JPH022917B2 - - Google Patents

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JPH022917B2
JPH022917B2 JP55092664A JP9266480A JPH022917B2 JP H022917 B2 JPH022917 B2 JP H022917B2 JP 55092664 A JP55092664 A JP 55092664A JP 9266480 A JP9266480 A JP 9266480A JP H022917 B2 JPH022917 B2 JP H022917B2
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oil
fluidized
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Terukatsu Myauchi
Yoneichi Ikeda
Tatsuji Kikuchi
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G9/00Thermal non-catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils
    • C10G9/28Thermal non-catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils with preheated moving solid material
    • C10G9/32Thermal non-catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils with preheated moving solid material according to the "fluidised-bed" technique

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔〕 発明の背景 技術分野 本発明は、主として水蒸気によつて流動化して
いる粉粒体に重質炭化水素類(以下、単に重質油
という)を接触させて熱分解することによつて、
主として常温下で液状な軽質炭化水素類(以下、
単に軽質油という)を得る方法に関する。 先行技術 流動層により重質油を熱分解する既存の技術と
しては、フルードコーキング法やサンドクラツキ
ング法等が上げられる。これらの方法では、流動
化している粉粒体として、熱分解で生成したコー
クスや川砂などが用いられている。これらの粒子
はいずれも粒子内部に細孔がほとんど存在しない
わゆる非多孔質体であり、かつ重量平均径が0.2
mm以上の比較的粗大なものが用いられている。 このような非多孔質粉粒体からなる流動層によ
つて重質油の熱分解を行なう場合には、熱分解と
ともに生成する粘着性ある重合物によつて粒子表
面が覆われる。その結果、粒子上の折出炭素が多
くなると粒子が相互に凝集してしまつて、流動が
十分に行われなくなる。この現象は「ボツギン
グ」と呼ばれており、流動層による重質油熱分解
においては絶対に避けなければならない、もので
ある。 流動化粒子の粒径を粗大化すると共にそれに伴
つて、流動化流体の速度を増大すれば流動化が激
しくなるので、ボツギングが発生する傾向が低減
される。これが、従来法において比較的粗大な粒
子による流動層(以下、単に粗粒流動層という)
しか用いられていない理由である。 しかし、そのような粗粒流動層は大気泡やスラ
ツギングの発生などによつて著しく流動化状態が
不均一であり、反応の進行が妨げられるばかりで
はなく、流動化粒子のアトリツシヨン(摩砕)に
よる損失や装置の摩耗による破損などのトラブル
が生じ易い欠点があることはよく知られていると
ころである。 一方、比較的微細な粒子による流動層(以下、
単に微粉流動層という)が上記粗粒流動層に比べ
て著しく均一な流動状態を示し、反応が円滑に進
行し、流動化粒子のアトリツシヨンや装置の摩耗
などが著しく軽減されることもよく知られている
ところである。しかし、微粉流動層は、流動化が
弱いためにボツギングを発生し易く、そのままで
は重質油の熱分解を行なうことができない。 考えられる解決策 このような微粉流動層の問題点に関しては、本
発明者らは既に一つの提案を行なつた(特願昭54
−84543号)。 この先行発明による方法は、使用すべき微粉粒
子の粒度および形状を特定しかつ使用済微粉粒子
の酸化再生工程を併設することによつて、微粉流
動層による重質油の熱分解を効率よく行なうこと
に成功したものである。この先行発明による方法
によれば微粉粒子の循環量を著しく増大すること
ができるので、熱分解工程の粒子上の折出炭素量
は著るしく低下する。 この先行発明の特色の一つは、重質油の分解を
中温、すなわち500℃近く、でも行なうことがで
きるということである。しかし、これよりも低い
温度でも熱分解を行なうことができれば、また微
粉粒の循環量を減らすことができれば、有利であ
