JPH0239935B2 - Pipetsutochitsupushunokeesu - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ピペツトチツプ収納ケースに係り、
詳しくは、例えば医学分野における血液検査とか
各種の理科学実験等において、血液や試薬等の定
量吸引および排出を行うために、ピペツト装置本
体に装着されて使用されるピペツトチツプを多数
収納するためのケースに関する。

〔従来の技術〕

この種のピペツトチツプ収納ケースとしては、
従来、第７図の全体外観斜視図および第８図の縦
断面図に示すような構成の輸入品が使用されてい
た。

即ち、そのピペツトチツプ収納ケースは、不透
明な合成樹脂材料製の下部開口型箱状体の上板部
ａにピペツトチツプ（ここでは図示せず）を挿入
して支承させるための孔ｂ…を多数（この例では
８列×12列＝96個）形成して成るピペツトチツプ
支持台Ａの該下部開口部に、不透明または半透明
な合成樹脂材料製の底蓋Ｂを嵌脱可能に装着する
と共に、前記ピペツトチツプ支持台Ａの上部に透
明または半透明な合成樹脂材料製の上蓋Ｃを装着
して構成されていた。

ところで、このピペツトチツプ収納ケースは、
第９図に示すように、前記各孔ｂ…にピペツトチ
ツプＰ…を上側から挿入して、その上部に形成さ
れたローレツト部ｒ…の下端段部（支持段部）に
おいて該ピペツトチツプＰ…を支持台Ａの上板部
ａにより支承させ、その状態でオートクレブ滅菌
処理を施した後、前記底蓋Ｂおよび上蓋Ｃを支持
台Ａに装着してから、紙箱（図示せず）等に収容
されて、ユーザーのもとへ出荷および運搬される
ものである。

そして、ユーザー側においては、第１０図に示
すように、紙箱等からそのピペツトチツプ収納ケ
ースを取り出して、上蓋Ｃを取り外してから、ピ
ペツト装置本体（ポンプ式マルチチヤンネルピペ
ツト）Ｄをその把手部ｃにおいて持ち、図中矢印
Ｙで示すように、先ず降下させて、その先端（下
端）に設けられた複数本（この例では８本）の先
細り状接続管部ｄ…を一列（この例では８個）の
ピペツトチツプＰ…の上端部のローレツト部ｒ…
内に一挙に密着挿入することにより、それらピペ
ツトチツプＰ…をピペツト装置本体Ｄに装着し、
次に、そのピペツトチツプＰ…装着済みのピペツ
ト装置本体Ｄを上昇させることにより、それらピ
ペツトチツプＰ…をピペツトチツプ収納ケースか
ら離脱させる。しかる後、それらピペツトチツプ
Ｐ…の先端を血液や試薬等が収容されたサンプリ
ングチユーブなどの容器（図示せず）内に挿入し
て、スイツチレバーｅを指で操作することによ
り、前記血液や試薬等の定量吸引を行つた後、そ
れら血液や試薬等を吸引済みのピペツトチツプＰ
…の先端を他のサンプリングチユーブなどの容器
（図示せず）内に挿入して、再び前記スイツチレ
バーｅを指で操作することにより、その吸引済み
の血液や試薬等の排出を行うのである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来構成のピペツトチツプ
収納ケースは、元来その価格が比較的高いもので
あることに加えて、その大きさの割に収納できる
ピペツトチツプの数が少ないために、また、収納
されたピペツトチツプを使い切つてしまつた後
で、そのケースを回収して再び新しいピペツトチ
ツプをセツトし直すことは非常に面倒であると共
にコストも多くかかる上、清潔保持の点でも問題
があることから、通常は使い捨てされるために、
相対的に非常に高価なものについて経済的に極め
て不利であるのみならず、大量のピペツトチツプ
の運搬や保存に広いスペースを必要とする、とい
う欠点があつた。

本発明は、上記した従来問題に鑑みてなされた
ものであつて、その目的は、大きさの割に非常に
多数のピペツトチツプを収納可能であると共に、
極めてシンプルで安価に構成でき、また、非常に
使用勝手の良いピペツトチツプ収納ケースを提供
せんとすることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

