JPH0234793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、プリント基板コネクタの接点の清掃
を行うためのクリーナに関する。

（従来技術及びその問題点） プリント基板コネクタは、プリント配線板を用
いての電子機器の内部実装方法の省力化、高密度
化の発達とともに普及してきており、特にカード
エツジタイプのものは小型で経済的であるため、
各種産業用電子機器、またはコンピユーターにお
ける電気的接続、特に最近においては、家庭用の
コンピユータやゲーム機におけるプログラムの入
つたROMカートリツジを本体に接続するための
コネクタとして広く用いられている。

ところで、コネクタの使用によつて、接触抵抗
の増大による接触不良がしばしば発生する。接触
抵抗は、集中抵抗と境界抵抗よりなるが、特に家
庭用に用いられる場合には、コネクタの取扱いに
ついての専門知識を持たない者が接点を汚してし
まうことが多く、そのため境界抵抗の増大による
接触不良トラブルが多く発生している。これを防
止するためには、接点を清掃するのが効果的であ
るが、従来においては、メスコネクタとオスコネ
クタの両方を容易に且つ効率よく清掃できて、し
かも多数回の使用に供し得る適当なクリーナは実
現されていない。

例えば、実開昭57−17086号にはコネクタ用清
掃具として平面板の端部に固定したフエルト部分
をコネクタ内に挿抜して清掃するものが提案され
ているが、このような清掃具ではメスコネクタし
か清掃できない以上、その清掃においてもせいぜ
い数回程度の使用によつて上記フエルト部分が汚
れてしまい、最早それ以上使用できなくなるとい
う難点があり、極めて不経済である。

（問題点を解決するための技術的手段） 本考案は、上述の問題点に鑑み、カードエツジ
タイプのコネクタのように、多数の接点が一列に
並んだ状態のオスおよびメスコネクタの清掃のた
めの、取扱いが容易である上に多数回の使用に耐
え、且つ構造簡単なクリーナを提供することを目
的としている。

上記目的を達成する技術的手段として、本考案
のプリント基板コネクタは、略四角形状の本体２
ａと該本体２ａから突出する突出部２ｂとからな
る薄板状の基板２に、無端状の布状清掃具３が前
記本体２ａの少なくとも一つの端縁部５を包含し
て摺動回転可能に巻き付けられており、前記突出
部２ｂにスポンジーな補助清掃具７が当該突出部
２ｂに嵌着される取着用ソケツト６を介して着脱
可能に取着されてなる構成を採用したものであ
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図および第２図において、クリーナ１は、
略四角形状の本体２ａと本体２ａから突出する突
出部２ｂとからなる薄板状の基板２に、吸湿性を
有する布状清掃具３が本体２ａに摺動回転可能に
無端状に巻き付けられている。基板２は、例えば
金属板、プラスチツク板、積層板などにより一体
に形成され、上述の布状清掃具３が基板２の端縁
部４，５間に若干緊張した状態で張られている。
布状清掃具３は、これに適当な洗浄用の液を浸み
込ませ、コネクタ等の接触部分（接点）の汚れを
拭き取つて清掃するためのもので、織布、不織
布、紙、またはセム皮などよりなる。そして布状
清掃具３を基板２に巻き付けた状態で、クリーナ
１の厚さが通常用いられるプリント基板の厚さと
ほぼ同じになつている。上述した突出部２ｂ，２
ｂには、合成樹脂製の取着用ソケツト６を介して
フエルト、不織布その他清掃用に適したスポンジ
ーな補助清掃具７が着脱可能に取着されている。
上記ソケツト６は、具体的には第３図に示すよう
に扁平な角筒状本体６ａの中央部に隔壁６ｂを設
け、該隔壁６ｂを挟んで一方側の幅狭な中空部６
ｃを前記突出部２ｂに着脱可能に若干弾性をもた
せて挿入すると共に、他方側の若干幅広な中空部
６ｄに略直方体状の補助清掃具７を同じく着脱可
能に挿入するようになつている。この場合それぞ
れの中空部内壁に小突起６ｅ，６ｆを突設し、前
記突出部２ｂに設けた係合孔２ｃを小突起６ｅに
係合させ、また前記保持清掃具７の弾性を利用し
てこれを小突起６ｆに係合させることによつて若
干抜け難くすることが好ましい。

