JPH0228324B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はバツクルに関し、更に詳しくは二部
品から成るプラスチツクで成形したバツクルに関
する。

二部品からなるバツクルは従来から公知で、ク
ラスプ、クラスプフアスナなどと呼ばれて来た。

例えば、米国特許第1701970号に二部品クラス
プ構造が開示されているが、これは好ましく宝石
などと共に使用するため金属から構成されてい
る。同様に、米国特許第3251110号、同第3844000
号では分離可能のハウジング部材と挿入部材から
成るフアスナ装置が図解されている。これらは二
部品を取外し可能に合体させて保持するために衣
類、宝石などで用いるのに適している。その上、
これらのフアスナは、従来の射出成形技術によつ
てプラスチツク材から成形するのが好ましい。

前述の先行技術の装置には釈放可能なロツキン
グ装置がはめ合いハウジング部材と挿入部材の一
方または双方に設けてあつて、フアスナ即ちバツ
クル装置を釈放可能に連結する。しかしながら、
特にプラスチツク成形品においては偶発的離脱に
対し充分に抗し得る確実な連結装置を設けるには
若干の困難がある。

バツクルは使用者が一方向へ移動させるだけで
極めて簡単に係合できる一方、係合を外すにはよ
り複雑に移動させる必要のある連結構造または装
置を設けることが望ましい、その上、在来の技術
で最小限の労力と費用で容易に成形できるように
することが望ましい。そのように成形部品を生産
する労力と費用を最小限にするためには、その部
品の設計が比較的に単純であることが必要であ
り、かつ独立の及び／または可動の部品はできる
だけ少ない事が必要である。

従つて、この発明の一般的な目的は新規な改良
されたバツクルを提供をすることにある。

更に特有の目的はロツキング係合させるために
使用者が一度動かすだけでよい協力作用をする弾
性装置と連結装置とを含むようなバツクルを提供
することである。

又、一旦連結状に係合してしまうと、それを離
脱するのに使用者が更に複雑な操作を必要とする
バツクルを提供することである。

更にもう１つの目的は、在来の射出成形技術に
より比較的簡単に、かつ経済的に生産ができるバ
ツクルを提供することである。

簡単に述べれば、この発明によるバツクルは本
体と、前記本体内に滑り受容されるようになつて
いる舌状部を含む挿入体とを含んでいる。この本
体は更に、複数の縁で包含された貫通開口を有す
る頂壁を含み、開口を包含する縁の少なくとも１
つは挿入体の挿入方向に収れんする角度で形成し
てある。挿入体の舌状部は更に前記開口内に受容
される少なくとも１つの段状突出部を含む。この
突出部は開口の回りの上記傾斜した縁と相補的角
度で形成された少なくとも１つの縁を有し、段状
突出部と開口間とのロツキング係合を容易にす
る。本体の内部には弾性の可撓装置が設けてあつ
て、舌状部を内部に挿入するのに応じてたわみ、
その後、舌状部を上方へ押し上げて舌状部の突出
部と本体の開口との間のロツキング係合を容易に
させる。

この発明の前述の特性と利点、その他の目的は
以下の図示した実施例の説明から明らかになる。

第１図で１０はこの発明によるバツクルの全体
を示し、第１図、第２図には例えぱウエブの二つ
の端部１６と１８を連結するためにバツクルが係
合状態で示されている。バツクル１０は本体１２
を含み、挿入体１４と滑動状にロツキング係合し
ている。従つて、それぞれのウエブ１６，１８は
それぞれ各体１２，１４上に設けた適宜のウエブ
係合装置２０，２２上に支持されている。

これらのウエブ係合装置２０，２２は、好適に
はバツル各本体１２，１４のそれぞれの外側端部
に横向きに設けられた、横棒を含む。これらの横
棒２０，２２は米国特許第4171555号に説明され
たものとほゞ同形である。

第３図を参照すると、本体１２には、開口があ
る頂壁２４、１対の対向した側壁２８と２９、後
壁２６により形成された中空部を有する。後壁２
６と対向した端部の出入口２５は、頂壁２４、側
壁２８と２９、側壁２８，２９間に延びている横
桟３１で限定されている。

頂壁２４には貫通した開口３２があり、この開
口が挿入体１４の相補的な段状突出部３４と釈放
可能にロツクするよう第４図で判るように、この
突出部３４はバツクル１０の締付を行う本体１２
内に滑り受容される挿入体１４の舌状部３６上に
付いている。この舌状部３６は、更に先導縁部３
９へ収れんしした先導傾斜面３８を含んでいる。

本体１２は横桟３１と後壁２６の間に延びてい
る可撓性で且つ弾性的に撓み得る可撓壁４０を含
んでいる。この可撓壁４０には傾斜路４２があ
り、この傾斜路４２は係合１２の出入口２５から
収れんして、舌状部３６の先導傾斜路３８を受容
するための相補面を形成する。

受器体１２の頂壁にある開口３２は複数の縁４
４，４６，４８で囲まれている。図示の実施例に
おいては、此等の縁４４，４６，４８は４つあ
り、第１図で判るとおり、隅丸のコーナで隣接し
ている。舌状部３６の突出部３４は開口３２の形
状にほゞ一致し、開口中にはまるようになつてい
る。

前述の４つの縁のうち前縁４８は、ほゞ内側に
向つて、即ち舌状部３６の挿入方向に向つて収れ
んした角度、つまり可撓壁４０の傾斜路４２とは
反対の方向に傾いて形成されている。又、上記前
縁４８と係合する突出部３４の後端５０にも同じ
角度に傾いて形成されていて、縁４８とロツキン
グ係合するようになつている。このように、これ
ら２つの縁４８と５０の係合は、突出部３４が開
口３２と係合すると、本体と挿入体１２と１４の
離脱を邪魔する。

