JPH02295568A - 気管内チューブおよびその製造方法 - Google Patents

気管内チューブおよびその製造方法

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JPH02295568A
JPH02295568A JP11340689A JP11340689A JPH02295568A JP H02295568 A JPH02295568 A JP H02295568A JP 11340689 A JP11340689 A JP 11340689A JP 11340689 A JP11340689 A JP 11340689A JP H02295568 A JPH02295568 A JP H02295568A
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JP
Japan
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cuff
polyvinyl alcohol
tube body
tube
lumen
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JP11340689A
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Hiroshi Murayama
啓 村山
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、手術時の全身麻゜酔や手術後の人工呼吸管理
に使用し、笑気ガスのカフへの透過を抑制することによ
り、カフ内圧の上昇を抑制することのできる気管内チュ
ーブおよびその製造方法に関するものである。
気管内チューブとは広く気管切開チューブをも包含する
ものとする。
[従来の技術およびその問題点] 気管内チューブ40は、第6図に示されるように、患者
42の気管43に挿入され、パイロットバルーン44を
介して先端のカフ45が空気の圧入により膨張させられ
て気管43内に気管を密封するように固定され、その基
部に装着されたコネクタ46、蛇管48を経て、図示し
ない麻酔器もし《は人工呼吸器等に接続して使用される
このような回路を用いて笑気ガスにより麻酔が行われる
場合、笑気ガスは透過拡散性が極めて強く、最初は急速
に人体内に吸収されて麻酔作用を行う。ところが、笑気
ガスはやがて人体組織において飽和状態に達すると、気
管壁から気管内に逆透過してくるようになり、雰囲気中
の笑気ガスに加えて浸出してくる笑気ガスが柔軟な塩化
ビニル樹脂製の薄膜で構成されているカフ45内に浸透
していく。これは空気成分よりも笑気ガスの方がカフを
構成する樹脂膜を透過し易いためである。この結果、カ
フの内圧は上昇していく。
この現象は多くの文献に指摘されている。
さらに、気管内への気管内チューブの固定および気管の
密封を行っているカフがその内圧上昇に伴い、様々な障
害を気管等に与えることもまた多くの文献に発表されて
いる(例えば、救急医学1981年5月号 567〜5
70頁参照)。
その障害について簡単に述べる。気管表面では、表皮が
粘膜により保護されている。笑気ガスが前述したように
カフ内へ浸透してカフ内圧を上昇させるようになると、
気管の軟骨に骨折を生ぜしめたり、粘膜の形成を阻害す
るようになる。特に、粘膜の形成阻害は声帯、気管を著
しく傷つけることになる。
上記の問題点に対応するものとして、特開昭61− 1
54678号公報、特開昭61− 28344号公報に
示されるものがある。上記公報に示されるものも十分な
効果を有するが、現在では、より高い笑気ガス遮断性お
よびカフの柔軟性が要求されてきている。 本発明の目
的は、笑気ガスのカフ内への浸透を確実に抑制でき、ざ
らにカフが十分な柔軟性を有し、気管内壁に与える影響
の少ない気管内チューブおよびその製造方法を提供しよ
うとするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するものは、内部にルーメンを有するチ
ューブ本体と、該チューブ本体の先端部付近の外周面の
一部を環状に囲繞するよう設けられた膨縮自在のカフと
、該カフ内と連通し、かつ前記チューブ本体のルーメン
と並行に設けられたカフのインフレーション用ルーメン
とを有する気管内チューブであって、前記カフは軟質合
成樹脂により形成されており、さらに、その表面にポリ
ビニルアルコールがI X 10−3〜2(IX 1G
−”g / Cx.″付着している気管内チューブであ
る。さらに、前記ポリビニルアルコールは、前記カフの
内表面に付着していることが好ましい。さらに、前記カ
フの外表面には、湿潤性物質が付着していることが好ま
しい。
さらに、上記目的を達成するものは、内部にルーメンを
有するチューブ本体と、該チューブ本体の先端部付近の
外周面の一部を環状に囲繞するよう設けられた膨縮自在
のカフと、該カフ内と連通し、かつ前記チューブ本体の
ルーメンと並行に設けられたカフのインフレーション用
ルーメンとを有する気管内チューブの製造方法において
、軟質合成樹脂を予めカフ状に成形した後、このカフ状
物の表面に3〜20重量%濃度のポリビニルアルコール
溶液を塗布し、乾燥させ、次いで、このようにして得た
カフをチューブ本体に固着する気管内チューブの製造方
法である。
以下、この発明を図示の実施例を参照して説明する。
本発明の気管内チューブ1は、内部にルーメン3を有す
るチューブ本体2と、チューブ本体2の先端部付近の外
周面の一部を環状に囲繞するよう設けられた膨縮自在の
カフ6と、カフ内と連通し、かつチューブ本体2のルー
メン3と並行に設けられたカフ6のインフレーション用
ルーメン5とを有し、カフ6は軟質合成樹脂により形成
されており、さらに、その表面にポリビニルアルコール
がl X l(1−3〜20X 10−’g 7cm”
付着している。
第1図は、本発明の気管内チューブの一実施例の要部斜
視図、第2図は第1図に示した実施例のカフ部分を拡大
して示した断面図である。
チューブ本体2は、可撓性合成樹脂により形成されてお
り、麻酔ガス、酸素ガス等を導入するための先端から基
端まで貫通したルーメン3を有している。チューブ本体
2の先端4は、第2図に示すように、体内への挿入を容
易なものとするために、なめらかなベベル状に形成され
ている。また、他端はガス供給装置に接続するためのコ
ネクタ17が取り付けられている。チューブ本体2の形
成に使用される樹脂としては、軟質塩化ビニル樹脂、ポ
リウレタン、シリコーンゴムなどが好適に使用される。
そして、チューブ本体2を形成する内壁には、第2図ま
たは第3図に示すようにルーメン3より細いインフレー
ション用ルーメン5がチューブ本体2のルーメン3の軸
方同に沿って設けられている。このインフレーション用
ルーメン5は第2図に示すようにベベル状先端4近傍に
おいて閉塞されている。そして、このインフレーション
用ルーメン5は、チューブ本体2の管壁の外面の一部切
欠部l3を介して、後述するカフ6の内部空間と連通し
ている。このインフレーション用ルーメン5は、さらに
第1図に示すように基端付近の位置において、チューブ
本体2の管壁外面の切欠部7を介してインフレーション
用チューブ8と連通している。
インフレーション用チューブ8とインフレーション用ル
ーメン5との接続は、例えば、予め過熱したマンドレル
をインフレーション用ルーメン内に挿入し、このマンド
レル抜去と同時にコネクター9をインフレーション用ル
ーメン内に挿入、固着する方法、また接着剤を用いる方
法などにより行われる。
また、インフレーション用チューブ8の後端部にはカフ
の膨張程度を認識するためのパイロットバルーンl1が
設けられており、さらインフレーション用チ二ーブ8の
後端には、内部に常時閉塞状態となっている逆上弁を備
えたアダプタ17が取り付けられている。このアダプタ
