当接によ
り密閉状態になり、インクの流出を阻止してい
る。

筆記又は線引きを行う際には従来と同様に、針
部８を紙面に当接することによつてインク停止具
Ｂを上昇させ、所定の文字等を画く。

又、全体を逆にして持つと、インク停止具Ｂは
移動するが、流下阻止部１０が落下阻止部材Ｄの
落下阻止盤１３に当接され、抜け落ちを阻止す
る。又、インクは表面張力により流出が阻止され
る。

尚、前記実施例においては落下阻止盤１３を円
形に形成するように説明したが、円形に限定する
ものではなく、各種の形状のものを用いることが
できる。

本考案は前記のような構成、作用を有するもの
で、両側の脚１６，１６′がインク溜部１の内面
に弾力的に接触することにより落下阻止部材Ｄを
固定することができる。そして、両脚１６，１
６′により落下阻止盤１３を傾斜させることなく
固定することができる。

落下阻止部材Ｄは強固に固定されているので逆
にした際にインク停止具Ｂが抜け出すのを完全に
阻止することができ、インクの流出を防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の筆記兼用線引具の縦断面図、第
２図は本考案に係る筆記兼用線引具における抜け
防止装置の一実施例の断面図、第３図は落下阻止
部材の斜視図を夫々示す。 尚、図中１はインク溜部、２は作動部、３は筆
記部、８は針部、１０は流下阻止部、１１は連結
棒、１２は重り、１３は落下阻止板、１４は挿入
孔、１６，１６′は脚、Ａは外筒、Ｂはインク停
止具、Ｄは落下阻止部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上段に大径のインク溜部１、中段に中間径の作
   動部２、下段に小径の筆記部３を設けた円筒状の
   外筒Ａ内に、上から順次重り１２、連結棒１１、
   流下阻止部１０、針部８を設けたインク停止具Ｂ
   の針部８を筆記部３内に挿入し流下阻止部１０を
   作動部２内に下面が作動部２の内面に当接するよ
   うに挿入した筆記兼用線引具において、前記連結
   棒１１を挿入する挿入孔１４を一端が開放された
   状態で設けた落下阻止盤１３の両側上面に弾力性
   の脚１６，１６′を突設した落下阻止部材Ｄを、
   脚１６，１６′がインク溜部１の内面に当接する
   ように嵌合固定して成る抜け防止装置。