JPH023007B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガスタービンに関し、特に、固定子
ベーンの環状列の内側シユラウドとガスタービン
の径方向に内側の環状のシールハウジングとの間
を固定的にシールするためのシール装置を備えた
ガスタービンに関するものである。

このようなシール装置は、米国特許第3529906
号明細書によつて、従来から知られており、そこ
に大体図示されたように、今まで製造されたガス
タービン装置に組込まれている。

このシール装置に用いられている固定シール
は、第１の固定子内部シユラウドの内径に対し径
方向に負荷されている。本発明の構成にも径方向
負荷が用いられているが、本発明の構成は、前記
米国特許による構成に比べて、そのいくつかの欠
点に関連してすぐれていると考えられている。こ
れらの欠点には、シール部分とシユラウドの湾曲
との間の不整合に基づくシールからシユラウドへ
の「スマイル（smile）」と呼ばれる隙間を通る過
大な漏れが含まれる。更に１ベーン部分について
１つのシールが必要なため、個別のベーン部分が
用いられる場合、多くの継目から漏れを生ずる。
また各々の継目は、封止すべき高圧の流体に対し
て比較的大きな領域を曝し、複雑な部分間の連結
系統を有効にシールすることを必要にする。

本発明の１つの目的は、従来の装置の前述した
欠点のない改良されたシール装置を提供すること
にある。

本発明によるガスタービンは、固定子ベーンの
環状列の内側シユラウドとガスタービンの径方向
に内側の環状のシールハウジングとの間を固定的
にシールするシール装置を備えている。このシー
ル装置は、シールハウジングにより支持された第
１の外側シール手段を有し、該第１の外側シール
手段は、実質的に１つの円を完成するように端部
同志突合せ関係に配設された第１の複数の円弧状
の部分を備えており、該円弧状の部分は、その全
長に亘つて断面が溝形であり、該シールハウジン
グの内部の、径方向外方に開口するチヤネル内に
径方向に可動に配設されている。該シール装置
は、第２の内側シール手段も有し、該第２の内側
シール手段は、該第１の外側シール手段のチヤネ
ルの内部に径方向に可動に配置され、実質的に１
つの円を完成するように端部同志突合せ関係に配
置された、前記内側シユラウドと同数の複数の第
２の円弧状部分を備えている。シール装置は更
に、シールハウジングの内部において前記第１の
外側シール手段を径方向外方に付勢する第１弾性
手段と、前記第１の外側シール手段のチヤネルの
内部において前記第２の内側シール手段を径方向
外方に独立して付勢する第２弾性手段とを有して
いる。

好ましくは、内側シユラウドとシールハウジン
グとの間をシールするためのシール装置は、シー
ルハウジングによつて支持された外側シール手段
を有し、この外側シール手段は、互いに端部同志
突合せ関係にある第１の複数の円弧状部分を備え
ており、各々の円弧状部分は、その全長に亘つて
大体溝形の断面を有し、シールハウジングの径方
向外方に開放した形状のチヤネルの内部に、径方
向に可動に配設されている。シール装置は、更
に、外側シール手段のチヤネルの内部に径方向に
可動に配置され、内側シユラウドと同数の第２の
複数の円弧状部分を備えている。内側シール手段
と、該シールハウジングのチヤネルの内部におい
て外側シール手段を径方向外方に付勢している第
１弾性手段と、外側シール手段のチヤネルの内部
において内側シール手段を径方向外方に独立に付
勢している、第２弾性手段とを備えている。

次に、添付図面に示した本発明の好ましい実施
列を参照して説明する。

第１図に示したガスタービン部分は、別々の固
定子ベーンから成る環状列を含み、この環状列
は、羽根ないしはベーン１０の一部を含み、これ
らのベーン１０は、既知のように、外側シユラウ
ド（図示しない）と内側シユラウド１２との間に
固定されている。

前述したように、本発明は、内側シユラウド１
２の径方向の内面と、一般に符号１４により表わ
した環状シールハウジングを含む径方向内側の構
造体との間に、固定シールを形成する装置を対象
としている。

本発明に関連して重要なシールハウジング１４
の部分は、上流側の壁部１６、下流側の壁部１
８、並びに、径方向内方の底壁部２０を有し、こ
れらの壁部１６，１８，２０は、円周方向に延び
径方向外方に開放したチヤネル２２を形成してい
る。壁部１６，１８は、チヤネル２２の径方向外
方の開口に隣接して、内方に突入する肩部１６
ａ，１８ａをそれぞれ備えている。