は、カフを膨張させるための気体注入器(例えば、シリ
ンジ)を取り付けることが可能となっており、内部に収
納されている逆止弁は、この気体注入器を取り付けたと
き、解放するようになっている。
なお、チューブ本体2には、X線不透過ラインをチュー
ブ本体2の長手方向全長に亙ちて設けることが好ましい
。チューブ本体2の位置、特に、先端部の位置をX線造
影により容易に確認し得るからである。
チューブ本体2の先端近傍にはその外周面を環状に囲繞
するようにしてカフ6が膨張収縮自在に設けられている
。このカフ6は、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、
酢酸ビニル、ラテックスゴム、シリコーンゴム、ナイロ
ン、ポリエステル、ポリエチレン等、さらには、それら
の混合物により形成された軟質合成樹脂フィルム14が
基材となっている。そして、このフィルム14の表面に
は、ポリビニルアルコールが1.0×10−3〜20x
 10−3g /cm″の量でほぼ均一に付着したポリ
ビニルアルコール層15が形成されており、カフ6は2
層構造のものとなっている。さらに、PVA付着量は、
l. OX 10−’〜12X it)−’ g /c
1l”であることが特に好ましい。
さらに、このポリビニルアルコール層15は軟質合成樹
脂フィルム14の内面に設けることが好ましい。
このカフ6は、笑気ガス(亜酸化窒素ガス)透過係数が
2. OX 10−”x(1・C翼/cm”・秒・CI
IIH9(常温)以下であることが好ましい。また、微
小循環圧(カフの接触する気管内粘膜表層部における微
小血管圧)の最大値が通常470+mHtOであり、カ
フの初期圧は通常20OxxH.Oで使用されるので、
カフ内圧の上昇は、270tJ+HtO以下(笑気ガス
接触後90分)であることが必要である。上記のように
力76(7)PVA付着量が、1.OX 10−3g 
/cm”以下であると、使用時において90分経過後の
カフ内圧の上昇が270a+xH.0以上となり、また
PVA付着量が20X 10−’g 7am”以上であ
ると、後述するカフコンブライアンスが3 X lO−
3xQ#zHtO(at25゜C)より小さくなり、柔
軟性低下し好まし《ない。また、PVAとしては、ケン
化度が高いものが好ましく、特に完全ケン化タイプとい
われるもの、ケン化度95%以上、より好まし《は、9
8%以上のものが好適に使用される。
さらに、カフは、容易に膨張収縮し気管粘膜を損傷する
おそれのない程度に柔軟であることが必要である。カフ
6に使用されるフィルム14の厚さとしては、柔軟性を
考慮し、一般には0.03〜0. 3011程度、ショ
アA硬度が65〜80のものが好適に使用される。さら
に、ポリビニルアルコール層を含むカフ6は、100%
モジュラスが200〜400g7xm”、破断伸度が7
00〜900%、破断強度が1500〜20009#m
”であることが好ましい。
また、カフの柔軟性の尺度として、カフコンプライアン
ス(カフ内の圧力変化分に対する体積変化分の比)を用
いることができ、カフコンプライアンスは、高いほどカ
フが柔軟であることを示す尺度となる。カフコンブライ
アンスは、3 X 10−3mQ/x峠tO ( at
25゜C)以上であることが好ましく、より好ましくは
、4×10−りe/肩*H*0( at25℃)以上で
ある。そして、カフコンプライアンスは、第5図に示す
ような装置により測定することができる。第5図に示す
装置では、気管内チューブ1のカフ6部分が筒状容器3
1に挿入されており、さらにこの筒状容器3lは、恒温
水槽32(25℃)に浸漬されている。そして、インフ
レーションチューブ8は、三方活栓33を介して、カフ
6内にエアーを注入するためのインジェクタ−34に接
続されている。さらに、三方活栓33は、圧力計36に
接続されており、この圧力計36には記録計35が取り
付けられている。
さらに、カフ6の表面には、第3図に示すように潤滑性
