JPH02264919A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH02264919A
JPH02264919A JP1085741A JP8574189A JPH02264919A JP H02264919 A JPH02264919 A JP H02264919A JP 1085741 A JP1085741 A JP 1085741A JP 8574189 A JP8574189 A JP 8574189A JP H02264919 A JPH02264919 A JP H02264919A
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祐二 早田
Minoru Akatsuka
赤塚 實
Kazutoshi Sawada
和利 沢田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野1 本発明は、高密度表示に適した液晶表示素子に関するも
のである。
[従来の技術] 従来、両電極間の液晶分子のツイスト角を大きくして、
鋭い電圧−透過率変化を起し、高密度のドツトマトリク
ス表示をする方法として、スーパーツイスト素子(T、
 J、 5chefferand  J、 Nehri
ng、  Appl、、 Phys、、 Lett、 
45(10) 1021−1023 (1984) )
が知られていた。
しかし、この方法は用いられる液晶表示素子の液晶の複
屈折率Δnと液晶層の厚みdとの積Δn−dの値が実質
的に0.8〜1.2μmの間にあり(特開昭60−10
720号)、表示色として、黄緑色と暗青色、青紫色と
淡黄色等、特定の色相の組み合せでのみ、良いコントラ
ストが得られていた。
このようにこの液晶表示素子では白黒表示ができなかっ
たことにより、マイクロカラーフィルターと組み合せて
、マルチカラー又はフルカラー表示ができない欠点があ
った。
一方、同様な方式を使用し、液晶の複屈折率と厚みとの
積Δn−dを0.6μm付近と小さく設定することによ
り、ほぼ白と黒に近い表示が得られる方式が提案されて
いる。  (M、 5chadtet  al、  A
ppl、 Phys、 Lett、  50(5)、 
 1987゜p、236 ) しかし、この方式を使用した場合においては表示が暗(
、かつ、最大コントラストがあまり大きくなく、青味を
帯びるため、表示の鮮明度に欠ける欠点があった。
また、白黒表示でかつコントラストの高い液晶表示素子
として、互いに逆らせんの液晶セルを2層積層し、一方
のセルのみ電圧を印加し、他方のセルは単なる光学的な
補償板として使用する方式が提案されている。(奥付ほ
か、テレビジ式ン学会技術報告、11(27)、p、7
9. (19g?))しかし、この方式は2贋セルでの
Δn−dのマツチングが非常に厳しく、歩留りの向上が
困難な上、液晶セルが2層必要なため、液晶セルの薄く
軽いという特長を犠牲にしている欠点があった。
また、上述した2層セルの一方を1軸性の複屈折フィル
ムで置き換え、白黒表示を可能にしたフィルム積層型液
晶表示素子も提案されている(特開昭63−27141
5号等)。
[発明の解決しようとする課題] このようなl軸性の複屈折フィルム方式のフィルム積層
型液晶表示素子では、液晶セルの補償を1軸性の複屈折
フィルムで行っているので、垂直方向では見栄えが良い
が、斜め方向から見た場合に色付いたり、白黒が逆転し
たりする欠点があった。このため、明るく、白黒度が良
く、かつ、視野角の広い液晶表示素子を、歩留り良(生
産することが困難であった。
明るく視野角の広い白黒表示素子は、単に特有な色付き
がなく見易いというだけでなく、カラーフィルターをセ
ル内部またはセル外部に形成して、従来通常の90°ツ
イストのツイストネマチック(TN)素子で実現されて
いた様な。
