JPH02263102A - 逆格子空間像の測定方法および電流像の測定方法 - Google Patents

逆格子空間像の測定方法および電流像の測定方法

Info

Publication number
JPH02263102A
JPH02263102A JP8444589A JP8444589A JPH02263102A JP H02263102 A JPH02263102 A JP H02263102A JP 8444589 A JP8444589 A JP 8444589A JP 8444589 A JP8444589 A JP 8444589A JP H02263102 A JPH02263102 A JP H02263102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
probe
sample
current image
tunnel current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8444589A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsugiko Takase
つぎ子 高瀬
Hiroko Ota
大田 浩子
Shuzo Mishima
周三 三島
Yasushi Miyamoto
裕史 宮本
Takao Okada
孝夫 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP8444589A priority Critical patent/JPH02263102A/ja
Publication of JPH02263102A publication Critical patent/JPH02263102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野] この発明は、結晶構造解析に関する。
[従来の技術] 従来、試料表面の結晶構造などの原子ザイズでの構造を
解析する手段として、回折法を用いたX線回折法などに
よる測定が行なわれている。
以下、X線回折を用いた構造解析の原理について説明す
る。
電子が連続的に分布している物質に、波長λ、振動数ν
の単色X線が入射されると、物質中の電子は入射X線と
同じ振動数で振動する。この結果、各電子を中心として
X線が散乱される。このとき、物質中の適当な位置に原
点をとり、この原点からみた電子の座標をrとし、座標
rにおける電子密度をρ(r)とすると、座標rにおけ
る散乱波は、p (r)exp (2πi (νt+δ
(r)))で示される。ここに、変数tは時間、2πδ
(r)は位相を示す。上式において、指数関数部が波を
数学的に表現した部分で、波が振動数νで周期的に変動
するのを示している。測定の際、観測点において実際に
観測される回折X線(散乱X線)は、物質のあらゆる所
から同じ振動数の波がρ(r)に比例して散乱されるの
で、物質中の各電子からの散乱X線の位相を考慮した重
ね合わせとなる。
このとき、散乱振幅Eは、 E=、l’ρ(r)exp (2πi(νt+δ(r))ldv =jp (r)exp (2πiδ(r))dv・eX
l)(2πiνt) !FIIexp(2πiνt) で示される。ここにFは、 F−fp (r)exp (2πiδ(r)ldvであ
る。
回折X線として観察されるのは、散乱振幅Eの2乗に比
例した量、すなわち、 E−E  =F・exp (2πiνt)eF    
 ・  exp   (−2π i   ν t)−F
−F  −[F] 2 に比例した量である。
座標「において散乱される波の位相δ(r)は、原点に
おいて散乱される波の位相δ(0)を基準にすると、2
つの波(座標rにおける散乱波と原点における散乱波)
の位相差で表わされる。すなわち、2つの波の行路差d
は、入射X線の方向をS (0) 、散乱波の方向を5
(1)とし、5(1)の方向で十分遠い距離の点でX線
を観察するとき、d−3(1) ・r−8(0) ・r であられされる。従って、位相差りは、D−2πd/λ 一2yr (S (1) /λ−8(0) /λ)・r
となる。ここで、(S (1) /λ−5(0)/λ)
は散乱ベクトルにと呼ばれ、散乱X線の入射X線に対す
る相対的な方向を示す。
この散乱ベクトルKを用いると、位相δ(r)および散