チヤネル２２（第２，３図参照）内には、一般
に符号２４によつて表わした複数の外側シール部
分が収納されており、各外側シール部分２４は、
長手方向にみた時に円弧状であり、第２，３図に
最もよく示すように、大体において溝形の形状を
もち、上流側壁部２６、下流側壁部２８及び底壁
部３０を備えている。底壁部３０は、上流側に突
出したレール３０ａと下流側に突出したレール３
０ｂとを有し、これらのレールは、外側シール部
分２４がシールハウジング１４のチヤネル２２か
ら組み付けの間に脱落することを阻止する。

一例として、単に説明上の目的で、ガスタービ
ンが、28個の個別の固定子ベーン部分と、これに
対応して、28個の個別の内側シユラウド１２とを
有し、これらの内側シユラウドに対し封止を保つ
ものとすると、環状列内の28個の内側シユラウド
が１つの完全な円を形成するので、円の各象限に
は、７個のベーン部分が含まれている。製造及び
組み付けの目的から、１象限に２つの外側シール
部分を配設し、一方の外側シール部分は、３つの
内側シユラウド１２の径方向内方の表面のシール
に対応した長さを有し、その象限の他方の外側シ
ール部分は、４つの内側側シユラウド１２の内面
のシールを与える長さを有する。そのため、全部
で８個の外側シール部分が端部同志突合された関
係におかれることにより、実質的に完全な円が形
成される。

第２の、即ち内側シール装置３２は、第１のシ
ール装置のチヤネル３３内に配置され、固定子ベ
ーンの内側シユラウドの数と同数の複数の円弧状
シール部分３４を有し、これらが端部同志突合せ
状に配置されていることにより、実質的に完全な
円を形成している。

外側シール部分２４は、シールハウジング１４
のチヤネル２２内において、径方向外方に付勢さ
れ、内側シール装置３２は、外側シール部分のチ
ヤネル３３内において、これとは別に、径方向外
方に付勢されている。本発明の好ましい実施例に
よれば、径方向の付勢は、圧縮ばね３６，３８の
組によつて行なわれ、これらのばねは、互いに対
し同心的に配設されている。円周方向に隔置され
径方向外方に開放している一連の杯状体４０は、
シールハウジング１４の底壁部２０から支持さ
れ、圧縮ばね３６の一端は、この杯状体内に収納
され、他端は、外側シール部分２４の底壁部３０
に当接している。外側シール部分２４の長さに沿
つて円周上に対応して隔だてられた個所におい
て、外側シール部分２４の底壁部に、通し孔４２
が形成してあり、各々の通し孔には、シンプル４
４が収納されている。シンプル４４内には、直径
の小さな圧縮ばね３８が収納されている。内側の
圧縮ばね３８の内孔は、ボタン４８のシヤンク４
９を収納し、ボタン４８は、ばね３８よりも面積
が広いため、ばね３８の径方向外側端は、ボタン
４８に突出たり、それを径方向外方に付勢する。
ボタン４８の表面と円弧状シール部分３４の対向
表面とは、第２図から容易にわかるように、互い
に対し相補状に傾斜しているため、ボタン４８と
円弧状のシール部分３４とは、始動前に、ばね３
８のばね力の下に、そして装置の作動中にシール
部分３４を下流側に保持する差圧により、（ター
ビン軸線に関して）互いに反対の方向に付勢され
る。これを実現し、また膠着を防止する目的か
ら、ボタン４８とシール部分３４との軸方向寸法
は、外側シール部分２４のチヤネル３３の幅より
も小さい値とする。従つて、この構成によれば、
温度変化に際して膠着を防止するために必要な隙
間が与えられると共に、チヤネル３３の下流側対
向壁部に対するシール部分２４のシールも確保さ
れる。

図示した好ましい実施例によれば、各シール部
分３４についても３組の圧縮ばねが配設されてい
るため、内側シール部分の３個を収納している短
い外側シール部分２４は、全部で９組の圧縮ばね
を備えており、内側シール部分の４個を収納して
いる長い外側シール部分は、全部で12組の圧縮ば
ねを備えている。