ることはいうまでもない。 〔〕 発明の概要 要 旨 本発明は上記の点に解決を与えることを目的と
し、微粉流動層によつて重質油を熱分解するに当
つて使用する微粉流子として特定の粒子特性を特
つものを用いることによつてこの目的を達成しよ
うとするものである。 従つて、本発明による重質油の熱分解法は、水
蒸気の存在下に加熱された固体粒子の流動層に重
質油を接触させて熱分解して主として軽質油を得
る方法において、この粉粒体粒子がアルミナが90
重量%以上のアルミナ質粒子、シリカが95重量%
以上のシリカ質粒子または炭素質粒子であり、細
孔容積が0.10〜1.5cm3/gであり、比表面積が50
〜1500m2/gでありかつ重量平均径が0.025〜
0.25mmである実質的に球形の粒子であること、を
特徴とするものである。 効 果 このように、本発明では微粉流動層による重質
油の熱分解を、微粉粒子として多孔性のものを使
用することによつて行なう。 いわゆる多孔質体は、通常、直径が数〜数千オ
ングストローム程度の細孔を多数内蔵している。
このような多孔質体は、表面張力に基く毛細管圧
によつて、そこに接触した液体を瞬間的に細孔内
に吸蔵してしまい、液が細孔容積をほぼ満すまで
は粒子表面を全く濡らさないので、そのような粉
体は乾操状態とほとんど変らないきわめてさらさ
らした状態に保たれていることはよく知られてい
る。 本発明の方法では、以上のような多孔質体の特
性に着目し、その微粉状物を流動化粒子として用
いることによつて、重質油を細孔内に吸蔵しなが
ら熱分解を進行させるものである。したがつて、
非多孔質体の場合のように粒子表面が粘着性重合
物で覆われることがないので(粘着性重合物は細
孔内に収容されている)、粘着性重合物に基く折
出炭素量が多くなつてもボツギングを起すことな
く安定して微粉流動層の特徴たる安定した流動状
態を保つことができる。このように、折出炭素量
が多くても均一な流動状態が安定して得られるの
で、微粉粒子の循環量を特に大きくする必要がな
い。 本発明によれば、後記の実施例にも示されてい
るように、従来の流動層に関する知見では予想で
きなかつたような低温度において、たとえば450
℃以下においても、重質油の熱分解を進めること
ができる。その結果、従来の方法に比べて副生ガ
スや折出炭素の生成が少なく、軽質油の高い収率
が得られる。たとえば、従来の流動層による重質
油の熱分解ではフルードコーキング法が最も低温
で行なわれていると考えられるが、それでも通常
は510〜570℃の範囲であり、流動触媒による軽質
油の接触改質においても通常は480〜510℃の範囲
で実施されている。なお、重質油のコーキング法
としてデイレードコーキング法があるが、これは
流動層法ではないけれども430〜490℃という比較
的低温で熱分解が行なわれている。しかし、デイ
レードコーキング法では原料油に対する折出炭素
量が極めて多く、その結果、軽質油の収率は少な
い。一般に折出炭素量は原料重質油中のコンラド
ソン残留炭素(以下、CCRという)と関係があ
り、従来法ではCCRに対して約1.2〜2倍の折出
炭素が発生し、その相当分だけ軽質油の収量が低
下するのであるが、本発明の方法によれば折出炭
素が約1.2倍以下(通常は1.1倍以下)であるうえ
ガス状炭化水素の生成も少ないので、軽質油の取
得量が増大する訳である。 本発明により、従来法に比べて著しい低温で重
質油の熱分解が可能となるのは、採用する流動層
が微粉流動層であることにもその一因があるが、
さらに以下に述べるような独特な反応機構に基づ
くものである。 すなわち、重質油は、さきにも述べた通り、毛
管圧の作用によつて多数の細孔内へと分散して吸
蔵されて熱分解を受けるものと考えられる。換言
すれば、粒子内の細孔は、きわめて微少な無数の
反応容器とみなすことができる。重質油はこの
「微小反応容器の中で液状で熱分解を受けるため、
反応温度で十分な時間滞留することができ、しか
も反応の進行に伴なつて生成したガスや軽質分は
莫大な粒子表面積があるためすばやく放出され
る。このように分解が進むので、分解残部がその
一部についてのみ重質化して行くだけであろうこ
とは当然考えられるところである。細孔がほとん
どない非多孔質粒子では、当然、粒子内に「微小
反応容器」も考えられず、従つてこのような反応
機構は想定できない。なお、本発明で使用するの
は多孔質粒子であつて比表面積のかなり大きなも
のであるが、この多孔質粒子は触媒として使用さ
れるのではない。従つて、原料重質油にはニツケ
ル、バナジウム、鉄等の重金属類が含まれている
ことがふつうであるけれども、本発明での主反応
である熱分解(多孔質粒子の細孔内で行なわれ
る)はこのような重金属によつてほとんど悪影響
を受けることがない。 要するに、本発明の方法では、重質油は「微小
反応用器」中で流動層内に長時間保持されて十分
に熱分解が受けられるので、低温度下においても
熱分解が進行し、少ないガスと折出炭素の生成の
下で、高い軽質油の収率が達成できるのである。
これには、均一な流動状態による「微小反応容
器」の反応条件の均一化なども奇与しているであ