乱X線強度I (K)は、 δ(r)−にやr I (K)−E−E  −F−F  −[F] 2=j
p (r)exp (2πiK・r)dvで表わされる
。すなわち、散乱X線の強度は測定試料の電子密度をに
空間でフーリエ変換したものに対応している。
X線回折による試料表面の構造解析の場合、散乱X線と
入射X線のなす角度を変化させながら、すなわち散乱ベ
クトルにの大きさを変化させながら、X線散乱強度の散
乱ベクトル依存性1 (K)を測定する。これをフーリ
エ逆変換して、ρ(r) =J’F (K)exp (−2πiK争r)dv試料
中の電子密度ρ(r)の空間分布を求め、試料表面の結
晶構造などを推定する。
一般に結晶の電子密度の空間分布は、主に、単位格子を
基本構造として結晶全体に広がっている周期構造(基本
ベクトル:a、b、c)、単位格子内の原子(分子)配
列で決まる単位格子内の構造(基本ベクトル:rj)、
および、単位格子内のそれぞれの原子(分子)内部の電
子密度の空間分布(基本ベクトル:R)の3つの要因か
ら決定される。
この他の要因としては超格子を基本格子として結晶全体
に広がっている周期構造などが考えられる。
結晶上の座標rは、上述した3種類の基本ベクトルを用
いて、 r−(h−a+に拳b+1 ・c)+r j+Rで示さ
れる。この関係式を用いると、電子密度ρ(r)のフー
リエ変換で表わされる散乱X線強度Iは、 ■=(fρ((h−a十に−b+1拳c)十r j十R
)  ・exp (2π1K((h@a十にφb+11
1c)十rj十R) ) l 2 =((Σexp (2π I K −h 拳 a)φ 
Σ e X p (2π i K −k −b)・ Σ
 exp(2π i K ・ 1 ・ c))・ Σ 
exp  (2π iK−r  j)・ fρ (R)
 eXp (2π i −R)) 2=  (L  (
K)  ・ F  (K)  ・ f  (K)  +
  2となる。ここに、 L (K) = (ΣeXp(2π1K−h−a)争Σ
exp(2π1KIIk+1b) ・ Σ exp   (2π iK  −1拳 c)I
F (K) =Σexp (2πiKφr j)f  
(K)=fρ(R)eXp (2π1−R)である。こ
のように散乱X線強度■は、結晶構造因子L (K)と
単位胞構造因子F (K)と原子構造因子f (K)と
の積で表わされる。
この結果、X線回折法により得られた測定結果、すなわ
ち散乱X線強度Iから、試料表面の電子密度ρを求める
ことにより、試料表面の結晶構造、単位胞構造、あるい
は超周期構造などを推定することができる。
[発明が解決しようとする課題] 上述したX線回折法において測定される回折X線の強度
は、観測領域全体にわたる各電子の散乱強度の積分で表
わされるため、得られる情報は観測領域における平均構
造を表わす。従って、試料の局所構造の回折像を得るに
は、照射するX線のビームスポットを小さくすればよい
。しかし、X線ビームは、数十人平方程度まで絞り込む
ことはできない。このため、試料の局所構造は観測でき
ない。
例えば、室温付近でのフェノチアジンのように、単斜晶
形結晶ドメインがミクロな双晶構造をとる結晶の場合、
X線回折の測定結果は単斜晶形双晶の平均構造として斜
方晶形となってしまう。このため、単斜晶形結晶ドメイ
ンに関する情報はX線回折法からは得られない。このよ
うに、1.00〜106個の原子から構成されるドメイ
ンなどの局所構造を回折法を用いた測定から推定するこ
とは困難である。
この発明は、試料の局所構造を観測できる逆格子空間像
の測定方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明の逆格子空間像の測定方法は、試料表面に探針
を接近させて配置し、前記探針にバイアス電圧を印加さ
せて前記試料表面を走査させ、探針試料間に流れるトン
ネル電流を検出してトンネル電流像を得た後、このトン
ネル電流像をフーリエ変換して逆格子空間像を得ること
を特徴とし、この発明の電流像の測定方法は、試料表面
に探針を接近させて配置し、前記探針にバイアス電圧を
印加させて前記試料表面を走査させ、探針試料間に流れ
るトンネル電流を検出してトンネル電流像を得る工程と
、このトンネル電流像をフーリエ変換して逆格子空間像
を得る工程と、この逆格子空間像から特定の周期構造の
像を選択する工程と、この周期構造の像を逆フーリエ変
換して、特定の周期構造をもつ電流像を得る工程とを有