モノカラーまたはマルチカラーまたはフルカラー表示を
実現でき、薄(、軽く、低消費電力という特長を発揮し
て、その市場が飛躍的に拡大すると予想される。
このため、コントラストがよ(、明るく、かつ、視野角
の広い白黒表示素子を、歩留りよく生産できる液晶表示
素子が望まれていた。
]課題を解決するための手段1 本発明は、前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、ほぼ平行に配置され配向制御膜を有する一対の透明
電極付きの基板間に挟持された旋光性物質を含有した誘
電異方性が正のネマチック液晶によるねじれ角が160
〜3001の液晶層と、この液晶層を挟持する上下の基
板の透明電極間に電圧を印加する駆動手段とを有し、こ
の液晶層の外側に一対の偏光板を設置し、液晶層と偏光
板との間の片側に複屈折板を配置した液晶表示素子にお
いて、液晶層での液晶の屈折率異方性Δnlと液晶層の
厚みd、との積Δn+ ” dtが9.4〜1.5μm
とされ、前記複屈折板が3方向で屈折率が異なる複屈折
板を使用し、3個の主屈折率をnm、 ny、 nlと
し、0ヨ、o。
を複屈折板面内方向の屈折率としくnm>ny)、nl
を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、nm> n
x> nyとなるような複屈折板を配置したことを特徴
とする液晶表示素子を提供するものである。
本発明では、液晶層と偏光板との間の両側に、3個の主
屈折率をnm、 ny、 nxとし、ng、nyを複屈
折板面内方向の屈折率としく nm>ny) 、naを
複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、n。
>ny>nyとなるような関係を有する複屈折板を配置
したものである。
このため、液晶層は1層でよく、生産性を下げたり、色
ムラを起こしやすい第2の液晶層を設けな(でも、明る
い白黒表示の液晶表示素子が容易に得られる。さらに、
1軸性の複屈折板を用いた場合に比して、斜め方向から
見た場合の表示の品位の劣化が少な(、視野角の広い白
黒表示の液晶表示素子が容易に得られる。
この液晶層は従来のスーパーツイスト液晶表示素子の液
晶層と同じ構成の液晶層であり、電極群が対向しており
、これにより各ドツト毎にオンオフを制御可能とされる
。この液晶層のツイスト角は約160〜300°とされ
る。
具体的には、ほぼ平行に配置された一対の透明電極基板
間に旋光性物質を含有した誘電異方性が正のネマチック
液晶を挟持し、両電極間での液晶分子のツイスト角を1
60〜300°とすれば良い。これは、 160°未満
では急峻な透過率変化が必要とされる高デーティでの時
分割駆動をした際のコントラストの向上が少な(、逆に
300°を越えるとヒステリシスや光を散乱するドメイ
ンを生じ易いためである。
また液晶層の液晶の屈折率異方性(Δn+)とその液晶
層の厚み(dl)との積Δn1・dlが0.4〜1.5
μmとされる。
これは、0.4μm未満では、オン時の透過率が低く、
青味がかった表示色になりやすく、また、 1.5μm
を越えると、オン時の色相が黄色から赤色を呈し、白黒
表示となりにくい。
特に、表示色の無彩色化が厳しく要求される用途では、
液晶層のΔn+ ” (Lは0.5〜1.0μmとされ
ることが好ましい。
なお、このΔ助・dlの範囲は、その液晶表示素子の使
用温度範囲内で満足されるようにされることが好ましく
、使用温度範囲内で美しい表示が得られる。もっとも外
の性能の要求のために、使用温度範囲の一部でのみ、こ
の関係を満足するようにされることもありうる。この場
合には、Δnl ’ dlの範囲が上記範囲からはずれ
る温度範囲では、表示が色付いたり、視野角特性が低下
したりすることとなる。
所望のパターンにバターニングをしたITO(rnio
s−snow) 、Snug等の透明電極を設けたプラ
