JPH0234204Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、瓶口に螺着され、この瓶口を封止
するキヤツプに関するものである。

「従来の技術」 従来、炭酸飲料水等が注入された瓶の口を封止
するキヤツプには、特開昭57−68353号公報等に
記載されたように、パツキンを併用することによ
り高い気密性が得られる金属製キヤツプが広く使
用されており、例えば下記の構成のものが知られ
ている。

第４図に示すように、瓶口への装着前の金属製
キヤツプ１は、ほぼ有底円筒体状に成形されたキ
ヤツプ本体２と、このキヤツプ本体２の下端に複
数のブリツジ３…を介して一体に形成されている
ピルフアープルーフリング（以下、PPリングと
略称する）４と、上記キヤツプ本体２の頂板部５
内に嵌着されている軟質ポリ塩化ビニル樹脂、エ
チレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン樹
脂等の軟質材料からなる薄肉円板状のパツキン６
とから構成されている。このキヤツプ１はそのキ
ヤツプ本体２の外周部分にねじ山は形成されてお
らず、次のようにして瓶口に装着される。

まず、搬送装置上を移動する瓶の口にキヤツプ
シユートによつて上記キヤツプ１を被せる。そし
て、第５図に示すように、キヤツピングマシン７
のプレツシヤーブロツク８によつてキヤツプ１を
瓶口９に押圧し、同プレツシヤーブロツク８によ
りキヤツプ１の頂板部５の周縁部５ａを押圧して
縮径するとともに、ロールオンローラー１０によ
つてキヤツプ１の周壁部１１に瓶口９の外周の雄
ねじ１２に対する雌ねじ１３を形成し、さらにピ
ルフアープルーフローラー１４によつてキヤツプ
１の下端部のPPリング４を瓶口９側へ巻き込む。
これによつて、上記キヤツプ１は、第６図に示す
ように、瓶口９に確実に装着されることになる。

「考案が解決しようとする問題点」 ところで、上記従来のキヤツプにおいては、下
記のような問題点があり、その解決が望まれてい
る。

上記したようにキヤツピングマシーン７によつ
て瓶口９にキヤツプ１を装着する時に、例えば瓶
が偶発的に揺動し、この瓶の内容物が、瓶口９か
ら外にあふれて、瓶口９の外周面とキヤツプ１の
内周面に付着することがある。このため、キヤツ
プ１の瓶口９への装着においては、多少の差はあ
るものの、内容物がキヤツプ１の内周面と瓶口９
の外周面とに付着することになる。そしてあふれ
出した内容物は、瓶口９の雄ねじ１２のねじ溝に
沿つて流下し、雄ねじ１２の下面部に溜まること
となる。そのため、内容物が炭酸飲料や果汁等の
糖分を多量に含むものである場合には、キヤツプ
装着後、あふれだした内容物がキヤツプ１と瓶口
９との間で乾燥し、その残存糖分が接着剤のよう
に作用し、キヤツプ１の開封を目的に回動させよ
うとしても回動できず、開封できないということ
がしばしば発生している。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
瓶口への装着時に糖分を多く含む内容物があふれ
だし、瓶口周辺に付着しても、この内容物によつ
て開封操作が妨害されることのないキヤツプを提
供することを目的とするものである。

「問題を解決するための手段」 この考案に係るキヤツプは、キヤツプの周壁部
の下部で、スコア及びブリツジの直上の周壁円周
に沿つて小孔を複数穿設したもので、この小孔を
介して洗浄用の水、湯、水蒸気等をキヤツプの内
周面と瓶口の外周面との間に注入して、キヤツプ
の装着後、キヤツプと瓶口との間に付着している
内容物を容易に洗い流せるようにしたものであ
る。

〔作用〕

雌ねじ下端とブリツジとの間のキヤツプ周壁部
の全周に複数穿設された小孔から洗浄水等を供給
すると、洗浄水等は、瓶内からあふれ出た内容物
が付着しやすい雄ねじの下面部に直接供給される
こととなり、キヤツプ内壁と瓶口外壁との間を洗
浄することができる。また、上記小孔はキヤツプ
周壁部の円周に沿つて複数穿設されているので、
この小孔から洗浄水等を供給することにより、瓶
口に付着した内容物を隅なく洗浄、除去すること
ができる。

「実施例」 第１図はこの考案に係る瓶口洗浄用小孔付キヤ
ップの第１の実施例を示すもので、この実施例の
キヤツプ１５は、その周壁部１６の下部周壁円周
上に瓶口洗浄用の小孔１７…が複数形成されてい
ること以外、従来のキヤツプ１（第４図）と同形
同寸法に形成されている。すなわち、このキヤツ
プ１５においては、そのブリツジ１８…、PPリ
ング１９、頂板部２０、パツキン２１、周壁部１
６等は、キヤツプ１におけるブリツジ３…、PP
リング４、頂板部５、パツキン６、周壁部１１等
と同形同寸法に形成されている。