ろう。本発明では、流動層固体粒子のような多孔
質体の細孔が液状物に対して示す優れた効果を
「容量効果」と呼ぶことにする。 なお、本発明によれば低温度において重質油の
熱分解が可能であるということは、装置からの放
熱損失の減少による熱効率の向上につながり、ま
た装置材料の選定が容易となると共に特殊な高温
用材料の使用が不要となる等の利点を生じる。特
に、熱効率の向上は、本発明を再生工程と結合し
た場合に折出炭素の燃焼ないしガス化が容易とな
ると共に発生ガスの発熱量の増大や副生水蒸気量
の増大などの実際的利点を生じる。 〔〕 発明の具体的説明 本発明による熱分解工程は微粉流動層によつて
行なわれ、そしてこの微粉流動層は前記のような
「容量効果」を持つ多孔質微粉粒子からなる。 1 微粉粒子 本発明で十分な容量効果を持つ粒子は、適度
な細孔容積と表面積とを有する多孔質体からな
る。多孔質体の細孔容積や比表面積の測定法は
確立されており、これらの値はかなりの精度で
求めることができる(たとえば、米田幸夫「触
媒工学講座4」(昭和50年(株)地人書館発行)
参照)。 本発明によれば、使用する微粉粒子の細孔容
積は、0.10〜1.5cm3/g、好ましくは0.2〜0.8
cm3/g、である。粒子の細孔容積が0.10cm3/g
未満では、容量効果が不足して、例えば流動化
中にボツギングを起し易くなる。一方、細孔容
積が1.5cm3/g超過では、容量効果は十分にあ
るが、一般に粒子の機械的強度が著しく低下し
て、流動化粒子としては不十分である。 一方、多孔質微粉粒子の比表面積は、50〜
1500m2/g、好ましくは100〜600m2/gであ
る。この粒子の細孔が「微小反応容器」として
役立つためには、この容器に原料重質油を導入
すべき細孔の大きさが問題となる。粒子の細孔
径が10オングストロム以下というような著しく
小さい場合には重質油が細孔内に浸入し難い
し、たとえ浸入したとしても折出炭素などによ
り閉塞し易い。一方5000オングストローム以上
のような著しく大きな細孔では毛管圧による重
質油の吸引が不十分となる。しかし、細孔径を
正確に測定することはかなり困難であり、以上
について定量的議論もまたきわめて困難であ
る。それに代つて比較的正確に測定できるもの
として比表面積があるが、その値が50〜1500
m2/gであり、かつ細孔容積が0.1〜1.5cm3/g
あれば通常の多孔質体においては上記10〜5000
オングストロームの細孔径のものが主体となる
ので、比表面績をもつて多孔性の指標となし得
る。 本発明で使用する微粉粒子は、また、重量平
均径が0.025〜0.25mm、好ましくは0.04〜0.12
mm、で実質的に球形のものでなければならな
い。0.025mm未満では微粉状物同志の付着性が
増してチヤンネリングなどを起し易くなり、一
方0.25mm超過の大粒子の場合は大きな気泡が発
生してスラツギングを起し易く、何れの場合に
も均一で良好な流動層の形成が困難になる。本
発明によれば微粉粒子が多孔質であることに相
当して折出炭素によるトラブルにわずらわされ
ることなく、しかも比較的低温で、安定に微粉
流動層を形成させることができるので、使用す
る微粉粒子の重量平均径は前記の本発明者らの
先行発明の場合よりもさらにその範囲を広げる
ことができる。なお、この微粉粒子は重量平均
径0.044mm以下のものの含量が5〜50重量%程
度であることが好ましい。本発明で「固体粒子
が実質的に球形の粒子である」とは、個々の粒
子がその表面に若干の凹凸があつても全体とし
てほぼ球形であり、しかも粒子群の約90%以上
がそのような粒子で占められていることを意味
するものである。 本発明で使用する粒子は、上記の要件を満た
す外に、高温度において安定であるものである
べきである。すなわち、使用済み粒子を再生工
程で加熱して分解工程での熱源として必要な温
度に上昇させると共に折出炭素をガス化して除
去するためには約600℃以上、好ましくは約700
℃以上、さらに好ましくは約800℃以上に粒子
を昇温することがふつうであるので、粒子はこ
のような温度に加熱されてもその「容量効果」
を実質的に低減しないものであるべきだからで
ある。また、この再生工程での折出炭素のガス
化は酸素含有ガスとの接触によつて行なうこと
がふつうであるので、この粒子はそのような酸
化性雰囲気においても安定であることが望まし
い。 この粒子が重質油の分解等に対して触媒能を
持つものである場合にはそれなりの効果を併せ
て亨受することができようが、本発明では粒子
は触媒能を持つものでなくてもよい。 本発明で使用するのに適した粒子の具体例を
挙げれば、素材的には、シリカ質、アルミナ質
以上いずれも、たとえば、流動触媒の坦体とし
て用いられているもの)、炭素質活性炭(たと
えば、廃水や廃ガス処理などに用いられている
微粉状活性炭)、がある。実質的に球形の粒子
の好例は、流動触媒用の坦体、微小球形活性炭
等であり、これらは噴霧乾操や流動造粒等の方
法によつて人工的に造粒されたものである。な
お、通常の破砕粒子等は本発明でいう実質的に
球状という条件を満たさないことがふつうであ