スチック、ガラス等の吊板の表面にポリイミド、ポリア
ミド等の膜を設け、この表面をラビングしたり、SiO
等を斜め蒸着したりして配向制御膜を形成した透明電極
付きの基板を準備して、この透明電極付きの基板の間に
、前記した誘電異方性が正のネマチック液晶による16
0〜3006ツイストの液晶層を挟持するようにされる
。この代表的な例としては、多数の行列状の電極が形成
されたドツトマトリックス液晶表示素子があり、一方の
基板に640本のストライブ状の電極が形成され、他方
の基板にこれに直交するように400本のストライブ状
の電極が形成され、 640X 400ドツトのような
表示がなされる。さらにこの640本のストライブ状の
電極を夫々 3本−組として1920本のストライブ状
の電極とし、RGBのカラーフィルターを配置してフル
カラーで640X 400ドツトの表示をすることもで
きる。
なお、電極と配向制御膜との間に基板間短絡防止のため
にTiO□、5L(h、A1□08等の絶縁膜を設けた
り、透明電極にA1. Cr、Ti等の低抵抗のリード
電極を併設したり、カラーフィルターを電極の上もしく
は下に積層したりしてもよい。
この液晶層の両外側に一対の偏光板を配置する。この偏
光板自体もセルを構成する基板の外側に配置することが
一般的であるが、性能が許せば、基板自体を偏光板と複
屈折板で構成したり、基板と電極との間に複屈折層と偏
光層として設けてもよい。
本発明では、上記液晶層の片側に隣接して、厚み方向の
屈折率が面内方向の屈折率と異なる複屈折板を積層する
。この複屈折板は、液晶層と偏光板との間に設ければよ
い。
また、この複屈折板は液晶層と偏光板との間に設ければ
よく、例えば、液晶層と電極の間に層状に設けたり、電
極と基板の間に層状に設けたり、基板自体を複屈折板と
したり、基板と偏光板との間に層状に設けたり、それら
を組み合わせて設けたりすれば良い。
本発明の複屈折板は、後述の複屈折性を示す透明板であ
れば使用でき、プラスチックフィルム、無機の結晶板等
が使用可能である。
この複屈折板とは、3個の主屈折率をny、 ny、n
工とし、ng、nyを複屈折板面内方向の屈折率とし(
nx> ny) 、 nXを複屈折板の厚み方向の屈折
率とした場合、n++> nx> nyとなるような複
屈折板である。
所望の複屈折効果を得るためにΔn3・d、=(nm−
ny)  ・dヨを調整して使用するが、1枚の板では
調整できない場合には、同じ複屈折板または異なる複屈
折板を3個の主屈折率ny、 ny、 n工の方向が一
致するように複数枚組合せて用いてもよい。
良好な白黒表示を行うためには、ある特定のツイスト角
とΔny・dlを持った液晶層に対し。
複屈折板のΔn2・d2の大きさ及びそれらの貼り付は
方向、さらに一対の偏光板の偏光軸の方向を最適化する
ことが重要である。
複屈折板のΔn1・d3の大きさは、この複屈折板を液
晶層と偏光板の間の片側に配置するため、概略液晶層の
Δn+ ” d+の大きさとほぼ同じの値か、それより
も少し小さめに設定すれば良好な白黒表示を得易い、具
体的には、約0.1〜1.5μmとされればよい。また
、この複屈折板を複数枚重ねて使用する場合には、総合
したΔn2・d2の値が上記の範囲になるようにすれば
良い。
そして、次に角度依存性を良(するために、n8の調整
が必要である。
本発明では、(nz−ny) / (nz−ny)の値
を0.1以上にすることが好ましい、これは、この値が
0.1未満の場合には、−軸性の複屈折板との効果の差
が十分得られに(いためである。
以下図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
第1図は本発明による液晶表示素子を模式的に現わした
斜視図である。第2図(A)(B)は、夫々上から見た
第1図の上側の偏光板の偏光軸方向、複屈折板の主屈折
率nyの方向及び液晶層の上側の液晶分子の長袖方向2