上述のように構成されたクリーナ１は、第４図
に示すように、布状清掃具３の先端縁部３ａ付近
に洗浄液８を浸み込ませた後、その先端縁部３ａ
を清掃を要するメスコネクタ９に挿入し、そして
抜去し、または挿入および抜去を数回繰返す。こ
れによつて、メスコネクタ９の接点の汚れが拭き
取られ、清掃が行われる。布状清掃具３の先端縁
部３ａが汚れた場合には、布状清掃具３を基板２
に対して摺動させながら回転させ、該清掃具３の
新しい部分が先端縁部３ａとなるようにする。こ
れによつて、布状清掃具３のほぼ全面を清掃のた
めに用いることができ、クリーナ１を多数回にわ
たつて使用することができる。また、布状清掃具
３の位置に応じて予備清掃用、仕上げ清掃用と定
めておき、メスコネクタの汚れの状況に応じて布
状清掃具３を回転させて使用してもよい。一方、
補助清掃具７は、ここに洗浄液８を浸み込ませ、
カードエツジ（すなわちオスコネクタ）を清掃す
るために使用するもので、ある程度の幅を有して
いるため、清掃を早く確実に行うことができる。

上述のように、このクリーナ１によると、従来
は非常に困難であつたメスコネクタ９の接点の清
掃が容易に確実に行われる。しかもこのクリーナ
１により、オスおよびメスのコネクタを清掃する
ことができて非常に便利であり、しかも構造が簡
単であつて経済的である。

上述の実施例において、布状清掃具３は本体２
ａの両端縁部４，５間に巻き付けたが、第５図に
示すように本体２ａの適当箇所に横方向のスリツ
ト溝１０を設け、このスリツト溝１０と端縁部５
間に巻き付けてもよい。第１図〜第４図に示す実
施例にあつては基板本体２ａ両側に設けた突出部
２ｂ，２ｂに補助清掃具７，７を取着するように
しているが、勿論一方側にのみ突出部２ｂを設
け、これに補助清掃具７を取着するようにしても
よく、また第５図に示すように基板本体２ａの端
縁部４に突出部２ｂを設け、これに補助清掃具７
を取着するようにしてもよい。補助清掃具７は突
出部２ｂに対し単独もしくはソケツト６と共に着
脱可能になつているため、これが汚損すれば勿論
取り換えることができ、また被清掃個所に障害物
があつて基板２が邪魔になる場合には、補助清掃
具７を突出部２ｂから取り外し、該清掃具７だけ
で清掃作業をすることも可能である。

（考案の効果） 本考案のクリーナによれば、基板の本体に巻き
付けた無端状の布状清掃具と突出部に取着したス
ポンジーな補助清掃具とを利用して、カードエツ
ジタイプのオスおよびメスのコネクタの清掃を容
易且つ確実に行うことができる。特にメスコネク
タの清掃においては、布状清掃具を回転させるこ
とによつて該清掃具を全長にわたつて有効に使用
できるから、多数回の清掃に供することができ
る。一方、補助清掃具も取着用ソケツトを介して
基板に対して着脱可能であるから、汚損すれば簡
単に新しい清掃具と取り換えることができ、また
狭い被清掃個所にあつては補助清掃具のみを基板
から脱出させて使用することができ実用的であ
り、しかも構造が簡単であつて安価に製造でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はクリー
ナの正面図、第２図は第１図の−線断面矢視
図、第３図は補助清掃具の取着部分の拡大横断面
図、第４図はクリーナの使用状態を示す斜視図、
第５図はクリーナの他の実施例を示す正面図であ
る。 １……クリーナ、２……基板、２ａ……本体、
２ｂ……突出部、３……布状清掃具、５……端縁
部、６……取着用ソケツト、７……補助清掃具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略四角形状の本体と該本体から突出する突出部
   とからなる薄板状の基板に、無端状の布状清掃具
   が前記本体の少なくとも一つの端縁部を包含して
   摺動回転可能に巻き付けられており、前記突出部
   にスポンジーな補助清掃具が当該突出部に嵌着さ
   れる取着用ソケツトを介して着脱可能に取着され
   てなるプリント基板コネクタ用クリーナ。