JPH0229694Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトランスケースの突設部材固設構造に
関するものである。トランスケースは矩形板材を
回曲形成して対峙せる左右両側端を溶接して円筒
形胴部を形成した後、該胴部の外周面に於いて、
電柱等への固設用ブラケツト、放熱用フイン等と
共に、蓋板固定及び吊持用とする吊耳部材を特定
位置に工業用ロボツトを利用して溶接固定する。
前記ロボツトによる溶接は斯業界に於いて周知の
技術手段であるが、その取付精度には限度があつ
て、僅かながら位置ずれを余儀なくされているの
が実情である。前記の突設部材のうち特に吊耳部
材は、固設位置の僅かな位置ずれが、緊密施蓋や
水平吊持作業時に大きな作業上の支障を期たす。
つまりロボツトの能力限度以上の取付構造を要求
しているのである。そこで本考案は前記の如きロ
ボツトの作業精度の能力限度としての許代である
公差を予じめ充分承知の上、円筒形胴部を回曲形
成する以前の矩形板材状態に於いて、予じめ固設
位置を測定した上で滑り込み傾斜面に連続する取
付位置を凹成して、その凹成部に取付けんとする
突設部材の取付位置を自動的に補正移動させてロ
ボツト作業の長所を利用しつつ、その欠点である
公差範囲の能力限界点を補なつて取付位置精度を
正確化せんとする構成を提供せんとするものであ
る。

本考案の実施例を添附図面に従つて説明するに
１はトランスケース本体であつて、その円筒形胴
部２の外周面に於いて、数々の突設部材Ｔが設け
られている。電柱等固設場所への設置用ブラケツ
ト３、放熱用フイン４と共に、上面視Ｕ字形折曲
し、両側面に貫通孔６を穿設せる吊耳部材５等を
工業用ロボツトの稼動により溶接固定されてい
る。前記吊耳部材５の接合部分である脚部７は同
長平行な縦二字状形態を呈す。８は前記円筒形胴
部２を回曲形成する前の展開状態に在る矩形板材
であつて、円筒形胴部２に於ける取付設置を予じ
めマーキングした位置にプレス機を利用して第３
図の如く凹成９する。該凹成部は、その周囲に滑
り込み移動嵌合すべく傾斜面１０が自動的に形成
させることとなる。この凹成作業と共に、突設部
材Ｔと無関係の社章１２、容量表示１３、極性表
示１４等は逆に凸成せしめる。つまり金型に於い
て凹凸両方を一体的に設けて、一括プレス作業す
ることが望ましい。前記凹成部９はその裏側から
観て隆起突部１１と成るので、その突部に対して
も溶接加工を施こすことにより、溶接固定状態は
より緊固となる。

本考案は上記の如く、回曲形成する前の展開状
態に在る矩形板材８に於いて、円筒形胴部２の取
付位置を予じめマーキングした位置に、吊耳部材
５の同長平行な縦二字状形態等突設部材Ｔの接合
部材である脚部７が、滑り込み移動嵌合すべく、
周囲に滑り込み傾斜面１０と一体とする凹成部９
を形成して構成したことを特徴とするものである
から、各突設部材Ｔは公差範囲内の位置ずれによ
り胴部２に接合しても位置ずれ範囲内に傾斜面１
０を設けているので、自動的に位置を補正され、
工業用ロボツトの作業能力限度である公差範囲以
上とする正確な取付精度を容易に得ることが出来
る技術上の大きな効果が発揮されると共に、構造
上簡単であり、その加工工作上も簡易であるか
ら、低廉な加工を施こすことにより、優れた実用
性をもたらす有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図はトランスケースの施蓋前の斜視図、第
２図は矩形板材の展開状態に於ける平面図、第３
図は第２図Ａ−Ａ線断面図である。 ２……円筒形胴部、５……吊耳部材、７……脚
部、８……矩形板材、９……凹成部、１０……滑
り込み傾斜面、Ｔ……突設部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回曲形成する前の展開状態に在る矩形板材８に
   於いて、円筒形胴部２の取付位置を予じめマーキ
   ングした位置に、吊耳部材５の同長平行な縦二字
   状形態等突設部材Ｔの接合部材である脚部７が、
   滑り込み移動嵌合すべく、周囲に滑り込み傾斜面
   １０を一体とする凹成部９を形成して構成したこ
   とを特徴とするトランスケースの突設部材固設構
   造。