並びに、下側の偏光板の偏光軸方向、複屈折板の主屈折
率nyの方向及び液晶層の下側の液晶分子の長軸方向の
相対位置を示した平面図である。
第1図において、 l、2は一対の偏光板、 3は文字
や図形を表示するためのΔny・d、が0.4〜1.5
μmの誘電異方性が正のネマチック液晶によるねじれ角
が160〜30G”の左らせん(上から見て反時計方向
のねじれ)液晶層、4はその上に積層された複屈折板、
5は上側の偏光板の偏光軸、6は下側の偏光板の偏光軸
、7は液晶層の上側の液晶分子、8は液晶層の下側の液
晶分子、9は複屈折板の主屈折率nyの方向を示してい
る。
本発明で用いる複屈折板の主屈折率の定義について第3
図を参照して説明する。
本発明の複屈折板は、x、 y、 zの3方向で屈折率
が異なっている。このため、複屈折板の面内方向での屈
折率の大きい方向をX軸方向とし、屈折率の小さい方向
をy軸方向とし、厚み方向をZ軸方向とする。この夫々
の方向の屈折率をny、、ny、 nyとする、この場
合、ny>nyであり、Δnyモny−nyであり、本
発明では、nx> ny> n。
とされる、なお、dは複屈折板の厚みである。
第2図において、液晶層の上側の液晶分子7の長軸方向
からみた上側の偏光板の偏光軸5の方向を時計回りに計
ったものを01、液晶層の上側の液晶分子7の長軸方向
からみた複屈折板の主屈折率nyの方向9を時計回りに
計ったものをθ諺、液晶層の下側の液晶分子8の長軸方
向からみた下側の偏光板の偏光軸6の方向を時計回りに
計ったものをθ、とする0本発明では。
このθ1、θ2、θ3を白黒表示となるように最適化す
ればよい。
本発明の液晶表示素子をネガ型表示で使用する場合に、
例えば、液晶層のねじれ角を240゜程度とし、そのΔ
ny・dlを0.87μm程度とし、その上に配置した
複屈折板のΔn2・d2を0.58μm程度とすれば、
一対の偏光板の偏光軸をほぼθ〜60°程度の角度で交
差するように配置することが好ましい。
また、同じ液晶層と複屈折板とを使用し、ポジ型表示で
使用する場合には、片側の偏光板の偏光軸をほぼ90°
回転した状態に配置することが好ましい、これにより、
この液晶表示素子は、視角特性に優れたコントラストの
高い白黒表示が可能となる。
この場合、特にネガ表示については、40°≦θ3≦1
40°とすることにより、オフの透過率が低く、オンの
透過率が高い充分なコントラストを持つ表示が実現でき
るため好ましい。
特に、60°≦θ、≦120°とすることにより、オフ
の透過率が低く、充分なコントラスト比が得られるため
好ましい。
また、上記例では、液晶層を左らせんとしたが、らせん
が逆の場合には、液晶層の液晶分子の長軸方向、偏光板
の偏光軸の方向、複屈折板の主屈折率n8の方向との関
係θ1、θ2.θ、を反時計回りにして、同様に選ぶこ
とにより、上記例と同様に容易に白黒表示が得られる。
また、この複屈折板を液晶セルの下側に挿入した場合に
は、セルを下側から見て前述した関係と同様になるよう
に01、θ8、θ3を選べば良い。
以上の説明は、液晶表示素子の垂直方向に対して得られ
た最適化であり、−軸性の複屈折板を用いた場合と同様
である。しかし、−軸性の複屈折板で補償した場合には
、垂直方向ではうまく補償して高コントラストの白黒素
子にできても、斜め方向では補償がずれて色付いたり、
白黒が逆転してしまうことがある。
本発明では、nx> nz> nyとすることにより、
斜め方向から見た場合の色付を防止し、見栄えを向上さ
せることができる。
このnよは、nゆより大き(でも、nyより小さくても
、角度依存性は低下し、斜め方向から見た場合の見栄え
が低下する。特に、(nニーny) /(nニーny)
≧0.1とすることにより、斜め方向から見た場合の見
栄えの向上が大きい。
このような複屈折板としては、2軸延伸フイルムや、雲
母、石膏、硝石等の2軸性結晶を用いれば良い。