かかる目的を達成するために、本発明によるピ
ペツトチツプ収納ケースは、ピペツトチツプを上
方より挿入してその上部に形成されたローレツト
部の支持段部において該ピペツトチツプを支承さ
せるための孔が上板部に多数形成されている下部
開口型箱状体から成るピペツトチツプ支持用ラツ
クの複数個を、互いに嵌脱可能に、かつ、ピペツ
トチツプを上下方向にラツプする状態に収納可能
なように、上下方向複数段に重ね合わせると共
に、その上下複数段のピペツトチツプ支持用ラツ
ク群のうち、最下段のラツクを上部開口型箱状体
から成る基台の該上部開口部に嵌脱可能に連結
し、また、最上段のラツクの上部に下部開口型箱
状体から成る上蓋を嵌脱可能に装着してある、と
いう特徴を備えている。

〔作用〕

上記特徴構成により発揮される作用は下記の通
りである。

即ち、上記本発明によるピペツトチツプ収納ケ
ースによれば、後述する実施例の記載からも一層
明らかとなるように、基台と上蓋との間に、上下
方向複数段に重ね合わせられたピペツトチツプ支
持用ラツクを備えているから、１個のケースに非
常に多くのピペツトチツプを収納でき、しかも、
それら複数個の支持用ラツクは、ピペツトチツプ
を上下方向にラツプする状態に収納可能なように
配置されているから、支持用ラツクの段数の割に
ケース全体の高さを可及的に低く抑え得て、極め
てコンパクトなピペツトチツプ収納ケースを構成
できる。つまり、換言すれば、ピペツトチツプ収
納ケースの大きさの割に非常に多数のピペツトチ
ツプを収納可能となり、従つて、１個のピペツト
チツプ収納ケースの相対的に価格を従来に比べて
格段に安価で経済性有利なものにできると共に、
大量のピペツトチツプの運搬や保存に要するスペ
ースも小さくて済むようになつた。

また、本発明のピペツトチツプ収納ケースは、
その構成部品点数そのものは比較的多いけれど
も、前記複数個のピペツトチツプ支持用ラツクは
全て同じ形状に構成でき、また、前記基台と上蓋
とを互いに上下対称な形状（つまり同じ形状）に
構成できるので、結局二種類の形状の構成部品を
組み合わせるだけでよく、従つて、絶対的な製造
コストをも極めて安価とすることができる。

更に、前記複数個のピペツトチツプ支持用ラツ
クを互いに嵌脱可能に構成してあるから、上段の
ピペツトチツプから順次使用してゆくことによ
り、ひとつのピペツトチツプ収納ケースについて
長時間交換の必要無く作業が行えるし、また、前
記のように基台と上蓋とを互いに上下対称な（同
一）形状に構成しておいて、その上蓋を反転設置
して基台として兼用使用するとか、あるいは、前
記支持用ラツクに対応する専用のラツクスタンド
を別途用意しておけば、前記複数段のピペツトチ
ツプ支持用ラツクを二以上の複数組に分配できる
ので、ひとつのピペツトチツプ収納ケースに収納
されたピペツトチツプを複数の作業者で同時に使
用できる、といつたように目的に応じて種々の便
利な使い方が可能で、非常に使い勝手に優れたも
のにできる。

〔実施例〕

以下、本発明の具体的実施例を図面（第１図な
いし第６図）に基いて説明する。

第１図は、本発明に係るピペツトチツプ収納ケ
ースの第１実施例を示し、図において、１は透明
または半透明な合成樹脂材料（例えばポリプロピ
レンなど）で構成された上部段付き開口型箱状体
から成る基台であり、２は同じく透明または半透
明な合成樹脂材料で構成された下部段付き開口型
箱状体から成る上蓋であり、これら基台１と上蓋
との間に次のように構成された上下複数段のピペ
ツトチツプ支持用ラツク群３が介装されている。

即ち、そのピペツトチツプ支持用ラツク群３
は、夫々がやはり透明または半透明な合成樹脂材
料で構成された上部周囲段付きで下部開口型の箱
状体から成り、図中想像線で示すようにピペツト
チツプＰ…を上方より挿入してその上部に形成さ
れたローレツト部ｒの支持段部において該ピペツ
トチツプＰ…を支承させるための孔４…が上板部
５に多数（この例では８列×12列＝96個）形成さ
れている複数個（この例では５個）のピペツトチ
ツプ支持用ラツク３₁，３₂，…，３₅を、互いに
嵌脱可能に、かつ、上下方向に並列するピペツト
チツプＰ…を上下方向にラツプする状態に収納可
能なように、上下方向複数段に重ね合わせたもの
であり、その上下複数段のピペツトチツプ支持用
ラツク群３のうち、最下段のラツク３₁が前記基
台１の上部開口部に嵌脱可能に連結され、また、
最上段のラツク３₅の上部に前記上蓋２が嵌脱可
能に装着される。

