JPH0240960B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はガトリング形銃、更に具体的に言え
ば、銃身の回転子のいずれかの回転方向でも発射
することが出来る銃に関する。

米国特許第125563号には、古典的な現代の回転
形バツテリー銃が示されている。不動のハウジン
グが回転子集成体を囲んで支持しており、この回
転子集成体は複数個の銃身及び同じ数の遊底を持
つている。各々の遊底はそれ自身の撃針及び主ば
ねを持つている。回転子が不変の方向に回転する
時、各々の遊底がハウジング内の不動の楕円形カ
ム軌道により、縦方向に往復する。遊底が前向き
に移動する時、その撃針はハウジングに設けられ
た不動のカム軌道によつて後部に捕捉され、遊底
と銃身が発射位置に達するまで主ばねを圧縮し、
この位置に達した時、不動のカム軌道が撃針を解
放し又は逆鉤をかける。

更に現代のガトリング形銃が米国特許第
3380341号、同第3611871号、及び同第3738221号
に記載されている。このいずれの銃でも、回転子
は不変の方向に回転する。

A10型航空機に搭載するGAU―８型銃では、
回転子が一方向に回転する時に弾丸を発射し、そ
の後反対向きに回転して、発射しなかつた弾丸を
取払つて供給コンベヤに戻す様になつている。
GAU―８型銃で使うのに適した発射／安全カム
が、係属中の米国特許出願通し番号第58359号に
記載されている。

昭和57年２月２日付特許願(3)（米国特許出願第
230250号）には、いずれの回転方向にも駆動して
発射することの出来る銃が記載されている。この
特許出願では、発射／安全カムが３つの位置を持
つ。１つの位置では一方の回転方向で発射が出来
る様にし、別の位置では反対の回転方向で発射が
出来る様にし、更に別の位置では、いずれの向き
に回転する時も発射しない様に安全作動をする。
これらの位置が２つのくさび要素によつて制御さ
れる旋回要素によつて達成される。

この発明の目的はいずれの回転方向にも駆動し
て発射することの出来るガトリング形銃に対する
改良された発射／安全カムを提供することであ
る。

この発明の特徴は、一方の回転方向で発射が出
来る様にする位置、他方の回転方向で発射が出来
る様にする別の位置、及び回転子のいずれの回転
方向でも発射が出来ない様にする別の位置の、３
つの位置を持つ発射／安全カム集成体を持つガト
リング形銃を提供することである。これらの作用
は、独立に作動される２つのカム要素と、該カム
要素の夫々の位置の関数として作動される連続体
要素によつて行われる。

この発明の上記並びにその他の目的、特徴及び
利点は、以下図面について説明する所から明らか
になろう。

第１図に示す銃は係属中の米国特許出願通し番
号第137704号に記載されている形式のものであ
る。これは昭和57年２月２日付特許願(4)（米国特
許出願通し番号第230564号）に記載されている様
な２重給弾装置を含んでいる。銃は、A10型航空
機でGAU―８／Ａ型銃に利用される流体圧力装
置、又は米国特許第4046056号に記載されている
様な装置の様な適当な手段によつて両方向に駆動
することが出来る。

この代りに、係属中の米国特許出願通し番号第
213243号に記載されている様な電気装置を用いて
もよい。普通、この駆動が銃の回転子に固定され
たリング歯車に加えられる。こういう装置では、
銃が一方の方向に駆動されると発射し、反対方向
に駆動されると残弾を除去する。夫々の方向で駆
動並びに発射する制御装置の変更は容易に明らか
であると思われる。ここで説明しなかつた構造に
ついては、上に挙げた文献を参照されたい。

銃がハウジング１０を含み、この中に回転子１
２が軸支されている。回転子は複数個の銃身１４
と同じ数の遊底１６とを持つが、図ではこれを５
個として示してある。

各々の遊底は回転子に固定された軌道上に配置
されている。各々の遊底１６はローラを持ち、こ
のローラがハウジング１０内の螺旋形カム軌道に
のつかることにより、回転子が銃の縦軸線の周り
に回転すると、各々の遊底がその軌道上で前後に
往復動する。各々の遊底は夫々の主ばねを持つ撃
針を有する。各々の撃針は夫々撃鉄ピン２２を持
ち、これが銃の遊底の本体内に設けられた溝孔の
中から直立している。

安全及び発射機構が、ハウジングの中の横方向
に伸びる溝孔に固定されている。

安全及び発射機構が主枠３０を含み、これがハ
ウジングの溝孔の中に配置されていて、枠の孔を
通抜けてハウジングのねじ孔にはまる３本のボル
トによつて固定されている。