また、以上の説明では簡単に説明するために、複屈折板
の厚み方向の屈折率nyが厚み方向に対して均一である
と仮定しているが、必ずしも均一である必要はな(、厚
み方向の平均の屈折率が前記した条件を満足していれば
良く、厚み方向に対し、n8が不均一でも同様な効果を
生じる。
なお、本発明では、白黒表示に近く、視野角の広い表示
が得られるため、カラーフィルターを併用してカラフル
な表示が可能となる。特に、高デユーテイ駆動でも、コ
ントラスト比が高(採れるため、フルカラーによる階調
表示も可能であり、液晶テレビにも使用できる。
このカラーフィルターは、セル内面に形成することによ
り、視角によるズレを生じなく、より精密なカラー表示
が可能となる。具体的には、電極の下側に形成されても
よいし、電極の上側に形成されてもよい。
また、より色を完全に白黒化する必要がある場合には、
色を補正するためのカラーフィルターや、カラー偏光板
を併用したり、液晶中に色素を添加したり、あるいは特
定の波長分布を有する照明を用いたりしてもよい。
本発明は5このような構成の液晶セルに電極に電圧を印
加するための駆動手段を接続し、駆動を行う。
特に、本発明では明るい表示が可能なため。
透過型でも反射型でも適用可能であり、その応用範囲が
広い。
なお、透過型で使用する場合には裏側に光源を配置する
。もちろん、これにも導光体、カラーフィルター等を併
用してもよい。
本発明の液晶表示素子は透過型で使用することが多いが
、明るいため反射型で使用することも可能である。
透過型で使用する場合、画素以外の背景部分を印刷等に
よる遮光膜で覆うこともできる。また、遮光膜を用いる
とともに、表示したくない部分に選択電圧を印加するよ
うに、逆の駆動をすることもできる。
本発明は、この外、本発明の効果を損しない範囲内で、
通常の液晶表示素子で使用されている種々の技術が適用
可能である。
本発明では、時分割特性がスーパーツイスト液晶表示素
子と同程度であるうえ、前述したように明るく鮮明な白
黒表示が可能なため、赤、緑、青の三原色の微細カラー
フィルターをセル内面等に配置することにより、高密度
のマルチカラー液晶表示素子とすることも可能である。
本発明の液晶表示素子は、パーソナルコンピューター、
ワードプロセッサー、ワークステーション等の表示素子
として好適であるが、この外液晶テレビ、魚群探知器、
レーダー、オシロスコープ、各種民生用ドツトマトリッ
クス表示装置等白黒表示、カラー表示をとわず種々の用
途に使用可能である。
【作用1 本発明の動作原理については、必ずしも明らかではない
が、およそ次のように推定できる。
まず、液晶表示素子を垂直方向から見た場合について考
察する。
第4図(A)は、本発明の液晶表示素子と対比するため
に複屈折板を使用しないスーパーツイスト液晶表示素子
の構成を示す側面から見た模式図であり、ねじれ角が1
60〜300°で、Δn1−dlが0.4〜1.5μm
の正の誘電異方性を有するネマチック液晶による液晶層
13、とその上下に配置された一対の偏光板11.12
とを示している。この例では上下に配置された一対の偏
光板11.12の偏光軸の交差角を90°としている。
このような構成の液晶表示素子の場合、液晶層に電圧が
印加されていない状態または非選択電圧のような低い電
圧が印加された状態において、入射側の下側の偏光板1
2を通してほぼ完全に直線偏光化された光が、この液晶
[13を透過すると、だ円偏光状態となる。このだ円偏
光の形や方向は光の波長により異なり、光を赤緑青の3
原色に分けて考えると、第4図(B)のようになる。こ
れらの形も方向も異なっただ円偏光が出射側の上側の偏
光板11を通過すると、赤緑青の・光によって通過する
光の強度が夫々異なり、そのため特定の色に着色して見
えることとなる。なお、第4図(B)において15.1
6は夫々偏光板11.12の偏光軸を示す。
これに対して、本発明では第5図(A)にその側面から