上記小孔１７…は、上記キヤツプ１５が第１図
に示すように、ブリツジ１８及びスコア２３の直
上の周壁円周に沿つて中心方向に突出するよう
に、かつ、等間隔に穿設されている。また、この
小孔１７は、キヤツプ１５のブリツジ１８、スコ
ア２３の上部に周壁円周に沿つて断続する切り込
み線を入れ、この切り込み線の上の部分を内側に
突出させるように形成してキヤツプ１５の外周面
１６と瓶口９の外周面とが連通するようにしたも
のである。そして小孔１７の開口方向は頂板部２
０にほぼ平行となつている。このようなキヤツプ
は従来の装着方法と同様の方法によつて第２図に
示すように瓶口に装着される。

そして、上記小孔１７に対し、水、湯、水蒸気
等を噴射すれば、これら水等はスムーズに瓶口９
の外周面とキヤツプ１５の内周面との間に注入さ
れることになる。小孔１７からキヤツプ１５の内
周面と瓶口９の外周面との間に注入された水等
は、キヤツプ１５の内周面と瓶口９の外周面の間
をくまなく流れることにより、キヤツプ１５の内
周面と瓶口９の外周面との間に付着している糖分
を洗い流し、その後、この小孔１７を通じてキヤ
ツプ１５の外側に流出する。とくに、小孔１７…
がキヤツプ１５の周壁下部で、ブリツジ１８及び
スコア２３の上方に設けられているため、スコア
２３及びPPリング１９下端からの流出と併せて
キヤツプ１５の内周面と瓶口９の外周面との間に
注入された水等もスムーズに流出する。

また、小孔１７…をキヤツプ１５の周壁部下部
に設けたため、小孔１７から注入された水等は、
瓶口９の外周壁の下段の部分、すなわち雄ねじの
下面部に、とくに流量が多く行きわたる。従つ
て、瓶口９の外周壁下段に多く付着し易い糖分の
洗い流しがより効果的に行なわれ易くなる。

その結果、キヤツプ１５内周面と瓶口９外周面
との間には糖分の付着がないので、キヤツプ１５
の開封を妨害するものがなく、容易に開封操作を
行なうことができる。

なお、上記小孔１７は、この実施例のように複
数設ければ、開封時のすべり止めとして利用され
るナール（KNURL）としての役目も兼ねること
ができる。

第３図は、この考案の第２の実施例を示すもの
で、図中第１図（第１の実施例）と共通する部分
には、同一符号を付して説明を簡略化する。図中
符号２４は、瓶口洗浄用の小孔を示すもので、こ
の小孔２４はその開口方向が、キヤツプ１５の外
周面１６に平行になるように形成したものであ
る。

この例では、小孔２４の開口面をキヤツプ１５
の外周面１６に平行になるように形成したことに
より、注入された水等の流れ方向を瓶口９の周壁
円周方向にすることができ、とくに瓶口９の下段
部に付着した糖分を洗い流すのに効果がある。

また、上記実施例において瓶口洗浄用の小孔を
その開口方向がキヤツプの頂板部にほぼ平行、も
しくは外周面１６に平行になるように形成した
が、この形状に限定されるものでなく、キヤツプ
の内周面と外周面とを連通するならば、他の形状
でもよい。

「考案の効果」 以上説明したように、この考案に係る瓶口洗浄
用小孔付キヤップは、雌ねじ下端とブリツジおよ
びスコアとの間のキヤツプ周壁部の全周に沿つ
て、複数の小孔を穿設したものであるので、瓶か
らあふれ出た内容物が溜まりやすい雄ねじ下面部
に洗浄用の水、湯、水蒸気等を直接供給すること
ができるばかりでなく、瓶口の外周壁の下段の部
分に特に多くの洗浄用の水等を行き渡らせること
ができる。すなわち洗浄用の水等が雄ねじの終端
部の一点に集中することなく、雄ねじ下面部全体
に供給されるので、キヤツプの装着後にキヤツプ
と瓶口との間に付着し、キヤツプの開封を妨害す
る内容物を容易かつ確実に洗い流すことができ
る。よつて、装着時に瓶口からあふれだした糖分
を多く含む内容物によつてキヤツプの開封が困難
になるのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る瓶口洗浄用小孔付キヤ
ツプの第１実施例を示す一部断面視した側面図、
第２図はこのキヤツプを瓶口に装着したところを
示す一部断面視した側面図、第３図はこの考案の
他の実施例を示す一部断面視した側面図、第４図
ないし第６図は従来のキヤツプを説明するための
もので、第４図は一部断面視した側面図、第５図
はキヤツピングマシンによつて瓶口へ装着されつ
つある状態を示す一部断面視した側面図、第６図
は瓶口へ装着後の一部断面視した側面図である。 ９……瓶口、１２……雄ねじ、１３……雌ね
じ、１４……ピルフアープルーフローラー、１５
……キヤツプ、１６……周壁部、１７……小孔、
１８……ブリツジ、１９……PPリング、２１…
…パツキン、２３……スコア、２４……小孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底円筒状に成形され、その周壁部下端に複数
   のブリツジを介してピルフアープルーフリングが
   一体的に設けられるとともに、前記周壁部ほぼ中
   央に瓶口の雄ねじに対応する雌ねじが形成され、
   その頂板部内側に薄肉円板状のパツキンが嵌入さ
   れてなるキヤツプにおいて、前記雌ねじ下端と前
   記ブリツジとの間の前記周壁部の全周に瓶口洗浄
   用の小孔を複数穿設したことを特徴とする瓶口洗
   浄用小孔付キヤツプ。