外側シール部分２４がシールハウジング１４に
対して円周方向に運動することを阻止する手段
が、円周方向に隔だてられたいくつかの個所に設
けられている。これは、第３図に最もよく示すよ
うに、外側シール部分２４の上流側壁部２６の下
部に、上流側に指向するスロツト５０を形成し、
シールハウジング１４の上流側壁部１６の通し孔
を経て保持ねじ５２を挿入し、保持ねじ１２８の
先端がスロツト５０内に収納されるようにするこ
とによつて達せられる。

図示した実施例によれば、外側シール部分２４
に対するシール部分３４の限定された径方向運動
を許容しながら外側シール部分２４に対するシー
ル部分３４の円周方向の運動を許容する手段が設
けられている。この目的から、シール部分３４の
長手方向の中心に対応する位置において、外側シ
ール部分２４の上流側壁部２６に、径方向に延長
するスロツト５４（第１，２図）が形成されてい
る。各シール部分３４の位置には、ピン５６を、
その上流側端がスロツト５４内に突入するように
配設する。

各外側シール部分は、取外し及び点検作業の間
工具を挿入してシール部分２４を取出せるように
するためのスロツト５８（第１図）を、上流側壁
部２６の上端において、長手方向の各々の先端付
近に備えている。

第４図には、外側シール部分の両対向端相互及
びこれらの対向端と内側シール部分の両対向端と
の間の関係が最もよく図示されている。即ち、第
４図に示すように、外側シール部分２４は先端が
直角に形成されているのに対し、シール部分３４
の先端６０は、相補状に傾斜している。

前述した構成は、多くの利点をもつものと考え
られる。例えば、外側シール部分２４の一連のチ
ヤネル３３によつて、外側シール部分２４の製造
が比較的容易になる。外側シール部分２４は、或
る数の内側シユラウドを網羅し、一部のシールを
形成している。シール部分３４は、個別の内側シ
ユラウドが完全な円に対し不整合になつている限
りにおいて、個別の内側シユラウドを個別に網羅
し、シール接触を高める。外側シール部分２４の
シール力は、部分的には、外側ばね３６に基因す
るが、大部分は、シールハウジング１４の上流側
の壁部１６の一連の円周方向の隔だてられた通し
孔６２によるチヤネル２２の与圧に基因する。外
側シール部分の圧力負荷は、前記米国特許に示さ
れているように、従来から知られている。シール
部分３４は、内側の圧縮ばね３８により個別に部
分的に、しかし第一義的には、加圧力によつて負
荷されることにより、個別の内側シユラウドの内
面との良好な封止接触を確保する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるシール装置を、タービン
を通る流れの方向に見た部分的な端面図、第２図
は第１図の−線に沿つた断面図、第３図は第
１図の−線に沿つた断面図、第４図は外側シ
ール部分間の継目において本発明によるシール装
置を示す部分的な端面図である。 １０…ベーン（固定子ベーン）、１２…内側シ
ユラウド、１４…シールハウジング、２２…チヤ
ネル、２４…外側シール部分（第１の複数の円弧
状部分）、３４…円弧状シール部分（第２の複数
の円弧状部分）、３６…圧縮ばね（第１弾性手
段）、３８…圧縮ばね（第２弾性手段）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定子ベーンの環状列の内側シユラウドとガ
   スタービンの径方向に内側の環状のシールハウジ
   ングとの間を固定的にシールするためのシール装
   置を備えたガスタービンであつて、該シール装置
   が、前記シールハウジングにより支持された第１
   の外側シール手段を有し、該第１の外側シール手
   段は、実質的に１つの円を完成するように端部同
   志突合せ関係に配設された第１の複数の円弧状部
   分を備えており、各々の該円弧状部分は、その全
   長に亘つて断面が溝形であり、該シールハウジン
   グの内部の、径方向外方に開口するチヤネル内に
   径方向に可動に配設してあり、該シール装置は、
   第２の内側シール手段も有し、該第２の内側シー
   ル手段は、該第１の外側シール手段のチヤネルの
   内部に径方向に可動に配置され、実質的に１つの
   円を完成するように端部同志突合せ関係に配置さ
   れた前記内側シユラウドと同数の複数の第２の円
   弧状部分を備えており、該シール装置は更に、前
   記シールハウジングのチヤネルの内部において前
   記第１の外側シール手段を径方向外方に付勢する
   第１弾性手段と、前記第１の外側シール手段のチ
   ヤネルの内部において前記第２の内側シール手段
   を径方向外方に独立して付勢する第２弾性手段と
   を有するガスタービン。