見た模式図を示すように、ねじれ角が160〜300”
で、Δn+ ’ d+が0.4〜1.5μmの正の誘電
異方性を有するネマチック液晶による液晶層23、その
上側に配置された1枚の複屈折板24、さらに上下に配
置された一対の偏光板21.22とを示している。
この例では、液晶層のねじれ角を240゜Δn1・d、
を0.87μmとし、上下に配置された一対の偏光板2
1.22の偏光軸の交差角を30°としている。なお、
この例では説明を簡単にするために本発明の複屈折板を
液晶セル上面に1枚配置して使用しているが、2枚以上
の複屈折板を3個の主屈折率nm、 ny、 ntの方
向が一致するように用いても良い。
この複屈折板は、それ自体を偏光板の間に挟持すると、
垂直方向から見た場合、この複屈折板のΔn□・d、の
値によって、入射直線偏光を任意のだ円偏光にしたり、
円偏光にしたり、あるいは直線偏光に戻したりできる性
質がある。そのため、適当なΔny−ad、の複屈折板
を液晶層に重ねることにより、第5図(B)のようにす
ることができる。
即ち、液晶層に電圧が印加されていない状態または非選
択電圧のような低い電圧が印加された状態において、入
射側の下側の偏光板22を通してほぼ完全に直線偏光化
された光が、液晶層23を透過するとだ円偏光状態とな
る。このだ円偏光となった光が複屈折板24を通過する
ことにより、条件によってはだ円偏光を再度直線偏光に
近い状態に戻せる場合がある。
これは、光を赤緑青の3原色に分けて考えると、第5図
(B)のようになる。この例のように、赤緑青の偏光軸
の方向がほぼ揃い、かつ、ほぼ直線偏光に戻っている場
合、出射側の偏光軸の向きにかかわらず、通過する光強
度の波長依存性をなくすことができる。即ち、無彩色化
することができることとなる。
この例のように、その偏光軸を°30°程度交差して偏
光板を設置して、出射側での偏光が出射側である上側の
偏光板の吸収軸と一致している場合には、透過光強度は
最も小さくなり、黒く見えることとなる。これにより、
ネガ表示となる。なお、第5図(B)において25.2
6は夫々偏光板21.22の偏光軸を示す。
逆に、上側の偏光板の偏光軸を90°回転して出射側の
偏光の方向とほぼ平行にしてあれば、これらの強度は大
きいこととなり白(見えることとなり、ポジ表示となる
なお、表示のネガ、ポジは、液晶層のねじれ角、そのΔ
ny・dl、複屈折板のΔny・d2、それらと偏光板
との角度θ1、θ2、θ3等の構成用件を変えることに
より、変わる。
一方、この構成で液晶層に充分な電圧を印加した場合に
は、液晶層を透過しただ円偏光の形や方向が電圧印加前
と異なってくる。
そのため、複屈折板を通過した後のだ円偏光状態も異な
り、これによって透過率が変化し、表示が可能になる。
しかし、複屈折板の挿入により、電圧を印加しない状態
でうまくだ円偏光の形や方向を揃えられて黒または白の
状態ができたとはいえ、かならずしも電圧印加状態で白
または黒の状態になるとは限らない。このため、液晶層
のツイスト角、Δny・dl等のパラメータにより、複
屈折板のΔn2・d2、その光軸方向、偏光板の偏光軸
方向等を実験的に最適化することが好ましい。
このように、液晶表示素子を垂直方向から見た場合には
、複屈折板として単に一軸性の複屈折板を使用しても、
条件を最適化すれば、良好な白黒表示素子を得ることが
できる。
しかし、このような白黒表示素子を斜め方向から見た場
合には、表示が色付いて見えたり、白黒が逆転して見え
たりすることがある。
これは、もともと液晶分子は自体は一軸性であるが、第
6図のように液晶セル内ではらせん構造を取っており、
さらにマルチプレックス駆動のために、液晶セルに選択
電圧や非選択電圧を印加した場合には、中央付近の液晶
分子が立ち上がっているため、もはや−軸性の媒体とは
見なせなく、疑似的な二輪性の媒体と見なせる。
また、この時、第6図のように、液晶セル中央付近の液