る。 これらの微粉粒子のうちで特に好ましいの
は、アルミナ質粒子およびシリカ質粒子であ
る。これらは、約800℃においても細孔容積や
比表面積などの変化が極めてわずかだからであ
る。炭素質粒子は高温度での安定性は十分であ
るけれども酸化性ガスに対する安定性が不十分
なので、再生工程での雰囲気の酸素濃度の低下
や水蒸気の使用などによつて再生時損失を低減
させる必要がある。なお、「アルミナ質」とい
うのは、アルミナが約90重量%以上、好ましく
は約95重量%以上、含まれていることを意味
し、「シリカ質」とは、シリカが約95重量%以
上、好ましくは約98重量%以上、含まれている
ことを意味する。なお、通常FCC触媒として
使用されている所謂「シリカ−アルミナ」はシ
リカの含量が約70〜約90重量%、したがつてア
ルミナの含量が約10〜約30重量%であるから、
本発明でいうアルミナ質またはシリカ質ではな
い。なお、このようなシリカ−アルミナは、耐
熱性が高くなく、本発明の方法に適した粒子と
はみなしえない。本発明で使用する微粉粒子
は、混合物(たとえば、アルミナ質粒子とシリ
カ質粒子との混合物)であつてもよい。 要約すれば、本発明で流動層用として使用す
る粒子は、細孔容積や比表面積が本発明熱分解
工程および再生工程で加えられる条件の下で実
質的に安定に保たれるものであればよく、した
がつて、これらの各条件ならびに上記のアルミ
ナ、シリカおよび炭素の含量に関する条件が満
たされる限りにおいて、耐熱性保持ないし向上
のための他の成分が添加されたものも本発明で
は使用することができる。 2 原料油および生成物 本発明で使用する原料重質油は、そのCCR、
硫黄含有量、重金属含有量等に関して格別の制
限はない。適当な原料重質油の具体列を挙げれ
ば、重質分の多い原油、石油精製工程からの常
圧蒸留により得られる残渣油(以下、単に常圧
残渣油という)、同じく減圧蒸留により得られ
る残渣油(以下、減圧残油という)、油母頁岩
やタールサンドからの回収油、その他がある。
これらのうちで、他の方法と比べて本発明の効
果をよりよく享受することができるのは、
CCRが比較的多いもの、たとえば約10以上の
もの、である。 なお、本発明で「重質油」という場合は、以
上のように高沸点成分やCCRが比較的多い炭
化水素の混合物を意味し、常温で固体であるも
のをも包含する。 この重質油の熱分解によつて得られる主要生
成物は、常圧沸点が220℃以下のガソリンおよ
び常圧沸点が220〜510℃の灯軽油である。これ
らの主要生成物の取得比率は、主として熱分解
温度条件によつて広く変化させることができ
る。また、熱分解反応の副成物として、真発熱
量が5000〜10000Kcal/Nm3の高発熱量ガスが
得られる。 なお、使用済粒子の再生を空気、空気と水蒸
気、または酸素と水蒸気などの酸素含有ガス接
触下の加熱により行なう場合には、再生工程か
ら燃料用または合成用となる中低カロリーのガ
スおよび(または)水蒸気が得られる。この水
蒸気は、一部または全部を熱分解工程への送入
用に消費することができる。 3 熱分解工程 熱分解工程は、水蒸気の存在下に加熱された
前記の微粉粒子の流動層に重質油を接触させる
ことにより得られる。 (1) 熱分解反応装置 微粉流動層を収容する重質油の熱分解のた
めの反応塔は、通常、縦長の円塔であつて、
その下部から加熱された固体粒子を通常は原
料油および過熱水蒸気とともに供給するよう
になつている。粒子再生工程に附すべき固体
粒子の抜出しは、反応塔の中〜上部から行な
つてもよいが、抜出口を原料油供給口より下
の反応塔最下部に設け、かつ過熱水蒸気と向
流接触させながら抜出しを行えば粒子に附着
した油分が、水蒸気によつてストリツピング
されて熱分解工程にもどるので好都合であ
る。 反応塔は、微粉流動層の流動状態が良好で
あることから、特に流動状態を向上とする目
的で特別に内挿物を設置する必要はない(設
置しても支障えないことはいうまでもない)。
しかし、生成した軽質油および可燃性ガスに
伴なわれて多量の固体粒子が飛散するので、
該反応塔上部には、飛散固体粒子を捕集した
上にそれを流動層に戻すべき設備、たとえば
サイクロンおよびデツプレツグ等、を設け、
そこを通してからガス状熱分解生成物を排出
させることがふつうである。これらは微粉流
動層の通常の手段である。 なお、重質油の熱分解に必要な熱は流動層
中の固体粒子の顕熱で主に賄なうが、希望す
るならば、反応器に適当な加熱設備を設けて
もよい。 (2) 熱分解工程の実施 上記のような熱分解反応塔に、原料油と過
熱水蒸気と加熱された固体粒子(たとえば粒
子再生工程からのもの、およびさらに必要に
応じ新鮮な補給固体粒子)とを送入する。原
料油の一部は、反応塔頂から軽質油とともに
得られた重質油分のリサイクル油からなるの
が普通である。 原料油と固体粒子および過熱水蒸気とは
別々に反応塔は導入することができるが、固
体粒子は過熱水蒸気およびまたは原料油蒸気
により搬入することが好ましい。また、原料
油は過熱水蒸気とともに、場合により固体粒
