JPH0239280B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭で使用するアイロンのバイメ
タル装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、この種のサーモスタツト１は、第１図に
示すようにヒータ２で加熱されるベース３にバイ
メタル４とともに取付けられ、ベース３の温度上
昇により、バイメタル４が下方へ彎曲し、サーモ
スタツト１の接点５の開閉を行ない、温度制御す
る構造である。６はバイメタル４の支持板７にネ
ジ嵌合する調節子で一般的に黄銅等の加工しやす
い材料で形成される。８は調節子６先端に固定さ
れた碍子でサーモスタツト１との絶縁を保つため
セラミツク等で形成される。上記サーモスタツト
１と調節子６は充電部と非充電部の関係にあり、
アイロンの通電状態において金属製の調節子６の
下端とサーモスタツト１とのＡ寸法は、電気的に
絶縁される距離を確保する必要がある。

しかしながら、上記碍子８は調節子６に対して
咬めや接着等の方法で固定されるものであるが、
咬め時の強度のバラツキによつて碍子８の割れや
脱落が生じたり、また、接着力が不十分なために
碍子８が脱落するといつた問題が生じ、上記の必
要な絶縁距離Ａが確保できず、感電などに結びつ
く恐れがあつた。

また、碍子８と調節子６の嵌合部分に生じる〓
間によつて碍子８が傾くと、サーモスタツトとの
連係ポイントにズレが生じ、ベース温度の誤差が
大きくなつて正確な制御が行えないという問題が
あつた。

発明の目的 本発明は以上のような従来の欠点を解決したア
イロンのバイメタル装置を提供するものである。

発明の構成 本発明は上記目的を達成すべく、ヒータで加熱
されるベースと、このベース上に取付けたサーモ
スタツトと、前記ベースに一端が固定され、かつ
前記サーモスタツトの接点を開閉して前記ヒータ
への通電を制御するバイメタルとを備え、上記バ
イメタルには、その他端に取付けた支持板に調節
子を回動自在に取付けるとともに、前記調節子を
セラミツクで形成し、さらに、この調節子を前記
サーモスタツトに対して進退自在に連係させて、
前記サーモスタツトとの距離を調節可能にしたこ
とにより、安全性の向上と構造の簡素化、および
ベース温度の正確な制御が行えるようにしたもの
である。

実施例の説明 以下本発明の一実施例を添付図面にもとづいて
説明する。第４〜９図において、１０はヒータ１
１を有するベース、１２はこのベース１に取付け
たサーモスタツト、１３は上記ベース１に取付け
られたバイメタルで、加熱によつてベース１０側
へ彎曲する。１４はこのバイメタル１３に支持板
１５を介して取付けた調節子で、支持板１５に回
動自在に累合しており、バイメタル１３の彎曲動
作によつてサーモスタツト１２の接点１２ａを開
閉させるものである。上記調節子１４はセラミツ
クで作られており、ねじ部１６とこの調節子１４
を回転させるための頭部１７を有し、この頭部に
は調節子１４を回転させて調節するための凹部１
７ａが形成されている。セラミツクは一般的に
は、プレス、焼成工程を経て製品となる。又、焼
成工程における収縮率が極めて大きいため、ネジ
精度を要求される本発明のような場合は、焼成工
程後にネジ切りを行なうことが望ましく、精度の
よいネジが得られるためバラツキの少ない精密な
温度調節ができる。なお、セラミツクは硬くても
ろいため、第７図、第８図に示すようにネジ外径
とほぼ同等及び第９図のように大なる頭部１７を
設けることにより、有効断面積が大きくなり、調
節子頭部１７のカケを防止する上で一層効果的で
ある。また調節子１４は一体形成されるため、先
端部のフレもなく、温度バラツキが防止できる。
なお、実施例ではアイロンのバイメタル装置を用
いた例を示したが、固定部材に電気的絶縁性の要
求される部分に採用した場合に効果的であること
は云うまでもない。

発明の効果 以上のように本発明のアイロンのバイメタル装
置は、調節子をセラミツクで形成し、さらに、こ
の調節子を前記サーモスタツトに対して進退自在
に連係させて、前記サーモスタツトとの距離を調
節可能にしたことにより、金属製のねじ部に碍子
を咬めや接着等の方法で固定する必要がなくな
り、咬めや接着時の強度のバラツキによつて碍子
の脱落や割れが生じることもなく、充電部間の必
要な絶縁距離が確実に確保されて安全性の向上が
はかれ、かつ、構造も簡素化されるとともに、次
のようなアイロンのバイメタル装置特有の効果も
奏する。

すなわち、セラミツク製の調節子自体がサーモ
スタツトに対して進退自在に調節可能にしたもの
であるため、支持板に対して回転自在に取付けた
調節子の支持部と、サーモスタツトとの連携ポイ
ントのズレがなくなつて、ベース温度を正確に制
御することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例におけるアイロンの要部断面
図、第２図、第３図は従来例の調節子の拡大断面
図及び上面図、第４図は本発明のアイロンのバイ
メタル装置の一実施例を示す要部断面図、第５図
は同調節子の拡大断面図及び上面図、第６〜９図
は同調節子の他の実施例を示す拡大断面図及び上
面図である。 １０……ベース、１１……ヒータ、１２……サ
ーモスタツト、１３……バイメタル、１４……調
節子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヒータで加熱されるベースと、このベース上
   に取付けたサーモスタツトと、前記ベースに一端
   が固定され、かつ前記サーモスタツトの接点を開
   閉して前記ヒータへの通電を制御するバイメタル
   とを備え、上記バイメタルには、その他端に取付
   けた支持板に調節子を回動自在に取付けるととも
   に、前記調節子をセラミツクで形成し、さらに、
   この調節子を前記サーモスタツトに対して進退自
   在に連係させて、前記サーモスタツトとの距離を
   調節可能にしたアイロンのバイメタル装置。