晶分子に看目し、この領域における平均的な主屈折率を
nLm+ nLy、nLz  (ここでn−は中央の液
晶分子の基板への投影方向における平均的屈折率、nL
yは基板面内にありn−と直角な方向の平均的屈折率、
nL!は厚み方向の平均的屈折率)とすると、この領域
では液晶分子が少しらせん構造を取っており、かつ、立
ち上かっているので、nLx > nLx >nLyと
なっていることが予想される。
このため、このような液晶セルを斜め方向からも補正す
るためには、同じような特性の複屈折板が好ましく、本
発明のny> nx> nyとなるような複屈折板を使
用することが好ましいこととなる。
[実施例1 実施例1.2 第1の基板として、ガラス基板上に設けられたITO透
明電極をストライブ状にバターニングし、蒸着法により
SlO□による短絡防止用の絶縁膜を形成し、ポリイミ
ドのオーバーコートをスピンコードし、これをラビング
して配向制御膜を形成した基板を作成した。
第2の基板として、ガラス基板上に設けられたITO透
明電極を第1の基板と直交するようにストライブ状にバ
ターニングし、5insの絶縁膜を形成し、ポリイミド
のオーバーコートをし、これを第1の基板のラビング方
向と交差角60°となるようにラビングして配向制御膜
を形成した基板を作成した。
この2枚の基板の周辺をシール材でシールして、液晶セ
ルを形成し、この液晶セル内に誘電異方性が正のネマチ
ック液晶を注入して240゜ねじれの液晶層となるよう
にし、注入口を封止した。この液晶層ではΔn1・d、
は0.87μmであった。
この液晶セルの上面と上側の電光板との間に第1表(実
施例1〜3)及び第2表(比較例1〜3)に示すような
屈折率を持つ種々の複屈折板を1枚づつ夫々貼り付けて
視野角の広さを比較した。
この液晶表示素子の液晶分子の長軸方向、偏光板の偏光
軸方向及び複屈折板の主屈折率nyの方向との相対的な
関係は、θ+ ”45” 、θ2=95@、θs =1
350とした。
また、評価は、 1/200デユーテイ、l/15バイ
アスで駆動してオン状態、オフ状態でのコントラスト比
で行った。
第 表 第 表 その結果を第7図〜第12図に示す。第7図〜第12図
は、等コントラスト曲線と呼ばれるもので、セルの観察
方向を極座標表示し、その角度を(θ、ψ)と表わした
場合、この(θ、ψ)により、液晶セルのコントラスト
比がどのように変化しているかなθを0〜50°で変化
させ、甲をO〜3600変化させて示したものである。
なお、甲は図の主視角方向(下方)を0゜とし、反時計
回りに0〜360°とし、θは中心を01 とし、同心
円状にO〜50°とした。コントラスト比の曲線はl、
10.50のみを示した。
第7図〜第9図が、本発明による液晶表示素子の実施例
であり、第10図〜第12図は比較例である。
本発明では、第1表、第2表に示すように、n m >
 n m > n yとなるような複屈折板を使用して
いるので、従来の単なる一軸性の複屈折板の場合(nm
> jl、= ny、比較例2、第11図)より、斜線
で示したコントラスト比が1以下、即ち、白黒のコント
ラストが逆転してしまう領域が非常に小さくなった。ま
た、コントラスト比が高い領域(10以上)も広(なり
、視野角が広(高コントラスト比の素子が可能になった
一方、本発明以外の二軸性複屈折板を用いた場合、即ち
、比較例1 (n工> ny> ni)及び比較例3 
(ni> nm> ny)の場合には、夫々第1O図及
び第12図のように、やはり本発明のものよりも視野角
が狭(、かつ、コントラスト比の高い領域も狭いことが
わかった。
実施例4〜6 実施例1〜3の液晶表示素子の電極骨の基板の一方の基
板として、基板上にストライブ状に3色のカラーフィル
ター層を形成し、その上に電極を形成した電極付基板を
用いてセルを構成し、駆動したところ、フルカラーの階
調駆動が可能であった。