することを特徴とする。
[作用] この発明では、試料表面に探針を接近させて配置し、前
記探針にバイアス電圧を印加させて前記試料表面を走査
させ、探針試料間に流れるトンネル電流を検出してトン
ネル電流像を得る走査型トンネル顕微鏡(STM)にお
いて、 得られるトンネル電流像をフーリエ変換して逆格子空間
像を得る。
さらに、この逆格子空間像から特定の周期構造の像を選
択し、この周期構造の像を逆フーリエ変換して、特定の
周期構造をもつ電流像を得る。
上述したSTMは、特許国際公開W o 891016
03において公知である。このSTMにおいて、探針−
試料間に流れるトンネル電流の大きさJは、 J=A−exp (−2kL)p (r)で表わされる
。ここに、Lは探針−試料間距離、ρ(r)は試料表面
の電子密度の空間分布である。
上式かられかるように、トンネル電流は、探針−試料間
距離が長くなると指数関数的に減少し、試料表面におけ
る電子密度ρ(r)の面内分布に比例している。測定さ
れるトンネル電流信号は、10人平方〜10μm平方程
度の走査領域内における試料表面の電子密度の空間分布
を示す。電子密度の空間分布は、走査領域内の試料表面
の位置に関する情報、例えば、どの位置に凹凸があり、
どの位置に電荷が集中しているかなどといった情報を示
す。しかし、このトンネル電流像から局所構造内部の周
期や周期構造の乱れの度合などに関する定量的データを
直接的に求めることはできない。
STMにより得たトンネル電流像をフーリエ変換するこ
とにより、逆格子空間像を得る。この逆格子空間像は、
探針の走査領域、すなわち10人平方〜10μm平方程
度の局所領域の回折像の情報に等しい。従って、試料の
局所構造を解析する情報を得ることができる。
[実施例] 走査型トンネル電流顕微鏡の上面図および側面図を、第
1A図および第1B図に示す。
方形の基板1の一方の端部上面に立設されたほぼ三角状
のマイクロベース2のほぼ中心部には、このマイクロベ
ース2に直交するように差動マイクロメーター3が固定
されている。この差動マイクロメーター3は、その先端
部がマイクロベース2の前面に突出する一方、後端に設
けられた操作部がマイクロベース2の後面に突出してい
る。差動マイクロメーター3の先端部は、基板上に配置
されたゴニオメータ−4に垂直に設けられた板バネ5に
接している。板バネ5の上部には、板バネ5に直交する
ように積層型圧電アクチュエーター6が固定されている
。さらに積層型圧電アクチュエーター6の先端部は、ゴ
ニオメータ−4に直交して固定された試料台7に接して
いる。試料8は、試料台7の上端部に保持される。
また、基板1の他方の端部上面にはスキャナーベース1
0が立設されている。スキャナーベース10のほぼ中央
部には、スキャナーである円筒型圧電アクチュエーター
11が、その軸線が差動マイクロメーター3の軸線に一
致するように、スキャナーベース10に固着されたスキ
ャナー受け12により保持されている。円筒型圧電アク
チュエーター11の先端の中心部には、トンネル電流を
検出する探針13が、ホルダー14を介して垂直に設け
られている。この結果、探針13は試料面に垂直に配置
される。
差動マイクロメーター3は、操作部を所定角度回転させ
ることにより、その先端部が前方に微小距離移動し、積
層型圧電アクチュエーター6及び試料台7を前方に押し
出す。この結果、試料台7に保持された試料8は探針1
3に接近する。このように、差動マイクロメーター3は
、試料面に垂直な方向(Z方向)の粗動機構を構成する
円筒型圧電アクチュエーター11は、長さ40n+m、
肉厚0.5訂の中空構造をなし、内側には試料面に垂直
なZ方向制御用の単一電極を備え、外側には試料面に平
行なX、Y方向に位置制御するための4分割電極を備え
る。これらの電極に電圧が印加されることにより、3次
元方向に走査される。この円筒型圧電アクチュエーター
゛のX、 Y方向の最大走査範囲は10μm平方で、Z
方向の最大移動距離は3μmである。
測定動作について説明すると、まず試料8と探針13の
間にはトンネルバイアス電圧が印加される。また、積層
型圧電アクチュエーター6がオートアプローチ駆動回路
により駆動されて、探針13が試料8に接近される。こ
のとき、探針−試料間に流れるトンネル電流の値(実際
には電流−電圧変換された後の電圧信号である)は、常
時、コンパレーターにより基準値(電流信号換算で0.
