JPH0232181Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案はコーヒー、紅茶、チヨコレート液等
抽出飲料製造機に関し、更に詳しくはこの抽出飲
料製造機において水タンクとボイラタンク間に設
けられる逆止弁に関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ 水タンクと、この水タンクより低い位置に配設
したボイラタンクの間を給水管で連結し、ボイラ
タンクに加熱エレメントと給水バルブを具備せし
め、給水バルブの操作と両タンクの間の落差を利
用することにより水タンクよりボイラタンクに給
水し、加熱エレメントを作動して沸点まで加熱
し、その蒸気圧を利用して給湯管より抽出器へ沸
点に達した熱湯を送りコーヒー粉等抽出飲料の原
料を抽出してエスプレツソ・コーヒーなどを作る
と共に蒸気管より抽出液の入つたカツプに蒸気を
噴射してカプチーノなどを作る抽出飲料製造機に
ついて本願考案の出願人はすでに実願昭59−
92782号、特願昭59−214645号などの先願に係る
発明考案で提案している。

さらに、前記給水管の経路中に逆止弁を設ける
ことにより、ボイラタンク中で沸点に達した熱湯
が蒸気圧により給水管を通じ水タンク側へ逆流し
ないように対策を施している点も提案している。

しかしながら、このような逆止弁の構造とりわ
け逆止弁パツキングが単に断面円形のリング状に
形成されていたのでは接着強度の面で不充分な点
が見られるようになり、また逆止弁抑止部を螺着
する際、この断面円形のリング状に形成された逆
止弁パツキングが捻れるなどの不都合が生じ安定
性に欠けるという現象があらわれるに至つた。

［考案の目的］ この考案はこれらの問題点を克服し、上述した
抽出飲料製造機の給水管に設けた逆止弁をパツキ
ングに確実に接着させ安定的に水漏れ防止を図る
ことにより逆止弁自体の目的である逆流防止を図
ることを目的とする。

［考案の概要］ この考案は水タンクに給水管により連通接続さ
れ加熱エレメントを付設したボイラタンクと、こ
のボイラタンクと給湯管を介して連通接続される
抽出器と、ボイラタンクの上部に連通接続される
蒸気管と、加熱エレメントと連動する給水・給
湯・蒸気用の三個のバルブと、前記給水管に設け
られる逆止弁と、この逆止弁に接し嵌合部とフラ
ンジ部を設け嵌合部外側に先鋭凸部を形成した逆
止弁パツキングとから構成され抽出飲料製造機の
給水管において逆止弁をパツキングに確実に接着
させ安定的に水漏れ防止を計ることを特徴とす
る。

［考案の実施例］ この抽出飲料製造機はボイラタンク１と水タン
ク２とボイラタンク１に付設される加熱エレメン
ト３と、４つの連通管４，５，６，７と、前記連
通管４の途中に設けられる逆止弁８と、抽出器９
と、３つの調節バルブ１０，１１，１２と、３つ
のスイツチ１３，１４，１５を組込んだ電気回路
１６から構成される。

前記水タンク２よりボイラタンク１は下方に配
置され、水タンク２に収容された水がその落差と
ボイラタンク１との圧力差を利用して水タンク２
の底部の出口１７に連通して設けられる給水管４
を通つてボイラタンク１の側部の入口１８より送
水される。

前記水タンク２には仕切り板１９によつてサブ
タンク２０が形成され、このサブタンク２０は仕
切り板１９の下部に連通穴２１を形成することに
よつて、同一の水面を保つようになつている。そ
して、この連通穴２１近傍の水タンク２の底部に
前記給水管４の出口１７を設ける。給水管４は出
口１７に接続する垂直部４ａと、この垂直部４ａ
の下端に接続し、かつボイラタンク１へ接続する
水平部４ｂから構成され、この垂直部４ａには水
が出口１７から入口１８へのみ流れるように、す
なわち後述するボイラタンク１内へ送られた水を
加熱沸騰した際、ボイラタンク１の圧力が上昇し
て水タンク２へ熱湯が押上げられるのを阻止する
ために、逆止弁８を設ける。

この逆止弁８は第３図、第５図に示すようにナ
イロンなどの耐熱性を有し比重が1.05〜1.15程度
の水よりやや大きい樹脂製であつて、円板部２２
の上面に第１摺動片２３を、下面に第２摺動片２
４を各々一体に設け、前記円板部２２の縁の下部
に立上り壁状の補強リブ２５を周設し、さらに第
１、２摺動片２３，２４の周面に軸方向の溝状第
１，２連通路２６，２７を形成すると共に、第２
摺動片２４の根元側を径大に形成して一方向流れ
抑止部２８を形成する。