なお、前記複数個のピペツトチツプ支持用ラツ
ク３₁，３₂，…，３₅が互いに同一の形状に構成
してあり、従つて、このピペツトチツプ収納ケー
スは、その構成部品点数そのものは基台１、上蓋
２、５個のピペツトチツプ支持用ラツク３₁，３
_２，…，３₅と比較的多いけれども、実際は二種類
の形状の構成部品を組み合わせるだけで構成でき
るので、絶対的な製造コストが極めて安価で済む
ことになる。

また、前記上下複数段のピペツトチツプ支持用
ラツク群３において、隣り合うラツク３₁，３₂
（３₂，３₃）…同士の各上下間隔ｈ…を、図示す
るように、前記ピペツトチツプＰのローレツト部
ｒにおける支持段部よりも上方の高さと実質的に
等しくなるように構成しておけば、前記第１０図
により説明したような使用状態において、ピペツ
ト装置本体の降下により各ピペツトチツプ支持用
ラツク３₁，３₂，…，３₅の上板部５…が下向き
押し圧力を受けたときに、前記ピペツトチツプＰ
…のローレツト部ｒ…がその上板部５…を支持す
る補強部材として作用することになり、強度上非
常に有利である。

上記のように構成された本発明によるピペツト
チツプ収納ケースは、第２図に示すように、その
大きさの割に非常に多くのピペツトチツプＰ…を
収納でき、その状態でユーザーのもとへ出荷およ
び運搬される。即ち、前記第９図で説明した従来
構成のものの場合には１個のケースに８列×12列
＝96個のピペツトチツプしか収納できなかつたの
に比較して、上記本発明によるピペツトチツプ収
納ケースでは、ケース全体の高さが従来のものの
約２倍程度にすぎない極めてコンパクトなもので
ありながら、８列×12列×５段＝480個（つまり、
従来の５倍の数）のピペツトチツプＰ…を収容す
ることができ、従つて、１個のピペツトチツプ収
納ケースの相対的な価格に従来に比べて格段に安
価で経済性有利なものにできると共に、大量のピ
ペツトチツプＰ…の運搬や保存に要するスペース
も小さくて済むのである。

そして、前記複数個のピペツトチツプ支持用ラ
ツク３₁，３₂，…，３₅を互いに嵌脱可能に構成
してあるから、上段のピペツトチツプＰ…から順
次使用してゆくという使い方をすれば、ひとつの
ピペツトチツプ収納ケースについて長時間交換の
必要無く作業が行え、また、前記のように基台１
と上蓋２とが互いに上下対称な（同一）形状に構
成されているから、第３図に示すように、その上
蓋２を反転設置して基台として兼用するという使
い方をすれば、前記複数段のピペツトチツプ支持
用ラツク３₁，３₂，…，３₅を二組（例えば２個
と３個）に分配できるので、ひとつのピペツトチ
ツプ収納ケースに収納されたピペツトチツプＰ…
を複数の作業者で同時に使用でき、更に、第４図
イの縦断面図および第４図ロの底蓋を取り外した
底面図に示されているような、前記各ピペツトチ
ツプ支持用ラツク３₁，３₂，…，３₅に対応する
専用のラツクスタンド６（後で詳説する）を任意
の数別途用意しておけば、前記複数段のピペツト
チツプ支持用ラツク３₁，３₂，…，３₅をより多
くの複数組に分配できるので、ひとつのピペツト
チツプ収納ケースに収納されたピペツトチツプを
より多くの複数の作業者で同時に使用できるし、
一部のピペツトチツプ支持用ラツク３₁（３₂，…，
３₅）を一次的に保存しておける、といつたよう
に目的に応じて種々の便利な使い方が可能で、非
常に使い勝手がよい。

なお、前記第４図イ，ロに示したラツクスタン
ド６において、７は不透明な合成樹脂材料製の上
下部開口型箱状体から成るラツク支持台であつ
て、その内部には大まかな格子状の補強リブ８…
が形成されており、また、そのラツク支持台７の
下部開口部には不透明または半透明な合成樹脂材
料製の底蓋９が嵌脱可能に装着されると共に、ラ
ツク支持台７の上部には透明または半透明な合成
樹脂材料製の上蓋１０が装着されている。

第６図は第２実施例に係るピペツトチツプ収納
ケースを示し、各ピペツトチツプ支持用ラツク３
_１，３₂，…，３₅の上板部５…の下面側に格子状
の補強用リブ１１…を形成して、一層の強度保持
ならびに運搬時等におけるピペツトチツプＰ…の
横揺れ防止を図つたものである。その他の構成は
前記第１実施例のものと同様である。