さて、第５図は本体１２中に挿入体１４が差込
まれた途中の状態を示す。舌状部３６が可撓壁４
０上を滑らせて挿入すると、可撓壁４０が部分的
に撓まされる。斯くして、突出部３４の先導縁が
可撓壁４０により開口３２へ部分的に押し上げら
れる一方、突出部の後部は頂壁２４の下に保持さ
れている。それ故、挿入体１４を矢印５６の挿入
方向に移動させると挿入体１４は全体的に揺動滑
り運動を起こす。従つて両体１２と１４の相互係
合が比較的簡単である。そればかりでなく、挿入
体１４を矢印５６の方向に動かすと、可撓壁４０
は矢印５８の方向に全面的に弾性的にたわむ。従
つて、舌状部３６を充分にさし込んで、突出部３
４を開口３２と整合させると、可撓壁４０は第３
図に示すように元の状態に戻ることにより、両者
間の係合が生じる。

両体１２，１４の係合を外すには、突出部３４
を全体的に前下向き即ち矢印５８の方向に押込
み、突出部を開口３２から抜く。特に、この複合
運動により同じ様に角度が付いた縁４８と５０を
滑り係脱させることができる。この運動の下向き
分力によつて可撓壁４０も弾性的に撓み、その結
果生ずる協力傾斜路３８と４２との間に相互係
合、および可撓壁４０の弾性により舌状部３６、
ひいては挿入体１４は第５図の位置から本体１２
外に押し出される。

第６図、第７図は本体１２、挿入体１４の端面
図である。この図面で明らかな如く、舌状部３６
は、その両側縁部にある下向きの１対の脚部５
２，５４を有する。そして、本体１２には側壁２
８，２９と、可撓壁４０の各側縁との間に上脚部
５２，５４が通る１対の溝路６２，６４がある。
従つて、舌状部３６と本体１２との間のほゞ水平
な、即ち側部対側部の整合が促進される。その
上、本体１２の開放端部２５における横桟３１に
は中央に高段当接部６０があつて、さし込みの当
初に、この当接部６０が舌状部３６、特にその先
導傾斜路３８に当接して、それらの間の垂直方
向、即ち上下方向の整合を促進する。

突出部３４と共に舌状部３６、傾斜路３８、脚
部５２，５４は適宜のプラスチツク材から成形な
どにより一体的に形成することができる。同様
に、本体１２も開口３２、弾性可撓壁４０を含め
て、適宜のプラスチツク材から成形などにより同
様に一体的に形成することができる。

こゝに示し、かつ説明したのはウエブの端部を
釈放可能に連結する改良されたバツクルである。
そして、この説明を読めば、当業者なら種々な変
更、改良および修正が想起されるであろう。従つ
て、そのような変更、改良および修正は冒頭の特
許請求の範囲に記載された技術思想内にあればこ
の発明に含まれるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は係合状態の斜視図、第２図は、第１図２−２線
に沿う断面図、第３図は本体の第２図と同様な断
面図、第４図は挿入体の第２図と同様な断面図、
第５図は挿入体が本体中に一部差込まれている状
態の第２図と同様な断面図、第６図は本体の端面
図、第７図は挿入体の端面図で、図中、１２は本
体、１４は挿入体、１６，１８はウエブ。２４は
頂壁、２５は出入口、２６は後壁ないし端壁、２
８，２９は側壁、３２は開口、３４は突出部、３
６は舌状部を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開口３２を有する頂壁２４と、該頂壁の両側
   縁に沿つて対向して設けられた一対の側壁２８，
   ２９と、前記頂壁の後縁に沿うと共に、前記両側
   壁２８，２９の後部の間をつなぐ後壁２６と、前
   記頂壁の前縁部と対向して前端に出入口２５を形
   成するように前記両側壁の前縁間を連結する横桟
   ３１からなり、連結すべき一方のウエブ１６の端
   部を後端に取付けた中空な筒形本体１２と、 上記筒形本体の前端の出入口２５から筒形本体
   の内部に差込むことができる後向きの舌状部３６
   と、該舌状部の上面に盛り上がつて設けられ、前
   記頂壁２４にある開口３６の内部に嵌合すること
   ができる段状突出部３４を備え、連結すべき他方
   のウエブ１８の端部を前端に取付けた挿入体１４
   とからなり、 前記筒形本体１２の横桟３１と後壁２６の間
   を、横桟から後壁に向かつて上り坂の傾斜路４２
   を有する可撓壁４０で接続し、 前記挿入体１４の舌状部３６の後部下面には上
   記可撓壁４０の傾斜路４２とほゞ同じ角度で傾斜
   した先導傾斜路３８を設け、 前記筒形本体の頂壁にある開口３２の前縁４８
   と、この前縁に係合する挿入体の段状突出部３４
   の前縁５０を同じ角度で前記可撓壁４０の傾斜路
   ４２とは反対の方向に傾斜させ、 前記挿入体１４の舌状部３６の両側縁部には下
   向きに突出した一対の脚部５２，５４を設け、前
   記筒形本体１２の側壁２８，２９と可撓壁４０の
   各側縁との間には、前記舌状部の両脚部５２，５
   ４を受容する一対の溝路６２，６４を、舌状部の
   差込み方向に沿つて形成したことを特徴とするプ
   ラスチツク製バツクル。