さらに、この逆止弁８は入口路２９を有する逆
止弁抑え３０によつて閉塞される出口路３１を有
する弁ホルダ３２の内部に設けられ、そして、弁
ホルダ３２の内周壁に形成する径大部３３を、逆
止弁抑え３０の外周壁に形成する径大部３４によ
つて外嵌して連結する。すなわち、前記第１摺動
片２３が入口路２９に位置し、前記第２摺動片２
４が出口路３１に位置して、上下動する。

逆止弁抑え３０の下面には凸状のパツキング取
付段部３５を周設する。一方、逆止弁パツキング
３６は略リング状であつて、内側には前記取付段
部３５との嵌合部３７を形成し、外側には表面が
波状のフランジ部３８を形成すると共に、このフ
ランジ部３８と嵌合部３７間を薄肉部３９で連設
している。さらに、嵌合部３７の下面には先鋭凸
部４０を形成して、組立後弁座を形成する。

なお、このように構成される逆止弁８は、嵌合
部３７を取付段部３５に嵌め込み、第１摺動片２
３が入口路２９に、第２摺動片２４が出口路３１
に位置するように逆止弁８を弁ホルダ３２に収納
し、逆止弁抑え３０を嵌めた後加締め、フランジ
部３８は弁ホルダ３２の大径部３３と逆止弁抑え
３０の径大部３４間に挾まれて両者を水密し、一
方先鋭凸部４０は逆止弁８の弁座を形成するよう
に組立てられる。

ボイラタンク１の頂部の出口４１とサブタンク
２０の底部付近の排気口４２との間を排気管５で
連結し、この排気管５の途中に常閉型の前記エア
ベルトバルブ１０を設ける。このエアベルトバル
ブ１０は、第２回目以降の抽出毎に、ボイラタン
ク１へ水タンク２から給水するために抽出後に残
存するボイラタンク１内の蒸気圧力をサブタンク
２０に安全に排出できるようにしたものである。
そして、エアベントバルブ１０の押釦１０ａの下
面に当てがうように常閉型スイツチ１３を設け
る。すなわちスイツチ１３はエアベントバルブ１
０と連動するようになつている。

ボイラタンク１の頂部に形成する他の出口４３
には給湯管６が挿通され、その基端４５はボイラ
タンク１内側の中程に達し、先端４６はコーヒー
粉ｂを収納できる抽出器９と連通して連結されて
いる。そして、抽出器９はフイルタ４７を備え、
抽出器９の下側には注ぎ口４８が設けられ、適当
な容器４９が注ぎ口４８の下方に置かれる。又、
給湯管６の途中には常閉型バルブ１１が設けられ
る。さらに、ボイラタンク１の頂部のもう１箇所
の出口５０にもう１本の蒸気管７が連結され、こ
の蒸気管７の先端５１寄りは水平回動自在に設け
られ、この蒸気管７の途中に常閉型バルブ１２が
設けられる。そして、このバルブ１２はコーヒー
抽出後ボイラタンク１内のスチームを噴出してコ
ーヒー液に浮かべたミルクを泡立てたりするため
に設けたものである。そして、このバルブ１２と
前記バルブ１１の両押釦１１ａ，１２ａの下部に
当てがうように１つの常閉型スイツチ１４を設け
る。すなわちこのスイツチ１４は各押釦１１ａ，
１２ａの動作と連動するように取付ける。そし
て、ボイラタンク１の内部にはシーズヒータなど
の加熱エレメント３が収納され、この加熱エレメ
ント３の端部はボイラタンク１の側部に突出して
取付け、ボイラタンク１の側部に例えば80℃で
閉、90℃で開となる制御用のサーモスタツト１５
を取付け、又密閉容器１の底部には例えば110℃
以上で開となる安全用サーモスタツト５３を取り
付ける。さらに、ボイラタンク１の頂部には一定
圧力以上になつても前記二個のサーモスタツト１
５，５３が何らかの損傷で作動し得ないとき開く
安全弁５４を設け、この安全弁５４にはサブタン
ク２０で開口するように安全弁通路５２を接続
し、安全弁５４が開いたときは高圧蒸気をサブタ
ンク２０へ導入するようになつている。

前記電気回路１６は交流電源５５と直列にマス
タースイツチ５６、スイツチ１３、サーモスタツ
ト１５及び加熱エレメント３並びに安全用サーモ
スタツト５３を設け、サーモスタツト１５と並列
接続するスイツチ１４をけ、さらに加熱エレメン
ト３に並列にランプ５７と抵抗５８の直列回路４
６を設け、加熱エレメント３とサーモスタツト１
４に並列にランプ５７ａと抵抗５８ａの直列回路
５９ａを設ける。

