JPH0228985B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はWPW治療用装置に関し、心臓の刺激
伝導系の異常を治療するものである。

従来の技術 心臓病の中には刺激伝導系の不良に原因する幾
つかの病気がある。即ち、心臓の筋肉の収縮を制
御する刺激伝導系はＡ−Ｖノードなどにより電気
刺激信号が発せられ、この信号が刺激伝導系を移
動し、それに付随して心臓筋肉の収縮が起こるの
であるがこの刺激発生源が幾つもある様な病気が
ある。この様な病気はひどい物では死亡の危険が
あるので開胸し不要な刺激発生源を手術により切
断する事が通常行われている。更に最近において
はカテーテルを心臓内に挿入しこのカテーテルを
介して心電図を測定して不要の刺激発生源を検出
しそのカテーテルを介して100ジユール程度の直
流シヨツク電流を与えて刺激発生源を破壊してし
まおうという方法が実施されている。この方法は
大規模な手術を必要とせず内科医が一人で行える
ので大きな利点があるが破壊電源として直流シヨ
ツク電流を用いるため破壊範囲を正確に制御でき
ず心臓内に広範囲に火傷を作つてしまうという大
きな問題点が残されている。

発明が解決しようとする問題点 本発明はかかる従来の問題点を解消するもので
癌ハイパーサーミアにより蓄積した高周波加温枝
術を応用して内科医が容易に用いられるWPW治
療用装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 即ち、本発明は、水晶発振による単一周波数成
分からなる加温用高周波発生装置と、カテーテル
の先端に設けられて電気的及び熱的に良導体であ
り温度センサーを有すると共に温度センサーの接
続線を介して前記高周波発生装置の高周波電圧を
供給し高周波加温の電極を構成するキヤツプ状構
造体と、直流温度信号及び低周波心電図信号を分
離する電気回路とを備えた構成を特徴とする。

作 用 従つて、本発明の構成によれば、破壊電源とし
て高周波を用い、火傷による破壊を行うも火傷を
より精密に制御するために高周波電力供給端に併
設して温度センサーを設けて火傷温度を測定しな
がら組識破壊を行うことができ、またこの電力供
給端では同時に心電図信号も測定し、血管に挿入
するカテーテルの径を可及的に細くできる設計条
件を含む物であるがこのためには高周波電力は水
晶発振を原振とするような雑音のない高周波を用
い心電図の周波数帯域である60Hz程度及び熱電対
の直流起電力とを周波数フイルターを用いて分離
する。

実施例 以下に本発明を図面の実施例に従つて説明す
る。

第２図はキヤツプ状構造体１を示し、先端部に
耐腐触性の高いプラチナ等の材料よりなる直径２
ｍ／ｍ長さ５ｍ／ｍの金属製キヤツプ２を有し、
このキヤツプに銅コンスタンタン熱電対センサー
３を半田付している。また熱電対センサーには線
径0.1ｍ／ｍ、長さ120cmの線部材４を接続して熱
電対センサー３と共にマルチルーメンカテーテル
５内に挿入される。このカテーテルは市販のもの
で、第３図に示す４ルーメンのものまたは２ルー
メンのものなどが用いることができ、液注入口や
圧力測定口などがある。第３図の４ルーメンはバ
ルーン拡張孔６、熱電対ワイヤ孔７、先端開口
８、及び側端開孔９を有する。

線部材４は第１図に示すように、信号分離器１
０を介して13.56MHz高周波発生装置１１、温度
計１２及び心電計に接続されている。

信号分離器１０は第４図に示すローパスフイル
ターまたは第５図のバンドリジエクトフイルター
などの回路を用いることもできる。これらの回路
は多段に接続され、段数が多いほど信号分離の効
果が大きい。る第５図のバンドリジエクトフイル
ターは銅線１３とコンスタンタン１４で構成され
る二条コードをフエライトコアー１５上に多層巻
きにする。本実施例では２ｍの二条コードを長さ
４cmのコアー上に６層巻きとし、リジエクト周波
数が13.56MHzになるように巻回数を調節してい
る。第６図に示すように実測で−45dBの減衰量
が得られた。

13.56MHz高周波発生装置は水晶発振を原振と
し、このクリーンな発振により、50Wの13.56M
Hzのノイズの中より0.1MV程度の熱電対起電力
と、2MV程度の60Hz周波数帯域の心電図信号と
が分離される。従つて、温度計１２及び心電計１
３により加温温度のモニター及び心電図のモニタ
ーを同時に並列しながら治療することができる。
なお、温度側定方法は熱電対センサーに限るもの
ではなく、プラチナ測温体がサーミスターセンサ
ーなども使用することができ、先端のキヤツプ２
もカーボンなどの耐腐蝕性の高い良電導体を使用
することができる。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の構成
によれば、水晶発振による単一周波数成分からな
る加温用高周波発生装置と、カテーテルの先端に
設けられて電気的及び熱的に良導体であり温度セ
ンサーを有すると共に温度センサーの接続線を介
して前記高周波発生装置の高周波電圧を供給し高
周波加温の電極を構成するキヤツプ状構造体と、
直流温度信号及び低周波心電図信号を分離する電
気回路とを備えることにより、火傷温度の測定及
び心電図の観察をしながら組識破壊を行なうこと
ができ、必要最小限の組識破壊で適切な治療がで
きるWPW治療用装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るWPW治療用装置の使用
概略図、第２図はキヤツプ状構造体の要部拡大縦
断面図、第３図はマルチルーメンカテーテルの横
断面図、第４図はローパスフイルター電気回路
図、第５図はバンドリジエクトフイルター電気回
路図、そして第６図は第５図の実施例の実測例を
示す周波数と減衰量との関係特性図である。 １……キヤツプ状構造体、２……金属製キヤツ
プ、３……熱電対センサー、４……線部材、５…
…マルチルーメンカテーテル、１０……信号分離
器、１１……13.56MHz高周波発生装置、１２…
…温度計、１３……心電計。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水晶発振による単一周波数成分からなる加温
   用高周波発生装置と、カテーテルの先端に設けら
   れて電気的及び熱的に良導体であり温度センサー
   を有すると共に温度センサーの接続線を介して前
   記高周波発生装置の高周波電圧を供給し高周波加
   温の電極を構成するキヤツプ状構造体と、直流温
   度信号及び低周波心電図信号を分離する電気回路
   とを備えたことを特徴とするWPW治療用装置。