物質l6が付着されていることが好ましい。潤滑性物質
とは、湿潤時に潤滑性を有する物質をいう。具体的には
、水溶性高分子物質またはその誘導体がある。潤滑性物
質[6は、カフを構成する軟質合成樹脂フィルムの表面
に共有結合またはイオン結合により固定されていること
が好ましい。そして、この潤滑性物質は、原則として鎖
状で架橋のない高分子物質であり、−OH,−CONH
,、−COOH,−NH,、−COO−  −SO3−
などの親水性基を有している。さら(L、潤滑性物質は
、湿潤時(例えば、血液接触時)に含水し潤滑性を発現
するものである。
このような潤滑性物質をカフの外表面に付着することに
より、使用時にこのカフ表面に設けられた湿潤物質が湿
潤することにより湿潤層が形成されるため、より笑気ガ
スの透過を抑制することができる。
具体的には、天然水溶性高分子物質として、カルボキシ
メチルデンプンなどのデンプン系、カルボキシメチルセ
ルロースなどのセルロース系、タンニン、キチンなどの
多糖類、ゼラチンなどのタンパク質などが考えられる。
合成水溶性高分子物質としては、ポリビニルアルコール
、ポリアルキレンオキサイド系として、ポリエチレンオ
キサイド、ポリアルキレンギリコール系として、ポリエ
チレングリコール、アクリル酸系として、ポリアクリル
酸ソーダ、無水マレイン酸系として、メチルビニルエー
テル無水?レイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無
水マレイン酸ソーダ、メチルビニルエーテル無水マレイ
ン酸アンモニウム塩、無水マレイン酸エチルエステル共
重合体などが考えられる。好ましくは、無水マレイン酸
系であり、特に無水マレイン酸エチルエステル共重合体
が好適である。
また、水溶性高分子物質の誘導体とは、水溶性に限定さ
れず、上記の水溶性高分子物質を基本構成とするもので
あれば、不溶化されたものであってもよく、湿潤時に含
水し潤滑性を発現するものであれば使用できる。例えば
、上記水溶性高分子物質の場合、付加、置換、酸化、還
元反応などで得られるエステル化物、塩、アミド化物、
無水物、ハロゲン化物、エテーテル化物、加水分解物、
さらに、ジアゾニウム基、インシアネート基、酸クロリ
ド基、アミン基、カルボキシル基、エポキシ基、アルデ
ヒド基等の反応性官能基を2個以上有する物質との架橋
物などが考えられる。
また、カフを構成する合成樹脂は、後述するように潤滑
性物質とイオン結合または共有結合する反応性官能基を
持っているか、または反応性官能基を有する化合物を含
有あるいは反応性官能基が導入されていることが好まし
い。
合成樹脂中に存在または導入された反応性官能基と、上
記の潤滑性物質とが結合することにより、合成樹脂表面
上に潤滑性を付与することが可能となり、水に溶けるこ
となく持続的な潤滑性表面を得ることができる。
合成樹脂中に、存在する反応性官能基としては、前記潤
滑性物質と反応し、結合ないし架橋して固定するもので
あれば、特に制限はないが、特にインシア不−ト基、ア
ミン基、アルデヒド基、エボキシ基が好適である。従っ
て、反応性官能基を有する合成樹脂としては、ポリウレ
タン、ボリアミドなどが好適である。
また、反応性官能基を有する物質としては、例えば、メ
チレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネートな
どのインシアネート類、およびこれらインシアネートと
ポリオールのアダクトまたはプレボリマーなど。さらに
、例えば低分子ポリアミンとしてエチレンジアミン、ト
リメチレンジアミンなどが考えられる。さらに、グルタ
ルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどのポリアルデ
ヒド。さらにエチレングリコールジグリシジルエーテル
などのポリエポキシドがある。
次に、図面を参照して本発明の気管内チューブの製造方
法について説明する。
本発明の気管内チューブ1の製造方法は、内部にルーメ