子とともに、導入することが好ましい。 固体粒子の反応塔への循環量は、原料油供
給量の2〜20倍(重量基準)、好ましくは4
〜10倍、である。 反応塔内の微粉流動層の平均温度を反応温
度とすると、反応温度は380〜600℃、好まし
くは430〜550℃、である。なお、微粉流動層
の温度はきわめて均一であり、層内の温度差
は通常5〜10℃以内である。 反応塔内への循環粒子は、その全量が粒子
再生工程からのものである必要はなく、適宜
新鮮な固体粒子を補充することができる。 本発明を効果的に実施するためには、主要
な流動化ガスとして、水蒸気または水蒸気含
有ガスを送入する必要がある。流動化ガス
は、これらの外に重質油のガス状分解物から
主としてなる。本発明の好ましい具体例で
は、水蒸気量は重質油の1重量%以上、好ま
しくは5重量%以上、である。1重量%未満
の水蒸気量では、熱分解生成物の粒子細孔か
らの離脱が不十分となり、また重質油の熱分
解とともに重合反応が進むようになつて、主
として折出炭素量が増大すると共に軽質油の
収率が低下する。 4 粒子再生工程 本発明では使用済粒子の再生工程は必須では
ない。しかし、再生工程での処理によつて本発
明でいう「容量効果」が低減されないような微
粉粒子を熱分解工程に使用する場合には、再生
工程を併設して本発明熱分解工程を実施するの
がふつうである。再生によつて長時間の熱分解
工程の実施が可能となるからである。 熱分解に使用した微粉粒子の再生は主として
細孔内の折出炭素の除去および熱坦体として必
要な熱量の賦与を目的とするものであり、この
目的に応じて適当な再生手段を講じればよい。 粒子の細孔内の折出炭素の除去を目的とする
場合に適当な再生工程は、使用済粒子を酸素含
有ガスとの接触下に加熱することからなる。こ
の場合にも、処理すべき微粉粒子は流動層を形
成していることが好ましい。 流動層による酸化再生工程の一具体例は、前
記した本発明者らの先行発明(特願昭54−
84543号)によるものである。この先行発明に
よる再生工程は下記の通りである。 (1) 再生処理装置 熱分解工程の反応塔から抜出された使用済
固体粒子は、粒子再生工程の粒子再生塔に送
られて流動状態で酸素含有ガスと接触して、
粒子上に附着している可燃物、主として折出
炭素、の燃焼ないしガス化による除去および
その発生熱による粒子の加熱を受ける。 再生塔は、通常、縦長の円筒であつて、熱
分解工程から送られてくる使用済固体粒子の
供給口と加熱された再生固体粒子の抜出し口
と反応塔下部の酸素含有ガスの供給口と塔頂
の燃焼生成ガスの排出口とを有する。 再生塔の流動層は、通常の微粉流動層でも
よい。しかし、好ましい実施態様によれば、
複数固の画室よりなる流動層を用いて、固体
粒子を上部から下部へとガスと向流接触させ
ながら、折出炭素の燃焼除去および加熱を行
なう。 流動層を上下方向に複数個の画室化する場
合には、その画室化は、ガスの上昇および固
体粒子の降下を許容するけれども固体粒子の
上昇を制限するような実質的に水平な隔壁に
よつて行なう。隔壁としては、例えば多孔
板、金網、スリツトなどが用いられる。 再生塔の画室は、複数個であることが望ま
しい。そして、最下部より上の画室で折出炭
素の燃焼ないしガス化を行なわせることが好
ましい。本発明の好ましい実施態様では画室
を少なくとも3室とし、最上部を主として燃
焼生成ガスと再生すべき使用済固体粒子との
接触熱交換による固体粒子の予熱部および燃
焼生成ガスの冷却部、中間を主として折出炭
素の燃焼ないしガス化反応部、最下段を主と
して再生済高温固体粒子との熱交換による固
体粒子の冷却部および酸素含有ガスの予熱部
とすることが好ましい。6室以上に画室化す
ることは、装置が複雑になる割には効果の向
上が少ない。 再生塔の上部には、微粉流動層から飛散し
て燃焼生成ガスに同伴される固体粒子を捕集
し、これを流動層に戻す装置、たとえばサイ
クロンおよびデツプレツグ等、を設け、そこ
を通してから燃焼生成ガスを排出させること
がふつうである。粒子再生塔に送入する酸素
含有ガスは、空気であることが普通である。 (2) 粒子再生工程の実施 再生すべき使用済固体粒子は、粒子再生塔
が通常の流動層の場合は流動層の適当な位置
に供給し、別に適当な位置から抜出すればよ
い。 再生塔が上下に複数室に画室化されている
場合は、固体粒子は反応塔の最上部の画室に
供給され、各画室を通過して降下して、最下
部の画室から排出されるのがふつうである。
この場合には、酸素含有ガスとして通常は常
温の空気を加熱塔下部から供給すると、最下
室ではその上方の画室から降下してくる高温
の再生済固体粒子と接触することによつて熱
交換が行なわれ、空気が予熱されると同時
に、再生済固体粒子が熱分解工程で使用する
のに適当な温度まで冷却される。なお、画室
の最下室に冷却管を導入すると、再生済固体
粒子の冷却が一層容易になる。予熱された空
気は、さらに上方の画室に至り、主として折
出炭素の燃焼ないしガス化に消費される。 燃焼ないしガス化反応によつて生成した高
温のガスはさらに上方の画室に上昇し、熱分
解工程から戻つてきた使用済固体粒子と接触
して、主として熱交換によつて、この再生す