主枠３０がこの溝孔を通抜け、カム部分を持つ
ている。このカム部分は、右側カム面３４、左側
カム面３６、及び中央の切欠き３８を持ち、この
切欠きが後壁４０、右側壁４２及び左側壁４４を
持つている。

右側クランク・アーム４６がピン４８によつて
主枠３０に粋着されていて、尾部５０がピン５２
により、ソレノイド５６の作動子５４に接続され
ている。作動子は螺旋形圧縮ばね５８によて偏圧
されている。右側クランクアームの頭部６０がカ
ム面６２を持つている。ソレノイドのばねが普通
はクランクアームを第２図に示す上側位置へ偏圧
し、この為、頭部６０はカム部分から上向きに隔
たつている。ソレノイド５６が付勢されると、ク
ランクアームが第４図に示す下側位置へ押出さ
れ、この為カム面６２がカム面３４と環状に整合
する。

左側クランクアーム６４がピン６６によつて主
枠３０に粋着されていて、尾部６８がピン７０に
よつてソレノイド７４の作動子７２に接続され
る。この作動子は螺旋形圧縮ばね７６によつて偏
圧されている。左側クランクアームの頭部７８が
カム面８０を有する。ソレノイドのばねが通常は
クランクアームを上側位置へ偏圧し、この為頭部
７８はカム部分３６から上側に隔たつている。ソ
レノイドが付勢されると、クランクアームが下側
位置に押され、この為カム面８０がカム面３６と
環状に整合する。

右側てこ８４がピン８６によつて主枠３０に粋
着され、右側部分８８は右側カム溝孔９０を持
ち、左側部分９２は左側カム溝孔９４を持つてい
る。

左側てこ９６がピン９８によつて主枠３０に枢
着され、左側部分１００に左側カム溝孔１０２が
あり、右側部分１０４に右側カム溝孔１０６があ
る。

安全ゲート１０８が主枠３０の切欠き１１０に
一部分配置されている。このゲートの上側部分に
は、溝１１４の中を摺動すると共に右側てこ８４
のカム溝孔９４内に配置されるカム従動体１１６
を持つ右側アーム１１２と、溝１２０内を摺動す
ると共にカム溝孔１０６に配置されたカム従動体
１２２を持つ左側アーム１１８とがある。ゲート
の下側部分にカム面１２３がある。

右側クランクアーム４６がカム駆動子１２４を
持ち、これが右側てこ８４のカム溝孔９０内に配
置されていて、アームが枢軸４８の周りに揺動す
る時、右側てこをその枢軸８６の周りに揺動させ
る様に作用する。

左側クランクアーム６４が左側てこ９６のカム
溝孔１０２内に配置されたカム駆動子１２６を持
つていて、アームがその枢軸６６の周りに揺動す
る時、左側てこをその枢軸９８の周りに揺動させ
る様に作用する。

右側ソレノイド５６が脱勢されると、ばね５８
がクランクアームを時計廻りに偏圧し、カム面６
２が上側に移動して、カム面３４と環状に整合し
なくなる。カム駆動子１２４が右側てこを反時計
廻りに旋回させ、これが安全ゲート１０８の右側
部分１１２を一緒に連行するので、カム面１２３
の右側部分が銃の縦軸線に沿つて、切欠き３８の
後壁４０から遠のき、カム面３４と横方向に整合
する。

左側ソレノイド７４が脱勢されると、ばね７６
がクランクアームを反時計廻りに偏圧して、カム
面８０が上側に来て、カム面３６と環状に整合し
なくなる。カム駆動子１２６が左側てこ９６を時
計廻りに旋回させ、これが安全ゲート１０８の左
側部分１１８を連行するので、カム面１２３の左
側部分が銃の縦軸線に沿つて切欠き３８の後壁か
ら遠のき、カム面３６と横方向に整合する。

この為、両方のソレノイド５６，７４が脱勢さ
れると、両方のカム面６２，８０が上側に来て、
カム面１２３がカム面３４，３６と横方向に環状
に整合し、その間の連続部を形成する。これは集
成体の安全位置である。回転子が反時計廻りに回
転すると、各々の遊底が順次カム作用によつて前
側に押出され、その撃鉄ピン２２がカム面３４に
のつかり、漸進的に主ばねを圧縮する。然し、撃
鉄ピンは引続いてカム面１２３にのつかり、その
後カム面３６へのつかる。回転子が引続いて反時
計廻りに回転すると、遊底はカム作用によつて漸
進的に後向きに移動し、その撃鉄ピン２２が漸進
的に主ばねを解放する。撃鉄ピンがカム面３６を
離れる時、主ばねが一杯に解放されるが、発射は
しない。同様に、回転子が時計廻りに廻る時、
各々の遊底の撃鉄ピン２２がカム面３６にのつか
り、漸進的にその主ばねを圧縮し、カム面１２３
を渡つてカム面３４にのつかり、漸進的に主ばね
を解放するが、発射はしない。