使用時は、先ず水タンク２内に水差しなどによ
り所定量の水ａを供給し、次いで抽出器９にコー
ヒー粉ｂを収納した後、バルブ１０の押釦１０ａ
を押圧操作すると、バルブ１０は開き、ボイラタ
ンク１内の空気が排気管５の先端より大気に開放
されると、水タンク２内の水ａは、逆止弁８およ
び給水管４を通つて落差によりボイラタンク１内
へ給水される。この際、逆止弁８は水タンク２よ
りボイラタンク１へ給水する時弁ホルダ３２の出
口端３１側へ水タンク２との圧力差で押し付けら
れて下方へ移動し、一方向流れ抑止部材２８によ
り止まり、第１、第２連通路２６，２７を通つて
ボイラタンク１へ送り込まれる。次にボイラタン
ク１が加熱エレメント３により加熱されると内圧
上昇により水ａは水タンク２側へ逆流しようとす
る。この時は逆止弁８の第１摺動片２３は入口路
２９に、第２摺動片２４は出口路３１を移動して
逆止弁８は圧力差によつて上方へ押上げられ、そ
して逆止弁パツキング３６に当接し逆流を防止す
るものである。

ここでマスタースイツチ５６を閉じるとランプ
５７，５７ａが点灯し、そして加熱エレメント３
に給電する。

この給電により、常温の水ａは、加熱エレメン
ト３により加熱され、サーモスタツト１５によつ
て90℃に達すると、ランプ５７が消灯し、加熱エ
レメント３が断電される。

ここで、サブタンク１内の水ａはサーモスタツ
ト１５によつて80〜90℃で保温される。

次に容器４９を注ぎ口４８の下方に置いて、給
湯用バルブ１１を押圧操作すると、バルブ１１が
開いてボイラタンク１と給湯管６の間が連通状態
になると共に、スイツチ１４が閉成して加熱エレ
メント３に通電する。したがつて、バルブ１１を
押圧操作しつづけると保温の温度から次第に加熱
されて水が沸騰し、内圧力上昇による圧力バラン
スによつてボイラタンク１内の熱湯は基端４５の
位置までの量が給湯管６を通つてコーヒー粉ｂを
収納する抽出器９に供給され、抽出されたコーヒ
ー液ｃは抽出器９の注ぎ口４８から容器４９内へ
収納される。

カプチーノを賞味したい場合には、コーヒー液
ｃを入れた容器４９にミルクを注いだ後、蒸気管
７の先端をコーヒー液に浸し、そして蒸気供給用
バルブ１２を押圧操作するとバルブ１２が開いて
ボイラタンク１と蒸気管７との間が連通状態にな
つると共に、スイツチ１４が閉成して加熱エレメ
ント３が通電する。そのためバルブ１２を押圧し
つづけると保温の温度から次第に残つた湯が加熱
されて沸騰状態となり、ボイラタンク１内に発生
する高圧蒸気は蒸気管７を通つてコーヒー液内で
噴出し、泡立たせるものである。

［考案の効果］ この考案は水タンクに給水管により連通接続さ
れ加熱エレメントを付設したボイラタンクと、こ
のボイラタンクと給湯管を介して連通接続される
抽出器と、ボイラタンクの上部に連通接続される
蒸気管と、加熱エレメントと連動する給水・給
湯・蒸気用の三個のバルブと、前記給水管に設け
られる逆止弁と、この逆止弁に接し嵌合部とフラ
ンジ部を設け嵌合部外側に先鋭凸部を形成した逆
止弁パツキングとからなるものであり、嵌合部を
設けたことによつてパツキングを接着することな
く装着でき、その結果、接着剤の濃淡による平坦
度のばらつきが解消され、又接着剤はみ出しによ
つて生ずる水密不良さらに接着後の乾燥工程を省
略することができる。

しかも嵌合部と一体にフランジを設けることに
よつて、逆止弁抑えを捩込む際、フランジ部がよ
じれることなく弁ホルダと逆止弁抑え間の水漏れ
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断面図、第２図は系統図、第３図は
分解斜視図、第４図はパツキングの断面図、第５
図は逆止弁の断面図である。 １……ボイラタンク、２……水タンク、４……
給水管、６……給湯管、７……蒸気管、８……逆
止弁、１０，１１，１２……バルブ、３６……逆
止弁パツキング、３７……嵌合部、３８……フラ
ンジ部、４０……先鋭凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水タンクに給水管により連通接続され加熱エレ
   メントを付設したボイラタンクと、このボイラタ
   ンクと給湯管を介して連通接続される抽出器と、
   ボイラタンクの上部に連通接続される蒸気管と、
   加熱エレメントと連動する給水・給湯・蒸気用の
   三個のバルブと、前記給水管に設けられる逆止弁
   と、この逆止弁に接し嵌合部とフランジ部を設け
   嵌合部外側に先鋭凸部を形成した逆止弁パツキン
   グとからなることを特徴とするコーヒー液等抽出
   飲料製造機。