べき使用済固体粒子を予熱すると共に自らの
温度を下げる。 酸素含有ガスは、必要に応じて空気以外に
酸素を富化しあるいはスチームその他の希釈
ガスを混合したものであつてもよい。また、
酸素含有ガスの一部を最下段以外の画室に送
入してもよい。 再生に際しての反応は、使用済固体粒子へ
の折出炭素の酸化反応が主体であるが、生成
ガス組成がほぼ完全燃焼組成となるか、不完
全燃焼組成となるかは、再生部での使用済固
体粒子の折出炭素濃度、流動層高、燃焼温
度、酸素含有ガス量およびその送入方法など
の多くの要因に関係する。 例えば、粒子上の折出炭素が多く、流動層
が高く、反応温度が高くなると、不完全燃焼
の傾向が大きく、燃焼生成ガス中の一酸化炭
素および水素の濃度が大になる。本発明の方
法では炭素が細孔内に折出することから、粒
子上の折出炭素量を著しく多くできるので、
その結果、従来法に比べて一酸化炭素と水素
の濃度が著しく高くできるので、再生工程生
成ガスを燃料や合成用原料ガスとして使用す
る場合に有利である。また上記が逆な場合、
あるいは酸素含有ガスをガス化室の上方に追
加供給した場合等には、完全燃焼に近づき、
生成ガス中の一酸化炭素が減少して炭酸ガス
量が増大する。また、完全燃焼に近い場合に
は、反応塔内での発熱が大きいので、反応塔
内に水冷管を設置するなどして、余剰の熱量
によつて過熱水蒸気を発生させ、それを熱分
解工程用に使用することもできる。 一般に、使用済固体粒子に折出した炭素の
熱焼ないしガス化反応は約600℃以上で進行
するので、再生工程の再生室温度も600℃以
上であることが望ましい。しかし、900℃以
上の温度は不必要である。 5 フローシート 第1図は、本発明による熱分解を実施するた
めのフローシートの一例を示すものである。 第1図において、1が重質油を熱分解するた
めの流動層反応塔であり、原料重質油は単独ま
たは水蒸気などと混合して管路2および噴出部
3を経て、流動層内に送入される。また塔底か
らは管路4および分散器5を経て、水蒸気また
は水蒸気と不活性ガスの混合物が送入される。 流動層層反応塔内には多孔質固体粒子が充填
されており、前記水蒸気および重質油の分解物
などのガス状物によつて流動化されている。 流動層反応塔の上部は拡大され、そこに内設
されたサイクロン6によつて流動層から飛び出
してきた微粒子が捕集され、常時、流動層に戻
されている。熱分解生成物は、管路7を経て冷
却器8で液状物(軽質油)が受器9に分離さ
れ、未凝縮性ガス(副成ガス)が管路10を経
て系外に排出される。 流動層の温度および圧力損失は、熱電対11
および水マノメーター12で常時測定される。 第2図は、使用済固体粒子の再生工程を併設
した本発明の実施態様の一例を示すフローシー
トである。流動層反応塔21にはサイクロンお
よびデツプレツク21a、粒子の附着油除去の
ための過熱水蒸気によるストツピング域21b
が設けてあり、また生成軽質油凝縮器22およ
び受器23が附設されている。凝縮しない副成
ガスは管路23aから回収される。原料油は、
予熱された過熱水蒸気と共に管路24aから、
再生粒子循環管路24を経て、反応塔21のス
トリツピング域21bの上部に供給される。反
応塔ストリツピング域21bの下部から排出さ
れた使用済固体粒子は、管路25を経て粒子再
生工程の加熱および折出炭素の燃焼ないしガス
化を行なう再生塔26に送られる。 再生塔26は、サイクロンおよびデツプレツ
グ26aを有する上部室26b、中間室26
c、空気(および水蒸気)供給管路28および
粒子排出口29を有する下部室26dに画室化
されている。隔壁27a、27bはそれぞれ多
孔板である。管路28から燃焼ないしガス化反
応用の空気(および水蒸気)が吹込まれる。再
生塔の上部室26bは管路25から受入れた使
用済固体粒子の予熱域、中間室26cは主要燃
焼ないしガス化反応域、下部室26dは吹込み
空気(および水蒸気)の予熱および排出固体粒
子の温度調節域である。粒子排出口29からの
再生済粒子は、管路31aからの過熱水蒸気に
よつて、管路24を経て、熱分解工程の反応塔
21へ循環される。管路30は、燃焼生成ガス
の排ガスの排出管である。 6 実施例 実施例 1 (1) 添付第1図と同様な装置を使用した。流動
層反応塔の本体は内径が8.1cm、拡大部の内
径が15.8cm、有効高さ約2mであり、すべて
ステンレス鋼製である。 流動化粒子として流動触媒坦体用のアルミ
ナ質の微粉球状粒子4リツトルを反応塔内に
充填した。 流動層反応塔の底部の分散器から約450℃
に予熱した水蒸気を640g/時の割合で一定
に供給しながら、その上方の原料油噴出口よ
りミナス常圧残油を1280g/時の割合で一定
に供給した。この時、流動層温度は450℃、
圧力は常圧に維持した。 原料重質油の供給開始から時間の経過とと
もに、流動層の圧力損失が増大し、流動層内
に折出炭素が蓄積されて行くことが確認され
たが、反応開始後1時間で運転停止に至るま
で、きわめて良好な流動状態に維持されてい
ることが流動層の圧力損失の変動から確認さ
れた。 熱分解生成物は水およびドライアイスで冷