右側ソレノイド５６が付勢され、左側ソレノイ
ド７４が脱勢された時、カム面６２は下に来て、
カム面３４と環状に整合するが、カム面８０はカ
ム面３６から上側に離れている。更に、カム面１
２３の右側部分が後壁４０に隣接し、切欠き３８
の右側壁４２を露出するが、カム面１２３の左側
部分は後壁４０から隔たつていてカム面３６と横
方向に環状に整合する。これが集成体の反時計廻
りの発射位置である。回転子が反時計廻りに回転
すると、各々の遊底が順次カム作用によつて漸進
的に前側に移動し、その撃鉄ピン２２がカム面に
のつかり、漸進的に主ばねを圧縮する。回転子が
引続いて反時計廻りに回転すると、撃鉄ピンがカ
ム面６２にのつかり、更に漸進的に主ばねを圧縮
し、遂には撃鉄ピンがカム面６２から離れ、切欠
き３８に下降し、こうして圧縮された主ばねが解
放されることによつて撃針を作動する。撃鉄ピン
はカム面１２３の右側部分に達するまで下降し、
その後カム面１２３にのつかり、最後にはカム面
１２３の左側部分から離れてカム面３６にのつか
る。この移動中、撃鉄ピンが撃針を引込め、再び
漸進的に主ばねを圧縮する。回転子が反時計廻り
の回転を続けると、遊底はカム作用によつて漸進
的に後側に移動し、撃鉄ピン２２は徐々に主ばね
を解放する。銃が逆方向の残弾除去動作様式にな
る場合、逆方向に回転する前に、銃が一時的に停
止している間、ソレノイドを脱勢する。これによ
つてカム面６２が上へ移動し、カム面１２３の右
側部分がカム面３４と横方向に環状に整合する様
に移動する。この時集成体は前に述べた安全位置
にある。撃鉄ピン２２がこの時カム面１２３上に
あれば、これは単に銃の軸方向に沿つてカム面１
２３の右側部分と共に移動するだけであり、主ば
ねを圧縮する。この時撃鉄ピン２２がカム面６２
上にあれば、それはカム面６２から下降してカム
面３４にのつかる。このカム面は、撃針を発射に
十分な程解放しない。

左側ソレノイド７４が付勢され、右側ソレノイ
ド５６が脱勢された時、事情は上に述べた場合の
鏡像関係になる。これが集成体の時計廻りの発射
位置である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を実施した銃の斜視図、第２
図は第１図の銃の横断面図で、安全位置にある発
射／安全カム集成体を示す。第３図は第２図の集
成体の平面図、第４図は第２図の詳細図で、反時
計廻りの発射位置にある発射／安全カム集成体を
示す。第５図は第４図の集成体の平面図、第６図
は第４図の集成体の細部の断面平面図、第７図は
第６図と同様な断面平面図であるが、時計廻りの
発射位置にある発射／安全カム集成体を示してい
る。 主な符号の説明、１０：ハウジング、１２：回
転子、１６：遊底、２２：撃鉄ピン、４６，６
４：右側及び左側クランクアーム、６２，８０：
カム面、８４，９６：右側及び左側てこ、１０
８：安全ゲート、１２３：カム面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 縦軸線を持つハウジング１０と、 前記縦軸線の周りに時計廻り及び反時計廻りに
   回転する様に軸支された回転子１２と、 該回転子に支持されていて、撃針及び撃鉄ピン
   ２２が結合されている遊底１６と、 前記ハウジングに結合されていて、前記回転子
   の時計廻りの回転の間、前記撃鉄ピンを発射準備
   位置にして撃針を作動する第１の位置、前記回転
   子の反時計廻りの回転の間、前記撃鉄ピンを発射
   準備位置にして前記撃針を作動する第２の位置、
   及び前記回転子の回転中、撃鉄ピンが撃針を作動
   することを防止する第３の位置を持つ発射及び安
   全用カム手段とを有し、 該カム手段は、 前記ハウジングに対して固定された２つのカム
   面３４，３６と、 独立に作動され、該２つの固定カム面に夫々隣
   接配置しうる２つのカム要素６２，８０と、 該２つの固定カム面の間に配置され前記２つの
   カム要素に作動的に連結された安全ゲート１０８
   とを有し、 いずれか一方の前記カム要素が作動され固定カ
   ム面に隣接した時、該安全ゲートは前記カム要素
   と協働して前記撃鉄ピンの下降且つその後の漸進
   的な上昇を作り、両方の前記カム要素が作動され
   ない時、前記固定カム面の間に連続部を作るガト
   リング形高速銃。