なお、前記補強用リブ１１…は、各ピペツトチ
ツプ支持用ラツク３₁，３₂，…，３₅の上板部５
の上面側に形成してもよい。

また、上記第１実施例および第２実施例におい
ては、前記基台１、上蓋２および複数個のピペツ
トチツプ支持用ラツク３₁，３₂，…，３₅を全て
透明または半透明な合成樹脂材料で構成したもの
を示したが、そのうちの一部あるいは全部を不透
明な着色材料で構成しても差支え無い。

〔発明の効果〕

以上詳述したところから明らかなように、本発
明に係るピペツトチツプ収納ケースによれば、極
めてかつシンプルで安価に構成でき、しかも、そ
の大きさの割に非常に多数のピペツトチツプを収
納可能であり、従つて、１個のピペツトチツプ収
納ケースの相対的な価格を従来に比べて格段に安
価で経済性有利なものにできると共に、大量のピ
ペツトチツプの運搬や保存に要するスペースも小
さくて済み、更に、目的に応じて種々の便利な使
い方が可能で、非常に使い勝手が良く汎用性に富
む、という種々の優れた効果が発揮されるに至つ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本発明に係るピペツトチ
ツプ収納ケースの各種具体的実施例を示し、第１
図は第１実施例の縦断面図、第２図はその収納状
態の一部破断縦断面図、第３図はその一使用状態
例を説明するための全体縦断面図、第４図イは別
の使用状態例において用いられるラツクスタンド
の縦断面図、第４図ロはそのラツクスタンドの底
蓋を取り外した状態の底面図、第５図はそのラツ
クスタンドを利用した別の使用状態例を説明する
ための全体縦断面図、そして、第６図は第２実施
例の縦断面図である。また、第７図ないし第１０
図は本発明の技術的背景ならびに従来技術の問題
点を説明するためのものであつて、第７図は従来
構成のピペツトチツプ収納ケースを示す外観斜視
図、第８図はその縦断面図（第７図の−線矢
視図）、第９図はその収納状態の一部破断縦断面
図、そして、第１０図はその使用状態を説明する
ための一部断面全体正面図である。 Ｐ……ピペツトチツプ、ｒ……ローレツト部、
１……基台、２……上蓋、３……ピペツトチツプ
支持用ラツク群、３₁〜３₅……ピペツトチツプ支
持用ラツク、４……孔、５……上板部、ｈ……隣
り合うピペツトチツプ支持用ラツク同士の上下間
隔、１１……補強用リブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ピペツトチツプを上方より挿入してその上部
   に形成されたローレツト部の支持段部において該
   ピペツトチツプを支承させたるめの孔が上板部に
   多数形成されている下部開口型箱状体から成るピ
   ペツトチツプ支持用ラツクの複数個を、互いに嵌
   脱可能に、かつ、ピペツトチツプを上下方向にラ
   ツプする状態に収納可能なように、上下方向複数
   段に重ね合わせると共に、その上下複数段のピペ
   ツトチツプ支持用ラツク群のうち、最下段のラツ
   クを上部開口型箱状体から成る基台の該上部開口
   部に嵌脱可能に連結し、また、最上段のラツクの
   上部に下部開口型箱状体から成る上蓋を嵌脱可能
   に装着してあることを特徴とするピペツトチツプ
   収納ケース。 ２ 前記基台と上蓋とを互いに上下対称な形状に
   構成してある特許請求の範囲第１項に記載のピペ
   ツトチツプ収納ケース。 ３ 前記上下複数段のピペツトチツプ支持用ラツ
   ク群において、隣り合うラツク同士の上下間隔
   が、前記ピペツトチツプのローレツト部における
   支持段部よりも上方の高さと実質的に等しくなる
   ように構成してある特許請求の範囲第１項または
   第２項に記載のピペツトチツプ収納ケース。 ４ 前記各ピペツトチツプ支持用ラツクの上板部
   の下面側に格子状の補強用リブを形成してある特
   許請求の範囲第１項または第２項に記載のピペツ
   トチツプ収納ケース。 ５ 前記基台、複数個のピペツトチツプ支持用ラ
   ツクおよび上蓋を全て透明または半透明な合成樹
   脂材料で構成してある特許請求の範囲第１項ない
   し第４項の何れかに記載のピペツトチツプ収納ケ
   ース。