ン3を有するチューブ本体2と、チューブ本体2の先端
部付近の外周面の一部を環状に囲繞するよう設けられた
膨縮自在のカフ6と、カフ6内と連通し、かつチューブ
本体2のルーメン3と並行に設けられたインフレーショ
ン用ルーメン5とを有する気管内チューブの製造方法で
あり、軟質合成樹脂を予めカフ状に成形した後、このカ
フ状物の表面に3〜20重量%濃度のポリビニルアルコ
ール溶液を塗布し、乾iさせ、次いで、このようして得
たカフ6をチューブ本体2に固着するものである。
カフの成形工程について具体的に説明する。
カフ6の成形は、例えばガラス、陶器および金属製のカ
フ金型を軟質合成樹脂溶液(例えば、ポリ塩化ビニルブ
ラスチゾル)中に浸漬し、カフ金型表面にポリ塩化ビニ
ルブラスチゾルを均一に付着させる。次に140〜2 
2 0 ’C加熱オーブン中で、プラスチゾルを溶融ゲ
ル化し、ポリ塩化ビニル被膜を形成させ、これにより、
カフ6の基材であるフィルムl4が形成される。
そして、次にフィルム14の表面にポリビニルアルコー
ル層を形成する。
なお、ポリビニルアルコールは水溶性であるためポリビ
ニルアルコール層が外面に露出しないことが好ましく、
このため、ポリビニルアルコール層はカフ6の内側とす
ることが好ましい。
したがって、カフを金型から離型後反転操作を行う。
そして、ポリビニルアルコールを付着させるまえに、・
フィルムl4とポリビニルアルコール層との付着性を向
上させるために、接着剤または溶剤等の処理をすること
が好ましい。例えば、常温まで冷却後イソブロビルアル
コール、トルエン等の有機溶剤で溶解したウレタン系接
着剤、または反応性官能基を有する物質(例えば、メチ
ルジイソシアネート、エチルジイソシアネートなどのジ
イソシアネート類)をフィルムl4に塗布し、フィルム
上に接着層を形成する。接着剤中の溶剤を乾燥、揮散さ
せた後、ポリビニルアルコール溶液中に浸漬し、常温な
いし160℃で乾燥し、ポリビニルアルコールの被膜層
を得ることができる。ポリビニルアルコール層の厚みは
、多数回の浸漬でも得られるが、溶液濃度の調整により
行うことが好ましく、特に、3〜20重量%濃度のポリ
ビニルアルコール溶液(溶媒としては、水またはアルコ
ール)を用いることにより、フィルム14の表面にポリ
ビニルアルコールを乾燥時の重量でl. QX 10−
3”” 20X io−’g 7cm’の量をほぼ均一
に付着させることができる。
なお、ポリビニルアルコールは水溶性であるためポリビ
ニルアルコール層が外面に露出しないことが好ましく、
このため、ポリビニルアルコール層はカフ6の内側とす
ることが好ましい。
したがって、カフを金型から離型後反転操作を行う。
また、軟質樹脂とポリビニールアコールとの付着性を向
上させるための接着剤の塗布および乾燥工程にかわり、
カフを形成する軟質合成樹脂とポリビニルアルコールと
の付着性を向上させるために、軟質合成樹脂表面の表面
処理工程を行ってもよい。
表面処理方法としては、樹脂の表面にラジカルまたはベ
ルオキシドを生成させためのものであり、(1)電子線
やガンマ線などの高エネルギー放射線を照射する方法、
(2)紫外線を照射する方法、(3)低温プラズマ放電
処理、(4)コロナ放電処理、(5)オゾン処理、およ
び(6)過酸化ベンゾイルのようなラジカル重合開始剤
を添加する方法などがある。
そして、カフ6のチューブ本体2への取着方法としては
、上述のごとく予め所定のカフ形状に成形したもの内に
チューブ本体2をインフレーション用ルーメン5と連通
する切欠部13が位置するように挿入し、カフ6の両端
を接着剤、溶剤さらには熱、高周波等による溶着するこ
とにより気密に取着けられる。
[実施例] 次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1) 軟質塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル100重量部に対