5nAに対応する電圧信号)と比較される。トンネル電
流の値が0.5nAを越えると、オートアプローチ駆動
用パルス発生回路が停止されて、探針13の接近が停止
される。
次に、探針13と試料8の間に流れるトンネル電流が5
nAになるように、サーボ回路により制御された電圧が
、円筒型圧電アクチュエーター11のZ方向制御用電極
に印加されて探針13と試料8の間の距離が制御される
。このとき、探針]3が試料8と接触しないように、探
針13は試料の表面構造の空間周波数(周期)よりも十
分低い周波数でザーボ制御される。さらに、円筒型圧電
アクチュエーター11のX、Y走査用電極にX、 Y走
査用の交流信号が印加され、探針13がX、 Y方向に
走査される。このとき、オートアプローチ回路により積
層型圧電アクチュエーター6に印加される電圧が調整さ
れ、探針13と試料8の間の距離か微調整される。
検出されたトンネル電流信号は適当に増幅され、アナロ
グのバイパスフィルター ローパスフィルター、バンド
パスフィルター等によりフィルタリングされた後、A/
D変換されてコンピュータに取り込まれる。このフィル
タリングは、注目する周期構造を効率よく取り出すため
に設けられる。
またトンネル電流信号の取り込みは、X、Y走査信号に
同期させて行なわれる。コンピューターに取り込まれた
トンネル電流は、画像処理(スムリング、デジタルフィ
ルタリング)された後、CRTあるいはビデオプリンタ
ー上に出力され、トンネル電流像が得られる。
このようにして得られたトンネル電流像をフーリエ変換
する。以下、フーリエ変換の手法について述べる。
X、yを変数とする連続関数g (x、y)の2次元フ
ーリエ変換G(kx、ky)は、G (kx、 ky)
 =f″、I” g (x、 y)exp (−2πi
 (k)(x十ky y)l dxdy逆変換は、 6Xp (2πi (kX x+Icy y)l dx
dyである。
しかし、実際のSTMの画像は第2図にしめされるよう
に256X256の画素から構成される。
各画素は試料表面のその点におけるトンネル電流を反映
した信号を諧調表示したものである。従って、上記した
フーリエ変換(およびフーリエ逆変換)は適用できず、
離散フーリエ変換が有効である。離散フーリエ変換を2
次元に拡張して適用すると、 G (pkx、  qkY) Wx”pWyoqg  (mxo 、  n ’5’o
 )=1/(M−N) WxWY−nq −n+p となる。ここに、 k×=27r/Mx(1、ky =2π/ N Y o
 。
WX =exp (−2πi/M)。
Wy = e x p (−27(1/N)である。
ところで、フーリエ変換を行なった結果得られるG(k
x、kv)あるいはG (pkx 、  Q kv )
は複素振幅スペクトルと呼ばれる複素数である。
逆字間(k空間、周波数空間)で表示する場合にはパワ
ースペクトルP (k)を用いる。
G (k) =R(k) + i I  (k)とする
と、パワースペクトルは、 P (k)=lG (k)+2 =R(k) 2 +I (k) 2 となる。パワースペクトルを計算すると、2次元フーリ
エ変換した画像を逆字間で表示される。
グラファイトのトンネル電流像が第3図に示される。こ
れをフーリエ変換してパワースペクトルを計算して表示
したものが第4図に示される。第4図はグラファイトの
結晶構造の3回対称性を反映している。
ところで、STMにおいてアクチュエーターの変位量は
、圧電定数から求めている。あるいは、STMで標準試
料の測定を行い、その結果を用いて較正が行なわれてる
この発明によれば、結晶の対称性またはX線回折のデー
タを第4図の結果と合わせて解析することにより、アク
チュエーターの変位量を正確に求めることかできる。さ
らに、アクチュエーターのx、X方向の変位量の違いに
よるひずみなどを較正することができる。
実空間で全ての周期構造をコンシステントに較正するこ
とは難しいが、逆字間で1次変換のパラメータを求める
ことは容易である。第4図かられかるように、たかだか
6・点がリファレンスにあるように1次変換のパラメー
タを決めればよい。パラメータが決まれば座標変換は実
空間で行なっても、逆字間で行なってもよい。すなわち
全ての画素に同じ変換をすればよい。
さらに逆字間でフィルターをかけることで任意の周期構
造、あるいはバックグラウンドなどの情報のみを取り出
すことができる。
次に、別の実施例であるIT  TaS2  (遷移金
属力ルゴゲナイド)の測定について説明する。
測定装置には、上記の実施例と同様に第1A図および第
2B図に示される装置が使用される。このとき、探針の
走査範囲は48人平方で、この走査範囲が256X25
6の画素に分割される。探針は、1画素あたり0,15
秒でX方向に走査され、X方向走査が1ライン終了ごと
にX方向に走査される。また、2方向のサーボ回路は、
0.5S程度の時定数で駆動される。この結果、探針は
試料表面の大きな凹凸だけを追随し、測定する構造は追
随しない。
このような装置の探針に10mVのバイアス電圧が印加
され、平均5nA、変動幅1nA程度のトンネル電流が
検出される。検出されたトンネル電流は、2〜200H
z帯の信号を通すアナログのバンドフィルターを透過し
た後、IOV程度まで増幅され、A/D変換される。A
/D変換された信号は、12ビツト、入力定格10Vの
コンピュータに取り込まれて処理され、トンネル電流像
が得られる。
このようにして得られたIT−TaS2のトンネル電流
像が第5図に示される。トンネル電流像は2次元の濃淡
像として表わされる。図において、小さな周期構造は原
子を表わし、大きな周期構造はCDWを表わしている。
このトンネル電流像を256X256の2次元配列とし
て取り込み、2次元フーリエ変換してパワースペクトル
計算し、このパワ−スペクトルを2次元画像として逆字
間で表示したのが第6図に示される。この画像において
、パワースペクトルの強度は画像の濃淡として表わされ
ている。このパワースペクトルの画像はラウェパターン
に対応する。内側の6つのスペクトルがCDWの構造で
あり、外側の6つのスペクトルが原子の構造である。い