却して、その凝縮分を通常の単蒸留法に付し
て留出曲線を求めた。また、冷却器を通過し
たガスについては、その量およびガスクロ分
折法によつて組成を求めた。 さらに熱分解反応が終了後、反応塔内より
流動化粒子を取出し、その重量および元素分
折による組成とから折出炭素を求めた。 (2) 流動化粒子はほぼ球形をなし、性状は次の
通りである。 嵩密度 0.78g/cm3、細孔容積 0.41cm3
g、 表面積 200m2/g、重量平均径 0.053
mm、 また原料常圧残油は次のようなものであ
る。 CCR 4.9%、硫黄 0.13% (3) 1時間の熱分解の結果、原料重質油当り、
次のような値を得た。 生成ガス量 3.0重量% 軽質油収率 100.3容量% 折出炭素 4.5重量% なお、軽質油中、沸点220℃以下のガソリ
ン相当分は約14容量%であつた。 実施例 2 流動化粒子として流動触媒坦体用の微粉球状
シリカ4リツトルを反応塔内に充填した。その
他、原料重質油、熱分解条件等は実施例1と同
様である。 流動化粒子の性状は次の通りである。 嵩密度 0.75g/cm3、細孔容積 0.35cm3/g 表面積 150m2/g、重量平均径 0.063mm 1時間、良好な流動状態で反応が縦続でき、
次の結果を得た。 生成ガス量 4.1重量% 軽質油収率 100.2容量% 折出炭素量 4.6重量% なお、軽質油中、15容量%がガソリン相当分
であつた。 実験例 3(比較例) 流動化粒子として細孔をほとんど有さない非
多孔質の微小球状シリカ細孔容積0.02cm3/g4
リツトルを反応塔内に充填した。その他原料重
質油、熱分解条件等は実験例1と同様である。 原料重質油の供給開始とともに、流動層圧力
損失の変動が増大して流動状態の悪化が示さ
れ、約10分後に明らかにボツギングを起し、30
分後に運転を停止して反応塔内を点検したとこ
ろ流動化粒子がほとんど固着していた。 実験例 4 流動化粒子として、流動触媒坦体用である
が、特に細孔容積の大きな微粉球状アルミナ4
リツトルを反応塔内に充填した。また、原料重
質油としてはミナス減圧残油を使用し、1370
g/時の供給量で一定に供給した。 流動化粒子の性状は次の通りである。 嵩密度 0.42g/cm3、細孔容積 0.70cm3
g、 表面積 300m2/g、重量平均径 0.060m/
m また原料減圧残油は、次のようなものであ
る。 CCR 10.2% 硫黄 0.18% 良好な流動状態の下で、一時間反応を行つた
結果は次の通りである。 生成ガス量 4.2重量% 軽質油収率 90.8容量% 折出炭素 11.3重量% なお、軽質油中、約16容量%がガソリン相当
分であつた。 実験例 5 原料重質油としてカフジ減圧残油を使用し、
供給量を1480g/時および熱分解工程温度を
480℃、とした以外は実験例4と同様である。
原料重質油は、次のようなものである。 CCR 22.4% 硫黄 5.3% 良好な流動状態の下で、1時間反応を行なつた
結果は、次の通りである。 生成ガス量 7.0重量% 軽質油収率 80.2容量% 折出炭素 24.0重量% なお、軽質油中、約34%がガソリン相当分で
あつた。 実験例 6 流動化粒子として微粉球状活性炭を使用し
た。それ以外の熱分解条件は実験例1と同様で
ある。流動化粒子の性状は次の通りである。 嵩密度 0.54g/cm3、細孔容積 0.62cm3/g 表面積 1000cm3/g、重量平均径 0.24mm 良好な流動状態の下で1時間反応した結果
は、次の通りである。 生成ガス量 10.7重量% 軽質油収率 92.8容量% なお、折出炭素は、この場合は測定できな
い。 軽質油中、ガソリン分は約34容量%であつ
た。 実施例 7(参考例) 流動化粒子として実験例1、実験例4及び下
記の性状を有する本発明範囲外の細孔容積の極
めて大きい微粉球状アルミナを選び、流動接触
分解(FCC)触媒の機械的強度の測定法とし
て一般に採用されているテストメソツド・フオ
ー・シンセテイツク・クラツキング・カタリス
ト(Testmethod for synthetic cracking
catatyst)、ACC 6131−4M−1/57記載の方
法に準じて、それぞれの粒子の摩減損失を測定
し、その機械的強度を比較した(摩減損失の大
きい粒子ほど機械的強度が弱いことを意味す
る)。 大細孔容積を有する微粉球状アルミナの性状
は次の通りである。 嵩密度 0.25g/cm3、 細孔容積 1.60g/cm3、 表面積 180m2/g、 重量平均径 0.060mm なお、摩減損失は下記の式により求めた値で
ある。 摩減損失(重量%/15時間)=5〜20時間に摩減により
飛散した微粒子(g)) ÷(仕込み試料(g)−0〜5時間に飛散または
摩減により飛散した微粒子(g))×100 測定結果は次の通りであつた。
【表】 実験例 8(参考例) 実験例5と同じ装置、同じ原料油(カフジ減
圧残油、CCR22.4%)、同じ反応条件にて、次
の粒子を用い、実験例5に対する比較実験を行