して可塑剤(DOP)110重量部含有)により、内径
3 yz,外径11ig、肉厚1.51で、肉厚内に径
o. 3amのインフレーション用ルーメンを有する本
体チューブを押し出し成形により作成した。本体チュー
ブの先端を軸方向に対して斜めに切断し、先端を加熱金
型に入れ、丸みをおびた先端部とした。さらに、インフ
レーション用ルーメンの先端部付近にカフとの連通孔を
設け、さらに後端側にインフレーションチューブの取り
付け孔を作成し、この取り付け孔に後端部に内部に逆止
弁を備えたアダプタ、途中にパイロットバルーンを有す
るインフレーションチューブを挿入し、気密に固着した
カフは、形状がカフの最大膨張時を有する金属金型を用
い、この金型をポリ塩化ビニルプラスチゾル(ポリウレ
タン55部十ボリ塩化ビニル45)中に浸漬し、表面に
ポリ塩化ビニルプラスチックゾルを均一に付着させた。
次に18 0 ’C加熱オーブン中で、ブラスチゾルを
溶融ゲル化し、ポリ塩化ビニル被膜を形成させた。そし
て、この塩化ビニル被膜を金型より取り外し、反転させ
た後、フッ化炭化水素(フレオンTF、三井・デュポン
フロロケミカル株式会社製゛)に浸漬し洗浄し、さらに
1%MDI(アセトン溶媒)中にに浸漬した。そして、
5%ポリビニルアルコール水溶液中に浸漬し、乾燥させ
ることにより作成した。ポリビニルアルコールとしては
、関東化学株式会社製、重合度1500 (分子量66
0G)、ケン化度98.5モル%のものを用いた。
このカフは、表面にポリビニルアルコールが1. OX
 to−’ g 7am”付着していた。このようにし
て形成したカフを、再度反転させた後、カフ内に本体チ
ー−ブを挿入して、両端を加熱溶融させて気密に固着し
、本発明の気管内チューブを作成した。
(実施例2) ポリビニルアルコール水溶液として、濃度6%゛のもの
を用いた以外は、実施例lと同様に作成した。このカフ
では、表面にポリビニルアルコールが4. 2X to
”3g/cIl1付着していた。
(実施例3) ポリビニルアルコール水溶液として、濃度8%のものを
用いた以外は、実施例1と同様に作成した。このカフで
は、表面にポリビニルアルコールが11. 2X 10
”3g /ctx″付着していた。
(実施例4) 実施例1と同様に、カフを作成し、反転させた後、カフ
の表面に、1%MDI/アセトン溶液を塗布し、40°
Cのオーブン中でIO分乾燥させ、そして、2%無水マ
レイン酸エチルエステル共重合体溶液(アセトン溶媒)
を塗布し、カフ表面に無水マレイン酸エチルエステル共
重合体を固定し、湿潤性物質を固定した。
そして、実施例1と同様に作成した本体チューブをこの
カフ内に挿入して、両端を加熱溶融させて気密に固着し
、本発明の気管内チューブを作成した。
(実施例5) ポリビニルアルコール水溶液として、濃度10%のもの
を用いた以外は、実施例1と同様に作成した。このカフ
では、表面にポリビニルアルコールが19X 10−’
g /ax″付着していた。
(比較例1) ポリビニルアルコール水溶液として、濃度5%のものを
用い、ポリビニルアルコール付着処理を行った後、約5
分水洗した。それ以外は、実施例1と同様に作成した。
このカフでは、表面にポリビニルアルコールが0. 5
X 1G−3g /cR2付着していた。
(比較例2) ポリビニルアルコール水溶液として、濃度11%のもの
を用いた以外は、実施例1と同様に作成した。このカフ
では、′表面にポリビニルアルコールが22X 10−
3g 7am”付着していた。
(比較例3) ポリビニルアルコールを付着させる工程を行わない以外
は、実施例lと同様に作成した。
[実験] 実施例1ないし5および比較例1ないし3の気管内チュ
ーブを用いて、それぞれのカフコンブライアンスおよび
笑気ガス接触後90分後のカフ内圧を測定し、カフ内圧
の初期値より上昇値を算出した。その結果は、第1表に
示す通りであった。
また、実施例1および2の気管内チューブの笑気ガス接
触時間とカフ内圧との関係は、第4図に示す通りであっ