ずれも結晶の3回対称性を反映している。
コンピューターを用いて第6図の画像上のスポットのミ
ラー指数付けを行なった結果が第7図に示される。第7
図において、白丸が結晶構造に対応するスポットであり
、黒丸が電荷密度波の構造に起因するスポットである。
図に示されるように、白丸のスポットが6回対称で、空
間周波数が18Hzであることから、IT−TaS2の
結晶構造が6回対称であり、格子定数が3人であること
がわかる。また、黒丸のスポットが6回対称で、空間周
波数が4112であることから、IT  TaS2上の
電荷密度波が6回対称であり、周期は12人であること
がわかる。さらに、白丸のスポットと黒丸のスポットと
のなす角度が12.5°であることから、電荷密度波の
構造が結晶格子に対して12.5°ずれていることがわ
かる。
第7図に示されるパワースペクトル像の黒丸のスポット
に対応する周波数成分だけをフィルタリングして抜き出
し、これを逆フーリエ変換した結果、すなわちCDW像
が第8図に示される。これは、電荷密度波成分だけのト
ンネル電流像に対応している。これにより、第6図に示
されるトンネル電流像では不明確であった電荷密度波の
構造が明確にわかる。また、パワースペクトル像から白
丸のスポットだけを抜き出し、逆フーリエ変換した結果
、すなわち原子像が第9図に示される。
つぎに、原子とCDWの周期構造を分離する方法を説明
する。m5図の画像から原子像を取り出す方法について
説明すると、逆字間で原子を反映したスペクトルのみを
通すフィルターを用い、原子の周期構造を反映した外側
のスペクトルを中心として適当な半径の窓をあけて必要
なスペクトル成分を通すことにより得られる。
実際には、窓をあけた部分には1または任意の形の関数
をかけ、他の部分には0をかけることでフィルタリング
できる。任意の形の関数としては、スペクトルの位置を
中心とするガウス関数やローレンツ関数などが適当であ
る。
このように逆字間上でフィルターを通したものを逆フー
リエ変換すれば原子像のみが得られる。
同様にして、CDWの周期のみを取り出すことも可能で
あり、2との周期構造を分離できる。この結果、IT−
TaS2の結晶構造に起因する周期構造と、ITTaS
2上の電荷密度波に起因する構造の2つが同時に観測す
ることができる。
[発明の効果コ この発明によれば、トンネル電流像をフーリエ変換する
ことにより、局所領域の逆格子空間像が得られるので、
結晶構造の決定および結晶性の評価がより正確に行える
ようになる。さらに、逆格子空間像を逆フーリエ変換す
ることにより、観測する周期構造のみを分離することが
できるので、トンネル電流像からはわからない結晶構造
の決定や観察が容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1A図および第2B図は、走査型トンネル顕微鏡の構
成説明図、 第2図は、トンネル電流像の画像構成を説明する図、 第3図は、グラファイトのトンネル電流像、第4図は、
グラファイトのパワースペクトル像、第一51、図は、
IT−TaS2のトンネル電流像、第6図は、I T 
 T a S 2のパワースペクトル像、 第7図は、第6図の画像上のスポットのミラー指数付け
を行なった結果を示し、 第8図は、IT−TaS2のCDW像、第9図は、IT
TaS2の原子像を示す。 (符号の説明) 8・・・試料、13・・・探針。 出願人代理人 弁理士 坪井  淳 第 図 第4 図 図面の浄書(内容に変更なし) 牙 図 牙5″図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)試料表面に探針を接近させて配置し、前記探針に
    バイアス電圧を印加させて前記試料表面を走査させ、探
    針試料間に流れるトンネル電流を検出してトンネル電流
    像を得た後、このトンネル電流像をフーリエ変換して逆
    格子空間像を得ることを特徴とする逆格子空間像の測定
    方法。
  2. (2)試料表面に探針を接近させて配置し、前記探針に
    バイアス電圧を印加させて前記試料表面を走査させ、探
    針試料間に流れるトンネル電流を検出してトンネル電流
    像を得る工程と、 このトンネル電流像をフーリエ変換して逆格子空間像を
    得る工程と、 この逆格子空間像から特定の周期構造の像を選択する工
    程と、 この周期構造の像を逆フーリエ変換して、特定の周期構
    造をもつ電流像を得る工程とを有することを特徴とする
    電流像の測定方法。
  3. (3)前記逆格子空間像を表示装置に表示することを特
    徴とする請求項1記載の逆格子空間像の測定方法。
  4. (4)前記電流像を表示装置に表示することを特徴とす
    る請求項2記載の電流像の測定方法。
JP8444589A 1989-04-03 1989-04-03 逆格子空間像の測定方法および電流像の測定方法 Pending JPH02263102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8444589A JPH02263102A (ja) 1989-04-03 1989-04-03 逆格子空間像の測定方法および電流像の測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8444589A JPH02263102A (ja) 1989-04-03 1989-04-03 逆格子空間像の測定方法および電流像の測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02263102A true JPH02263102A (ja) 1990-10-25

Family

