JPH0226963B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は生体の呼吸状態を検出する検出具に関
するもので、特にエアーバツグによる空気の移動
量を電気的に変換して呼吸状態を知ることのでき
る呼吸検出用エアーバツグ検出具に関するもので
ある。

「従来技術」 患者の健康状態を知るには心電計が有効に利用
されているが、呼吸の障害を伴うときには呼吸器
官（肺）の状態を知らねばならない。この呼吸器
官の状態は呼吸の状態（例えば呼吸数、呼吸波
形）を知ることに把握できるものである。

ところで生体が呼吸を行うとき、胸部又は腹部
が動く、即ち胸部又は腹部の動きは呼吸の状態を
表わしているといえる。そのため胸部又は腹部の
動きを何らかの手段でとらえることができれば、
呼吸の状態を検出し記録することにより呼吸器官
（肺）の状態を知ることができるものである。

このことは実際に手術して肺の内部を知る必要
性のない非観血の患者監視法としてはきわめて効
果的なものである。

このような観点から従来患者の呼吸状態を監視
するにはインピーダンス方式、鼻腔サーミスタ方
式等が用いられている。前者のインピーダンス方
式は身体の表面のインピーダンスを測定すること
によつて呼吸状態を知るものである。即ち呼吸運
動をすることによつて身体の表面のインピーダン
スが変化し、この変化値によつて呼吸の状態を検
出するようにしたものである。

また後者の鼻腔サーミスタ方式は、鼻腔に小さ
い温度計を装着し、鼻から呼吸する際に周囲の温
度の変化を測定して呼吸状態を知るようにしたも
のである。

「発明が解決しようとする問題点」 ところでこのような方式によつて患者の呼吸状
態を知ることはできるわけである。しかしながら
例えばインピーダンス方式では呼吸感度が低く、
呼吸が浅い場合など適確な呼吸状態を検知するこ
とが難しいとともに心電計の電極と併用すること
が多いのでその取り付け位置が限定されるという
問題点があつた。

また鼻腔サーミスタ方式では、鼻にサーミスタ
（温度計）を装着するので、体裁が悪いとともに
長時間に亘ると苦痛をともなうという不都合があ
つた。

「問題点を解決するための手段」 そこでこの発明は、以上の問題点に着目してな
されたものであつて、 胸部又は腹部の膨縮に対応して膨縮するエアー
バツグ１による空気の移動量を受けてひずみ、対
極板１４との間に静電容量変化を起す振動膜１２
と、この容量変化を電圧変化としてよみとる電界
効果型トランジスター１５と、前記振動膜１２の
前方に位置し、前記空気の移動量が振動膜１２の
ひずみ以上となつた場合に、振動膜１２が機械的
に飽和するのを阻止するための減圧用フイルム１
０とを備えている、呼吸検出用エアーバツグ検出
具を提供して、安定した呼吸監視が可能となると
ともに高感度な呼吸検出ができる呼吸検出用エア
ーバツグ検出具を得ることにより、上記の問題点
を解決することを目的とするものである。

「実施例」 以下図面に従つて本発明の構成が実際上どのよ
うに具体化されるかをその作用とともに説明す
る。第１図，第２図は本発明の一実施例に基づく
エアーバツグを連結したエアーバツグ検出具の断
面図であつて、図中１は環状のエアーバツグで、
このエアーバツグ１はスポンジ２と塩化ビニール
製のスポンジカバー３と、鍔片４と空気誘導管と
を備えている。

そして上記エアーバツグ１のスポンジ２は連続
起泡が数多く形成されている軟質性の弾力あるポ
リウレタン製の合成樹脂で作製され、このスポン
ジ２の全周面を塩化ビニール製のスポンジカバー
３が被覆し、前記連続起泡内に内包されている空
気が逸散するのを阻止している。このスポンジカ
バー３で被覆されたスポンジ２は第４図，第５図
に示すように人体の胸部、腹部に密着され、人体
が呼吸するにともなう胸部、腹部の動きに対応し
てスポンジ２も膨縮する。即ち胸部、腹部の膨縮
にともなつてスポンジカバー３で包囲されたスポ
ンジ２内の起泡内に存在している空気は、空気流
となつて第４図に示すように空気誘導管５を通つ
て外へ押し出されたり、第５図に示すように引き
戻されたりするものである。

この空気誘導管５の他端には第３図に示すよう
に空気コネクター６が取り付けられている。この
空気コネクター６は、第４図，第５図に示すよう
にスポンジ２の膨縮による空気の移動を検出して
電気的信号に変換するためのエアーバツグ検出具
７に空気誘導管５を連結するためのものである。