[発明の効果] 以上に説明したように本発明は、従来の2層型スーパー
ツイスト液晶表示素子または一軸性複屈折板を積層した
スーパーツイスト液晶表示素子と比べて、広い視野角及
びより優れたコントラスト比を持つ白黒表示が可能とな
り、鮮明で表示品位の高いポジ型あるいはネガ型の表示
が得られる。
また、時分割表示特性や視野角特性も従来のスーパーツ
イスト液晶表示素子と遜色がない等の優れた効果を有す
る。
また、表示が白黒に近(、かつ、広視野ということから
、カラーフィルターと組み合わせることにより、カラフ
ルな表示が可能となり、特に、赤、緑、青のカラーフィ
ルターを画素ごとに配置することにより、マルチカラー
やフルカラーの表示も実現できるという効果も認められ
、より多様性のある応用が開ける。
特に、本発明では白黒表示が可能であるにもかかわらず
、明るい表示が可能であり、透過型のみならず、反射型
の表示も可能であり、その応用範囲が広いものである。
さらに、本発明では、単に複屈折板を配置するのみで、
第2の液晶層を設けなくても明るい白黒表示が可能なも
のであり、液晶表示素子の生産性が極めて高いという利
点も有する。
本発明は、本発明の効果を損しない範囲内で今後とも種
々の応用が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による液晶表示素子を模式的に現わした
斜視図である。 第2図(A)(B)は、夫々上から見た上側及び下側の
液晶分子の長袖方向、偏光板の偏光軸方向及び複屈折板
の主屈折率nyの方向の相対位置を示した平面図である
。 第3図は、複屈折板の主屈折率の定義を示す斜視図。 第4図(A)(B)は、単なるスーパーツイスト液晶表
示素子の構成を示した模式図及びその偏光の状態を説明
する平面図。 第5図(A)(B)は、本発明の液晶表示素子の構成を
示した模式図及びその偏光の状態を説明する平面図。 第6図は、液晶セルの分子配列を示した図。 第7図〜第12図は、液晶表示素子の等コントラスト曲
線を示した図。 l、2.11.12.21.22は偏光板、3.13.
23は液晶層、 4.24は複屈折板、 5.6,15.16.25.26は偏光軸、7.8は液
晶分子の長軸方向、 9は複屈折板の主屈折率nyの方向 第 図 b 第 図 第 図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ほぼ平行に配置され配向制御膜を有する一対の透
    明電極付きの基板間に挟持された旋光性物質を含有した
    誘電異方性が正のネマチック液晶によるねじれ角が16
    0〜300°の液晶層と、この液晶層を挟持する上下の
    基板の透明電極間に電圧を印加する駆動手段とを有し、
    この液晶層の外側に一対の偏光板を設置し、液晶層と偏
    光板との間の片側に複屈折板を配置した液晶表示素子に
    おいて、液晶層での液晶の屈折率異方性Δn_1と液晶
    層の厚みd_1との積Δn_1・d_1が0.4〜1.
    5μmとされ、前記複屈折板が3方向で屈折率が異なる
    複屈折板を使用し、3個の主屈折率をn_x、n_y、
    n_zとし、n_x、n_yを複屈折板面内方向の屈折
    率とし(n_x>n_y)、n_zを複屈折板の厚み方
    向の屈折率とした場合、n_x>n_z>n_yとなる
    ような複屈折板を配置したことを特徴とする液晶表示素
    子。
  2. (2)請求項1記載の液晶表示素子において、複屈折板
    の屈折率が(n_z−n_y)/(n_x−n_y)≧
    0.1とされることを特徴とする液晶表示素子。
  3. (3)請求項1または2記載の液晶表示素子において、
    セル内面にカラーフィルターが形成されていることを特
    徴とする液晶表示素子。
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