ID=13830803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8444589A Pending JPH02263102A (ja) 1989-04-03 1989-04-03 逆格子空間像の測定方法および電流像の測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02263102A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103376339A (zh) * 2012-04-27 2013-10-30 中国科学院沈阳自动化研究所 一种基于原子力显微术的石墨烯晶向快速检测方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103376339A (zh) * 2012-04-27 2013-10-30 中国科学院沈阳自动化研究所 一种基于原子力显微术的石墨烯晶向快速检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10921266B2 (en) Imaging device, imaging method, and imaging system
Smith et al. Spatially resolved acoustic spectroscopy for rapid imaging of material microstructure and grain orientation
Lubk et al. Differential phase contrast: An integral perspective
Gammer et al. Diffraction contrast imaging using virtual apertures
Wilson Imaging properties and applications of scanning optical microscopes
WO1982000891A1 (en) Method and device for structural superficial and deep analysis of a body
JP2005062197A (ja) 走査型プローブ顕微鏡装置
Klapetek et al. Error mapping of high-speed AFM systems
US20180076005A1 (en) Method of determining the deflection of an electron beam resulting from an electric field and/or a magnetic field
DE2517628A1 (de) Auf ultraschallschwingungsenergie ansprechende einrichtung
EP1910815B1 (en) Method and apparatus for non contact scanning acoustic microscopy
Rubano et al. Optical second harmonic imaging as a diagnostic tool for monitoring epitaxial oxide thin-film growth
JPH02263102A (ja) 逆格子空間像の測定方法および電流像の測定方法
Stöger-Pollach et al. Valence EELS below the limit of inelastic delocalization using conical dark field EFTEM or Bessel beams
Berujon et al. At-wavelength metrology using the X-ray speckle tracking technique: case study of a X-ray compound refractive lens
CN101819217A (zh) 一种微纳米尺度平面周期性结构的反演方法
Putzeys et al. High sensitivity scanning pyroelectric microscope: Interdigitated comb electrodes and advanced image processing
Gayle et al. Two-dimensional strain-mapping by electron backscatter diffraction and confocal Raman spectroscopy
JP4600239B2 (ja) 磁性電子顕微鏡
Yasui et al. Real-time two-dimensional spatiotemporal terahertz imaging based on noncollinear free-space electrooptic sampling and application to functional terahertz imaging of moving object
Gainutdinov et al. Scanning Capacitance Microscopy of Triglycine Sulfate Crystals with the Profile Chromium Distribution
US6590209B1 (en) Technique to quantitatively measure magnetic properties of thin structures at <10 NM spatial resolution
Clerjaud et al. Heterodyne method with an infrared camera for the thermal diffusivity estimation with periodic local heating in a large range of frequencies (25 Hz to upper than 1 kHz)
EP3517939A1 (en) Arrangement for omnidirectional scattering imaging
JP4007305B2 (ja) 電子顕微鏡の分解能評価方法および電子顕微鏡の調整方法