このエアーバツグ１のスポンジ２の膨縮による
空気の移動を電気的に変換するためのエアーバツ
グ検出具７は、金属製の空気コネクター外筒内に
エレクトレツトコンデンサーマイクを嵌合したも
ので、エアーバツグ１の膨縮によつて移動する空
気流をエレクトレツドコンデンサーマイクの振動
膜まで導き、腹部、又は胸部の動きをエレクトレ
ツトコンデンサーマイクの静電容量変化として検
出するものである。

そこでこのエアーバツグ検出具７の構造を第６
図，第７図によつて説明すると、８は円筒状の空
気コネクター外筒で、この空気コネクター外筒８
内の下方部にエレクトレツトコンデンサーマイク
９が下方に嵌合され、空気コネクター外筒８とエ
レクトレツトコンデンサーマイク９との間には空
気室８ａが形成されている。このエレクトレツト
コンデンサーマイク９は円筒状のエレクトレツト
コンデンサーマイク外筒１１の内部に振動膜１
２、スペーサー１３、対極板１４、電界効果型ト
ランジスター１５が収納され、下方部は基板１６
で閉鎖されているものである。さらにエレクトレ
ツトコンデンサーマイク外筒１１上に減圧フイル
ム１０が位置している。

そして振動膜１２は前記エアーバツグ１の膨縮
により空気誘導管５を介して空気室８ａに導入さ
れた空気の移動量を受けてひずみ、対極板１４と
の間に静電容量変化を生じ、この静電容量変化を
電界効果型トランジスターを通すことにより電圧
変化としてよみとり、図示しない装置により呼吸
の数や波形として表示される。ところで前記エレ
クトレツトコンデンサーマイク９の振動膜１２
は、その形状によつてひずみ可能な量が決定され
ているため空気の移動量が、そのひずみ以上とな
つた場合機械的に飽和してしまい出力電圧に飽和
を生じる。これを避けるために振動膜１２の前方
に減圧用フイルム１０をはり、またこの減圧フイ
ルム１０の厚さや、材質を変えることにより容量
に感度調節を可能にしているものである。

次に以上の構成のエアーバツグ検出具７の作用
を説明する。先ず第４図，第５図に示されるよう
に人体の腹部にエアーバツグ１を粘着テープで密
着させる。密着されたエアーバツグ１は人の呼吸
にともなう腹部の膨縮運動によりエアーバツグ１
も膨縮する。即ち第４図に示されるように腹部が
膨張するとエアーバツグ１は押圧されて縮少し、
エアーバツグ１内に内包されている空気を空気誘
導管５を介して第２図に示すようにエアーバツグ
検出具７の空気室８ａへ送り込む。空気室８ａに
送り込まれた空気は減圧フイルム１０を介して振
動膜１２を押圧する。

また腹部が第５図に示されるように収縮すると
エアーバツグ１は膨張し、エアーバツグ１が膨張
すると、エアーバツグ検出具７に送り込まれてい
た空気は、空気誘導管５を介して第１図に示され
るようエアーバツグ１に引き戻され、振動膜１２
ももとの位置に戻される。この振動膜１２の動き
（ひずみ）は対極板１４との間に静電容量変化を
生じ、この静電容量変化を電界効果型トランジス
ター１５を通して電圧変化としてとらえ、この電
圧変化を図示しないデイスプレイにより呼吸数、
波形として視認し、呼吸状態を検知できるもので
ある。

「本発明の効果」 以上本発明によれば、エアーバツグの膨縮によ
る空気流をエレクトレツトコンデンサーマイクで
検出するようにしたので、検出感度が良好で正確
に呼吸状態を検出することができる。

また減圧フイルムを介して空気圧を検出するよ
うにしたので、振動膜が機械的に飽和するおそれ
はないとともに減圧フイルムの厚さや、材質を変
えることにより感度調節を容易にできる等の利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は膨張したエアーバツグを連結したエア
ーバツグ検出具の要部断面図、第２図は収縮した
エアーバツグを連結したエアーバツグ検出具の要
部断面図、第３図はエアーバツグ全体の平面図、
第４図，第５図はエアーバツグを腹部に密着した
ところの説明図、第６図はエアーバツグ検出具の
断面図、第７図はエアーバツグ検出具の分解斜視
図である。 １…エアーバツグ、７…エアーバツグ検出具、
９…エレクトレツトコンデンサーマイク、１０…
減圧用フイルム、１２…振動膜、１５…電界効果
型トランジスター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 胸部又は腹部の膨縮に対応して膨縮するエア
   ーバツグ１による空気の移動量を受けてひずみ対
   極板１４との間に静電容量変化を起す振動膜１２
   と、この静電容量変化を電圧変化としてよみとる
   電界効果型トランジスター１５とを有するエレク
   トレツトコンデンサーマイク９と、前記振動膜１
   ２の前方に位置し、前記空気の移動量が振動膜１
   ２のひずみ以上となつた場合に、振動膜１２が機
   械的に飽和するのを阻止するための減圧用フイル
   ム１０とを備えている、呼吸検出用エアーバツグ
   検出具。