なつた。 粒子A(シリカ質粒子) 嵩密度 1.1g/cm3、細孔容積 0.05cm3/g 表面積 4m2/g、重量平均径 0.082mm 粒子B(アルミナ質粒子) 嵩密度 0.25g/cm3、細孔容積 1.60cm3/g 表面積 180m2/g、重量平均径 0.060mm 粒子Aを用いた実験では、原料油の供給開始
後約15分までは流動状態が比較的良好であつた
が、その後次第に流動状態が悪化し、約30分経
過時からボギングを起し、約50分経過時に実験
の続行が不可能となつた。反応塔内を開放して
調べたところ、大部分の粒子が未分解原料油に
より固着していた。分解生成物の回収率は低
く、供給された原料油に対する収率は次の通り
であつた。 生成ガス量 4.2重量% 軽質油収率 51.6容量% 粒子B(実験例7と同じ粒子)を用いた実験
では、流動層からの粒子の飛散が激しく、原料
油の供給開始後約40分で、サイクロンが閉塞
し、流動層内の圧力が上昇した後、多量の粒子
が分解生成物の凝縮回収部に流出したため、実
験の続行が不可能となつた。細孔容積を大きく
した結果、粒子の嵩密度が過少となり、また摩
耗量が多くなり、粒子の飛散量が急激に増した
ためと考えられる。流出粒子により凝縮回収部
も閉塞したので、分解生成油の回収も不可能で
あつた。 実験例の解折 実験例1、4、および5は、この発明に適合
したアルミナ質の粉粒体を用いて、常圧残油お
よび減圧残油の熱分解を行つたものである。こ
れらのデータを従来の流動層方式であるフルー
ドコーキグ法の成積と比較すると、フルードコ
ーキング法では折出炭素/CCR≒1.2であるに
対して、この発明ではそれぞれ1.10、1.11およ
び1.07で少なく、それに伴つて生成ガスが少な
く、軽質油収率が高い。 実験例2は、この発明に適合したシリカ質の
粉粒体を用いた場合であり、結果は実験例1、
4および5と同様である。 実験例3は、この発明の範囲外の非多孔質粒
子の場合を比較例として示したものであり、こ
の場合は事実上実施不能であることを示してい
る。 実験例6は、この発明の範囲内ではあるが、
その粒径、表面積などがほぼ限界に近い粒子を
用いた場合に関するものである。粒子は炭素質
であるから、これを再生工程で処理する場合に
は、酸化性の低い温和な条件で折出炭素のガス
化を行なう必要がある。 なお、実験例1〜5において、冷却器で通過
したガスの発熱量は、いずれも約5000〜
6000Kcal/Nm3であつた。 また、実験例7(参考例)は実験例1および
4で使用した粒子に比して本発明範囲外である
細孔容積の大きい粒子の摩減損失が30重量%/
15時間と著るしく大きく、長期使用に耐えられ
ず、流動化粒子としては十分であることを示し
ている(一般に長期使用に耐える粒子の摩減損
失は約20重量%/15時間以下、好ましくは約10
重量%15時間以下と云われている)。 実験例 8(参考例)により、本発明範囲外の
過少および過大な細孔容積の粒子を使用した場
合、重質油の熱分解を比較的低温度にて流動層
で行なう際に、きわめて重大な問題が発生する
ことがわかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による熱分解工程の一例を示
すフローシートである。第2図は、本発明による
熱分解工程の一例を使用済固体粒子の再生工程の
一例と組合せた場合を示すフローシートである。 1……流動層反応塔、2,3……原料重質油供
給装置、4,5……水蒸気供給装置、8……冷却
器、9……軽質油受器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水蒸気の存在下に加熱された固体粒子の流動
    層に重質油を接触させて熱分解して主として軽質
    油を得る方法において、この固体粒子がアルミナ
    が90重量%以上のアルミナ質粒子、シリカが95重
    量%以上のシリカ質粒子または炭素質粒子であ
    り、細孔容積が0.10〜1.5cm3/gであり、比表面
    積が50〜1500m2/gでありかつ重量平均径が
    0.025〜0.25mmである実質的に球状の粒子である
    ことを特徴とする、重質油の熱分解法。 2 固体粒子が、アルミナが90重量%以上のアル
    ミナ質の微粉状物である、特許請求の範囲第1項
    記載の方法。 3 流動化している固体粒子の温度が380〜600℃
    の範囲にある、特許請求の範囲第1〜2項のいず
    れかに記載の方法。 4 熱分解の工程から固体粒子を流動状態で酸素
    含有ガスと接触させて該固体粒子に附着している
    可燃物をガス化することからなる粒子再生工程を
    両工程間に該固体粒子を循還させながら実施す
    る、特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載
    の方法。 5 粒子再生工程が粒子と酸素含有ガスとが主と
    して向流に接触する複数個の画室によつて上下に
    分けられた流動層によつて行なわれる、特許請求
    の範囲第4項に記載の方法。
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