た。
第1表 [発明の効果] 本発明の気管内チューブは、内部にルーメンを有するチ
ューブ本体と、該チューブ本体の先端部付近の外周面の
一部を環状に囲繞するよう設けられた膨縮自在のカフと
、該カフ内と連通し、かつ前記チューブ本体のルーメン
と並行に設けられたカフのインフレーション用ルーメン
とを有する気管内チューブであって、前記カフは軟質合
成樹脂により形成されており、さら−に、その表面にポ
リビニルアルコールがI X 10−3〜20X 10
−’g /am″付着しているものであるので、笑気ガ
スの透過を確実に抑制し得るため、使用時におけるカフ
の容量、内圧の増加が抑制され、気道の損傷を防止でき
る。さらに、カフは十分柔軟なものであるため、気管内
壁に損傷を与えることも少ない。
また、本発明の気管内チューブの製造方法は、内部にル
ーメンを有するチューブ本体と、チューブ本体の先端部
付近の外周面の一部を環状に囲繞するよう設けられた膨
縮自在のカフと、カフ内と連通し、かつチューブ本体の
ルーメンと並行に設けられたインフレーション用ルーメ
ンとを有する気管内チューブの製造方法であり、軟質合
成樹脂を予めカフ状に成形した後、このカフ状物の表面
に3〜20重量%濃度のポリビニルアルコール溶液を塗
布し、乾燥させ、次いで、このようして得たカフをチュ
ーブ本体に固着するものであるので、上記の本発明の気
管内チューブを確実かつ容易に製造することができる。
5I−φインフレーション用ルーメン 11・・・パイロットバルーン 14・・・軟質合成樹脂フィルム 15φ・・ポリビニルアルコール層 I6・・・湿潤性物質層   17・・・コネクl8・
・・アダプタ 夕
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の気管内チューブの一実施例の要部斜
視図、第2図は第1図に示した実施例のカフ部分を拡大
して示した断面図、第3図は、他の実施例のカフ部分を
拡大して示した断面図、第4図は、本発明の実施例およ
び比較例の気管内チューブを用いて行った実験結果を示
ス図、第5図は、カフコンブライアンス測定に使用され
る装置を示す図、第6図は、気管内チューブの使用状態
を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)内部にルーメンを有するチューブ本体と、該チュ
    ーブ本体の先端部付近の外周面の一部を環状に囲繞する
    よう設けられた膨縮自在のカフと、該カフ内と連通し、
    かつ前記チューブ本体のルーメンと並行に設けられたカ
    フのインフレーション用ルーメンとを有する気管内チュ
    ーブであって、前記カフは軟質合成樹脂により形成され
    ており、さらに、その表面にポリビニルアルコールが1
    ×10^−^3〜20×10^−^3g/cm^2付着
    していることを特徴とする気管内チューブ。
  2. (2)前記ポリビニルアルコールは、前記カフの内表面
    に付着している請求項1に記載の気管内チューブ。
  3. (3)前記カフの外表面には、湿潤性物質が付着してい
    る請求項1または2に記載の気管内チューブ。
  4. (4)内部にルーメンを有するチューブ本体と、該チュ
    ーブ本体の先端部付近の外周面の一部を環状に囲繞する
    よう設けられた膨縮自在のカフと、該カフ内と連通し、
    かつ前記チューブ本体のルーメンと並行に設けられたカ
    フのインフレーション用ルーメンとを有する気管内チュ
    ーブの製造方法において、軟質合成樹脂を予めカフ状に
    成形した後、このカフ状物の表面に3〜20重量%濃度
    のポリビニルアルコール溶液を塗布し、乾燥させ、次い
    で、このようにして得たカフをチューブ本体に固着する
    ことを特徴とする気管内チューブの製造方法。
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